Lisa Loeb ('02/2/3@東京・渋谷公会堂)


Lisa Loebの4年ぶりの新作Cake & Pieに伴う来日公演の初日を見て来ました。プロデューサーでもあるパートナーのDweezil Zappa(故Frank Zappaの息子)の影響もあってか、アルバムではファーストを思わせる曲調(少しオルタナ的)のものがいくぶん増え、前回来日時よりも”ロック色が強く”なると去年のプロモ来日時に予告されていたので、前回の公演とはだいぶ違った感じになるんだろうと思ってました。会場もすべてライブハウスだった前回と違って少し大きく(ホールに)なり、また前回のツアーのサウンドを特徴付けていたストリングス隊はやっぱりいませんでした。でも変わらないのは極めて明るく自然体なLisaのパーソナリティ。終演後は初めて見た時と同様、やっぱりほのぼのしたいい気分で会場を出ることが出来ました。

約15分ほど遅れて登場したLisaは、去年12月にHMVでインストアライブを行った時と同じ衣装−白のブラウスに薄茶色のミニのワンピース、スカーフに網タイツ、、-という格好で、出て来た瞬間予想通り、会場の女性達から”可愛い〜!!”という黄色い声援が(^^;;;;。いや、たしかに私もかわいいと思いましたが、、、こういう声援はコンサート中しょっちゅうありました。Lisaの後ろと左横にはプロモ来日中に”一目惚れ”したというアフロ犬のぬいぐるみが置いてあるし(しっかりネタとしてコンサート中使ってました)。たまには「Lisa〜!!」っていう太い声援もありましたが、男女比は4:6か3:7といった感じで、女性がやはり多かったようです。バンドの方はLisa & Dweezilのほか、ギター(曲によってはキーボード)、ベース、ドラムスの5人編成で、以下のようなセットリストでした:
1. You Don't Know Me
2. Waiting for Wednesday
3. Someone You Should Know
4. Bring Me Up
5. Everyday
6. Look Me in the Eye
7. Stay (I Missed You)
8. Snow Day
9. Truthfully
10. Alone
11. The Way It Really Is
12. Taffy
13. Payback
14. Drops Me Down
15. Do You Sleep?
16. Too Fast Driving
(Encore 1)
17. Underdog
18. I Do
(Encore 2)
19. Sandalwood

私はステージ右端、前から4列目に座っていたのですが、最初のうちは右スピーカーの目の前のわりには音量は大したことなく、ベースはともかくドラムの音があまり聞こえず、演奏が悪いわけではないものの、ホールクラスで演奏するには薄っぺらい音に聞こえてしまいました。Lisaの歌もしっかりしたものではあったけど、アルバムでは女性コーラスをバックに配した、らしい歌であるSomeone You Should Know(この曲、Daryl Hall John OatesのEverything Your Heart Desiresの女性版といった感じですね)とかもギター&ベースの男性陣がバックボーカルをやっていたのはちょっと違和感。。。一人で無理に全てを再現しようとしてライブでは醜い歌を聞かせるCardigansのNinaよりはよっぽどうまく対処してたとは思うのだけど、前回の公演ではストリングス隊がそこらへん上手く補っていたんだなぁということを実感。観客も立ちんぼうになっている人が多くて静かなもので、演奏もアルバムとあまりアレンジを変えずに淡々と進んでいくので、数曲おきにLisaとベーシストの日本語教室(^^)とかあるものの、あっというまにStayが始まったという感じだった。でもここらへんから会場の反応も変わってきました。

さすがにイントロから反応の違うStayを丁寧に、でもやっぱり淡々と演奏したあとバンドが一旦下がり、Lisaが一人でアコギを弾きながらSnowが演奏されましたが、こういう形でこそLisaの声の魅力がよく現れます。去年のHMVでもDweezilと二人だけで語りかけるような演奏を聞かせてくれたのを思い起こさせてくれ、Lisaのパフォーマーとしての実力を確認させてくれるとても魅力的な演奏でした。次の曲ではキーボード担当が一人出てきて、Lisaと二人で代表曲の一つTruthfullyを演奏しましたが、いつもとはちょっと変わった感じでこれも良かったです。このあとバンドがまた出てきて2曲を演奏した後、"sort of special part of the night"とか言ったんで、何が始まるかと思ったら、日本語で「今日は節分」だって(そんなのすっかり忘れてたぞ)。これには場内爆笑。Lisaとバンドメンバー全員がスタッフから豆の袋を手渡され、豆(豆の小袋)まき大会が始まりました(^^;;;。Lisaが「鬼は外」とか「福は内」とかいいながら豆を観客に向かって投げるので、そこらじゅから"Lisa!"とか"Here"とかいう声が上がり、またLisaが「あっ!」とか声を出しながら豆を投げる様に、一気に会場の雰囲気が和みました。このほかにもコンサートの間じゅう、積極的に日本語を使って挨拶したり、バンドメンバーとの漫才のようなユーモラスなかけあいをしたり、でもあくまで自然体で、観客とのコミュニケーションの取り方が抜群にうまいLisaでした。このあと演奏されたTaffy以降はそれ以前とはあきらかに盛り上がりが違い、演奏後の拍手も十分大きかったです。Lisaも気持ちよく演奏していたようで、MCもそこそこに、本編最後まで一気に5曲演奏されました。ここらへんでは音もだいぶよく調整されてて、こちらも気持ちよく聞くことが出来ました。最後のToo Fast Driving(演奏前に"We're gonna do one more song"との発言に「え〜〜〜〜!?」という声が続出(^^;;)ではバンドメンバーそれぞれがソロを取ったあとに紹介されていましたが、ひとりひとり(特にドラム)がしっかりした演奏をしていたことがあらためて確認出来ました。Dweezilはやっぱロックな人なのね。

アンコールでは新作のベストトラックであるUnderdog(HMVのインストアでも演奏されました)が演奏されましたが、この曲はアコースティック・ギターだけでも、バンドでやってもいい曲だと思いました。バンドだとベースの音が特に印象的に聞こえます。そしてトレードマーク・ソングと言えるI Doが演奏されてまた下がったあと、鳴り止まない会場の拍手に促されてLisaが一人でギターを抱えて出てきて一曲演奏して、1時間20分強のコンサートが終わりました。

時間的には短いものの、演奏だけでなくLisaの人柄もたっぷりと楽しめたという感じで、とてもいい気分で会場を後に出来たコンサートでした。Lisaってある意味究極の和み系アーティストですね。明日も行きます。

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