System 7,Mac OS,Mac OS X,macOS

これらの記載はあくまで「一人のユーザからみた」物語であり,独自の取材や調査を行って史実を書き記したものではない。インターネットでも簡単に入手できるレベルの最少限の名称確認などは行ったが,他は記憶と私見によっている。

私は,最初に使ったMac OS以降,全てのバージョンにお付き合いしている。一番右の数字の細かなバージョンまで飛ばしているものはない。7.5.1とか7.5.2とかMac OS Public betaまで。その全部は書けないし,正確に思い出せないので,本当に(私が考える)代表的なものだけあげる。

全てに付き合えているのは,そういう病気だから,ということもあるが,AppleのOS戦略のおかげ(せい)でもある。OS単体の値段を安くしているのもあるが,それ以上に大きいのがOSのバージョンとハードウェアが基本的に連動していないことだ。技術的にやむを得ない場合に古いハードからサポートされなくなる,という仕組みだ。ある程度はハードを買い替えることなくOSのバージョンを上げることができる。全体の操作感はバージョンが変わっても大きく変わることはない(Classic Mac OSからMac OS Xの変更を除く)ので,メーカーもユーザも頻繁にOSのバージョンを上げることができる。もちろんバージョンを上げた結果,動作が重くなりすぎて結果的に少し前のバージョンが良かった,ということはよくあるが。

逆も然りで,大きくハードが変更されてもそのタイミングではOSまで全く新しくなってしまうことはない。これはある意味感動的で,CPUが変更されてもOSは同じものが動いた。Mac OS 7.5〜8.1は68K(この意味がわかる人が今どれくらいいるだろうか)とPowerPCという全く異なるCPU上で動いていたし,Mac OS X 10.4〜10.5はPowerPCとIntel CPUというこれまた全く異なるCPU上で動いていた。

OS X Yosemite (10.10)

OS X Mavericks (10.9)

OS X Mountain Lion (10.8)

OS X Lion (10.7)

Mac OS X 10.6 Snow Leopard

Mac OS X 10.5 Leopard

Mac OS X 10.4 Tiger

Mac OS X 10.3 Panther

Mac OS X 10.2 - Jaguar -

Mac OS X 10.1 - Puma -

Mac OS X 10.0 - Cheetah -

Mac OS X Public Beta - Siam -

Mac OS 9.1

Mac OS 8.1

System 7.5.3(漢字Talk7.5.3)

System 7.1(漢字Talk7.1)

OS X Yosemite (10.10)

さらにiOSとの統合が進んでいる。パーソナルコンピュータのOSがiOSのようなシングルウィンドウになるとは考え難く,またiOSがマルチウィンドウになるとは考え難い。両者の違いはそこだけになるかもしれない。もしかしたら,それも別の解決法で共通化されるかもしれない。

CPUの進歩が鈍化し,強力なパワーや特殊なハードウェアを要する新技術の登場がないせいか,ここのところのシステム要件の制約の変化は緩やかだ。Mavericksからだと全く変化がない。

iCloudが更に強くシステムに食い込んで来ていることから,iCloudを使うこと自体にYosemiteが必要だ。この辺りを使い込んでいるユーザは,使っているアプリケーションに問題がなければYosemiteにアップするしかない。動作の重さはMavericksも変わらないので,逆にMavericksにこだわる理由もあまりない。

OS X Mavericks (10.9)

Lionから始まったiOSとの統合がさらに進んだ。iBooksが,マップがiOSからやってきた。OS X・iCloud・iOSとの連携がさらにスムーズにできるようになった,と言えるか。Mavericksに合わせたiWorkが登場し,ようやくiOS版・Web版(iWork for iCloud)ともシームレスに同期するようになった。おそらくシームレスな同期が優先されたためであろう,Mac版は一部機能が犠牲になっている。これは今後のバージョンで解消されると思うが。

前バージョンでぎりぎりインストール可能だったMacmini Early 2009(4Gメモリ)は何とか今回も振り落とされずに残った。しかし,Mountain Lionの所でも書いたように,前バージョンでも苦しかったが,いよいよ遅い。特に革新的な機能が追加されたわけではないのに,何となく変だと感じていた。全てのアプリケーションの動作がもたつく,あたかも昔よく体験したメモリ不足のよう,と思って何気なくアクティビティモニタを開けてみた。ほとんど何もしていないのに4Gのメモリを使い切り,スワップファイルを作っていた。買った時にメモリは最大の4Gに拡張していたので,私のMacmini Early 2009もこれまで,と思った。しかし,よく調べてみると公式には最大メモリ4Gであるが,8G化が可能のようだった。結論を言うと,元々刺さっていた4Gを8Gメモリ(シー・エフ・デー販売 メモリ DDR3 SO-DIMM PC3-8500 CL7 256x8Mbit 4GB 2枚組 W3N1066Q-4G,2014年1月で約8,500円)に差し替えて,あっさり8Gにできた。動作は見違える程良くなった。やはり,革新的なテクノロジーが追加されたわけではなく,走っているサービスが増えただけ,という方が近いのだろう。OS自体はそれ程CPUパワーを必要としていないようだ。

