Elton John
('01/11/13@東京・日本武道館)


 Elton Johnの東京公演初日を見ました。最新作Songs from the West Coastに伴うツアーで、日本では昨日の大阪公演に続く2日目になります。今回は単独公演としては(ジョイントではBilly JoelやEric Claptonと一緒に来たりしましたが)、’74来日時以来のフルバンドでの来日公演となるそうで、前回のBilly Joelとのジョイントツアーのような楽しいステージになることを期待して見に行きましたが、いい意味で裏切られた素晴らしいコンサートとなりました。

以下がセットリストです:
1. Funeral for a Friend
2. Someone Saved My Life Tonight
3. Bennie and the Jets
4. Philadelphia Freedom
5. Ballad Of The Boy In The Red Shoes
6. The Wasteland
7. Rocket Man
8. Daniel
9. I Guess That's Why They Call It The Blues
10. This Train Don't Stop There Anymore
11. (Gotta Get A) Meal Ticket
12. I Want Love
13. Birds
14. Country Comfort
15. Take Me To The Pilot
16. Mona Lisas and Mad Hatters
17. Holiday Inn
18. Tiny Dancer
19. Levon
20. American Triangle
21. Original Sin
22. I'm Still Standing
23. The Bitch Is Back
24. Saturday Night's Alright (For Fighting)
(Encore 1)
25. Your Song
26. Crocodile Rock
(Encore 2)
27. Don't Let The Sun Go Down On Me
28. Candle In The Wind

開演予定の7時を10分弱過ぎたところでキーボードの音色に導かれ、Elton & バンドが登場。バンドはギター、ベース、パーカッション、キーボード、ドラムという5人編成で、ギターとドラムはいわゆる”黄金期”を支えたDavey JohnstoneとNigel Olssonが担当してました。私の席は武道館の2階席南側の前から5列目(こんなんでも優先予約、、、ウド−のばか)ということで、音響面はもともと期待していなかったのですが、予想通り(?)コンサートが始まった当初は音のバランスが悪く、そのためバンドの演奏はゆるく思え、またEltonの声も声量が落ちたのかと錯覚するくらい聞こえづらかったです。そのため初めて生で聞けたSomeone Saved My Life Tonightから4曲目なんて個人的にはヒットな選曲なのだけど、いまいち入り込めず。前回のBilly Joelとのジョイントツアーのときのようなお茶目な格好や仕種もなく、淡々と演奏が続いていく感じでした。それでも大昔の武道館よりは音はまだましになったよなとか思いながら、Rocket Manあたりまでは一曲6〜8分というたっぷりした演奏だったこともあって、ゆったりした気持ちで聞いていました。観客の反応も、曲が終わるたびにEltonが椅子から立ち上がって観客に挨拶をしたりしてるのに、演奏後の拍手こそあるものの全体的に静かで、Eltonは少し調子狂うなという感じでときおり手で頭を掻いたりしてました。

前半はバンドが一丸となった演奏よりはEltonのピアノが前面に出てくる曲の方が良い感じで、昔の曲よりは最新作からの曲の方が声域的にもより合っているためかいいな、などと思ってました。それが変わり始めたのは15曲目のTake Me to the Pilotあたりからです。この曲ではEltonが観客をあおったこともあって観客の反応も少し大きくなり、またここらへんからは音響面も改善されて、コンサートが始まった時よりも音量がだいぶ大きくなったように思われました。そして個人的に決定打となったのが18曲目に演奏されたTiny Dancerです。映画Almost Famousで印象的なシーンに使われていたこともあって再注目していた曲でしたが、あらためて生で聞いてみてそのあまりの素晴らしさに頭が真っ白になった状態で聞き入ってしまい、以前Sarah McLachlanのコンサートを見た時とも似た、静かで深い感動が沸き上がってきました。バンドの演奏もとても的確でまとまったものと思えるようになり、ここから先はもう夢中で聞いていました。私の周囲にいた人達は2階席ということと、すこし年齢層が高めということもあって静かに聞き入っている人が多かったですが、やはりTiny Dancerあたりからは静かに体を揺らしつつ思いを巡らせている感じの人が多かったようです。Levonが終わった後の会場の反応もそれまでとは見違えるほどでした。このときのEltonのしてやったりといった表情といったら!その後は新曲2曲に続き文句無しに楽しいロック・ナンバーを3曲続けて大変盛り上がった状態で長かった本編が終了(ここまで2時間20分ほどぶっつづけ)。最初のアンコールではEltonが一人で出てきてYour Songを、続いてCrocodile Rockをフルバンドで演奏しましたが、どちらも素晴らしかった!永遠の名曲Your Songは個人的にとても好きな歌なので外れようがありませんが、Crocodile Rockも28年前の歌とは思えないほど瑞々しい演奏ぶりで、ロッカーEltonの顔が覗いてとても良かったです。2回目のアンコールはYour Songと並んで好きなDon't Let the Sun Go Down on Meに続いて、もう歌わないと宣言していたはずのCandle in the Wind(オリジナルバージョン)で締めくくられ、トータル2時間40分に及んだコンサートが終わりました。

どの曲も聞いているとその曲の良さが実感できるものばかりで、これだけ素晴らしい曲を書いてきたEltonの才能には驚かされます。この日の演奏はNHKで放送するためにカメラがたくさん入っていましたが、テレビの画面では絶対体験できない魅力に溢れており、またフルバンドでの演奏でEltonの演奏力と歌唱力がより際だつことも確認できた素晴らしいコンサートでした。終演後も電気がつくまで拍手が鳴りやみませんでしたが、できることならもっと見ていたかったです。15日も当然行きます。

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