Sheryl Crow @ 東京国際フォーラム (東京) (Mar.11, '10)
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東京公演の2日目を見ましたが、とっても良かったです!オフィシャル・サイトのTour Diaryを見ていると、今回は2公演ごとにセットの内容が大幅に見直されているようなので、大阪、広島の後となった東京公演はまたセットの内容が変わることを期待して行ったのですが、、期待を大きく上回る内容でした!!
今日は東京初日と同じ会場(東京国際フォーラム・ホールA)で、初日よりやや客の入りが悪いようでしたが、それでも1階席は9割がたは埋まっているように思いました。最初のJackson Browneのセットでの観客の反応は、、初日よりはいいかなと思っていたのですが、時間が進むにつれ、今回のツアーで一番盛り上がっていないように思いました(名古屋でうるさかった人がまた同じ行為をしたのには閉口、、、)。演奏後の拍手こそそれなりでしたが、演奏中に手拍子はほとんど聞かれなかった(キャパの小さな名古屋ではもっともっと大きかった)し、(最後から2曲目の)Running on Emptyでも立った人は見たところ1/3くらいでした(私のいたブロックでは両手の指の本数で余るくらいだったような)。。。それでも、大阪公演などと同様に、最後にSheryl & バンドメンバー全員を呼び寄せて演奏されたTake It Easyでは2/3くらいは立ってたかな。。。もちろん立って見ていればいいというものでもありませんが、座ってほぼ静止したままで見ている人が多数というのは、観客自身にとっても、アーティストにとってもあまりにもったいないです。コンサートはアーティストと観客のインタラクションで成り立つものなので。で、Sherylのセットでもあまり変わらない感じの反応(もちろんSherylファンからの反応が加わりますが、私のいたブロックで立っていたのは終盤まで私一人だけ、、)が途中までずっと続いたのですが、気にせず演奏に集中しているうちに、とても心地よい感覚を味わうことができました('03のDaryl Hall John Oatesの東京3日目と同じ感じ)。席が真ん中のブロックの前から4列目とちょっと遠いもののほぼ中央で、立っているとSherylとの間にはほぼ何も遮るものがない状態だった('02の武道館2日目もこんな感じだった)というのも大きかったです(周りはみな座っているので、ステージからはきっとよく見えたことでしょう)。
今日のコンサートは、Jackson Browneがやっぱり1時間20分ほど演奏(名古屋あたりから7時きっかりに始まってるので注意)した後、30分弱の休憩を挟んで始まりました。Sherylは、紺のジーンズに黒のタンクトップ?と、両腕がメッシュになっててシルバーのスパンコールがついている黒のカーディガン、という衣装でした。1曲目は名古屋以来すっかり定着した If It Makes You Happyでしたが、次に演奏されたのはなんとSteve McQueen。今回のツアーでは初めての演奏になります。この曲を強く歌えるかというのはSherylの調子のバロメーターになると思っているのですが、今日のパフォーマンスはまったく問題ない出来で、この後は安心して見ることが出来ました。これ以降は金沢公演などと同じ順番で曲が演奏されていきましたが、どの曲もSherylの出来がよく、特にCan't Cry Anymore(I Can See Clearlyはなし)とLove Is Free(ここらへんから少しずつ手拍子をする人が増えてきた)は今回のツアーで一番の出来だったと思います。そしてReal Goneの後は復活したLeaving Las VegasにStrong Enoughと続きましたが、この2曲も素晴らしかったです。ここらへんからは座ったままながらも体を揺らしながら聞いている人も見られるようになりました。この後、Jackson Browneを呼び寄せてLove Hurts(Everly BrothersやRoy Orbisonで有名な曲らしい)とPeace, Love & Understandingが演奏され、多少は会場が盛り上がりました。Love Hurtsでは二人がほぼ全編でデュエットしてましたが、声の高さが違うこともあって、なかなかいいデュエットだったと思います。大阪公演からこのような構成になったようですが、SherylがJackson Browneのセットに登場したことも含め、ジョイントしているアーティスト同士がお互いのセットの本編に登場する、というのはよりジョイントらしくていいですね。