Tell Me Where You're Going
(アルバム, '90)
東芝EMI, TOCP-6286 (日本盤)
東芝EMI, TOCP-7628 (日本盤再発)
EMI, CDP 724497 2 (UK盤)
曲目
1. Tell Me Where You're Going
2. Fall
3. Roundabout
4. The Middle of Love
5. Move Along, Ruby
6. The Meter's Running
7. Welcome to Another Day
8. Faces
9. Louie, Come Back
10. For Tomorrow
11. Tell Me Where You're Going (Acoustic Version featuring Pat Metheny)
12. Marlena
13. Waltz for You
クレジット
(ソングライティング)
1. Silje/Jeff Wasserman/G.Lundsfold/Richard Niles
2, 4, 6, 10, 12. Silje and Richard Niles
3, 8, 9. Silje
5, 13. Silje and Nils Vinjor
7. Silje and Jeff Wasserman
(プロデュース)
Richard Niles
解説
先行シングルとなった同名のシングルに続いて日本では'90年9月にリリースされたデビュー作。邦題は「やさしい光につつまれて」。全編アコースティックな曲調で糸を一つ一つ紡ぐように丁寧な音作りがされたアルバムで、11にはデビューのきっかけを与えてくれた、敬愛するPat Methenyを迎えた別バージョンを収録し、このアルバム最大の聞き物となっている。
Tell Me Where You're Goingだけがとかく話題にされがちだが、このアルバムはリリースされた初秋にぴったりとはまった雰囲気を持っており、他にも魅力的な曲がいくつもある。彼女のハイトーンの声が様々な表情を見せるFall(これこそベストトラック), Tell Me〜に負けず劣らずの軽快な曲調のThe Meter's Running(彼女の代表作だと信じる)といったところは一聴して耳に残るし、シングルカットされたWelcome to Another Day, For Tomorrowはそれほどシングル向きだとは思わないがじっくりと歌い込まれていて、ゆったりとした姿勢で向き合うとその良さが理解出来る。ちょっとコミカルな感じもする曲調のFacesやシャッフル調のLouie, Come Back、曲の中の数度の転調が印象的なThe Middle of Loveなどは彼女の持ち味が良く出た曲と言える。Marlenaやワルツを題材にとったWaltz for YouなどにはBasiaあたりに通じるエキゾチックさを感じる。
1曲目のタイトル曲が大きな印象を残す反面その後はミドル〜スローテンポな曲が多いので、じっくりと聞き込まないとなかなかこのアルバムのカラーには馴染めないかもしれないが、ここでの彼女の”声”の魅力を前面に押し出した音作りが音楽的な幅の広がりと合わさって、次作で大きく開花することになる。
アルバムのブックレットには各曲のイメージを表現した彼女自身によるイラストが添えられていて、その後の芸術活動を予感させる。
一度値段を下げて再発されたが、現在では残念ながら廃盤。しかしBook Offなどの中古屋でよく見かける。
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