もしかしたら将来は,コンピューター・現在のiOS機器のOSとも名称の統一が行われ,同じようなバージョンアップを行うようにするかもしれない。つまりは,最初から両方で使える,または協調的に使える機能を展開してくるかもしれない。

OS X Mountain Lion (10.8)

かつて新しいOSといえば,新しいテクノロジーをサポート,など本当に自分に必要なのかどうかは置いておいてもわくわくするところはあった。しかし,ここのところのバージョンアップは新しいテクノロジー,というよりもiOSからの移植とか既にあるサービスへの対応が中心のようだ。それでも,いろんなものが追加された結果負荷は上がり,64ビットCPUであっても,GPUが古いものは振るい落とされた。一応system requirementではぎりぎり対応していた私のCore2Duoでメモリ4GのMacmini Early 2009もかなり苦しくなってきた。一応公式にはメモリ4Gが最大拡張であったので,これ以上はどうしようもない,と思っていた。(Mavericksのところにあるように,実はそうではなかった。)

通知センターがMacにやってきた。iMessageもやってきた。いろんなものがiOSからやってきた。

インストール可能な機種でできれば8G,最低でも6Gのメモリを積んでいる場合は導入してもよいと思われるが,8G以上のメモリを積んでいるのであればMountain Lionで止める理由も特にないと思う。

OS X Lion (10.7)

OSの名前からMacがとれてしまった。iOSの機能が徐々に採り入れられ,融合の方向に向かっている。その最初のバージョンだ。そのような機能を取り込んでいく関係で再びディスクスペースや使用メモリも増加に転じた。時代は変わり,かつて当たり前であったCDやDVDなどの光学メディアでのOSの提供がなくなった。GB単位のファイルをダウンロードさせようとしても誰も文句を言わなくなったのだ。

64ビットCPUであっても,GPUが古いものはこのバージョンが最後だ。

Launchpadがやってきた。オーバーレイスクロールバーが標準となった。アプリケーションをフルスクリーンで使えるようになった。古くからの妖怪的Macユーザ,つまりいろんなウィンドウを開いてそれを行き来しながら作業する妖怪,である私はほとんど使っていないが。職場のWinマシンのMicrosoft Officeがフルスクリーンで起動するのも耐えがたいくらいなのだ。一つのアプリケーションが画面いっぱいになるなんてどうかしてる。設定でどうにかなるのかもしれないが,Winの前ではその気力も失せる。よってMacではほとんどフルスクリーンは使っていない。「よくこんなに(ウィンドウを)開いて(どこに何を開いているかが)分かりますね。」と言われて,「いいんだ,これで。」と返しながら今日も頑張っている。

iCloudはサポートしているものの,「Documents in the Cloud」のサポートは中途半端だ。コンピュータからではWebブラウザを介してでしか書類をやりとりできない。シームレスなやりとりは次のMountain Lionまで待たないとならない。

次のMountain Lionがさらにメモリを食うので,搭載メモリが4Gでそれ以上に上げる予定がないならば,ここで止めるのもありかもしれない。

Mac OS X 10.6 Snow Leopard

32ビットIntelマシン,つまりCPUがCoreDuoのマシンをサポートする最後のバージョン。PowerPCが捨てられた恩恵と思われるが,OS自体の必要ディスクスペースが数GB減った。バージョンが上がるに連れてシステムも肥大していくのが常であったことを考えると画期的とも言えた。正式にはiCloudをサポートしていないので,それに頼った生活をしている人はつらい。しかし,iCalは何とか使う方法があるので,それだけは何とかなる(正式な方法ではない。iCloudを正式にサポートしているもっと上のバージョンをもう一台持っていて,それでiCloudを設定し,初期設定のファイルに書いてあるサーバの名前を読みとる必要がある)。

徐々に64ビットの時代に移行する過渡期のOSであり,CoreDuo以外のマシンでここで止める理由はあまりないかもしれない。しかし,ここから先は再び必要メモリが増大していくので,メモリが2Gのマシンだったらここで止めるのもありかもしれない。

