Smells Like Truth
(ゲスト参加, '91)
東芝EMI, TOCP-6948(日本盤)
Chrysalis/Ensign, F2 21849(UK盤)
曲目
1. Smells Like Truth
2. Eyes
3. Arms of A Dream
4. (If You) Walk Away Awhile
5. Heaven on Earth
6. Haunted
7. White Hall
8. O My Heart
9. Getting Close
10. Song to the Siren
クレジット
(ソングライティング)
1〜7, 9. Laurie Freelove
8. Laurie Freelove/Boo Hewerdine
10. Tim Buckley/Larry Beckett
(プロデュース)
1, 3, 5〜8, 10. Laurie Freelove with Boo Hewerdine, Chris Brickett & Kevin Moloney
2, 9. Laurie Freelove
4. Laurie Freelove with Boo Hewerdine & Chris Brickett
解説
個性的な声を持つアメリカ・テキサス出身の女性アーティスト(ジャケットでは男性のように見えるが女性)、Laurie Freeloveのデビューアルバム。5、8でEddiがアディショナルボーカルとして参加している。
'89に 2 Nice Girlsという女性バンドでデビューし1作で脱退後、'90にSouth X South Westにおいて社長に見初められEnsignと契約。その年の夏にテキサスにソロショーケースツアーにやってきていたBoo Hewerdineと知り合い、その縁でBooはこのアルバムで共同プロデューサーを務めた。Booは曲作り(8)、演奏(5、8でギター、アディショナルボーカル)でも参加している。
Eddi本人、Boo以外にもこのアルバムには更にEddi/Fairground Attractionに関係している人物が参加している。まずRoy Doddsが1、5、8でパーカッションなどで参加、Eddiのソロ・ファーストアルバムに参加していたPhil Stereopulosがやはり1、5、8でベースを演奏している。そしてFairground Attraction 唯一のアルバムThe First of A Million Kissesでプロデューサーを務めたKevin MoloneyもBoo同様共同プロデューサーに迎えられている。このアルバムがEddiのソロデビュー前であるということを考えるとこれだけ関係者が揃っているというのは興味深い。Eddi, Booともはっきりと語ってはいないが、これがBooとEddiの出会いのセッションとなったのではないだろうか(このアルバムのレコーディングはテキサスの他、イギリス、アイルランドでも行われたそうです)。
Laurie Freeloveの声は非常に独特で、ちょっと機械的な加工をしたような(ボコーダーを軽く通したような)、ややハスキーな感じで、一点の曇りもない声を持つEddiとLaurie Freeloveによるハーモニーはちょっと不思議な響きがある。好き嫌いがはっきり別れるだろう彼女の声の印象があまりにも強く、音楽自体もエキセントリックなものと思いがちだが、アルバムに収録されている楽曲には3、6、10(この曲はアカペラで始まる)のようにキーボード、パーカッションの控えめな演奏に支えられるシンプルな曲もあって、バラエティに富んでいる。ただここで聞かれる音楽は他の何にも似ていないオリジナリティの高い音楽だというのは確かだ。1のタイトル曲ではJamiroquaiによって有名になったオーストラリア、アボリジニの民族楽器、ディジェリドゥがフィーチャーされている。また10は故Tim Buckleyの曲のカバー。
Eddiが参加している2曲の内、Heaven On Earthはシングルカットされた。Eddiは曲の全編でハーモニーをつけているが、コーラス部でははっきりと声が聞き取れる。終盤でのEddiのボーカルは変幻自在に舞い上がり、聞き応えがある。この曲はアルバム中で最も多くのミュージシャンが参加しているアルバムのハイライトと言える曲で、その演奏は力強い(Royがパーカッションを叩いていることも大きい)。
もう1曲、O My HeartはLaurie Freelove以外はEddiの関係者だけで演奏されており、Booのギター(カッティングがいいアクセントになっている)、Phil Stereopulosのベース、Royのパーカッションのどれもが力強い。Booの声はコーラス部で聞き取れるが、Eddiの声は珍しくあまりよくわからない。
国内盤は中川五郎氏による解説がついていたが、輸入盤同様既に廃盤。Laurie Freeloveはこの後もアルバムを2作程発表している。
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