憲法

初心者用の憲法の本
 私の勉強法は、先に問題を解き、それに必要な知識を優秀答案、模範答案で仕入れるという方法から入っている。
 もっとも、それでは最初は何もわからないので、最初は簡単な入門書を読むほうがいい。私は司法試験への挑戦は2回目で、10年位前にも勉強していて、最初に読んだのは芦部先生の本だが、今から憲法を勉強する人でも芦部先生の本でいいと思う。

 芦部先生の本には公務員関係とか人格的生存権とか難解な記述があるが、これは合格レベルの人でもわからないとおもうし、法学書には理解できない部分があるものだと割り切るしかない。わかる範囲で基本概念を押さえておくといい。
 最初は、法学書は、理解できないことがあっても、あまり食い下がらず前に進むといいと言われるが、その態度で読むといいと思う。

 もちろん、これから憲法の勉強をする人は、LECの柴田先生の入門書か伊藤塾の伊藤先生の入門書でもいいと思うが、これらの本は、あまりわかりやすいとは思えないので、やはり芦部先生の本でいいと思う。

勉強法
 先述したが、私は問題を解いて、それに必要な知識を優秀答案、模範答案で仕入れる。ただ、実際には解いているわけではなく、問題を読んだあと、答案を読むのである。
 もちろん、今は問題を見た後答案構成をしたりしているが、最初は答案構成すらできなかったので、いきなり答案を読んだ。

 優秀答案、模範答案を何回か読むと、ある程度の答案は書けるようになるが、優秀答案の記述でも正確であるとは限らないし、誤解して理解していることも多いのに気付いてくる。また、自説の確立ということも考えるようになる。
 そこで、答案検討のなかで基本書を確認したり、判例を読んでみることになる。役に立つ記述があれば基本書や判例集にアンダーラインを引いたりする。

 演習としては、実際に答案を書いてみる方がいいのだが、時間的に難しいこともあり、答案構成だけということになることが多い。
 答案構成では、書くべきことを番号を振って書き、論点やキーワードを名詞のみならべてする。
紙面には名詞しか並んでいないが、頭の中では名詞と名詞の間を繋げて読むことになる。
 実際に答案を書くと1通1時間かかるが、答案構成だと10〜15分程度で済むのだ。

 最初は模範答案をいきなり検討したが、知識ができてくると答案構成をしてから、模範答案の検討という作業に入ることになる。
 答練では、当日にレジュメを読む。答案が返却されたら、添削者のコメント、レジュメ、基本書、判例集などを検討しながら、自分で答案を手直しするということになる。
 書き直したほうがいいのだが、別の色のペンで加筆訂正という感じになる。

択一対策
 論文対策については、すでに書いたが、基本書を数回読んだら択一問題を解くほうが知識を吸収させるのにはいいと思う。ただ、憲法の過去問の場合は、知識や理論と言うよりも国語問題というものがあり、一時期の試験問題はそういうものが多い。
 国語力のトレーニングというなら別だけれど、法学的知識の部分は覚えるとしても、あまり国語問題におつきあいする必要はないと思う。国語問題と思えるものは、飛ばしてもいいと思う。
 過去問より、予備校の答練に力を入れてもいいのかなと思うこともあるが、やはり過去問をしていることが前提だろう。

講座、答練など
 論文講座(セミナー)、ローラー答練(辰巳)、
 論文特訓講座(辰巳、柳澤講師)、
 択一答練はセミナーと辰巳の短答オープン併用。

 過去に受講したのは、基礎講座は辰巳の加藤晋講師の「芦部憲法解析講座」、論文はP&C、論文合格体系講座など。

 憲法の基礎講座としては、辰巳の入門講座かP&Cがいいのではないかと思う、加藤晋の講座は確かに面白いのだけれど、最後の方はかなり早く走ってしまい、あまり十分とは思えなかった。
 憲法は講師によって、いろいろであるが、論文合格体系は判例を中心としており、よかったとおもう。
 ただ、判例以外では芦部説となる講師がいるのだけれど、後日、論文特訓講座で「人格的生存権て、何か答えられる人いる?自分で答えられない言葉は使わない方がいい。」と言われ、困ったことがある。
 逆に「こんなの誰も答えられないのだから、知ったかぶりして書いちゃえばいい。」という講師もいて、いろいろと混乱するかもしれないが、自分をしっかり持つしかないし、あまりあちこちの講座を受けるのもどうかと思う。

使用テキスト
 使用テキストとして、芦部先生のでもいいという意見が多いが、芦部先生の本は実は難解であり、他の芦部先生の本を見る必要がある。情報量としては、有斐閣の野中先生ほか4人の共著のものが適切で、これに判例集をプラスするといいと思う。