Eddi Reader @ 大阪ブルーノート (July 7, '04)
大阪公演の二日目を見ましたが、とっても良かったです!
今日から休みを取ってついに昨日までの忙しさ(今日まで引きずってたけど)から解放されたという個人的事情もあると思うのだけど、今日のコンサートは東京公演の上を行ってたと思います。時間的にも、ファーストステージこそはEddiも時間を気にしてたため(8時までに終わるように言われたと掛け時計を見せながら説明してた)1時間20分弱だったものの(それでも予想より長い)、セカンドステージは1時間40分強で17曲と、東京公演とほぼかわらない演奏時間でした。セカンドは、どうもEddiが時間制限を完璧に忘れてた節がありますが(^^;; それだけEddi本人も演奏に集中していたということでしょう。しかも、通常ならいったん下がって拍手に応えてアンコール、となるところを、(終了時間が決められているから)そういうことはしない、と宣言して中断なしで一気に演奏したこともあって、いずれのセットも密度が非常に高く、濃密な時間を過ごすことができました。
今日はいろいろあって、会場に着いたのは予定より大幅に遅れて開場の30分前でした。そのわりにはまだ十数人しかいなかったので、ファーストステージは2列目の真ん中の左隣のテーブル(の一番真ん中に近い席)を確保することができました。EddiとJohn McCuskerのちょうど間くらいの位置です。セカンドステージは、ファーストの入場時にいい番号の整理券をもらっていたこともあって、希望通りの場所 ー Booの目の前の最前列のテーブル ー に座ることができました(ちなみに、今回は入れ替えなしのために希望すれば一回分の料金で2回目もそのまま見られるとのことだったけど、この席に座りたかった私は整理券をもらって2回分の料金を払うことを選びました)。どちらの席も、Eddiをやや斜めから見ることができる&バンドメンバーも俯瞰的に見渡すことができるいい場所でした(禁煙席が端に追いやられているのは納得できないけど、、それでいいのかブルーノート)。
ファーストはほぼ開演予定時刻通りに始まりました。今日のEddiは黒のフリルのついた赤の袖無しのトップに、黒のスカートという服装でした(眼鏡はなし)。東京と同様にEddiがRobert Burnsの曲と昔の曲を演奏すると言った後、いきなりリクエストを取り始めるという予想外の展開。でも結局自分から「Kiteflyer's Hill聞きたくない?」(そういえば東京でもこういって演奏しましたね)と言って、Kiteflyer's Hillが演奏されました。一曲目として演奏されたためか、東京での演奏と異なりこれまで聞き慣れたテンポで、しっかりと歌い込んでくれました。この段階で東京を超えると確信しましたが、今日のEddiは東京の時よりもさらにリラックスした様子で、観客により積極的に話しかけて来たりして、そうとう機嫌が良いように思いました。声の調子の方もとてもよく、全体的に東京の時よりもソウルフルにしっかりと歌い込んでいたように思います。コンサートの前半は東京とほぼ同じ曲順で演奏されましたが、それでもComedy Waltzの順番が動いたり、短いセットだからかPerfectが前に動いたりしました。さらにそれだけでなく、My Love is Like A Red, Red Rose, The Right Placeといった東京では演奏されなかった曲(両方とも聴きたかった歌です)が聞けたのも嬉しかったです。My Love is Like A Red, Red Roseは、やや抑えめだったアルバムでのバージョンよりも歌に溜めがあって表情豊かでした。The Right Placeでは、演奏前にEddiがアコーディオンのAlanにこの曲を知っているかを聞いたところ、知らない、とのことでしたが、Eddiはそれでも退かず「それじゃ試してみる?」と言って、演奏が始まりました。最初のうちはEddiたちをただ眺めていたAlanでしたが、どう演奏したらいいかつかんだのか、途中からは演奏に加わっていました。Eddiはいつものように目を閉じて、しっかりと気持ちの入った余韻の残るすばらしい歌を聞かせてくれました。この曲はいつだっていいのですが、いつだって一番聴きたい歌なので、この曲がこのセットの個人的ベストトラックです。
