David Bowie
もう今は居ない人になってしまった。
確かに最近ではあまり感動を持って聴くことは少なくなっていた。しかし,今改めて聞いてみてとても良いものもいくつもある。
とにかく居なくなってしまうのは特別な寂しさを覚える。
初めて会ったのは,「Heroes」。最初の「Beauty and the Beast」の歪んだ声を聴いた瞬間,当時の私は魂を売った。そうして色々なレコードを買いに行った。
「Ashes to Ashes」も魂を売り渡した曲の一つ。この曲自身は,私の時代全盛を迎えたミュージックビデオの時代,MTVの時代,の前の時代のものだったと記憶している。ーMTVの時代には,かなり凝ったミュージックビデオを作って流すのが普通となっていた。ーしかし,それ以前の音楽番組に流れていたものの映像は単純な歌っている様子,というのがほとんどだった。それでも好きなアーティストであれば充分興奮した。この曲には当時としてはかなり凝ったミュージックビデオが付いていた。また放映されるのを心待ちにしていたが,その後そのビデオとはなかなか巡り合わなかった
iTunes Storeで再会を果たし,気が付いたら,購入していた。
The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders From Mars - デヴィッド・ボウイ
定番の「Ziggy Stardust」。「Rock 'N' Roll Suicide」はいい。特に前半部分がしみる。こういう曲が許される数少ない人がDavid Bowieだと思う。
Ziggy Stardust and the Spiders from Mars (The Motion Picture Soundtrack) - デヴィッド・ボウイ
私はどちらかというとライブの方が好きだ。
Ziggy Stardust and the Spiders from Mars - The Motion Picture
昔ミニシアターに見に行った。火星人として歌っている映像。
Live Santa Monica '72 - デヴィッド・ボウイ
これもなかなかのライブだ。
David Bowieのアルバムには,そのジャケットだけでも買って飾って置きたくなるものがいくつかある。
The Man Who Sold the World - デヴィッド・ボウイ
「The Man Who Sold the World」地球を売った男。この傲慢,若い,タイトルだけでもちょっとした興奮を覚える。David Bowieはこういうタイトルが許される数少ない人である。
「Hunky Dory」。ジャケットは感動だ。中身も素晴らしい。最初に聴いていた若い頃よりも今の方が気に入っているくらい。「Quicksand」,「The Bewlay Brothers」は涙。
「Aladdin Sane」。先に紹介した「Hunky Dory」といい,これといい。このようなこういうジャケットが許される人はDavid Bowie以外には非常に少ない。
「Diamond Dogs」。中身はともかく,ジャケットが私は好きだった。「Sweet Thing」,「Candidate」,「Sweet Thing (Reprise)」の流れが好きだ。昔はほぼこれを聴くためだけに,このアルバムを毎日聴いていたこともある。当時はカセットテープの時代。曲だけ抜き出して聴くことはできなかったので,このために毎日アルバム全部を聞いていた。
珍曲いっぱいのカバー集の「Pinups」も結構好きだ。Pink Floydのところで書いている「See Emily Play」以外でも「I Can't Explain」など面白い。私はブルース・スプリングスティーンBruce Springsteenの「Growin' Up」のカバーも好きなのだが,これはどうもUS輸入盤(または古い版のCD?)にしか収録されていないようだ。同じく輸入盤にしか収録されていない「Port Of Amsterdam」も珍作だ。CDを探してみるしかない。
「ベストアルバム」というものも私はあまり聴かない。特に,David Bowieのベストアルバムは私にとっては意味不明だ。CDで再収集を試みた時にちょっとみてみた。
良い曲を敢えて避けているとしか思えなかった。
若い人,最近になってDavid Bowieを知った人には大ヒット曲が入っていないのを不思議に思う人がいるかもしれない。あのLet's Danceが出たとき,それまでのDavid Bowieファンの少なくない人たちは「David Bowieはもう死んだんだと思うしかない」と思っていた。私もその一人だった。それくらいの衝撃だったのだ。