Mac OS X 10.5 Leopard

PowerPCをサポートした最後のバージョン。iPhone発売直前,開発リソースをiPhoneに振り分けるために発売が遅れた。もはやコンピューターが中心ではない,今を暗示するエピソードである。

このバージョン自体は特に特徴の少ない印象だ。PowerPCマシンであれば特別な用途がなければTigerで止めておくのがいいし,Intelマシンはこのバージョンで止める理由は全くない。PowerPCマシンでCalDAV対応のiCalを使う必要がある,などの特殊な使い方以外にはこのバージョンを使い続ける意味はないだろう。

Mac OS X 10.4 Tiger

ここから先は,同じマシンであれば再び新機能の追加に伴って動作が重くなる,という通常のサイクルに戻った印象である。マシンへの負荷が上がったことを反映してか,初期のiMacなどFirewire未搭載のマシンがサポートされなくなった。下にあるように,それまでのOS Xはバージョンが上がっても動作がもたつくことが少なく,Pantherは初期のiMacでも快適に動作した。初期のiMacはかなり売れた上に,Tiger発売時点で現役で使っていた人もたくさんいたと思われる。Tigerは,前バージョンを現役で使っていた人の最も多くを振り落としたバージョンではないかと思う。例えば,Appleが初めて振り落とした7.5.5から7.6でも振り落としたのは68030のCPU(意味がわかる人がどれくらいいるだろう)のマシンだった。7.6がサポートしていた68040CPUマシンでも使うのは厳しく,既に7.5.3でも68030は厳しかった。既に前バージョンでも厳しかったマシンを振り落とす分にはあまり問題にならないのだ。Classic Mac OSからMac OS Xで振り落としたのは初期出荷状態でPowerPC G3未搭載のマシンだったが,当時それらのマシンをMac OS 9まで上げて現役で使っていたのは,サードパーティー製のG3拡張カードで強化しているパワーユーザだった。残念がる声は多かったが,かなり以前からアナウンスされていたし,それらの情報をキャッチする能力も十分持っている人が大半だったので混乱はなかった。私もそうだった。Tigerは前バージョンまで満足して使っていた一般ユーザがいきなり振り落とされた感じになった。しかし,Quartz Extremeに非対応のマシンはG4マシンであっても,動作がかなり遅く感じられたので,この世代のマシンを振るい落としたのは正しい判断であったと思う。

Tiger末期にIntel Macが登場した。PowerPCに別れを告げることになった。過去にはIntelマシンが発熱して火が出るCMを使っていたのにだ。そんなCMを作っておきながら,Mac OS XのすべてのバージョンでIntel移植をテストしていたらしい。さすがだ。

2013年まで現役であったiWork '09がTigerをサポートしていたため,iCloudを期待しなければ何とか使用することができた。一台でもMarvericksのマシンがあって,iCloudを使用しているともう完全にこの世代のOSはついてこれない。

Mac OS X 10.3 Panther

ここまでのOS Xは,バージョンが上がる毎に動きが良くなっていく印象がある。通常バージョンが上がれば新しい機能が追加され,新しいサービスに対応するため動作が重くなっていく。バージョンが上がって動作がよくなるのは,それだけ初期のOS Xは未熟であったといえる。内部の洗練と新機能追加の負荷のバランスの結果,動作は良くなっていったものと思われる。純正のG3以降のマシンとしては最初に発売されたシリーズのマシン(USBが搭載されていないG3マシン)がサポートされなくなった。サードパーティー製の拡張カードを差して,あるユーティリィティを使えばインストール可能。すべてのG3マシンおよびQuartz Extreme非対応のG4マシンはこのバージョンが推奨されると私は思う。

個人的には,X11が標準でサポートされ,科学分野のアプリケーションが使える道が開けてきたことが大きかった。また,私がXcodeを使ってサンデーディベロッパーの道に入った記念すべきバージョンである。Classic Mac OSの時代から何となく夢想していたが,まず実現することはないだろうと思っていた「自作のアプリケーションを公開する」ということが,突然身近な目標となったのである。

Mac OS X 10.2 - Jaguar -

前バージョンでようやくスタート地点に立ったOS Xの真価が発揮されるようになった。ちょっといいビデオカードを積んでいればQuartz Extreme(2D表示においてもGPUを使用してCPUの負荷を軽減する)が働き,描画が速くなった。OS Xになって使いにくくなった,と評判だったFinderの使い勝手が向上した。ぬるっと動く印象だったのが,まともに動くようになった。

