過去の記事

判例集の使い方
 司法試験をしていると、最初は基本書とか予備校本を読むのが精一杯なのですが、基本書を複数もつのは、メインの基本書でわかりにくいときに他の本で調べるとわかることもあるので、その限りの参考書ということになります。
 判例も、事案をよく考えて読んでみると、法律の理解の役に立ちます。
 法律は、具体的な事例を思い浮かべられないと理解したことにならないといわれますが、実務経験のない者にとって判例はありがたい存在ですね。

 もちろん、法律を理解するというのに判例集は欠かせないのですが、司法試験という目的で言うと、私は別の使い方をしています。
 私は、P&C方式で答案を検討したりするのですが、P&Cは判例が中心なわけです。優秀答案の検討をだいたいすると、次は判例の検討に入ります。
 判例を答案に見立てて、表現とか法律構成とかの文面をチェックしてパクるわけです。そうです、私の答案は判例のパクリなわけです。
 したがって、判例の要旨が少ない判例集は駄目で、できれば解説なしで判決の本文がたくさん載っているのがいいわけです。

憲法
 「憲法判例」(第3版増補) 有斐閣双書
  事実と判旨だけしかありませんが、憲法では十分かっコンパクトな判例集だと思います。
 
民法
 「民法判例集」 (第2版) 瀬川信久・内田貢 著 有斐閣
 *このシリーズの総則・物権、担保物権・債権総論、債権各論
 すこし、難しいですね。でも、かなり役に立ちます。

刑法
 「最新重要判例250刑法」 前田雅英 著 弘文堂
  事実と判旨は、これくらいの分量がちょうどよいかもしれません。

商法
 「判例マニュアル商法」 河本一郎・奥島孝康 編著 三省堂
 *これのT〜Vを持っています。
  商法は改正が多いのと、なかなかいい判例集がありませんよね。これは、他の判例集よりは判旨の部分が少し多いのでいいかなと思っています。

民事訴訟法
 「基本判例 民事訴訟法」 上原敏夫・池田辰夫・山本和彦 著 有斐閣
 事実と判決理由しか書いていませんが、これは民訴の定番ですね。判決理由というのは答案作成上ありがたい表現の宝庫です。
 それと、判例のパクリをやっていると、法律文書の書き方が身について実務になっても役に立つといわれています。

刑事訴訟法
 「判例教材 刑事訴訟法」(第2版) 三井誠・井上正仁 著 東京大学出版会
 この本は、本当にたくさんの判決文が載っています。読んでいると実際の情景が浮かんでくるようです。私の判例集選びの原点たる本ですね。
 本だけ読んでいると、「任意処分と強制処分」の分かれ目とか、基本書だけでは身につきにくい具体的事案に対する対応の仕方が、なんとなく身についてくるような気がします。
 基本書に書かれている理論と実務のギャップに悩んでいる人にはお勧めです。
 でも、分量が多いので、時間の許す人だけにお勧めです。


択一答練

択一答練って何でしょう
 択一は、基本的な対策としては過去問を繰り返すことと言われます。また、問題集もたくさん出ています。択一答練のメリットは、本番と同じに近い条件で問題に取り組む事でしょうね。
 たしかに、勉強していない部分の問題がほとんどのときとか、この科目はほとんど準備していないというものがあった場合は、もう受けるのが嫌ですね。
 はっきり言って、10点くらいの科目は、受けているだけ時間の無駄だとおもってしまいます。現に私は、答練中に外に出てトイレだけでなく、コーヒーブレイクしたりしながら答練をしています。なんとなく、早出しは、やりにくいのです。カウンターでの提出というのがネックでしょうね。
 それと、論文答練の場合は、時間がいつも足りないので、その心配はないのですが、択一は、時間が余ってしまいます。
 なぜ時間が余るかというと、全く分からない問題は初めから解かないからです。自分が勉強したところだけ丁寧に解く事にしているからです。
 だから、分からないのに適当にマークするのは、答練では無意味と考えています。
 
復習してやる・・・
 復習しないと、答練の意味はありませんが、正直言って復習するのに時間がかかりすぎます。それで半分以上は、復習しないままに残ってしまいます。
 ただ、復習は答練当日にするのが効率的です、なにせ改めて問題文を読む必要のない問題もありますし、たった今まで取り組んできた問題なので、問題文は読むにしても速く読めます。日を置いては駄目です。
 また、私の場合、憲法は8割前後取れるので復習は数十分でできてしまうのです。そのおかげで、他の科目に回せる時間ができます。1科目でもこういう科目があると楽です。
 
悪夢のようですね
 実際は、あまり出ていないのですが、文章並べ替えは悪夢のようでした。しかし、まあ、今ではあまり間違える事がなくなりました。しかし、私の実力は、択一に対してコメントできるレベルではないので、今も悪夢と戦っています(特に刑法)。


論文答練

答練って何の役にたつのかな( ̄〜 ̄)?
 私にとって、司法試験の勉強イコール論文対策の答練でした。通信で受ける事がほとんどでした。
 昨年は強行軍で、通信だったのですが、基本書を読むのと答練の問題が送られてくるのが同時でした。ほかでも書きましたが、ケースワークということで、問題を解くのに必要な知識を拾ってきます。また、その知識が分からなければ、さらに基本的なことを調べてゆきます。
 よく考えるので、割とよく覚えられましたが、まったく答案は苦しいものになりました。ある程度は全体構造が見えてないと変な答案になってしまいます。

やっぱり書けない。
 何も見ずに答案を書く。これは、一大目標です。答案を書いているうちに、分からない知識が出てきて、カンニングしてしまうのです。まあ、添削者としては、変な1人説を読まされるよりはいいのでしょうが、カンニングしても20点とかだと泣けてきます。少なくとも、カンニングしたなら、25点オーバーは取りたいものです。
 何かを見ながら解いて、25点以下なんて、細かい知識や学説判例以前のものがあります。
 また、暗記、暗記で知識は入っているし、論証も暗記したとしても、これでも25点以下というのも困ったものです。全体構造の理解なのか、理論力なのか困ったものです。ただ、知識がある程度充実していると、25点以上は出るはずです。まあ、断片的知識の寄せ集めみたいなコメントはつきますが。

答練と本番は別です
 何を信じていいのか分からないこの世界。私も複数の論文対策の講座を取りました。講師によって、いう事はまちまちです。
 しかし、予備校の答練と、本試験はまったく別というのは、異口同音に言われます。予備校の場合、添削者のレベルから、どうしても論点をいくつか設定して、設定された論点について受講者が書き、添削するほうも論点にそって添削するという形式にならざるをえません。
 しかし、予備校の優秀者は、本番でも優秀者ではあるのでしょう。
 自分で書くということは大切だけれども、過去問を解いたり、誰か講師の論文対策講座に絞るというのもひとつの選択ではあります。