Eddi Reader @ ビルボードライブ東京 (Sept. 10, '09)


東京公演初日は、ファースト、セカンドのいずれも素晴らしい内容のライブとなりました。ファーストも大阪のセカンドよりいいかと思ったくらいなのですが、セカンドは特別な内容の、近年でも出色のライブになったと思います。会場の入りも、開演前は少し不安があったのですが、演奏が始まった後に確認したところファーストは上層階にあるカジュアル席以外はほぼ埋まっていて、セカンドもそれに近い入りのようでした。それもあって、観客の反応も比較的良かったと思います。

今日は大阪とくらべて、Eddiがよりリラックスしていて、歌や動きの中にさまざまな「遊び」が入れられていたことがなにより良かったです。New York CityやWild Mountainsideは演奏自体もひと味違ったと思うのだけどエア・バイオリンやエア・ホイッスルをするなんて場面もあったし、大阪に続いての登場となったNALUさん(ファースト、セカンドともに出演してそれぞれ2曲演奏)が加わったThe Moon Is Mineでのはじけ方もすごかったし、Willie Stewartでのスコティッシュダンスも元気いっぱいでした。セカンドのPerfect(この曲にもNALUさんが参加)では、いきおいあまってコーラス部を長く歌いすぎるなんて場面もありましたが、こういうのもEddiがライブの流れに身を任せていたからこそ生まれたハプニングだと思うので、むしろ好ましかったです。またセカンドでは、これまでBell, Book and Candleが演奏されているところで、観客の女性2人からのリクエストとしてWings on My Heelsが演奏されました。ここまで基本的に同じ内容のステージが続いていて、テレビ中継の回の一つ前のステージで曲目を変えてくれるとは思っていなかったので、これはちょっとした驚きでした(明日以降もぜひお願いします)。経緯はよくわからなかったのですが、この女性二人組(Dewという最近デビューした女性デュオらしいです(Thanks to うささこさん)、Barksでも紹介され、また彼女達のオフィシャル・サイトでもこの日に関してのメッセージがアップされています))がEddiに会った際にリクエストしていたようです。でEddiはこの二人の名前を呼んでステージに上がるように促し、最初はピアノのところに連れてったのですが、端に寄せてあってうまく使えない状態だったため、今度はJohnが使っていたマイクの前に二人を立たせてコーラスをつけてもらってました。この曲は久しぶりに演奏されたと思いますが(日本では'04の来日公演以来)、Eddiは大きく体を揺らしながら、たっぷりと情感を込めた歌を聴かせてくれてとても良かったです。

見どころ満載のステージでしたが、その中でも今日個人的に最も印象深かったのはIt's Magicです。大阪では簡単な曲紹介のあとに少しジェスチャーを交えて歌っていましたが、今日のファーストでは曲紹介が一言だけとさらに簡単になり、イギリスツアーのときのような演出は言葉の壁がある日本ではあきらめたのかと思いました。ところが、ここではその代わりにこれまで聞いたことがないような素晴らしい歌唱を聴かせてくれました。前半はAllelujahにも匹敵するようなセンチメンタルさを感じさせる歌い方(CDでのこの曲にはこういう要素を感じていたので個人的にとてもうれしかった)をしていたのですが、後半は一転してにぎやかで毒気も感じさせるような歌い方をしていました。そうかと思うと、セカンドでは気分がとても乗っていたのでしょう、イギリスツアーと同じ一人芝居(子供の頃のホームパーティーでの母親や祖母の仕種やダンスの光景の模写など)をふんだんに披露してくれました。歌い方も退廃的な雰囲気の漂うけだるい歌い方をしていたと思ったら、とつぜん繊細な歌い方になり、またにぎやかな歌い方になり、と変化に富んでいて、耳でも目でもたっぷりと楽しませてくれました。またセカンドでのMuddy Waterも特筆に値する演奏でした。この曲でのEddiの歌い方はこれまで(※前回のツアーも含む)とは明らかに違っていて、いつものようなきれいに整った歌声を聞かせるのではなく意図的に少し崩して声色も変えて歌っていました。これまでの演奏から考えると意外な気はしますが、曲の内容(この曲、曲紹介を今回一番詳しくしていると思う)に歌唱を合わせたということなのかもしれません。また歌う時の姿勢も正面を向いた状態ではなく、斜めに構えて右を向いたり左を向いたりしながら歌っていたのもちょっと新鮮でした。

このようにいろいろあった今日のライブでは埋もれがちだったとは思うのですが、今回のツアーの目玉となる曲はアルバムタイトル曲のLove Is the Wayだと思ってます。Eddiが観客にコーラスのレッスンをして、そのままEddiの歌に移行するという流れもとても良いのですが(Eddiが歌いだす瞬間がとても良いです)、毎回Eddiが微妙に違った歌い方をしてくれるので、聞くのがとても楽しみな曲です。

今日はセカンドステージの後にはサイン会が予定されていたためか、セカンドは時間的にこれまでより短く、アンコールを求める手拍子もみんな頑張って6分ぐらい続いたのですが、手拍子をしている人達を中心にサイン会の案内がされたりして半強制的に手拍子は終了し、今日もアンコールは残念ながらなかったです。。。もっと長い時間行われたライブをここで見た覚えがあるんですけどね(たとえばこれ)。。。なお今日はファーストのあとも、サイン会という形ではなかったですが、Eddiが終演後にロビーに出てきてファンと交流を持ってました(サインをもらえた人もいたみたい)。サイン会は時間の都合でセカンドの後だけ、と会場スタッフから言われたことにEddiが納得いかず、ファーストに来てくれた人とセカンドに来てくれた人に差がつかないようにとEddiの配慮で実現したみたいです。

ちなみに、今日もセカンドのNew York CityではEddiとJohnのキスシーンがありました(演奏前はほっぺに、演奏終盤は暗がりのなかで)。。。

9/10@ビルボードライブ東京 ファーストステージ

1. Dragonflies
2. Silent Bels
3. New York City
4. Dandelion
5. Roses
6. Muddy Water
7. The Moon Is Mine
8. It's Magic
9. Willie Stewart / Molly Rankin
10. Wild Mountainside
11. Bell, Book and Candle
12. Perfect
13. Allelujah
14. Love Is the Way
15. Find My Love 〜 うさぎ
演奏時間:1時間19分

9/10@ビルボードライブ東京 セカンドステージ

1. Dragonflies
2. Silent Bels
3. New York City
4. Dandelion
5. Roses
6. Muddy Water
7. The Moon Is Mine
8. It's Magic
9. Willie Stewart / Molly Rankin
10. Wild Mountainside
11. Wings on My Heels
12. Perfect
13. Love Is the Way
14. うさぎ
演奏時間:1時間13分


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