§ ベルナルド §
雲が空を包んでいた
隙間から零れる光は
神秘的で神を思わせる
あの光の下へ行けば
何か御加護が得られるだろう
僕は自転車をとばした
風を抜かし光のもとへ
山を越えて光のもとへ
あの光の下には
一輪の花が咲いていた
しっかりと口を閉じている花は
光を見たのだろうか
神の指先に触れられて
花はゆっくりと目を覚ます
その姿が美しく
僕は思わず祈ってしまった
こんな素敵な花みたいになれますように
届かぬ祈りでも
今日は届きそうな気がする......
皐月
5月の手帳を開いた
ボールペンで書かれたその日の出来事
今でもそのときの気持ちが読み取れる
あの頃の僕は
5月の天気みたいによく変わって
"嬉しい"の文字の下に涙のあとがあった
あの頃...空はこんなに高くなかった
あの頃...空はこんなに青くなかった
あの頃...僕はこんなに強くなかった
あの頃はまだグズグズしてて
自分のことしか考えていなかった
今だってそうかもしれないけど...
でももう泣かないって決めたから
強くなるって決めたから...
5月の終わり頃から
僕の周りで何かが変わってきてた
僕の中でも変わったものがあった
あの頃...空はこんなに澄んでいなかった
あの頃...君がこんなに優しいなんて気付かなかった
あの頃...僕はこんなに強くなるなんて予想してなかった
5月のカレンダーにかけられた魔法は
すべての紙が落ちたとき
僕に力を与えてくれた
そして...今僕は君といれる
NATSU
春ばかりを追っていて
次に来る夏を忘れていた
ずっと後ろばかり見てたから
前にいる夏に当たってしまった
春はもう過ぎてるのに
まだ未練があるのかい
これから来る夏よりも
春のほうが大事なのかい
それじゃあいつまでたっても大人になれないね
過去ばっかり気にしてて
未来を見ようとしていない
それじゃあいつか来る希望の光掴めないよ
夏の太陽に気付かず
春の風の夢を見てた
そんな馬鹿な僕にも
やっぱり暑さは容赦なく襲った
夏を待とうよ
いった春なんて戻ってこないしさ
夏を待つ心が
きっと来る希望の光を掴めるよ
だから待っていようよ
夏を...希望を待っていようよ
BLUE SHELL
ここはまるで砂時計の中
歩いても歩いても
何も感じない...何も見えない
ただ一面の砂があるだけ
君の心をつかむことはできなくて
君の顔を緩ませることはできなくて
君を求めている自分に限界を感じはじめた
ここはまるで深い海の底
潜っても潜っても
光がない...終わりがない
ただ冷たい水を感じるだけ
君の心を見ることはできなくて
君の夢を一緒に望むことはできなくて
君を知ったふりをしていたことにやっと気付いた
砂を辿っていけば砂浜に出るはず
海を上がっていけば海岸に出るはず
だから......
浜辺で見つけた青い貝殻が僕の宝物
君と一緒に来たこの海で
君が笑顔で拾ってきた青い貝殻