民法

民法の勉強
 民法は、初学者にはきつい科目だ。本を読んでみても最初のページを理解するのに、後の方のページの知識が必要なことも多い。最初に使うテキストは、たくさんの学説が載っている分量のあるテキストは避けて薄いものがいいと思う。
 それと、他の科目でもそうなのだが、民法は特に条文をよく読んだ方がいい。テキストの解説は条文についての解説なので、条文を読んでいることを前提として解説しているからだ。
 逆に言うと、テキストだけ読んでいると何について説明しているのかわからなくなることもあ。とにかく、条文をよく読むことが大切だ。

 さて、民法の勉強も憲法と同じく、問題を先に読んで、答案を読むという方法で違いはないのだが、民法の方が択一問題集で得られるものが多い。したがって、入門講座の段階の人でも復習として択一の問題を何回も解いて知識を定着させるべきだろう。
 以前のここの記事では、テキストを読む→問題集を解く→問題集で得た知識をテキストに書き込みという手順を書いたことがある。
 基本的には、これで正しいと思うが。最初に問題集をして、わからないことや確認事項をテキストや判例集でチェックというパターンでもいいし、何か基礎講座などを受講されている方は、最後の知識定着作業として、択一問題集を解いていいと思う。

講座、答練など
 論文講座(セミナー)、ローラー答練(辰巳)
 セミナーの択一答練、短答オープン(辰巳)
 基礎講座は、高橋先生担当の辰巳の入門講座。続いて同講師の論文合格体系講座。
 高橋先生の講座は、やはり民法がいい。憲法、民法はお薦めである。ただ、民法の講座で判例べったりの講座はどれも大差ないと思うので、あまり迷う必要はないと思う。
 それと論文合格特訓講座(辰巳、柳澤講師)を聴いている。
 答練もどこもあまり大差ないかもしれないが、論文答練でローラーは、少し論点が多すぎるように思う。もちろん、たくさんの論点を書くのにはいいのだけれど、深く長く書くという点では訓練にならないかなとも思う。ただ、昨今の多論点型の本試験では、これでもいいと思う。

使用した本

民法 有斐閣双書 (1)〜(8)
 これがメインキスト、記述は判例、通説にそっている。一番無難なテキストと言えるが、細かい文字の部分の判例は、判例集にあたった方がわかりやすいだろう。

民法講義(我妻栄)岩波
 この本は、私が以前司法試験を受験していたときから使用している基本書。昔は、松坂先生の本をメインにしていて、この本は参考書として辞書的に使用していて、一時はメインテキストとなっていたが、やはり難しかった。
 
判例講義民法T・U(奥田、安永、池田)悠々社
 これは、判例集なのだが、判例集というよりは解説書という感じだ。

民法総則(四宮、能見)
 有名な本だけれと゜、四宮先生単独のときほどの価値はないとも言われることがある。

新・民法大系X(加藤雅信)有斐閣
 加藤先生のこのシリーズは、民法の原理・原則的なものが、とても理解しやすい本で、初学者からお勧めできる本。

民法(内田貴)東京大学出版会
 1〜3の三部作でパンデクテン体系ではなく、独自の配列になっています。基本的な民法を理解するという教科書に徹した教科書。
 法的な思考というものを身に付けるのには最適な教科書だが、体系的な本と少し違い検索にはつらい部分がある。

デバイス民法(早稲田経営出版)
 早稲田セミナーのテキストです。条文、意義、要件、効果などの基本的事項と論点が網羅しいる。ただし、独学には厳しいテキストと思う。

民法1.〜3.(我妻、他)一粒社
 昔からダットサンと通称されるテキスト。民法の標準的な基本書として有名だし、この本だけ読み込んで、後は問題演習で知識を増やしてゆくという方法でもいいと思う。以前は司法試験のテキストとして使用されることが多かった。
 もちろん、このテキストは司法試験のテキストとしては内容が足りないので、判例や他の本で補充する必要がある。

新・プラクティス民法(早稲田経営出版)
 論文対策の基本的なテキスト。答案全体は載っていなくて、基本的なの論証というものは解答例として載っていて、基本的な知識を身に付けるのにはいいと思う。もちろん、解くというよりは読むだけというのがオススメの使用法だ。

 民法に関しては、平成16年12月改正に対応している本が出揃うのを待っているが、今のテキストでもあまり支障はないと思う。