赤い陽
真っ赤な太陽が
山の向こうへ去ろうとしている
サヨナラなんて言わないのに
切なくなるのは何故だろう
空も雲も赤く染めて
青い世界を歓迎してる
窓の隙間から洩れる光に
熱を感じた
体で感じる熱じゃない
心の壁が熱くなる
じわりじわりって熱くなる
真っ赤な陽が
"今日"から去る
でも今でも
空や雲は未だに未練を感じてる
だってまだ赤いから
燃えるように赤いから
青い空気
寂しさが集まって
僕の周りを青くする
哀しいからっていうのは解かってるけど
僕の周りの青い空気を
早く消したがる
前が見えない
この空気のせいで......
もっと希望を持てば良いじゃない
軽く言われても
この空気は僕のやる気さえ奪ってゆく
青い空気は僕の心の鏡
僕の心に光がないから
この空気は暗く澱んでいる
僕の心に望みがないから
この空気は寂しく沈んでいる
青い空気を背負っていても
何も良い事はない
でも背負いたくて背負ってるわけじゃない
青い空気は消したくても
心の傷が治らない
だから空気に色がつく
もう一度明るくしたい
黄色や赤の空気にしたい
もう少しの辛抱だ
もう少し......
黄色い声
"おはようございます"
僕の顔を見るとすぐ君は言った
あれは幻だったのか
僕には信じられない
明るい声が僕に届く
君の事で暗かったのに
君のおかげで明るくなれたよ
白い息を吐きながら
無理した笑顔を作りながら
僕は君に答えを出した
恥ずかしいなんて言ってらんない
でも僕は君より薄い色で
君に"おはよう"って塗った
明日はもっと濃くするから
今日は水を入れすぎた
"ナミダ"という水を......
黒い世界
星が瞬く 月が微笑む
僕は何かに怯えてこの時間を過ごす
風の音がする 窓がきしむ
その度僕は外を見る
犬も寝た 木も眠ってる
それでも何かがいるような気がしてならない
道は黒く染まり
来る者を飲みこもうとする
僕はしっかり地面を確認し
あそこまで急ぐ
静けさが逆に僕を脅かす
まるで時間が塗り潰されたかのような夜
何も動かない刻が
この先に息を潜めている
全ての物が止まった時
僕は黒くなった......
白い記憶
覚えてない 忘れちゃった
あんなに大切な事も
いつの間にか白くなってる
君との想い出も
今じゃパステルカラー
消えちゃった 隠れちゃった
記憶が消えるたび僕は
誰かを傷つける
今までやった失敗が白くなると
その上にまた新しい失敗が描かれる
記憶の部屋の管理人は
選ぶ事が出来ない
古いものから塗りたくる
それが大事でも
彼には解からない
記憶が消えて
自分が誰かも解からなくなった時
管理人は解雇される
遅すぎる...
でも新しい管理人が
白い衣着た管理人が
その記憶の上の"白"を
洗い流す事でしょう
......絵の具がからになった時
自分の色を見つけた
自分の心の色を見つけた
そして
新しい絵の具箱を持って来て
また想い出に色をつけ始める......