OSのコードネームと言えば,あくまで開発中のものの暗号のようなもので,一般には知られるものではなかった。それまでも開発途上で挫折したCoplandの名前はマニアの間では知られていたが,もちろん一般に知られてはいなかったし,他のバージョンはよっぽどマニアでなければほとんど知っている人はいなかった。「Jaguar」はOSのコードネームが初めて一般にも知られることになったバージョンでもある。日本以外では実際にAppleからの商品名にも使われたようであるし,日本でもこれ以降は商品名にも使われるという不思議な使われ方をするようになった。

Mac OS X 10.1 - Puma -

ようやく何とか使えるバージョンが出てきた。10.1が出た時には10.0のユーザは無償アップグレードできた。しかし,無償アップグレード版ではクリーンインストールができず,10.0からでないとインストールできない仕組みになっていた。つまり10.1を使っていて再インストールしようと思うと,一旦10.0にダウングレードしてから10.1に上げる必要があった。異常な時間がかかる作業なので,非常に評判が悪かった。ターミナルTerminalアプリケーションを使った10.0インストールを回避する方法(現在のOSが10.0であるかどうかをチェックする手順を記述したファイルの削除)も紹介されたりしていた。

Microsoft OfficeやAdobeのアプリケーションも初めて対応版が発売され,何とか使える状態になった。しかし,全体に速度は,10.0よりは多少改善されたとはいえ,Mac OS 9を使用する時よりも遅く,操作感に違和感を感じるユーザも多かった。OS 9から変える利点と言えば,システム全体がクラッシュすることはほとんどないので,リセットボタンを探して強制再起動する必要がなくなったことだ。今のユーザは想像できないと思うが,これは以外と大きかった。初期のiMacには簡単にリセットボタンを押せるようにするグッズがあったし,私のCubeもリセットボタンは底面にあったため,ひっくり返して押す必要があった。同じマシンとは思えない程安定していたので,これだけでも使う意味があった。

10.1を使った時点で振り返って考えれば,実質的にはPublic Betaが開発者用のα版,10.0がPublic Beta,10.1が本当は最初のバージョンであったのだと思う。

Mac OS X 10.0 - Cheetah -

Mac OS Xの最初の公式リリースバージョン。さすがにPublic Betaを買った人は次の10.0は3,500円分安く買うことができた。

公式リリースとは言っても問題は多かった。対応アプリケーションも機器も少なく,動作は非常に遅かった。Public Beta同様OmniかStone Design,確か新たにファイルメーカーが対応してくれたくらいだった。Microsoft Officeも対応していなかった。先の遅さと合わせて,「本当にこの先大丈夫なのか」という不安もユーザの中にはあった。この時ばかりはMicrosoft Officeの「次期OS10.1に新バージョンで対応する」というアナウンスに勇気付けられたユーザも多かったと思う。非常に苦しいバージョンが続いたといえる。

Mac OS X Public Beta - Siam -

人生で最初,おそらく人生で最後の並んで買ったOS。2011年Mac OS Lionはダウンロード販売となり,2013年既にMarvericksは無料になった。OSを並んで買うことは二度とないだろう。また,今のところ(2014年1月時点)インストールしたいがために新しいコンピューターを用意した唯一のOS。当時は拡張カードでG3アップグレードをしてMac OS 9を使っていたので,Mac OS X Public Beta発売前に,新しいOSがインストールできないのを「一大事」と捉え,中古のiMacを購入した。まだまだある程度満足して現役で使っていたのに買ったのだ。

Public Betaといっても有料だった。3,500円という非常に中途半端な値段であった(当時の普通のOSは1万円くらいで販売されていたし,実費というには高い)。並んで買ったが,これがすごい代物だった。遅いし,不安定。ほとんどソフトも対応できていなかったので,何を試すというよりもただいじっていただけだった。NeXTSTEPからやってきた全く馴染みのないベンダー,Omni GroupとStone Designのソフトで少し遊んだ。透明感あるAquaインターフェイスは美しく,アンチエイリアシングの効いた文字は読み易かったが,マシンへの負荷は高く,「もっさり」「ぬるっと」というイメージの遅さだった。同じマシンでもMac OS 9はきびきび動いていたので,これに対しても非難が多かった。

