ドストエフスキー

フョードル・ミハイロビッチ・ドストエフスキー Фёдор Миха́йлович Достое́вский

ロシアの文豪。とてつもなくすごくて長い小説を5つも書いている。少しでも小説が好きな人ならば全く読んだことのない人は居ないだろう。長いけど,今でも時々無性に読みたくなる。iPhoneも画面が多くなり,重い本を持ち歩かなくてもどこでも読めるようになった。ドストエフスキーの5大長編を全て入れても全く重さが変わらないのは感動だ。

登場人物の関係を理解するのが大変だ。日本語で言う名字は省略されることが多いので,家族かどうかが久しぶりに出てくる人は分からないことがある。父称を理解すると多少は楽になる。兄姉などはこれでかなり分かる。しかし,それも男女で語尾が変わってしまうので直感的に理解するのは慣れが必要だ。

母国語で読める人はどう感じられるのか分からないが,登場人物の名前の語感がよい。その響きに魅せられて読んでしまう,という面もある。

カラマーゾフの兄弟

時々無性に読みたくなる大長編。

話としても壮大だが、本筋とは直接関係のないいろんな場面、会話がいい。父フョードル・カラマーゾフが長老の前で繰り広げてしまう醜態、次男イワンとスメルジャコフとの緊張感あふれるやりとり、イワンが三男アリョーシャへ語る劇中詩、そして「大審問官」だ。長いが全く退屈しない。

「スメルジャコフ」この響きがいい。

 カラマゾフの兄弟 完全版 - Fyodor Dostoyevsky

中山 省三郎訳。青空文庫と出典は同一と思われるが,青空文庫は上巻のみである。

この完全版は青空文庫のものと同一の訳本をベースにしているようだが、青空文庫で公開されていない部分(前半以降)は、スキャナ取り込み・OCRを用いたテキスト化を行ったようだ。よって前半よりもかなり誤変換が目立つ。文脈からの推測で十分読めるし、分からなくなることはないが、読むリズムは狂うので、気になる人もいるだろう。最も安くカラマーゾフの兄弟が読める。

    

話題の亀山 郁夫訳。訳がかなり新しい分最も読みやすいだろう。

 カラマーゾフの兄弟 - ドストエフスキー

私はドストエフスキー翻訳の古典,米川正夫訳が気に入っている。

悪霊

ドストエフスキーの五大長編で時々無性に読みたくのは、「カラマーゾフの兄弟」とこれ。「罪と罰」は面白いが何度も読みたいかというとそうでもない。「白痴」「未成年」も良いが何度でも,とまでは思わない。

スタヴローギン,ピョートル・ステパノヴィチ,どちらが主人公とも言えない。それ以外も含めてかなりエキセントリック,尖った,奇天烈な人物で物語内があふれている。

キリーロフとスタヴローギン,そしてシャートフとスタヴローギンの思想の語り。観念的で重たいが,何度も読みたくなる。

「スタヴローギン」「キリーロフ」「ピョートル・ステパノヴィチ・ヴェルホーヴェンスキー」この名前の響きがよい。人物描写と音の響きが絶妙である。母国語の人はどう感じるのか分からないが。

   

新しい訳はよみやすいかもしれない。しかし。

 悪霊・完全版 - ドストエフスキー

やはり私はドストエフスキー翻訳の古典,米川正夫訳が気に入っている。

罪と罰

 罪と罰・完全版 - ドストエフスキー

ストーリー展開,緊張感で自然に引き込まれていく。訳に関係なく最も読みやすい長編だろう。

白痴

 白痴・完全版 - ドストエフスキー

「ムイシュキン公爵」,五大長編の中でも主人公が最もはっきりと光っている長編だろう。

未成年

五大長編長編の中でも最も静かな,目立たない長編。まあ,主人公アルカージイ・マカーロヴィチ・ドルゴルーキーも実父アンドレイ・ペトローヴィチ・ヴェルシーロフも十分変人であるが,その他の長編の奇天烈具合に比べるとかなり大人しく感じてしまう。

 未成年・完全版 - ドストエフスキー

iBook Store内でドストエフスキーは少なくとも2系統,2つのIDで管理されているようだ。検索には注意が必要だ。

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