Eddi Reader @ ビルボードライブ大阪 (July 4, '16)
Eddiの2年振りとなる来日公演、今回はBillboard Liveです。少し意外なタイミングでの来日ですが、昨年にはBlanco y Negro時代の音源をまとめたボックスセット、今年の3月にはFairground Attraction時代も含めたこれまでのキャリアを総括したベスト盤が発売されたことに伴うツアーになるのでしょう。2年前のツアーが久しぶりのクアトロでとても良かっただけに、今回はどんなツアーになるのかと思っていましたが、2年前のツアーを踏まえた上でさらに演奏曲目の自由度が増した感じになってました。
今回のバンドは、今度は一緒に来たBoo HewerdineとJohn Douglasを始め、Alan Kelly, Kevin McGuireに、新メンバーを2名(キーボード、ピアノのSteve Hamiltonと、ドラムスのAlyn Cosker)加えた構成です。今回はRoy Doddsがいないのが残念ですが、、ひさしぶりにキーボード担当のメンバーがいる(’96のCandyfloss & Medicineのツアー以来?)のには注目していました。それを前提とした選曲があったと思います。Eddiは緑基調の鮮やかな柄のドレスを着ていました。
会場の入りは、中央のテーブルエリアで7、8割といったところでしたが、開演直後から良好な反応でした。今日のEddiはこれまで以上にリラックスしていて、観客と場を共有しているのを心から楽しんでいるのが伝わってきました。これまでの日本での公演では、イギリスやアイルランドでの公演に比べると気張ったところがやはり少しはあった(※いい意味で、です)と思うのですが、今回は、3年前にダブリンで見た時のようにまるでパブで見ているかと錯覚するほどの、少しゆるいくらいの雰囲気を発していました。そのような雰囲気に今日の観客が大きく貢献していたのは間違いないと思います。個人的には、日本でこういう雰囲気でライブを見られるというのに感慨も覚えました。東京のみなさんも頑張りましょうね。。。
今日はThe Moon Is Mineで始まるというオープニングで、さっそく2年前との違いを感じましたが、その後の曲目、そして演奏自体も、これまでのキャリアの集大成という趣がやはりあった2年前とも一味違っていたと思います。Eddiは声量をいつもより抑めにしている感じがしたのですが(※意図的に抑えているというよりは、自然とその大きさになっている感じ)、いつもならハイテンションな歌声を聞かせるCharlie Is My Darlingで、バンドの演奏をより引き立たせるような抑制を効かせた歌声になっていたと感じた(Willie Stewartでも同じことが言えます)あたりから、演奏の雰囲気自体に違いを感じるようになりました。
個人的に印象に残ったのは、Lazy Heart, Comedy Waltz, Moon River, Love Is A Losing Game, Pray the Devil Back to Hellといったところでしょうか。ひさしぶりに歌われた(20年ぶり?)Lazy Heartは、冒頭は静かな歌い出しでしたが、曲が進むにつれてEddiが情感を込めて歌っているのが感じられました。イントロからキーボードの音も効いていて、今回のメンバー構成だからこそ演奏された曲の一つだと思います。Comedy Waltzでは、EddiはFairground Attractionの時に近い比較的シンプルな歌い方をしていていましたが、このような敢えて歌い上げない(でもしっかり歌に思いを込めた)歌い方は、Wild MountainsideやMoon Riverでも感じられました。Pray the Devil Back to Hellは、今日のコンサートを象徴するような雰囲気で、聞いているうちにとても心地よくなり、和ませてくれました。PeacetimeのPrisonsとかにも通じる雰囲気で、Peacetimeを聴いた時に感じたのと同じことを、今回の演奏からは感じました。
ただ、Eddiらしい遊び心というのは今回も健在で、その場の思いつきで演奏したように思われるBeatlesのI Want to Hold Your Handには驚かされました。Willie Stewartのあと、Eddiは自分が小さかった頃に子守をしてくれていた叔母が部屋に男性のポスターを4枚飾っていて、その中の一人がPaul McCartneyで、と言ったと思ったら突然歌い始め、ワンコーラスで終わるかと思ったら、一旦演奏を中断した後にまた歌い始め、結局ほとんど歌いきってました。でも、バンドメンバーがしっかりサポートしていて(特に今回初登場のドラムスのAlyn)、Beatlesナンバーはみんな基本として習得しているのかと思いました。
演奏中に、例によってアンコールしないで演奏曲を多くする宣言を何回かしていたので、Eddi達がバックステージに戻った時にはほんとに今日はアンコールないかもとも思いましたが、照明がついてからもみんなあきらめずに手拍子を続けていたら(3分くらい?東京の人も頑張りましょうね)、Eddi達はまた出てきて、最後にAllelujahを歌ってくれました。観客に一緒に歌うように促しながら、アンコール含めてBillboard Liveでの公演としては長めの1時間半を超える演奏を、余韻の残る歌声で締めくくってくれました。
これまでとは違った印象を与えてくれた貴重なコンサートとなりましたが、東京ではこれがどう変わっていくのか(観客の反応、演奏とも)、楽しみです。
終演後はCD(今回売っているのはThe Best of Eddi Reader, Vagabond、一昨年再発されたFairground Attractionのアルバム3枚とMirmamaです、ボックスセットは売ってません)を購入した人を対象にサイン会が行われました。自分は出遅れたので後ろの方だった(後ろには10人くらい?)のですが、11時50分頃でした。最後の人はおそらく12時過ぎになったと思われます。ちなみに、私はMirmama(何枚目?)にサインしてもらうときに、東京ではこのアルバムの曲をどれか演奏して!と言ったところ、Eddiは裏ジャケ見ながら少し考えてくれてましたが、はたして演奏されるでしょうか、、、?
7/4@ビルボードライブ大阪 セカンドステージ
1. The Moon is Mine
2. Fairground Attraction
3. Vagabond
4. Charlie Is My Darling
5. Lazy Heart
6. Dragonflies
7. Comedy Waltz
8. Baby's Boat
9. Pray the Devil Back to Hell
10. Wild Mountainside/La Vie En Rose
11. Perfect
12. Moon River
13. Patience of Angels
14. Willie Stewart/Molly Rankin
15. I Want to Hold Your Hand
16. Love Is A Losing Game
17. Find My Love
(Encore)
18. Allelujah
演奏時間:1時間25分(本編のみ)、1時間32分(全体)
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