7.月にいるのはウサギか蟹か?


  日本では古くから、月にはウサギがいると言い伝えられています。月の表面の模様を想像力豊かな昔の人がウサギに見立てたんでしょう。
  でも、ほかの国に行くとそれぞれ、違う形に見立てていたりします。

  お下げ髪のインディアン娘、はさみを振りかざした蟹などいろいろ。そう言われて見ると、なんとなくそう見えてくるのが不思議です。でも、夜中に高々と上ったお月さんを見ても、どうもウサギが餅をついているようには見えない。だいたい、角度が変だよね。
  そう、日本では高々と上った月ではなく、地平線から上ってくる月を見ていたんです。

左に90度回転!
きれいな満月でも角度が、、、  上ってくる頃は?

  この「上ってくる月をみる」という文化はさまざまなところに顔を出します。半月の向きを表す言葉、上弦、下弦。高く上った半月は上とか下じゃなく、右か左を向いています。つまり、上ってくる月における弦の位置を表した言葉なんですね。(←うそでした。逆です。)
  また、十五夜を過ぎた月を表す言葉は、立待ち月、居待ち月、寝待ち月など、上ってくるのを待っていた古来の日本人の姿が伺えます。

  「上ってくる」のを見ているのは月だけではなく、太陽もそう。日本の子供に太陽を描かせると赤。でも、西洋の子供は黄色を使うそうです。高く上った太陽は確かに黄色(白?)ですが、朝、上ってくる太陽は赤いですよね。そういえば、夜更かしして寝坊して、「太陽が黄色く見える」なんていう表現もありましたっけ。

、、、と朝になったところで、ではまた、さようなら。

前のお話


戻る
ひとつ上へ戻る
てっぺんへ戻る