表紙 「マイノリティ・レポート」
フィリップ・K・ディック 著/朝倉久志・他 訳
カバーイラスト:野中昇
カバーデザイン:ハヤカワ・デザイン
ハヤカワSF文庫
ISBN4-15-011278-9 \640(税別)

 スピルバーグ監督、トム・クルーズ主演で2000年夏公開予定の映画、「マイノリティ・レポート」からはじまって、シュワルツェネッガーの「トータル・リコール」の原作、「追憶売ります」で締めくくるディックの短編集。'50〜'60年代の、まだディックがアヤしさを全開する前(笑)の作品ってことで、どれもシンプルかつタイト、短編SFってなあこう書くんだ、のお手本みたいな作品が並んだ楽しい一冊。

 当時の世相を反映するかのような、ディストピア指向とか、いかにもディックらしい「オレってホントにオレ?」みたいなノリもしっかり健在でうれしくなっちゃいますね。

 どれもイイ感じですが、なんといっても現実のSF大会に集まる実在の作家たち、とりわけポール・アンダーソンの大活躍を描く(笑)「水蜘蛛計画」が抱腹絶倒の面白さ(^o^)

99/7/11

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