Hjemmefra
(アルバム, '96)
マーキュリー/MAレコーディングズ販売, FXCD 171 (日本盤)
Kirkelig Kurturverksted, FXCD 171 (ノルウェー盤)


曲目Cover of Hjemmefra
1. Jeg Danser, Alene
(I Dance Alone)
2. En Fremmed Jeg Har Mott

(A Stranger That I Met)
3. Vals Til Deg

(Waltz for You)
4. Hvor Du Skal Ga

(Where to Go)
5. Maskefall

(Drop the Mask)
6. Hvem Er Du

(Who Are You)
7. Ruby

(Ruby)
8. Vill

(Wild)
9. Nar Du Er Borte

(When You're Gone)

こちらで試聴が出来ます(1, 2, 4 の3曲)

クレジット
(ソングライティング)
 1, 5. Silje Nergaard and Kristin A. Sandberg
 2. Silje Nergaard and Ole Sverre Olsen
 3. Silje Nergaard/Nils Einar Vinjor and Kristin A. Sandberg
 4, 6, 8. Silje Nergaard and Jan Eggum
 7. Silje Nergaard/Nils Einar Vinjor and Ole Sverre Olsen
 9. Ivar Frones and Tor Jonsson
(ヴォーカル・アレンジ)
 1, 7, 9. Bjorn Kruse
 2. Jon Balke
 3, 4, 6, 8. Richard Niles
(プロデュース)
 Hakon Iversen

解説
ノルウェーのレーベルKirkelig Kurturverksted(ヒルケリ・クルチュールヴェルクステッド)からの2作目としてリリースされた5作目。ノルウェーでのみの販売だったため長い間日本には入ってこなかったが、同レーベルのアルバムをマーキュリー/MAレコーディングズ販売がまとめて'01の3月末にリリースしたことに伴い待望の日本リリースとなった。前作Brevetの翌年'96にリリースされたが、日本ではBrevetが本国より1年遅れて'96の5月に発売されたことも本作が日本で発売されたなかったことの一因ではないだろうか。

ジャケットはBrevet同様に紙製の見開き仕様で歌詞(ノルウェー語)の載ったブックレットがついており、前作よりは少ないが彼女の写真も内ジャケにある。国内盤は輸入盤国内仕様といった形態でBrevetほど立派ではないが、日本語訳と題名の英語訳及び邦題がついており、簡単な解説もある(あと豪華な帯も(笑))。アルバムタイトルはノルウェー語で「手造り」(Homemade)という意味らしく、そこから邦題が採られている。 ちなみにアーティストネームはBrevetと同じく”シリエ”となっている(せっかくPort of Callがリリースされたばかりなのだから合わせれば良かったのにとは思うが)。

収録曲には過去の曲のリメイクも多いが、5以外はすべて男性コーラス(計8人)を伴ったアカペラ、もしくはそれに近い形となっているため全く新鮮な印象を与えてくれる。また日本語訳を見ると分かるように7以外の歌詞はソングライティング・パートナー(Brevetにも参加)によって全て新たな意味を持ったものに書き下ろされており、曲のタイトルもそれを反映したものとなっている。リメイクされた曲のメロディは原曲を即座に思い起こさせてくれるものばかり(2を除く、何のリメイクだか誰か教えて下さい)だが、全て人間の声だけで実現されていることには驚かざるを得ない。ヴォーカル・アレンジに3作目までのプロデューサーであるRichard Nilesが加わっているのも大きいだろう。以前のバンドメンバーであるNils E. Vinjorが4などでギターで参加しているのも嬉しい。以下にリメイクされた曲のオリジナルタイトルを書いておく。

Jeg Danser, Alene − セカンドに収録のI've Loved You
Vals Til Deg − ファーストに収録のWaltz for You
Hvem Er Du − セカンドに収録のWhere You Are
Ruby − ファーストに収録のMove Along, Ruby

オリジナルバージョンではオーケストラをバックに歌われたI've Loved Youがアカペラで雰囲気を再現できてしまうのも驚きだが、それをアルバムの1曲目に持ってきたことにはさらに驚かされる。彼女のこの曲に対する思い入れがそれだけ強いということだろう(セカンド国内盤の曲解説参照)。名曲Where You Areをリメイクした6は来日公演でMichael Ruffとデュエットした時に近い感触を持つ仕上がりで、特にコーラス部では絶妙なアンサンブルを成している。Move Along, Rubyのリメイクの7はSiljeの歌声はほぼ昔のままだが、コーラスのおかげでオリジナルよりもせつなさを感じさせる。

2でのSiljeのボーカルは彼女らしさを存分に感じさせるもので、最後にリプライズを入れる工夫が見られる。5はアルバム中唯一、Siljeがピアノをバックに一人で歌ったナンバーで、透明感溢れる彼女の声の魅力に溢れている。8はイントロのコーラスがコミカルさをも感じさせ、その歌詞も相まって全体的にちょっととぼけた感じの曲。ラストナンバーの9はほとんどは男性コーラスで歌われ、Siljeは最後の方で加わるのみの異色のナンバー。

曲数が9曲と少ないのは不満だが、人の声の力強さでその短さを感じさせない作品となっている。

ちなみにこのアルバムはノルウェーのオンラインショップでも買えます。

 

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