この後の曲はSherylのアコースティックソロで始まったので、もしかして大阪でやったらしい It's Only Love?と思って気持ちが前のめりになったのですが、Good Is Goodでした。でも、この曲もとても良い演奏でした。ここからは定番の曲が続きましたが、曲順はこれまでとちょっと違いました。All I Wanna Doでは名古屋のようにみんな立ち上がる、ということもなかったのですが、、この曲以降立ち上がったり手拍子をする人が徐々に増えていき、本編最後のEveryday Is A Winding Roadではそれなりに盛り上がって終わりました。アンコールでは最初にJeremy Staceyが登場してソロで演奏を始め、徐々にメンバーが加わって、という形で演奏が進んでいき、しばらく何の曲かわからないでいたのですが、(個人的には)初日以来となるA Changeでした。演奏はタイト、ライティングも派手で、さすがにこの曲での反応は良かったです。途中にSherylが "I want my MTV" というDire StraitsのMoney for Nothingの一節(というかStingのコーラス部だけ)を口ずさむという場面もありました。そして最後に演奏されたのは待望の I Shall Believe。この曲でSherylは、ほぼ全編で目を閉じて歌っていました。こういう時のSherylはいつだっていいのです。。すべての曲が素晴らしかった今日のコンサートの中でも、飛び抜けて素晴らしい感動的な歌声を聞かせてくれました。やっぱりこの曲は名曲です。
以下が今日のセットリストです。
Jackson Browneのセット:
最後にTake It Easyを共演
Sherylのセット:
1. If It Makes You Happy
2. Steve McQueen
3. Can't Cry Anymore
4. Love Is Free
5. My Favorite Mistake
6. The First Cut Is the Deepest
7. Real Gone
8. Leaving Las Vegas
9. Strong Enough
10. Love Hurts *Jackson Browneとの共演
11. Peace, Love & Understanding *Jackson Browneとの共演
12. Good Is Good
13. All I Wanna Do
14. Out of Our Heads
15. Soak up the Sun
16. Everyday Is A Winding Road
(Encore)
17. A Change 〜 Money for Nothing
18. I Shall Believe
本編だけで1時間18分、アンコール含めて1時間35分
今日のコンサートの何が良かったかというと、演奏面で「中だるみ」がなかったことに尽きます。これまでの公演はどれもある程度満足できる出来ではあったものの、歌詞を忘れたり、途中で声が出ないことがあったり、ちょっと力を抜いた瞬間を感じることもありました。でも、今日はそのようなことは一切なく、MCもそこそこに(原宿、新宿でYenをたくさん使って、築地にも行った、というレベルのおしゃべりはありました)、Sherylは演奏に集中していて、目の前の観客の反応がどうであれ、手抜き一切抜きの最高のパフォーマンスを見せてくれました。Jackson Browneとの共演も、その方法を途中で変えたのがいい方向に作用して、刺激を受けたのではないでしょうか。今日のコンサートは、演奏面では私がこれまでに日本で見た中で一番良かったとすら思えます。セカンドの頃の一番かっこ良かったSherylがパワーアップして戻ってきた感じで、当時はまだ勢いで突っ走っていたところがあったと思いますが、アーティストとして成熟し、様々な人生経験も経たことで、余裕を保ちながらも最高の演奏をできるようになったのだと思います。今日のコンサートが終わってからの私の気持ちの昂揚感は、'05のDaryl Hall John Oatesの最終公演を見たときに匹敵するものがありました(これは最高の褒め言葉だと思ってください)。もうOoh Yeah!って感じで、頭の中ではひたすらSherylの歌声がリフレインしていて、体を動かさずにはいられませんでした。
Sherylの調子は現在ピークにあると思うので、明日の最終公演もとても楽しみです。