| 2.ボニやんへの手紙
 拝啓 ボニやん
 お国のご飯はおいしいですか?僕は今日も旨いラーメンを食べました。
 こないだ一緒に行った近江八幡水郷めぐり、写真の編集が終わりました。  野焼きが始まってる葦原に着いたのは11時半過ぎ。出艇場所を探すのに少し手間取ったけど、ボニやんはそこの風景を気に入ってくれたようで、桟橋に腰をおろしてお萩を食べ出したね。そんな姿も撮影させてもらいました。  葦原の中では緩やかに流れる景色を目に、ボニやんにもNさんにもリラックスしてもらえたみたいで良かったです。  鳥のさえずり、葦のざわめき、人の暮らしも水辺にあるという、今の日本ではほとんどイメージの中か時代劇にしかない日本の葦原の風情を、和モノ好きなボニやんにも味わってもらえたかな。  そうそう、昼飯ではボニやんが旨そうに食べてた鮎の味噌煮を頂いてしまいました。コンビニの寿司セットよりずっとうまかったです。ご馳走さまでした。  そういうことで、以前からボニやんには一度シーカヤックに乗ってみて欲しかったから、退職して国に帰っちゃう前にボニやんとシーカヤックに行けてとても楽しかったです。
って、ここは海ちゃうかった。いつか波の向こうを漕ぎ進むボニやんを見てみたいね。  ほんとに就職先で君と出会って、友達になれてよかったよ。また来てな。
 それじゃあ最後に、近江八幡ツーリングの報告書にお約束で引用する詩なんやけど、遠い空の下で新しい生活を始めた君にちょうど相応しいと思うので、高村光太郎の詩「道程」を送ります。
 そうそう、帰り道に案内してもらったオススメの高安は、旨かったです。行列してたべた甲斐がありました。それではボニやん、これからもオイシイご飯をたべて下さい。 敬具 
 僕の前に道はない  僕の後ろに道は出来る  ああ、自然よ  父よ  僕を一人立ちにさせた広大な父よ  僕から目を離さないで守る事をせよ  常に父の気魄を僕に充たせよ  この遠い道程のため  この遠い道程のため
   高村光太郎作「道程」 |