Eddi Reader @ ビルボードライブ東京 (Dec. 6, '10)


昨年に続く来日となったEddiの東京公演初日を見てきました。ニューアルバムのリリースがないタイミングでの来日は珍しい('05のフジロック以来)ですが、これまで12月に来日したことがないというのも、もしかしたら関係しているのかもしれません。今回の日程は東京、大阪ともにすべて平日で、しかも初日の今日は月曜だったため、ファーストステージの観客の入りはあまりよくなかったです。1階(フロア)は5、6割ほどで、2階、3階のカウンター席はちょぼちょぼといった感じで、カジュアル席も開演当初は少しさびし目でした(終盤までにはだいたい埋まってたようですが)。そのため、ファーストステージでの観客の反応はあまり良くなかったです。Eddiのおしゃべりもちょっと少なかったかな。。。これに対してセカンドステージは開場後から順調に席が埋まっていき、1階およびカジュアル席は開演時からほぼ満員で、全体的に良好な反応でEddiたちのスイッチを入れることに成功していました。セカンドの方が演奏曲数が多くなったのにはこの違いも影響していたと思います。

今回のバンドメンバーはBoo, John Douglas, Alan Kelly, Kevin McGuireで、昨年と違ってRoy Doddsがいないため、'04の来日公演のようにストリングス系が主体で、演奏の雰囲気は昨年とだいぶ違います。ドラムレスでさらにJohn McCuskerもいないため、演奏に変化を付けるのは主にAlan Kellyのアコーディオンの役目となっていました。'04の初来日時とは違ってすっかりEddiのバンドメンバーとして対応力が格段に上がったAlanなので、それによって演奏の幅が狭くなるということもなく、それ自体はまったく問題ないのですが、楽器の特性もあってバンドの演奏も全体的にやや遅めのテンポになっており、John Douglasのウクレレが前回よりもはっきりと聞こえることもあって、ゆるい雰囲気が感じられる演奏になっています(Hummingbird, The Moon Is Mine, Willie Stewartといった曲で顕著)。そんな中でも、最近の来日公演と違って、Booがちゃんと歌っている(!)というのは特筆できるポイントです。ファーストステージではEddiもバックの演奏に合わせてか(または、反応のあまり返ってこない観客に合わせてか)、あまり声量を上げずに、ゆったりと丁寧に歌うことが多かったので、最初のうちはやや物足りないかなとも思ったのですが、Eddiがいつも以上にセンチメンタルな歌唱を聞かせてくれた曲、New York City, Allelujahといったところでは、逆にこの雰囲気がとても良く合っていたので、これはこれで貴重なステージになったと思います。It's Magicでは前回と違ってEddiは演技をすることもなく歌に集中していたので、この曲自体の持つ良さがよくわかる、ロマンチックさを感じさせてくれる演奏でしたし、Love Is the Wayも歌いだしのところがより滑らかで、ファーストの方が良かったくらいです。これに対して、セカンドステージでは会場の入りが良かったからか、1曲目からちょっと違うなと感じていたのですが、2曲目のPatience of Angelsの第一声で、Eddiの様子がファーストステージとは明らかに違うことがわかりました。観客の反応に気を良くしたのでしょう、表情も明るく、おしゃべりも増え、歌うことを心から楽しんでいることが伝わってくるソウルフルな歌声を聞かせてくれました。DandelionやFind My Loveなどでファーストより格段に溌剌としたパフォーマンスを見せてくれたと思ったら、ファーストでは演奏されなかったMy Love Is Like A Red Red RoseやWinte It Is Pastが演奏されたり、またギターをチューニングしてる間に、と言ってAs Time Goes Byが歌われるという場面もあったりして、いつもの(いいときの)Eddiの姿を見せてくれました。中盤の流れは特に良かったと思いますが、Fairground Attraction時代の3曲が続いたところがファーストとの差を一番大きく感じた場面です。ファーストではPerfectが早めに、The Moon Is Mineに続いて演奏されましたが、これには観客を盛り上げようというEddiの意図が感じられました。それでもFind My Loveの時と同様にほとんど盛り上がることもなかったのですが、、、セカンドではFind My Loveで観客の反応の良さを確信したEddiが、その勢いを加速させるために"One more"と言ってThe Moon Is Mineを演奏し、それに対して観客も大きな手拍子と拍手で応えていたのに続き、(Perfectではなく)Allelujahがごく自然な流れで演奏され、これ以降は安心して見ることが出来ました。

今回は昨年と違ってテレビ収録がない分、セットリストの自由度が増し、アンコールもあるので、通常のツアー(※ライブハウスを回るようなツアー、と言う意味です)のような演奏を見られる可能性があるというのは昨年との大きな違いです(ただし、そのような内容に出来るかは観客の反応次第だとも思います)。開演が少し遅れた(8分ほど)こともあってか、セカンドでWillie Stewartの演奏後にバックステージに戻ろうとしたEddiたちを会場のスタッフが制止して、アンコールをそのまま行うように促していたのはやや気になりましたが、、時間的にも少し長く演奏してくれましたし、明日以降が楽しみになる素晴らしい演奏でした。


12/6@ビルボードライブ東京 ファーストステージ

1. Hummingbird
2. Patience of Angels
3. Dandelion
4. Find My Love
5. Muddy Water
6. Bell, Book and Candle
7. The Moon is Mine
8. Perfect
9, Wild Mountainside
10. Charlie Is My Darling
11. Love Is the Way
12. New York City
13. Silent Bells/Jingle Bells
14. Allelujah
15. Willie Stewart/Molly Rankin
(Encore)
16. It's Magic
演奏時間:アンコール含め 1時間26分(本編 1時間19分)

12/6@ビルボードライブ東京 セカンドステージ

1. Hummingbird
2. Patience of Angels
3. Dandelion
4. Muddy Water
5. My Love Is like a Red, Red Rose
6. Find My Love
7. The Moon Is Mine
8. Allelujah
9. Winter It Is Past
10 As Time Goes By
11. Bell, Book and Candle
12. Perfect
13. New York City
14. Love Is the Way
15. Silent Bells/Jingle bells
16. Aye Waukin-O
17. Willie Stewart/Molly Rankin
(Encore)
18. It's Magic
演奏時間:アンコール含め 1時間27分(本編 1時間22分)


オフィシャル・サイトでEddiとJohn Douglasの婚約が先日発表されてましたが、セカンドステージの曲紹介(New York City)の途中に、EddiはJohnと結婚した、とさりげなく言ってました(左手薬指に指輪もしてます)。今日はロビーに出てきてサインをする、という場面はなかったのですが、二日目以降でそういう機会があった場合には、祝福の言葉を贈りましょう!



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