発話機能  Utterance system 

第9回ROBO-ONE大会で使用した発話機能について解説します

と言っても、実はまついさんが製作された
伝助音声ユニット(以下DO2)
を使用しているだけです
DO2のハードにプラスしたのはスピーカーユニットとFMトランスミッターです
これらが上半身用のサブPCBとドロップレギュレータPCB、ジャイロ等と共に
全てキングカイザーの上半身に収められています

下の写真がDO2です

DO2は、サーボプロセッサーの3線(GND,+電源,PWM)を接続するだけで、
50個のメッセージをランダムに選択して、発音することが出来るすぐれものです

音声ファイルメモリーはminiSDカードを使用しており
PCで編集することが出来るので非常に便利です


なんといっても、サーボモーターと同じあの赤黒白の三線ケーブルで
コントローラーと直結出来るのがとってもGood!です

電気や制御の知識が無くても大丈夫
特別なソフトウエアも必要ありません
例えばKHR-1であれば、制御ボードであるRCB-1の空いているサーボ番号の端子に
サーボモーターと同じようにDO2からのコネクタを刺します
あとはモーションを作る時に、そのサーボ番号(チャンネル)に対して
角度を指定してやるだけで発音します

例として、RCB-1のCH1にDO2を接続したとすると、下図(HtoH)の様に
CH1の角度を42度に設定するとminiSDカード内にある"001.wav"というファイルが再生される
次にCH1の角度を44度に設定すると"002.wav"が再生される
といった具合です

はっきり言って、KHR-1の純正オプションパーツとして発売したら
いいんじゃないの??というくらいの完成度と簡単さです

だってケーブルで繋ぐだけですよ

販売したら大ヒット間違いなしだと思います->まついさん

DO2の詳しい内容は本家を参照して頂くとして
以下では、第9回ROBO-ONE大会予選で使用したトランスミッターの紹介をします

下の写真がそれです、USBメモリ型FMトランスミッター「SI-8351」と書いてあります
アキバで見つけました、¥1,599(税込) でした(安!)
USB接続と思いきや、、、
外観から想像するに、PCのUSBポートに接続すると自動的にUSBスピーカーのように
認識されて動作し、デジタル音声データをFM波に変換するFMトランスミッター
のように思われます

しかーし、その実態は
本体にアナログ入力端子(ミニジャック)が搭載されており、PCのアナログ出力端子と
ケーブルで接続することにより音声を取得し、FM波で飛ばすモノ
じゃあ、USBはなに???  カンの良い皆様にはお分かりのように電源を取ってるだけです(~_~;

パッケージには「ドライバフリー」「プラグ&プレイ」「PC/MAC両システムに対応」
などと書いてありますが、電源を取っているだけだから当たり前です

本体側面に出力周波数を切り替えるスイッチが付いていて、
88.7/88.1/88.5MHzの3種類を選択可能です
本体サイズは20(W)×60(D)×10(H)mm(DO2より小さい)、重さは15gです

本体にもパッケージにもメーカー名が書いてないですし、怪しさ全開です
しかし、とにかく小さいのを探していたのでこれを買ってみました
もちろん、値段が背中を押した事は間違いありません

家に帰ったらさっそく分解です

シールで型番を隠されているチップがありますね
もちろんシールを剥がして確認です

おおっ、アヤシイわりにはローム製の「BH1417F」を使ってるじゃないですか
これは音質が良いと評判のローム製のトランスミッタ用のLSIで、
プリエンファシス回路、リミッタ回路、LPF、・・・とにかくオールインワンの定番LSIです
これなら結構期待出来るかもしれません

さっそくDO2に接続してテストです

とりあえず音は出た(当たり前)のですが、電波の飛びが弱いです
そこで、外部アンテナをつけるべくネットで入手したBH1417Fのデータシートを調べてみます

データシートによるとFM出力は11ピンから出力されているようで
11ピンを出た出力はBPFを通してアンテナに接続するようです

さて、実際の基板のパターンを見てみると、それらしき辺りにアンテナ代わりらしき
パターンが印刷されています
ここに外部アンテナをつなげば良さそうです

ここまでわかれば後はひたすら改造作業(というか軽量化)です
最終的に下のようになりました

端子は左から、電源、信号入力、アンテナです
うっかり電源線と信号線に同じ赤黒の線材を使ってしまったので
コネクタをオスメス逆にして誤接続を防止しています

黄色線は、このコネクタの先にアンテナを接続します
アンテナは、使用する周波数が80MHz前後なので1/4波長の長さ90cmのビニル線にします

USBコネクタは不必要なので軽量化の為に金ノコでぶった切りました

さて、本格的にロボットに搭載して動作テストです
ここで思わぬ問題が・・・
家にあったCDラジを使ったのですが受信が全然安定しません
(テストの時は気が付かなかった)

試しにリビングにあるコンポのチューナーで試してみると
はるかに遠くにあるにもかかわらず、良好に受信します

よく考えてみると上のCDラジ(カセットが無いのでラジカセではない)
はアナログチューナーです(コンポはシンセチューナー)
それに対して送信機はシンセで周波数は88.7/88.1/88.5MHzとコンマ台
これではジャストチューニングするのは至難の業だし
せっかくあわせてもちょっとした振動等ですぐズレてしまいます

仕方が無いのでこれも必要経費と考えて一番安いシンセチューナー内蔵の
CDラジを購入しました(下写真)

結果としてこの組み合わせでなんとか予選で使用することが出来ました

余談ですが、当日の控え室の席がスミイさんの後ろだったのですが
アリキオンの準備をしているスミイさんを見てびっくり
全く同じCDラジをお持ちじゃないですか!?・・・全くのグーゼンですが
スミイさんに話を聞いてみると、あらゆるCDラジのデータを調べて
受信性能、音量(大切)、価格(これも大切)等の全ての項目を
比較して、この機種に決定した
そうです

"近くの電気屋で一番安かったから買った"私とはなんというでしょう
こういうところにもGPチームとの差が現れています
いつまでたっても追いつけないワケです

ともかく、結果的に私もベストチョイスの受信機を手にしたわけです(~_~;
(あいかわらず運だけは良いようで・・・)