ScatterMaker 6
概要
表のデータに基づきその分布を確認するソフトウェア。
-
群間比較のための散布図

-
箱ひげ図

-
データの相関をみる散布図

上記3タイプのグラフでデータを視覚的に確認できる。
群間比較を行う散布図においては、ドットの重なりを自在に調整することができる。全く重なりのない分布を直感的に把握できるグラフを自動的に作成することができる。
箱ひげ図は中央値,四分位点で箱が形成され,最小値最大値はバーで示される。第1四分位点と第3四分位点の差をinterquartile range (IQR)とした時,第一四分位点を1.5IQR以上下回った値,第3四分位点を1.5IQR以上上回った値は外れ値として表示される。
記述的統計の出力のほか、簡単な統計検定を行い、客観的に評価することが可能。
一つのファイルに一つの表と複数のグラフを設定できるファイル構造を採用する。
表
- 1行目は必ず変数を識別するタイトルとする。
- タイトルは必ずユニークである必要がある。
- グループ分けをするための変数を設定する列と、データを示す列を含むことができる。
- グループ分けのためのデータは数値以外でもよい。
表の作成
- CSVファイルの読み込み
- タブ区切りテキストの読み込み
- 他の表形式アプリケーションからのペースト
- 手入力
上記4つの方法で作成できる。
表の編集
- シングルクリック(タップ)でセルを選択する。ダブルクリック(タップ)でセル内容の編集モードになる。
- グラフに使用した列は変更不可となる。それ以外の列は、ペースト・手入力・行削除・列削除などにより編集可能。
表の出力
- ファイルへのエクスポート
- 表をクリップボードにコピー
いずれもタブ区切りテキストとして出力される。
グラフ
- 群間比較のための散布図,箱ひげ図,2つの変数の相関をみる散布図の3タイプのグラフを作成できる。
- undoの回数は制限していない。しかし,表や他のグラフに移動時にそれまでのundoはリセットされる。
- 群間比較のための散布図,箱ひげ図は作成後でも相互に変更可能である。2つの変数の相関をみる散布図はグラフの種類を後から変更することはできない。
グラフの作成
- 表を変数選択モードに切り替える。
-
変数を選択する。
- (群間比較のための散布図・箱ひげ図)1つ以上の数値変数を選択する必要がある。
- (データの相関をみる散布図)数値変数は2つ選択する必要がある。x・y軸の入れ替えは作成後可能。
- グループ分けするための変数の設定は任意である。

- グラフの種類を指定する。
- グラフが作成される。
グラフの設定変更
- グラフを選択すると、設定項目とともにグラフが表示される。
-
設定は関連の深い項目ごとにまとめられている。
- グラフ全体に関する設定(色、大きさ、軸など)
- グラフ内のドットやボックスごとの設定
- 変数の順番や表示名に関する設定
- 値の設定
- 手入力などで一つ一つ変更するだけでなく,コピー&ペーストで一括変更することもできる。
手動での書き換えの場合,設定変更が即時反映される項目と、変更ボタン押下後に反映される項目がある。
コピー&ペーストの場合,コピーした設定すべてのペーストを試みる。グラフの値など,適用できない項目は自動的に無視される。
主要なパーツの用語の定義は以下の通り



グラフの出力
- グラフ毎にファイルに書き出す
グラフを選択した設定トップ画面から可能。PDF形式の書き出しとなる。
- グラフ毎にクリップボードにコピー
PDF形式に対応していれば,他のアプリケーションにペーストできる。
- ファイル中の全グラフを一括でPDFで書き出す
macOSのみ。メニューから実行。
注意が必要な設定
グラフの大きさ
プロットエリアの大きさを指定,ないしは自動計算ののち目盛りやタイトル,凡例などを設定に応じて表示し,全体の大きさは自動的に決定される。全体の大きさを最初に指定することは仕様上できない。
プロットエリアの幅
データの相関をみる散布図の場合はグラフの幅を直接指定する。群間比較のための散布図・箱ひげ図の場合は一つの群の幅を定義し,カテゴリ分けのレベル毎にギャップを指定する。グラフの幅はその和で決定される。最初にプロットエリアの幅を指定することは仕様上できない。
ドットの大きさの設定
ドットの形によって面積が異なると分布が異なるように見えるリスクがあるため,面積が等しくなるような仕様とした。
おおよその幅を指定する。各ドットの面積が等しくなるようしているため,ドットの形によって実際の幅はわずかに異なる。
軸の最小最大値,目盛りの設定
全体のドットの最小値を上回る最小値は設定できない。全体ドットの最大値を下回る最大値は設定できない。
目盛りは数字を入力したら自動的に位置も決定される。
累乗などに対応するため,texのequation形式の表現に部分的に対応している。例えば分数は自動的にインライン変換するなど,texを完全に再現しているわけではない。
例えば,0.0015は「1.5\times10^{-3}」と設定することができる。

軸のタイトル
tex様の表記を採用している。「$」で囲んだ領域は上記の目盛りと同様の表記となる。

記述統計量と群間比較検定
分散,標準偏差,歪度,尖度
デフォルトでは,"Use unbiased estimators..."がチェックされ,不偏推定量が表示される。母集団からの無作為抽出のデータの場合は不偏推定量を用いるべきである。つまりはほとんどの場合は不偏推定量でよいと思われる。
注意:標準偏差に関しては厳密には不偏推定量を使っていない。使用するアプリケーションによる値の違いで混乱しないようにするため,多くの表計算,統計ソフトが使用している分散の不偏推定量の平方根を使用している。
正規性の検定
Shapiro-Wilk検定1)かKolmogorov-Smirnov検定2)の結果を表示する。Shapiro-Wilk検定の方が検出力が高いとされていること3),Kolmogorov-Smirnov検定のLillieforsの修正を実装しておらず,サンプルサイズが小さい場合は特にKolmogorov-Smirnov検定の検出力が低いことから3),Shapiro-Wilk検定を優先的に表示する。使用している近似計算の都合によりサンプルサイズ5,000を超える場合はShapiro-Wilk検定が計算できないためKolmogorov-Smirnov検定の結果を出力する。
正規性の検定はあくまで参考のために表示している。その他の検定結果同様作者はこの結果の精度に責任は負えない。自己責任で結果を参照すること。使用している近似計算のアルゴリズムは以下の通り。
1) Royston P: Approximating the Shapiro-Wilk W-test for non-normality. Statistics and Computing 1992: 2, 117-119.
2) Simard R, L'Ecuyer P: Computing the Two-Sided Kolmogorov-Smirnov Distribution. Journal of Statistical Software 2011: 39, 11.
3) Razali MN: Power comparisons of Shapiro-Wilk, Kolmogorov-Smirnov, Lilliefors and Anderson-Darling tests. Journal of Statistical Modeling and Analytics 2011: 2, 21-33.
旧バージョンとの互換性
- macOS上でのみ,旧バージョン作成のファイルの展開を試みる。
- 可能な限り,ファイル中に保存されているPDFの読み込みをする。
- 旧バージョン作成のPDFが読み込めたら,出力可能なボタンが現れる。
- すべてを展開可能なのは一部のバージョンのみ。
- データの扱いが新バージョンで大きく変更となったため,ドットの調整,色やフォントなど完全な再現ができない場合がある。
- 数式の書き方も若干変更を加えているため,再現されないことがある。値が再現できない場合は,自動的にデフォルトの値に変更される。
- 旧バージョンのファイルを開いて何らかの操作を行ったら,完全に新バージョンのファイル形式となるため,旧バージョンでは開くことができなくなる。