発想の転換

 私は、薬剤師国家試験を通ってきました、薬剤師国家試験での発想は、試験までに何が出来るかという事でした。
 薬学部を出たのに、薬剤師免許を取れなかったというのは、社会的にかなり困った事になるのです。就職にしても、免許が条件の場合、内定取り消しの事由にもなります。
 とにかく、絶対に受からなくてはなりません。
 それと、薬学部の4回生は卒業論文の為、夜10時頃まで毎日研究室で実験していて、時間もありません。
 すると、試験には絶対受からなくてはならないという事と、試験に受かる為には何が必要なのかというのと2通りの要請を満たさなくてはならなくなります。
 普通の発想というのは、
 
 基本書を読む→受験参考書を読む→問題集をやる

 という順番になりますね。
 しかし、薬学部の基本書を復習するとなると、与えられた時間では、国家試験までには読みきる事は困難なのです。
 薬学部の基本書は1冊軽く500〜700ページはありますし、しかも、化学式等の暗記物が多いので、1ページ進むのにも大変時間がかかります。
 したがって、頻度順という事で、過去の国家試験に出たり、国家試験においての重要項目に焦点をあてて解説している国家試験対策の参考書を読む事になります。
 私は4回生の夏から、国家試験勉強を始めましたので、これでも、時間が足りないのです。
 まあ、4回生になるまでに、ある程度化学式とかはすでに暗記していましたし、全く分からない科目ではないので、一気にテキストのページ数を減らして。
 順番を変えました

 問題集を解く      以上

という順番(?)です。
 実際には
 問題を解く→解説を見る→受験参考書を見る→基本書を読む
 という順番になるのですが、参考書以下は、最初から順番に読まなくて、問題集を解くのに関連した部分を読むのです。
 章の最初から読むこともありましたが、これは、その分野、単元の概念が今ひとつつかめていない場合のみ読みました。
 あくまで、最初から順番に読んで、メインのテキストとしたのは問題集なのです。
 最初は苦戦しましたが、各科目1冊ずつの問題集を2ヶ月で5回繰り返す事が出来ました。
 まあ、3回目位には、休みの日1日で1科目1冊全て解く事も出来ました。

 さて、司法試験の場合、択一の場合、今の勉強方法が出来ます。論文の場合は、1日で、全部解くというのは無理でしょうが。

 問題を解く→解説を見る→基本書、判例、論点書を見る

という順番になります
 
絶対に受かるには、どうするのか?試験までの時間は?という要請を満たすには、試験までに実行可能なプランを立てなくてはなりません。
 それには、
 問題集は試験日までに数回繰り返し出来る物にする。
 論点を網羅した本は、全ては目を通せないと覚悟する。
 基本書は、何回も精読可能な分量の少ない物とする。

 例えば、民法の場合
 択一過去問題を解く→解説を読む→論点本としてデバイス(早稲田セミナー)で解説を補充する。必要に応じて、基本書のダットサンを読み込む。
 というコンパクトな方法を取るのです。
 ダットサンは、コンパクトすぎるし、それでは答案は書けないと思うでしょうが、以前私が司法試験を受験していた頃はダットサンを基本書とする受験生は多かったのです。
 ダットサンは、速く、何回も読む事が出来ます。民法の基本的な骨組みをしっかり付ける事が出来ます。
 論点や詳しい事は、問題集を解く事によって、デバイスや判例を読んで補います。ただ通読するのは苦痛ですが、問題を考えるという過程で、テーマをもって判例や参考書、基本書を調べるのは、とても楽しい事で、思考力も鍛えられます。
 今の記述は、最初には問題集が解けない事を前提にしています、全く分からないか、一部しか書けないのが殆どです。従って、解説を見ながら、基本書、参考書、判例を見比べながら解く事になるというのが前提となっています。
 しっかり、全ての問題に正解出来るなら、その問題集を解く意味はありませんから。