セカンドは7分ほど遅れて始まりましたが、Eddiは短冊を吊るした小さな竹の木を持って登場(よっぽど七夕気に入ったみたい)。でもただの飾りでは終わらず、あとでしっかり小道具となりました。登場直後に「おおきに」とか日本語の本を見ながらいくつか日本語のフレーズを話したあと、最初に演奏された曲はDolphinsでした。この曲、Pay No Mindあたりと並んでEddiらしさが出ている(しかも今のEddiに良く合うに違いない)と最近とみに感じるようになった曲で、今回のツアーで久々に聞きたいと思っていた(でもきっと演奏されないだろうとも思っていた)だけに、イントロで気づいたときにはとても嬉しかったです。そして曲紹介に続いて次に演奏されたのはPatience of Angelsで、これはこの後も相当期待できると感じさせられました。Patience of AngelsではBooが立ち上がってコーラスをつけていました。東京では終始座りっぱなしだったBooですが、この曲のほかにも今日はファーストステージ、セカンドステージとも何回も立ち上がって演奏&コーラスを聞かせてくれました。Patience of Angelsの後はファーストステージと同じ4曲が演奏されましたが、このセットでの「ハプニング」はここで終わった訳ではありませんでした。
Winter It Is Pastの演奏後、次の曲に備えてチューニングしているBooを横目に見ながらEddiが一人で演奏し始め、As Time Goes Byが歌われました。途中からJohn McCuskerがバックアップに入ったものの、Boo, Ianの助けは借りずに全編ギターを弾きながら歌いきったのには驚かされました。歌の方も、一つ一つの言葉をかみしめるような穏やかな歌声で、前回のツアーでShirt & Combを聞いたときのことを思い出しました(それくらい良かったということです)。そして、Hummingbirdの演奏後、立って演奏していたBooにEddiが突然「Jokeを歌ってみたくない?」と振りました。Booはあまりその気がなさそうだったのですが、Eddiは竹の木に手をかざしながら"I wish Boo to sing Joke."と願いをかけたところ、Booは根負けしたようにギターを弾き始め、歌い始めました。Eddiは最初のうちは座ってBooの歌う姿を眺めていましたが、コーラス部では立ちあがって歌に加わりました。Booの歌は熱唱といえる素晴らしいもので、演奏後に会場からはこれまでで一番大きな拍手が起こりました(Eddiも"You're VERY GOOD."と何回か言っていた)。
Fairground Attraction時代の代表曲 - PerfectとFind My Love - も、今日のEddiは本当に楽しそうに歌っていました。東京では比較的冷静に歌っていたと思ったFind My Loveですが、この日は2回とも「感謝のしるしとして」と言って最後に演奏され、観客と一体となった楽しい演奏となりました。
今日のコンサートが成功した最大の要因はそのハプニング性で、東京公演は一曲一曲のレベルも高くきっちりとまとまったセットになっていたと思うのだけど(今回は観客の反応も比較的良かったし)、Comedy Waltzの嬉しい驚きをのぞけばほぼ順当な選曲でした。でも今日のコンサートは1曲目から予想を裏切る(そして期待に応える)選曲だっただけでなく、Eddiがさかんに観客に話しかけてきたこともあって、ステージから目と耳を離せない状態でした。曲紹介では、Jamie Come Try Meからの3曲のほか、Patience of Angels, Wild Mountainside、Willie Stewart, そしてAe Fond Kissについての紹介がありましたが、Ae Fond Kissにまつわるエピソードは悲恋の歌にふさわしい印象深いもので、その後の歌がさらに説得力を増したように思いました。Patience of Angelsの紹介のときには、この曲が初めて聞いたBooの歌だったと紹介してました。そして、曲紹介をしないとき、Eddiはたとえばこんなこと言ってました:
「今日は天国に行ったの。阪神デパートのフードホールって最高!」(※ちょっと意訳)
「今日はフェスティバルでしょ(※七夕のこと)。インターネット(※オフィシャル・サイトのGuestbook)にもそのことを書いたんだけど、私は5人のボーイフレンドができますように、ってお願いしたの。みんなお金持ちのね。」
「これ(竹の木を指して)、この後どうするの?(観客からの「焼いちゃう」との声に)え〜。」
