体験記はいらない

私の体験記は役に立たない
 まず、私の体験記は役に立たない。何故なら合格者のものでないからである。しかし、合格者の体験記も役に立つものではないかもしれない。というのは、途中の過程が書いていないからだ。
 言い換えると、合格者の勉強法は、その人が試行錯誤した上で編み出されたものであり、ひょっとしたら同じことをしたくても自分の学力では無理ということがある。

 司法試験の勉強方法は、ある程度勉強した人なら自分なりに確立しているのであり、あまり他人の方法を見ても仕方ないのである。
 ただ、まだ学力がない人が合格者の方法を真似できるかというと、それも厳しいものがある。それと、自分の勉強法でやってきて、あまり成果が上がらなかったので他人はどうしているのか気になると思うので、その限りで体験記は読みものとして面白いかもしれない。
 
 しかし、私の体験記は、どの意味でも役には立たない。あるいは初心者へのアドバイスということはできるかもしれないが、それは司法試験合格者など、ある程度の勉強をした人が過去を振り返り、こうしたらよかったなと思うときにできるものである。

 自分自身、2004年の不合格体験記は書くのをやめてしまっているし、意義がないと思っている。過去の記事も、自分で読んで恥ずかしいだけである。もはや、反面教師というしかないだろう。全面削除も考えたが、一部だけ、日記のような感じで残すことにした。


憲法

以前の受験のとき
 これは今から15年以上前のことです。大学でも法律の講義を受けたことのない私は、とりあえず有斐閣双書の「法学入門」という本を買い、それを読んだあとに有斐閣双書の憲法4冊組みを買って読み始めました。
 当然わかったようなわからなかったような感じでした。
 これが私の入門期で、本を読むことがほとんど勉強のすべてでした。このあと択一問題集を解き始め基本書も佐藤幸治先生のものにしてセミナーの答練にも参加しましたが、択一、論文ともにまともな答案は書けませんでした。

復活後
 10年程度のブランクがあった私は、とりあえず、憲法の基本概念を改めて洗いなおすことにした。初学者同然の学力だからだ。
 以前、佐藤説憲法だったけれど、今回の受験期間は半年しか準備期間が無いので、芦部先生の本にした。以前の経験から、伊藤先生か芦部先生の本の方が早く回せると知っていたからだ。
 結論から言うと、今回はあまり手を広げないで芦部先生の「憲法」という本の内容を確実にマスターすることに終始したようにおもう。
 あとは、問題集を解くたびに、出会った知識や判例を補充する方式となった。
 法律の基本書というのは、芦部先生の憲法一冊で、あとは判例ばかり読んで、特に参考書といべき本や、刑法のように、いろいろな学者の本は読まなかった。

 この科目としては、特に反省するところはない。択一の点数は15点だが全体的に点数の低い年だったし半年の準備期間としてはうまくいった方だと思う。
 論文の答練は25点前後で安定していたし。いい得点とは言えないものの、こちらも半年の準備期間としては、成功した科目だろう。
 得点は合格ラインにあるだろうけれど、自分としての反省点は、判例を正確に覚えていないところや、自分で整理できていないところが多い。

2004年度まで
 あれから何年たったのだろうか。憲法に関しては記憶がない。実際のところ民法などの他科目に比べて憲法は後期答練の刑事訴訟法が終わってから年末年始で集中的にやる以外にはしていない。
 昔は択一も論文もまったく解けず歯が立たなかったが、司法試験受験を再開してまもなくの論文答練や半年後の択一などで思ったよりも成績が良かったため、他科目よりも後回しにされてきた感がある。
 ある時期集中的に問題集をやる以外は何もしていないに等しい。

 今後は、一度基本書を読んでみたり、判例集をよく検討してみたい。


民法(2003年)

講義
 私は、民法は苦手科目で、択一、論文共に自信がもてませんでした。そこで今回は、講義テープを利用することにしました。
 基礎講座ー高橋正人
 論文対策ー井藤公量

 私は今まで独学でやっていたので、高橋先生の講座は、入門講座という事もあり、少し私には簡単でした。実際私の場合、苦手というよりは、答案をあまり書いていないというのが正直なところで、勉強不足という事です。
 しかし、高橋先生の講座は、私の知識の不備を補うのには十分でした。私は、予習なしで、早回し再生で続けて聴きましたが、初学者の人は予復習は数時間必要です。
 総則のところは、少しあちこち飛んで、まとめにくいですが、これは初学者を対象にしているので仕方ない事です。
 初学者の方で、どの講座にしようか迷われている人にはお勧めです。

 井藤先生のP&Cの講義です。私の場合、基礎講座を受けなくても、これだけでも良かったです。
 この講座は、マッハのスピードで一気にやるのがコツですが、民法全体をさつと論文レベルで短期間に回せます。
 アジェンダは、この講義のテキストなのですが、アジェンダを何回か回したら、補充で何か問題集を解いてみたいと考えています。
 
2003年の受験対策
 メインテキストは我妻先生の、民法講義ですが、実際のところアジェンダがメインです。勉強時間が少なくて勉強不足ぎみですので、問題に当たってみて知識の使い方に慣れるようにしています。
 基本書は、分からない事があったり、知識整理の段階で読むことにしています


民法(2002年)

以前の勉強
 以前は、使用テキストは星野英一、松坂佐一先生のものを使っていました。そのあと、我妻先生の本を使用していました。
 考えてみれば、成績が悪かったり分からない事があると、すぐにテキストを変えたりして迷走していました。
 これでは、知識が定着して基礎が固まらないので、司法書士の択一問題集を一問一分で解いて9割正答というところまで問題演習をしたりもしました。
 論文の方は答練以上の事は、あまりやりませんでした。

2002年の受験に際して
 ダットサンをまず読むことにしました。しかし、ダットサンでは明らかに足りないので、答練の始まる前から内田先生の民法T〜Vにテキストを変えました。
 内田先生のテキストを読む答練
 という繰り返しで、終わってしまいました。
 択一では、再びダットサンをメインにして、辰巳法律研究所の択一過去問題集をやりながら。
 ダットサン択一問題集ダットサンに必要な事を書き込み
 という繰り返しとなりました。また、このとき分からない部分は伊藤塾の試験対策講座を参照しました。しかし、シケタイ(試験対策講座)は、私がわかる部分は書いているけれど、分からない部分は書いていないというところが多くて、参考書に困ったのは事実です。
 もちろん、分かりやすいので独学の初学者にはお勧めです。しかし、辞書的に使うなら不向きかとおもいます。
 しかし、そんな書評を書ける立場に無いくらい学力は駄目でした。

反省点
 民法に関しては、勉強方法以前に勉強不足でした。刑法の論文答練のあと、テキストをダットサンにしたのは、時間が無かったという証拠だし。学力的にも勉強不足で、ダットサンレベルは固めようという意図があったからだし、準備期間の短さと、おなじ1科目なら合格レベルに短時間で近づける科目を優先させた為に、民法は後回しになったようにおもうのです。
 実際ダットサンで精一杯。内田先生の本は読むのがやっとで、暗記まではできなかったです。さらに、判例まで手が回らなかったです。

今後
 民法は、勉強不足です。また、基礎力も不足で、テキストや勉強方法を論じるレベルではありません。しばらくは、択一対策をそのまま続けることにしています。