Sheryl Crow @ Sioux Empire Fair in Sioux Falls, USA ('01/08/09)
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今年の夏はStevie Nicksのツアーに一部参加しているSherylが単独で行う数少ない日程のうち、8/9にサウスダコタ州スー・フォールズで行われたコンサートを見てきました。本来なら8/4, 6にもライブは予定されていましたが、緊急手術のためキャンセルしたので、昨日のSturgis(やはりサウスダコタ州)とこの公演、そして8/11のモンタナ州での公演がソロで行う全日程になります。

スー・フォールズでのライブは8/7〜12の期間で行われているSioux Empire Fairというフェアの一部として行われるコンサートシリーズで、他の日にはPat BenatorやSmash Mouthなどが出演しています。

会場は常設の階段状の指定席エリアの前に特設ステージを作り、その間にロープで区分けされたジェネラル・アドミッション・エリアがあるというレイアウトになっていました。私の席はTicketmaster.comで買った時によく確認しないで買ったために指定席の8列めだったのですが、ジェネラル・アドミッション・エリアと指定席の差はいざ入ってみるとあまりに著しいため、一旦入場した後に退場して、あらためてジェネラル・アドミッションのチケットを買いなおし再入場、なんとか中央やや左寄り、前から4〜5列目を確保することが出来ました。

Sherylのライブに先立ちKory and the Firefliesというローカルバンド?が前座で演奏しました。Brad Pitt+Willem Dafoeといった感じのボーカル、Dave Grohlに激似の(エレキ)ギター、Heath Ledgerに似てるベースとサンプラザ中野に似てるドラム、あとパーカッションの5人編成のバンドで、観客の中には歌を歌える人もいたので現地ではそこそこ人気があるようです。1曲目はまあまあだったのですが、次の曲で縦ノリ系のバンドであることが判明、その瞬間興味はなくなりました。35分程このバンドが演奏した後、約40分のブレイクを挟んでSherylとバンドメンバー達が登場し、ライブが始まりました。

個人的にはStevie Nicks & Friends以来に見る生Sherylになりますが、フルセットでのコンサートとなると一昨年の来日公演以来のライブなので非常に期待を持って見に行きましたが、それを上回ってくれるとても内容のあるコンサートでした。
以下がセットリストです:
1. Walk Away(James Gangのカバー)
2. A Change
3. If It Makes You Happy
4. Can't Cry Anymore
5. Leaving Las Vegas
6. It Don't Hurt
7. My Favorite Mistake
8. Anything But Down
9. Sweet Child of Mine
10. Abilene (新曲)
11. Strong Enough
12. Black Betty/Slowride(Ram Jamのカバー)
13. Mississippi
14. Everyday Is A Winding Road
15. There Goes the Neighborhood
(Encore)
16. I Want you to Want Me(Cheap Trickのカバー)
17. All I Wanna Do
18. Tie Your Mother Down(Queenのカバー)

バンドメンバーはTim Smith, Peter Stroud, Lorenza Ponce, Matt Brubeck, Mike Rowe、そして他のアーティストのレコーディングやツアーで多忙なJim Bogiosに代わってドラムにはJeremy Staceyという人が参加していました(この人は新作のレコーディングにも加わっているらしい)。

茶色のレザーのタンクトップの上に白のひも飾り付きベスト、紺のジーンズという格好のSherylはちょっと前に緊急手術をしたとは思えない元気さで、終止表情は明るくきらきら輝いており、自身も楽しみながらという感じでリラックスした演奏をしてくれました。

1曲目、いきなり知らない歌で始まったものの、セットチェンジで長く待たされている間に興奮をおさえきれなくなった観客からは大歓声があがります。そして次にA Changeが演奏された時には(少なくともジェネラル・アドミッションのエリアは)盛り上がりは頂点に達した感じで、ライブハウスで見ているかのような非常に良い反応を返していました。そしてIf It Makes You Happy, My Favorite Mistakeを始めとして会場中が大合唱をしたのですが、Anything But Downでもコーラス部を一緒に歌っている人がとても多かったのは嬉しかったです。

屋外でのライブということもあって、代表的な曲の数々も来日公演の時とはエネルギーの発散の仕方がちょっと違っていて、よりポジティブさを感じさせるものでした。Lorenza Ponceがあまり前面に出なかったのだけは残念ですが、ステージが小さかったので仕方ないでしょう(だけどソロを取っている時の姿はやっぱり決まっている)。

NYで数回行ったライブでも演奏された一連のカバー曲を聞けたのも貴重でした(きっと次に来日した時には演奏されないでしょう)。特にRam JamのカバーのBlack Bettyと、Cheap TrickのカバーのI Want You to Want Me(この曲歌える人が多いのはびっくりした)が良かったです。これらの曲でのSherylは、歌も歌うバンドメンバーに徹して、バンドでの演奏を楽しんでいるという感じでした。出過ぎること無く、しかしカバー曲でも明らかに中心メンバーであることを感じさせる存在感を放っているあたり、着実な成長を感じさせてくれます。Black Bettyは変則的なドラムパターンを持つ曲ですが、Jeremy StaceyのドラムはJim Bogiosほどの力強さはないものの、しっかりしたリズムを奏でていました。

また新曲を演奏してくれたのも、もしかしたらとの思いはあったもののやはり嬉しかったです。ミディアムテンポで、インタビューで語っていたようなテクノ色はなく、むしろより'70sのサザン・バンドの雰囲気を漂わせている感じの曲調でした。

アンコールを含めて1時間30分程の演奏でいつもよりは若干短かめでしたが、アルバムリリース前とはいえ手抜きを全く感じさせない、見に行ったかいのある充実したコンサートでした。


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