「私は歌うからみんな一緒に歌ってね。私は歌うことでしゃぶしゃぶとか寿司とか食べられるけど、これって不公平よね。だってあなたたちの方が(スコットランドより)いい食事ができるんだもの。」
またWillie Stewartでは"You are welcome."の部分を日本語で何というかについて、Eddiが「どういたしまして」といったのに対して、観客から「良く来たね」とか「いらっしゃい」とか指摘があったりして、それじゃコーラスはこうね、とEddiがその場で「いらっしゃい、Willie Stewart」とかやったもんだから場内爆笑になったなんてのもありました。今日の観客は、ファーストの方は前半かなり淡白な反応だったのですが、後半はだいぶ反応も良くなり、そのまま残った人も結構いたと思われるセカンドでは、最初からとてもいい反応でした。セカンドの方が観客の人数が多かったこともあるでしょうが、ファーストステージで見せたEddiの人柄が観客の反応を引き出したんだと思います。
開演前は、1時間ちょっとずつであまりセットリストも変わらないかもと思っていた今回のコンサートでしたが、2回合わせて3時間と時間的にも大幅に予想を上回り、いつも予想を裏切ることをしてくれるEddiのおかげで、とても素晴らしいコンサートとなりました。今回のブルーノートでのライブは、2回のステージがあると考えるのではなく、2回合わせて一つのコンサートだと考えてください。時間に制約がある人以外は(※今日終わったのは11時20分くらいでした)、2回とも見ることを強くお薦めします。名古屋では大阪のように入れ替えなしとはいかないでしょうが、週末だし、見に行く人はぜひ2回とも見てください。
リクエストで歌った曲は結局なかったけれど、Darkhouse(この曲、私も聞きたい)とかEverything, Rebel Angel(これは私が言った)という声には反応していたし、バンドメンバーが必ずしも知らない歌でも、今日のThe Right PlaceやJoke(IanはBooを見て合わせるようにギターを弾いてました)のように演奏されることもあるのがわかったので、みなさんたくさんリクエストしましょうね(ソロの曲で)。
(セットリスト)
- 1st Stage -
1. Kiteflyer's Hill
2. Jamie Come Try Me
3. Brose and Butter
4. Charlie is My Darling
5. Winter It Is Past
6. Please Don't Ask Me to Dance
7. Hummingbird
8. Perfect
9. My Love is Like A Red, Red Rose
10. Comedy Waltz
11. The Right Place
12. Willie Stewart/Molly Rankin
13. Find My Love
- 2nd Stage -
1. Dolphins
2. Patience of Angels
3. Jamie Come Try Me
4. Brose and Butter
5. Charlie is My Darling
6. Winter It Is Past
7. As Time Goes By
8. Please Don't Ask Me to Dance
9. Hummingbird
10. Joke (I'm Laughing)
11. Wild Mountainside
12. Comedy Waltz
13. Perfect
14. Ae Fond Kiss
15. Willie Stewart/Molly Rankin
16. Wings on My Heels
17. Find My Love
ちなみに今日もCDの購入者を対象としてEddiたちはサインをしていました(私は2回目の入場の列に並ぶため、まだライブ盤があることを確認してから外に出たのですが、2回目の入場後にすぐ買いにいったらまた売り切れてました、、)。でもかならずしもCDを買っていなくても、BooやIanなどは会場内でお酒を飲んだりしているので、話す機会はあると思います。私はBooに「今度はWorld's Endを歌ってね。」と言っておきましたが、さて演奏されるでしょうか。
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