Silje: Biography
16歳の時にオスロで故Jaco Pastoriusのバンドでセッションボーカリストとして歌ったことで注目を集めるようになり、その後自身のバンドで4年にわたってスカンジナビア半島をツアーで回る。'87にツアーでオスロに来ていたPat Methenyに直接コンタクトを取ってデモテープを渡し、これが彼に気に入られたのがデビューのきっかけとなった。Methenyに知人のプロデューサー、Richard Nilesを紹介されEMI傘下のLifetime Recordsと契約を結び、'89にロンドンからシングルTell Me Where You're Goingでデビュー。日本ではFM Yokohamaに”発見”され”セリア”として東芝EMIより'90年9月に同シングルでデビューした。FM Yokohama, J-Waveで大プッシュされたこの曲はFMラジオ各局で大ヒット(J-Wave Tokio HOT100では最高2位)を記録。'94のリレハンメル冬季五輪以降日本で起こった”北欧ブーム”の先駆けとなる成功を収めた。私とこの曲の出会いは8月終わりの徹夜明けで、朦朧とした頭に透明感溢れる彼女の歌声がすっと入ってきたのを覚えている。
2週間遅れで同名のデビューアルバムが発売になり、ここにはPat Methenyが客演したTell Me Where You're Goingのアコースティックバージョンも収録されている。このアルバムからは後にさらに2枚のシングル(For Tomorrow, Welcome to Another Day)がカットされた。翌'91には来日公演を行い、東京では中野サンプラザで2公演(両方見に行った、嬉しそうに観客に向けて日本で買ったカメラを構える姿が印象に残っている)を行い、京都では外国人アーティストとしては初めて平安神宮でコンサートを行った。来日公演に合わせて発売されたWelcome to Another Dayでは湯川れい子による日本語詩でTell Me Where You're Goingを歌っている。
'91年初夏?には絵の個展を京都で開き、ショーケースライブも行った。この時の思いを曲にしたKyoto Windを9月にはシングルカット(これには中野サンプラザ公演でのMichael RuffとのデュエットによるWhere You Are も収録)、同年11月にはセカンドアルバムSiljeをリリースした。A-haのMorten HarketとのデュエットによるWhere You Areを含むこのアルバムは、全曲の作曲を手掛けるSiljeがリーダーシップをとって作られ、デビュー作よりもポップでバンド指向なサウンドで、着実な成長と音楽性の確かさを感じさせてくれる作品となった。しかしここからのファーストシングルとして地味なバラード曲、I've Loved Youをカットしたことでその後ラジオではあまりかからなくなっていき、うつろいの激しい日本では次第に忘れられる存在となっていく。
'93に入ってテレビドラマの挿入曲としてJames McMillanと共作したHow Can I Stop Loving You、そしてニュース番組のテーマ曲として日本人アーティストとの共作で Dreamingをそれぞれシングルとして発表したのが日本で話題を集めた最後の機会となってしまった。同年9月には3作目、Cow on the Highwayを発表。しかしカントリーフレーバーを大きく取り入れたこのアルバムは話題を集められず、ロンドンのレコード会社との契約をこのアルバムで切られてしまう。
その後母国ノルウェーに戻り地元のレコード会社と契約を結び、'95の3月には初のノルウェー語によるアルバム、Brevetをリリース。同年のSpellmannprisen(スピルマン・プリーセン賞 ー ノルウェーのグラミー賞にあたる)で最優秀女性ボーカル賞にノミネートされる。翌年5月になってこのアルバムはアーティスト表記を”シリエ”と変えて日本でもリリースされた。'96年にはHjemmefra(日本でも'02にようやく発売)をリリース。このほぼ全編アカペラで構成されている異色のアルバムの後、また活動状況がわからなくなっていたが、'99にはThe USA Songwriting Competitionにおいて"I Don't Want to See You Cry"でHonorable Mentionを受賞、さらに韓国映画にCow on the Highway収録のOn and Onが使用されたり、香港のアーティストに曲をカバーされたりして、この時期にアジアでの知名度を高めていたらしい。
'00になって驚くことにUniversal傘下のジャズ・レーベルとインターナショナル契約を結び、初のジャズアルバムであるPort of Callを発売した。ノルウェー国内のチャートでは7位で初登場したこのアルバムは発売直後から大変高い評価を受け、ヨーロッパでのSiljeの知名度を一気に高めることとなった。この成功をきっかけとして、この年のVerve Now Tourや主要なジャズフェスティバルに出演、ノルウェーのMold International Jazz Festivalでは久しぶりにPat Methenyとの共演も果たした。日本でも'01の4月に発売され、その余波でHjemmefraも遂に国内発売されるという嬉しいおまけもついた。
'01の10月にはジャズアルバムとしての2作目At First Lightを発表(日本でもやや遅れて'02の2月に発売)。ノルウェー国内のポップチャートでは、ジャズアルバムとして史上初めて初登場で1位を獲得し、ジャズ系のアルバムとしては異例の売れ行きを記録、同国史上最も売れたジャズアルバムとなった。このアルバムでSiljeはSpellmannprisenのBest Jazz Album部門にノミネートされた。翌年春から夏にかけて、主要なジャズフェスティバルへの出演やロンドンの有名なライブハウスRonnie Scott'sでの6夜連続出演を含むヨーロッパツアーを行った他、秋にはアジアツアーで香港、台湾で初めてコンサートを行い、韓国、マカオもプロモーションで訪れた(日本にも来たらしいが、取材のみ受けて帰ったらしい、、、)。
Last updated: Aug.24, 2003
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