司法試験不合格体験記2003

択一落ち
 またしても択一落ち。どうして択一は駄目なのかな。というより答練を受けていたら「今年は駄目だろうな」とかわかるものだけれどね。
 それにしても今年の問題で落ちるのは、恥ずかしくて外を歩けないというものだ。
 よくそれで論文答練書けけたねと、びっくりされても仕方ない。
 もっとも、択一、論文ともに憲法だけ点数がよくて、あとは駄目だったけれどね。
 その憲法だって、どうして点数がいいのか私自身分からない。

金がなくても負けるが、金があっても負ける
 今回の敗因は、受験資金があったからだろう。なんだか大学受験で浪人した時と同じだ。いたずらに、授業を受けすぎ、答練に参加しすぎで、どれも未消化で復習すらおぼつかなかった。
 専業の受験生ではないので自分の持ち時間というものを考えるべきだった。金がないなら、初めから講義を受けるなんて気が起きないのに、多額の資金を投じて自分を窮地に追い込むなんてばかげている。
 また繰り返してしまったというべきか。これだから貧乏なんだろう。大学受験のときも、親に甘えすぎていたし、予備校の宣伝に弱すぎで「これを聞かないと不合格だ。」という脅迫に弱かった。
 まったく、この弱点が未だ直っていなかったのが痛いね。

 以前は、私は基本的には独学で本のみによって勉強してきたし、わからないことがあっても自分で解決してゆくしかなかった。予備校の利用も論文答練だけだった。

 しかし、答練では独学ではあまり論点の存在すら分からないところが出題されて困ってしまう。さらに、みんな解けているようなので、予備校というのは違うものだと思っていた。
 年齢的にも早期合格が必要だし、独学の限界も感じていたので、ここはなんとか資金を調達して、本格的に予備校を利用する事にした。
 基礎講座から、論文、択一の講座、そして答練を何本か受けた。さらに、特別講義のようなものも必要感に駆られて取った。

 私は職を持つ身なので、講義は主に通信制だったけれど、これは同じ講義を納得できるまで何回も聴けるというメリットがあるので、これはこれでよかった。
 しかし、予習、復習が思ったより莫大な時間がかかり、あげくの果てに未消化に終わった。
 また、いろいろな講義を受けたのでなおさらだ。基礎講座を受けてわからなかったので違う講師の講座を取ったりしたけれど、これは間違いだった。基礎講座を何本も受けるのは無駄だ。
 こんなことはわかりきったことなのにね。

自分で解かないと解けない
 講義中は理解している、しかし自分で答案を書くときになると出てこない。講義の一番怖いのはここだと思う。予習もさることながら、復習してみないと駄目だし、復習してこそ「わかった気にになっている。」のと「わかった。」ということの違いが認識できる。
 しかし、私は自分の持ち時間を考えなかったために、たくさんの時間を要求して、それでも未消化という結末になった。
 特に民法では、講義で理解している気になっていたのに、年が明けて択一答練を解いたとき、あまりに間違えるので愕然としてしまった。
 きっちり覚えきれていなかったし、演習という部分でも不足かなと思った。

貧乏くさいと負ける
 司法試験の資金は人それぞれだけれど、成果があるかは、お金の多寡ではなく、使い方によるのだろう。
第一に目的とするべきなのは、合格なので、そのためには合理的に行動しなくてはならない。
 講義を受けたり、教材を買うと、せっかくお金を使ったのだから活用しないともったいないと考えてしまう。
 確かに、講義や教材を放棄するのは、お金の無駄だけれど、過剰になって、未消化になり「これは無理だ。」と思ったら、捨てる勇気も必要だろう。
 現に今年度も早い時期から、これは消化できないから教材を絞るべきだと気が付いていたが、結局、何日も徹夜などして無理をしながら続けてしまった。
 消化が無理なのに、お金がもったいないと考えて無駄な時間を費やし、あげくに失敗するのは、貧乏くさいから負けたというほかない。

ということで。
 今年は多量のお金と時間を費やして自爆。バカの典型だ。他人がしていると笑うのに、自分でもやってしまっている。
 薬剤師国家試験のときは、パチンコ、麻雀でお金を使い果たしてしまい。各科目一冊の本と問題集しかなかつたので、これを何回も繰り返して成功している。
 今回は、自己投資の重要性を錦の御旗にして、自分でコントロールできないくらいのスケジュール組んでしまった。お金と時間だけかけて、どれもモノにできなかった。
 よく努力したけれど、結果がでないよね。これでは。