Mac OS 9.1

インターネットもどんどん一般的になっていった。iTunes,iPodの発売以前よりCDを読み込んでコンピュータに貯める,という使い方も少しずつ流行るようになった。ビデオをコンピュータに取り込む人も徐々に増えてきた。仕事で画像をいじるような人ではなく,一般ユーザの要求水準もどんどん上がっていった。コンピュータのパワーも上がるが,負荷もどんどん上がり,いろんなサービスに対応するためにOSも複雑化。Mac OSはインターフェイスは成熟し,非常に使いやすく仕上がっていたが,如何せんOSの基本設計は時代遅れで非常に脆く,脆くて小さな土台にお城が建っているような感じだった。断末魔の叫びが聞こえてくるようだった。「Mac OS 8.1」で書いたように自社独自のOS開発に失敗したAppleは,他社技術を買う方向に舵を切り,「BeOSを買うのでは」という噂から,Mac系の雑誌にもBeOSの紹介がされたりした。結局は,今は知らない人のいない話で,AppleはNeXTを買収した。AppleはMac OS Xの前身となるNEXTSTEPを買い,Steve Jobsを取り戻した。

Mac OS 9は既に限界であることが分かっている中で開発され,次には全く違うものになることがほぼユーザにも明らかな中で発売された。

しかし,Mac OS 9は熟れ落ちる前の果実のような美しさ,と言ったら大げさだろうか。

実用性,安定性から考えるとMac OS Xが動くマシンではそちらがよい場合が多いだろうが,サードパーティー製のG3拡張カードを使って無理失理パワーアップしているがOS Xはインストールできないマシンは,Mac OS 9.1まで上げて,熟れ落ちる前のClassic Mac OSを堪能するのがよいだろう。

Mac OS 8.1

本当は純Apple開発のモダンOSになる予定であったCoplandことMac OS 8。結局開発は頓挫し,CoplandのFinderとなるはずだった外観だけ残った。Appleは窮地に陥り,「Appleをどこが買う(買収する)のか」という噂が激しくなった。「Sun(Sun Microsystems。栄枯盛衰目まぐるしい。その後Oracleが買収。)が買うのでは」とか「Oracle(今も元気なよう)が買うのでは」という記事がMac系の雑誌にも載ったし,「どこが買収するのならば許せるか」というアンケート記事もあったと記憶している。「Appleの株を買って応援しよう」という少額の出資を募るWebサイトもあったように思う。

かなり脱線してしまった。

Finderの外観は変わったが,もちろんモダンOSではなく,相変わらずOS自体がクラッシュことしばしばであった。しかし,まあまあよいOSだった。PowerPC G3以前の機種(PowerPC 603など)は,ここまではバージョンを上げるべきであり,またここで止めておくのがよいだろう。前後のバージョンでは最も安定していたし,余計な機能(正しく言うと,より新しい高性能のハードでは生きてくるであろう機能)も少ない。

System 7.5.3(漢字Talk7.5.3)

過去のマシンを切り捨てることなくサポートした最後のMac OS(アップデータをかけることで7.5.5にはできるが,単体で販売されたものとしては最後。「漢字Talk」と付くのもこれが最後となり,これ以降は全世界共通の「Mac OS x.x」という名前になった。基本機能が便利になればマシンへの負荷は上がっていくのでやむを得ない選択だったと思う。逆にいうとよくここまで引っ張れたと感じる。一部の安いマシンでは別途拡張カードを増設する必要があったが,ここまでインストールするとその後も長く一般的なネットワークには参加できた。これは凄いことだ。なので私は古いマシンのほとんどはここまで上げた。インターネット初期のころ - ダイヤルアップ(電話回線を経由して使う度にプロバイダに接続,つまりモデムを使って一回一回電話をかける!)の時代 - から,常時接続の初期のころ - ISDN回線にルータを組み合わせる! - まで68Kマシンもネットワークに参加していた。

個人的には,AppleScriptが7.5以降はFinderを操作できるようになったのが大きかった。Excelの表に従ってFinderを操作し,他のアプリケーションで処理 - 一部Quick Key(ユーザ操作を自動化,今でいうAutomatorのようなもの)を利用 - してということを行っていた。あまり大量の操作を突っ込むとメモリ使用量がどんどん上がってしまい,全て終わる前に途中で止まっていることも多かった。慣しい。

68Kのマシンには最適のOSである。一部の68040マシン(再び,この意味がわかる人が今どれくらいいるだろうか)はこれ以上に上げることができるが,それらもここで止めておくべきと思う。

System 7.1(漢字Talk7.1)

初めて使ったMacのOS。つまり私は古いユーザではあるが,System 6は知らない。特別おすすめなOSというわけではないが,初めてのMacのOSなのであげてある。

既にかなり完成されたGUIができていたと思う。疑似的なマルチタスクもあり,いくつかのウィンドウを広いたままで作業ができた。でもよくクラッシュした。

個人的には,このころからAppleScriptがあったのが感動的だ。