Eddi Reader @ 心斎橋クラブクアトロ (May 23, '07)


来日公演2日目の大阪公演は、昨日とはかなり違ったコンサートになりました。より正確に言えば、前半は昨日とほとんど同じセットリストであるもののEddiのパフォーマンスが昨日とちょっとレベルが違い、後半はかなり異なる内容で、とても充実した満足度の高いコンサートでした。

今日もリハーサルが長引いたとかで開場が15分ほど遅れ、8時をやはり13分ほど過ぎたところでEddi以外のメンバーがまず登場。ほどなくEddiもまた中村俊輔のユニフォームを持って登場しました。今日の衣装は、なんと表現していいかわからない模様のワンピース(丈が短め)に黒のストッキングでちょっとセクシー系?で、帽子(昨日被っていたのはIan Carrのものだったみたい)も眼鏡もなしでした。

コンサートは昨日と同様にBaron's Heirで始まったのですが、Patience of Angelsの段階で今日のEddiは歌にとても集中していて昨日とちょっと違うと感じさせてくれました。曲が進むにつれてその感触は確かなものとなり、Allelujahではこの曲本来のセンチメンタルな面をも感じさせてくれる歌声を聞かせてくれ、Peacetimeではとても気持ちの入った凄みすら感じられるパフォーマンスを見せてくれました。HoneychildでもEddiは全身を使ったパフォーマンスで気持ちが良く入っていたことがわかりましたし、昨日より長めの演奏になったのはEddi達が今日の観客(入りは6割ほどで結構悪かったのだけど)の反応に満足しているのではないかと思いました。今日はEddiだけでなくバンド全体が昨日よりも乗っていると感じられました。

前半はPerfectが6曲目に動いたほかは昨日と同じ曲目だったのですが、Honeychildが終わったところから昨日とは大きく内容が変わりました。Eddiがバンドメンバー達にRoyとKevinを残してバックステージに下がるように言って、照明がやや暗くなったところで歌われたのはMystery Train。Fairground AttractionとしてもカバーしていたElvis Presleyで有名な歌ですが、目を閉じて歌の世界に入り込んだかのようなEddiのパフォーマンスは圧巻でした。RoyとKevinもEddiに負けず劣らず気持ちの入った熱い演奏で、この曲がこの日最大の聞き物だったと思います。Mystery Trainの後はAe Fond Kissと新作からの曲が2曲続き、EddiがまたHeidi Talbot(髪切ったそうで短くまとめていました)を呼んだのですが、昨日と違ってEddiは椅子(正確にはRoyが演奏するカホン)に座ってHeidi Talbotに1曲歌うように促しました。Heidiが選んだのはBooが書いたInvisibleで、HeidiはBooと、Roy, Johnのサポートで歌ってくれました。ちゃんとした歌声を聞いたのはこれが初めてだったのだけど、ビブラートをかけて歌う様はちょっとKate Rusbyを思い起こさせ、ただもっと言葉のエッジは立っていて、トラッドよりはポップな曲調が向きそうな(だからBooの曲は良く合います)ハイトーンボイスだと思いました。InvisibleのあとはMuddy Waterが演奏されましたが、Eddiはあえて自分のパートをいくつか歌わずに、Heidiの声が良く聞こえるように配慮していたので、リード&バックボーカルというよりはパートを分け合っているという感じでした。

Heidiが下がった後、Eddiは「リクエストある?」と聞いてきて、会場からいろいろと声は上がったのですが選ばれたのはHummingbirdでした。これにはIanも"That was MY request!"と言って喜んでました(ギターが大きな役割を持つ曲ですしね)。。。ドライブ感たっぷりのこの曲の後は昨日同様にFind My Loveで本編は締められました。

アンコールではまず昨日と同様にOh My Loveが歌われましたが、今日はちゃんと曲紹介がありました。この曲を演奏することになったきっかけは、空港でIan Carrがこの曲を演奏してみようと提案したからだそうで、Eddiはこの曲がYokoのために書かれたのでメロディが日本的だと思われるところが気に入って、日本でのコンサートのために準備をしたのだそうです。Oh My Loveの演奏後、メンバーがWillie Stewartの演奏を始めようかと待ち構えているところで、Eddiはちょっとふざけるような感じでメンバーの方を見ながらいきなりLa Vie En Roseをアカペラで歌いだしました。ワンコーラス歌ったところで止めようと思っていたようでしたが、そうはさせじと観客が拍手や歓声で乗せたのに気を良くしたのか、結局ほとんど歌いきってました。

Willie Stewart/Molly Rankinが終わってメンバー達が退場後、昨日のように場内には音楽が控えめな音量で流れ始めたのですが、今日の観客はそんなことお構いなしにさらなるアンコールを求める手拍子を続けます。3、4分ほども手拍子が続いたところで、一度は消えたステージの照明が点けられ、RoyとEddiが入場してきました。Eddiは一瞬"My babies"とClareの一節を歌ったように思いましたが、そこから気が変わったのか歌い始めたのはなんとThe Moon is Mine。ソロとなってからの公演では(少なくとも日本では)初めてということもあってか若干歌がふらつき気味かなとは思いましたが、アカペラでClareを歌うときのようにトランペットを模したような歌声も聞かせながら、全身で表現していました。

(セットリスト)
 1. Baron's Heir + Sadenia's Air
 2. Patience of Angels
 3. Allelujah
 4. Peacetime
 5. Brose and Butter
 6. Perfect
 7. The Shepherd's Song
 8. Prisons
 9. Honeychild
 10. Mystery Train
 11. Ae Fond Kiss
 12. Mary and the Soldier
 13. The Afton
 14. Invisible (by Heidi Talbot)
 15. Muddy Water
 16. Hummingbird
 17. Find My Love
 (Encore 1)
 18. Oh My Love *John Lennonのカバー
 19. La Vie En Rose
 20. Willie Stewart/Molly Rankin
 (Encore 2)
 21. The Moon is Mine
 (演奏時間1時間52分)


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