Eddi Reader @ ビルボードライブ東京 (Dec. 7, '10)
東京公演2日目は、昨日のセカンドをさらに発展させたような内容の、充実したコンサートとなりました。Eddiはファーストステージの最初から全開状態で、昨日よりさらに調子が良くなっていました。今日の会場の入りは、ファーストステージでも比較的良く、1階は開演時で8割ほど埋まっていて、反応もとても良かったです。セカンドはさらに入りが良かったのだけど、それに反してやや反応は薄めだったような。。でも、どちらのステージでもEddiは気合いの入ったパフォーマンスを見せてくれました。
ファーストはこれまでと同様にHummingbirdでしたが、2曲目に日本では久しぶりとなるLucky Pennyが演奏され、まず最初の驚きを与えてくれました。それ以降も、(後から振り返ると曲順こそ大きく変わってはいないものの)Winter It Is Pastが前の方に飛び込んできて以降の展開に期待を持たせてくれましたし、Eddiの調子は序盤から昨日のセカンドと比べても明らかに良く、おしゃべり(メンバー紹介の時にJohn Douglasのことを間違えてJohn McCuskerと言っていたのがおかしかった)や曲紹介もさらに多くなっていて、機嫌が良さそうでした。どの曲も良かったのですが、その中でも特筆に値するのは、日本では初めて披露されたLeezie Lindsayです。この曲はアルバム(Peacetime、たぶんあまり一般受けは良くない)の中でも特に地味な曲の一つなので、この曲に注目してきた人はあまりいないかもしれませんが、個人的には以前から好きな曲の一つで、イギリスではツアーで時々演奏されることもあるのにこれまで日本では演奏されていなかったことを残念に思っていたため、今回演奏されたのはとてもうれしかったです。この曲の演奏前には「一緒に歌ってね」と言ってコーラスの練習をさせようという一幕もありましたが、この曲はさすがにかなり難しいのでみんな笑ってました。でも、イギリスでも同様の反応になるのを知った上でEddiがそうした、というところに大きな意味があります(昨日のファーストでは起こりえない)。また、昨日のセカンドにつづき演奏されたMy Love Is Like a Red, Red Roseでは、Bob Dylanがこの曲には大きなインスピレーションを受けた、と語っていたことを紹介して演奏を始めたのですが、その瞬間にBooやJohnから「(ギターの)キーが違う」と指摘されて演奏し直すという場面("Bob Dylan didn't like that."なんて言って笑ってた)もあって笑わせてくれました。この日のEddiの機嫌が相当よかったであろうことを示すエピソードと言えます。たいへん充実した内容で、今回のツアーのベストステージになるかも、と思っていたファーストステージですが、New York Cityを演奏後に、Eddiが「もうステージを降りなきゃいけないの」と言って、驚いた様子のバンドメンバーにも退場を促し、そそくさとバックステージに戻ってしまうという驚きの展開になりました。。。突然演奏が終了してしまって会場中に戸惑いの空気が流れるなか、それでもアンコールを求める手拍子をしていると、無事(?)Eddiたちが戻ってきてくれたので一安心したのですが、1曲だけ演奏して、今度こそ本当に終わってしまいました。。。どうも、会場のスタッフに強制終了させられたようです。。。(後で気づきましたが、ステージ上には大きな掛け時計が置かれてた)前回のツアーでも感じたことですが、この会場はなぜかEddiに対して強気に対応している印象がありますね、、、前回はそれでもTV収録があるから、ということでまだ理解できたのですが、、TV収録されていても1時間20分超えていたりすることはほかのアーティストでは珍しくないのに。。。それなりの回数ここではライブを見ているのですが、個人的にはこれでこの会場の評価は大きく落とさざるをえません。。。今日は開演が2分程度の遅れで始まったので昨日より長く演奏してもらえると思っていただけに、とても残念な結果となってしまいました。とはいえ、内容的にはとても良かったのは間違いなく、時間の制約がゆるくなるに違いない(というか、ゆるくなってほしい)セカンドこそは、と思って、内心不安をやや抱えながらもセカンドステージに臨みました。そして、それは報われることになりました。
3分ほどの遅れで始まったセカンドステージでも、2曲目からにわかに様子が変わり始めます。これまでこの位置では演奏されていないSilent Bellsが演奏され、この後の展開に期待を持たせます。そして、これまでで一番ダイナミックな歌と動きを見せてくれたPatience of Angelsの後はかなり展開が変わりました。選曲的には昨日のファーストとセカンドをミックスした上で曲の並びを大幅に入れ替え、さらにプラスアルファを加えた感じで、以前のフリースタイルなEddiが帰ってきた!と実感させてくれる内容となりました。Eddiはファーストステージまでは歌いながら時々(Muddy Waterなどで)自分の声の調子(高音やファルセットがでるか、昨日「スコットランドに高音を置いて来たの」なんていってたのはそのあらわれでしょう)を確認しながら歌っている感じがあったのですが、ファーストでもうその必要がないと確信したのでしょう、セカンドではこれまでで一番のパフォーマンスを見せてくれました。ひさしぶりにAe Fond Kissが聞けたのも嬉しかったし、Patience of Angelsの後にほんのワンフレーズ程度ですが、The Wind Knows My Nameを歌ってくれたという場面にも驚かされました。でも最大の驚きは、なんといってもソロの来日公演で初めてWhispersが演奏されたことです。Eddiがギターを持って歌い始めた時(わかった人はほとんどいないようでしたが、私はちょっとだけ拍手しました)はEddiの弾き語りでいくのかと思っていたのですが、'07のツアーでThe Wind Knows My Nameが演奏されたときには(始まってしばらくの間は)Roy Doddsだけが伴奏をつけていたのと違って、Alan Kellyはもちろんバンドメンバー全員での演奏となっていたことには驚かされました。Eddiのその場の思いつきで演奏された訳ではなく、あらかじめリハーサル済みだということなのでしょう(なので、ほかの曲も期待できるかもしれませんね)。Fairground Attraction時代の唯一の自作曲であるこの曲を、Eddiは丁寧に慈しむように歌ってくれました。このタイミングでこの曲が演奏されたのは、自分の調子に自信を持ったからというのもあるかもしれません。この後にWillie Stewartが演奏されたときには時間的にアンコールは厳しいかなとも思ったのですが、無事アンコールで戻ってきてくれて、最後に「一番好きなFairground Attractionの歌」と紹介してAllelujahが演奏されて、素晴らしかったステージが終わりました。
12/7@ビルボードライブ東京 ファーストステージ
1. Hummingbird
2. Lucky Penny
3. Patience of Angels
4. Dandelion
5. Winter It Is Past
6. Find My Love
7. Muddy Water
8. Bell, Book and Candle
9. Leezie Lindsay
10. The Moon is Mine
11. Perfect
12. My Love Is like a Red, Red Rose
13. New York City
(Encore)
14. Willie Stewart/Molly Rankin
演奏時間:アンコール含め 1時間14分(本編 1時間6分)
12/7@ビルボードライブ東京 セカンドステージ
1. Hummingbird
2. Silent Bells
3. Patience of Angels
(The Wind Knows My Name)
4. Ae Fond Kiss
5. Dandelion
6. Find My Love
7. Muddy Water
8. Bell, Book and Candle
9. New York City
10. Winter It Is Past
11. Charlie Is My Darling
12. Love Is the Way
13. The Moon Is Mine
14. Perfect
15. Whispers
16. Willie Stewart/Molly Rankin
(Encore)
17. Allelujah
演奏時間:アンコール含め 1時間31分(本編 1時間24分)
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