Anything Box


*'04 Favorite Albums
1. Our Kind of Soul (Daryl Hall John Oates)
2. Love Affair (Sophie Zelmani )
3. Feels Like Home (Norah Jones)
4. Golddiggas, Headnodders & Pholk Songs (The Beautiful South)
 以下特に順番無し:
・Grown Backwards (David Byrne)
・One Moment More (Mindy Smith)
・Loftmusic (Thea Gilmore)
・Clocks and Clouds (Rosie Brown)
・Retriever (Ron Sexsmith)
・Catch the Moon (Lisa Loeb & Elizabeth Mitchell) & The Way It Really Is (Lisa Loeb)

*今年印象に残ったライブ

1. Our Kind of Soul (Daryl Hall John Oates)
1曲目でDarylの歌声の元気さに驚き、2曲目ではそのグルーブの豊かさに感激する、彼らにとって初のカバーアルバム。溢れんばかりの歌心を抑えきれずに嬉々として歌っているDarylの姿が目に見えるようで、これほどライブを心待ちにさせてくれるアルバムは他にないでしょう。前作は5年以上かかってしまっただけにほんとに今年中に聞けるのか不安だったのだけど、これで来年もまた楽しめます。何回も繰り返し聞くことでより味わいが増していく、会心のアルバムです。カバー曲の間にちりばめられた新曲も、聞くほどに彼らの魅力の様々な要素を再確認できるものばかりです。
ベスト・トラック:Soul Violins

2. Love Affair (Sophie Zelmani)
約2年ぶりとなる新作は、恋愛をテーマとしたアルバム。これまでもラブソングを多く歌っているSophieだが、これまで以上に丁寧に作られた楽曲は優しくセンチメンタルな曲調で統一されていて、Sophieにしか作れない(そしてSophieだからこそ許される)世界を作り上げている。それだけに好き嫌いが別れるかもしれないが、個人的にはSophieが「戻って来た」と感じるアルバム。CDで発売されなかったのは残念だが、久しぶりに日本でも店頭にアルバムが並んだのはうれしかった(国内盤が出ないのは信じられない)。
ベスト・トラック:Grand As Loving

3. Feels Like Home (Norah Jones)
よく言われているようにカントリー色がいくぶん強くなったが、ルーツロックやR&Bの影響を強く感じさせる曲も入っていて、ファーストと比べて楽曲の幅がかなり拡がった。アルバムとしての統一感が薄れたという見方もあるだろうが、一枚丸ごとNorah Jonesという才能あふれるアーティストを堪能するのが正しい聞き方だろう。歌声の表情もより豊かになって、2作目にして早くも貫禄が出て来た。
ベスト・トラック:Carnival Town

4. Golddiggas, Headnodders & Pholk Songs (The Beautiful South)
4年前にはジャズへアプローチするアーティストが多かったが、'04はカバーアルバムを発表するのがトレンドなのか、The Beautiful Southの最新作もカバーアルバムとなった。Paul Heatonのソロツアーでも歌われたOlivia Newton-John & John TravoltaのGreaseの曲のカバーに始まって、各メンバーからの提案を取り入れて選曲した様々な曲が並ぶが、全編彼ららしさを感じさせる仕上がり(ややマイナー調だけど)となっているのが好ましい。
ベスト・トラック:This Old Skin

以下特に順位なし。
・Grown Backwards (David Byrne)
ストリングスを大きくフィーチャーしていて前作の延長線上にあると見ることも出来るけど、オペラを歌ったり、Rufus Wainwrightとデュエットしたり、そうかと思うと元気な音を聞かせていたUh-Ohにあったような曲もはいってたりして、David Byrneのキャリア(Talking Heads含む)の集大成と言えるようなアルバムになっている。悟りの境地に達したかのように、Davidの歌声はこれまで以上に優しい。
ベスト・トラック:The Man Who Loved Beer

・One Moment More (Mindy Smith)
今年デビューした新人で聞き続けたのはこの人だけでした。声はSundaysのHarrietにかなり似ているが、ピッチがやや低くて声が裏返ることがない分、落ち着きを感じさせる。清涼感溢れる歌声で聞いてて気持ちいいです。
ベスト・トラック:One Moment More

・Loftmusic (Thea Gilmore)
毎年必ず何かしらリリースされるThea Gilmore、今度はカバーアルバムです。CCR, Neil Young, Van Morrison, Ramonesなどの曲を取り上げているが、歌い演奏することに徹しているため、これまでソングライティングの陰にやや隠れがちだったTheaのシンガーとしての魅力が全開で、曲によってはSarah McLachlanを連想させるような歌唱も聴かせる。当初コンサート会場限定での販売だったものがその後一般ルートでも販売開始、それに値する内容になっていると思う。
ベスト・トラック:Crazy Love

・Clocks and Clouds (Rosie Brown)
ふと店頭で試聴してみて、久しぶりに引き込まれたアルバム。ややジャジーで空気感のあるサウンドにEdie Brickellに似た声のボーカル(やっぱりこの系統の声が一番好きなのかも)がのっかり、生で聞いてみたいと思わせる。歌声が時折ややかすれるところも自分好みです。ピーター・バラカン氏も推しているのを知ったのは、アルバム購入した後でした。
ベスト・トラック:Sunray

・Retriever (Ron Sexsmith)
来日公演も素晴らしかったRon Sexsmithの最新作は、文句なしにいままでで一番楽しめるアルバム。Hard Bargainのような叙情性溢れる曲からFrom Now Onのように元気のある歌声を聴かせる曲もあって、飽きさせません。歌詞もひねりが効いてます。歌声もさまざまな表情を見せてくれ、シンガーとしても魅力的になりました。
ベスト・トラック:Hard Bargain

・Catch the Moon (Lisa Loeb & Elizabeth Mitchell) & The Way It Really Is (Lisa Loeb)
Catch the Moonの方が気に入っていたのだけど、聞き込むうちにLisaの最新作も彼女の代表作と言えるような出来だということがわかってきたので、2枚ともということで。Catch the MoonはLisa Loebが旧友のElizabeth Mitchellと製作した「子供向け」アルバムだが、ほのぼのとした柔らかい雰囲気の曲が並び、聞いていてとても和みます。二人で歌った曲では相性の良さを感じさせてくれ、それぞれがリードを取った曲では二人の個性の違いが楽しめます。Lisaの最新作は、キャッチーな路線を狙いすぎてチープさを感じさせた前作とは異なり、Lisaらしさと親しみやすさのバランスがうまく取れたメロディが耳に残る。バンドサウンドを聴かせる曲とアコースティック調の曲を交互に挟み込んだような構成もいい。Lisaの歌声にかわいさだけでなく説得力がこれまで以上に感じられる、充実したアルバム。
ベスト・トラック:New Morning (Catch the Moon), Would You Wander (The Way It Really Is)


*今年印象に残ったライブ
1. Eddi Reader (7/7@大阪ブルーノート)
2. Eddi Reader (7/13@福岡ブルーノート)
3. Edie Brickell (5/1@Alexandria, VA)



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