僕が太陽ならば...

 貴方の笑顔が闇に映える
 絡んだ手がほどけて
 貴方は闇の小径を独りで進んでいた
 後ろから見守っていたけど
 やっぱり心配になって君の所まで急いだ

 貴方の笑顔の美しさは
 僕が照らしているからなんだろうか
 貴方の笑顔の優しさは
 僕が包んでいるからなんだろうか
 夜になっても離れたくなくて
 貴方の家の前でずっとずっと座っていた
 貴方の部屋の電気が消えた時
 僕の目から雨が降り注いだ

 空は何もない黒で
 美しい月が...それでも貴方の方が美しいけれど
 路は何もない黒で
 美しい月だけが......
 心は何もない黒で
 美しい君の姿が...
 月の光だけが僕を導いていた




  僕が海だったのなら...

 貴方が近付くと
 僕の心は静かに揺れる
 哀しみが急に退いて
 喜びが満ちてくる
 穏やかだったのに
 貴方の接近が心を動かす

 ちょうど満ち潮の時間だった
 貴方と二人で潜ったこの海で
 僕は今 月を眺めている
 隣には誰もいるはずがなく
 足元まで濡らす波の音だけが響いた

 貴方に逢えない哀しみで
 僕の心はすぐいっぱいになる
 貴方といれない淋しさで
 僕の心は壊れかける

 ...貴方が近付くと僕の心は静かに揺れる

 ため息と一緒に吐き出した
 引いてしまった後の潮の匂いは
 もう二度と嗅ぎたくないものに変わった




  僕が星だったら...

 貴方はいつも僕より輝いていました
 貴方はちっぽけな僕なんて
 見ていないのかと思っていました
 静かに微笑んでいる貴方の隣で
 僕はいつも小さくなって発光していました
  ... 憧れだったんです

 貴方が見ていたなんて知りませんでした
 貴方がちっぽけな僕を好きだったなんて
 これっぽっちも思っていませんでした
 優しい貴方の微笑みが
 ちっぽけな僕のためだけに輝いていました
  ... やっぱり僕も好きでした

 僕は貴方のような輝きには...
 貴方のような優しさは...
 いくら頑張っても無理でした
 でも僕は幸せなんです
 この空一面を照らす光を
 喜べるようになったのです
 誇れるようになったのです

 たった一粒の星だったのに
 貴方に見つけてもらえました
 こんなにも多くの星が浮かぶ星空なのに
 貴方は僕を選びました
  ... ありがとう