かわらないもの

中身で勝負ですか

A   「俺もさ、ダイビングが趣味なんだけれど」
女性 「えーっ、そうなんですか、どこに行かれるんですか?」
B  (けっ、外見だけのミーハー野郎め。中身では負けないぞ。)


 まあ、合コンでもお見合いパーティでも、ルックスのいい人に異性が集中したりして、横で会話が聞こえてくると頭にくることありますよね。
 しかし、負けないという自信や、負けたら自分を磨くということはいいのですが、有名空手家よりも強くなっても、司法試験に受かっても、英会話がうまくなっても、料理がうまくなっても、現状は変わらないのです。
 それは、方向性が違うというものです。どうしたら、相手に見てもらえるのか、どうしたから相手と仲良くなれるのか、それだけなのです。

 優しさなら負けないとか言う人もいますが、それは誰にも比べられるものではありません。
 知識量とか、頭の良さ、何かのスキルなど以外の内面である、性格や人柄なんて誰が優劣を判断すると言うのでしょうか。


何もわからないのに

へぇー、会って一日でプロポーズなんて。
相手の何も分からないのによくそんなことできるね。


 恋愛でないと、こういうことはありかもしれませんね。一目惚れとか、瞬間にピーンときたというわけですね。お見合いでは、なかなかこうはいきません。
 お見合いでは、こういうことは稀ですね。
 人が人を好きになるというのに理由はいらないと思うのです。
 お見合いでは、少しでも相手のことをよく知った上で結婚に踏み切りたいと思うものですが、知ることのできるものにも限りがあります。結婚したとしても、退職金離婚など、相手の全てなんて分かるはずかないのです。
 ただ、確信が持てるまで、相手のことを知りたいわけですね。

 結婚後に相手の知らない部分が見えて後悔しないために、いろいろ考えるのは仕方ないことだとしても、ほどほどにしないと、時間だけが過ぎてしまうわけです。

 昔、結婚式に初対面ということがあった時代では、お互いに歩み寄り、協力して財産もお互いの人格も形成していったものです。
 恋愛なら、たとえ短い時間でも、お互いの好きなところ、いやなところも容認できたはずなのです。


許せる

ああ、こんな人だとは思わなかった。
全然周囲のことが見えていないだよね。


まったく、こんな無神経で自分勝手な人とは思わなかった。

 今まで好きだと思っていた人が、自分の期待を裏切るかもしれません。
私は、気の付く人がよくて、気が付かない人は嫌いだと思っていたとします。
ところが、お付き合いしてゆくと、自分の期待に反して「気の付かない人」だったとします。

 それで愛情が無くなってしまうかもしれません。
一瞬で愛情が冷めてしまうことはよくあることです。
許せる範囲とか、許せない範囲は人によってあるものでしょう。

許せない範囲だとして、それで愛情が冷めるか
それでも愛情が残るのか、それは誰にも予想できません。

だから、できるだけ相手の事を知ってから結婚しようと思うわけです。
しかし、退職金離婚ということもあるように、
何年たっても相手の全てを知ることはできません。

 これは、どうしても許せないと思っていても
一晩寝たら「まあ、いいか。」と許せることもありますし、
相手に少しずつでも分かってもらえるようにしたいですね。
本当は、少しずつお互いに相手の考えを理解して
毎日歩み寄っていきたいものですね。

ある事件がきっかけで、とても悲しくて泣いてしまうかもしれません。
それでも相手を受け入れて、相手と向き合うか
それで終わってしまうか、それは誰にも分からないものですね。

お互いから目をそむけたら、
もう相手の気持ちは分からなくなります。
向き合っていきたいものです。


どんなとにも

夫 「こんなことになつて申しわけない。」
妻 「帰ってくるまで待っています。」
刑事 「では、行こうか。」

 なんだかよくある刑事ドラマみたいですね。これは別にしても、将来、病気や怪我でどういうことになるか分かりません。
 テレビドラマで「14ヶ月」は、相手の姿が変化していっても、心の結びつきが持てるのかという純愛ものですが、現実に前進麻痺の妻と寄り添っているひともいますよね。
 もう、このくらいになると、外見とか、収入とかいうレベルではないのです。
 大上段からものを言うと、その人の過去も未来も、仕草も、罪さえも愛せるわけです。

 ただ、残念なことに、それは大多数の人にとって無理な注文かもしれませんね。そういうレベルでなくても、お互いの尊重と心の結びつきが欲しいものです。
 どれだけ劣勢になっても、必ず自分の味方になってくれる人がいる。誰にも喝采を浴びなくても、その人が喜んでくれたらそれでいい。
 
 もっとも、これはお見合いでは、絶望的に難しいですね。でも、結婚してからそうなれるかもしれません。外見や条件ではなく、そんな相手を探したいものです。


かわらないもの

愛情は永久ではないと言われることがあります。
 どんなに仲が良くて愛情を大切にしたいと考えても、出逢った頃の新鮮な胸の高鳴りは「慣れ」によって消えてしまうかもしれません。喧嘩もするかもしれませんし、誹謗中傷や変な噂に惑わされることもあるかもしれないでしょう。
 いろいろと愛情を試される場面があって、それは結婚しても同じでしょう。数々の試練の中で、そのまま別れてしまうかもしれないし、また元に戻るかもしれません。愛情を再確認できたり、愛情が深まるかもしれません。
 
 愛情はもともと自分の信頼によるもので、相手にも愛情があると思うのはただの幻想にしかすぎないともいえます。
 本当に自分の愛情を保っていくにも努力がいるかもしれません、しかし努力する必要があるのでしょうか。
 もちろん、結婚していないならそのまま終わりになります。結婚すると、愛情がなくなったというのも大変なことですから努力は必要でしょう。
 
 相手に愛情があるかどうかなんてわかりません、相手に愛情がないと、こちらも保ってゆけないかもしれません。だから、お互いに自分の気持を伝え合い、相手に確信させなければいけないと思うのです。
 常に変わらないものという存在は否定しませんが、常に保つための努力は必要だと思うのです。