初心者にお薦めの本

総論
 初心者にお薦めの本というのは難しいが、世に言う基本書というのはお薦めしない、実際に理解するのに時間がかかりすぎるし、繰り返すことも困難である。
 法学書は、前に書いてあることを理解するのに後に書いている知識を要することも多く、本当に基本的な概念を繰りかえり覚えることが大切で、どんな本でもいいから、基本的なことを書いている本で分量の少ないものを繰り返し読むことが必要だと思う。
 
 また、基本書とは定義や概念、理論で自説の基礎となる本であるが、これは、その法律について、ある程度理解できたら解説も容易であり、後になって基本書決めるのであるから、最初から自説はどうするか考えなくていいと思うし、とにかく基本概念をマスターするのが急務なのだ。

 初心者用として基本概念を簡単に書いている本があるが、それを終えて基本書と言われるものを読むと、あまりにもレベル、量について格差があったりするのも困る。
 この点で、あまり簡単すぎるものはお薦めしない。やはり数日で見られるものより、もう少しは量があった方がいいと思われる。
憲法
 憲法は、義務教育のときから習ってきて、条文の数も少ない。しかし、そのぶん司法試験ではレベルが高くなるので、とにかく条文知識と、基本概念はしっかりさせておきたい。
 芦部先生の本は、実は難しい本だけれど、基本的には初学者でも使えると思える。
 戸波先生の本は量的には薄いけれど、初学者ではこれでもいいと思う。
民法
 民法は、基本的に条文をよく読みながら簡単な解説書がいいと思う。この点、通称ダットサンといわれる本がいいと言われるが、本当に初学者であるなら、ダットサンは判例を参照しなければならない部分があり、私は別のものをお薦めする。
 下記の書は、2004年12月改正版ができしだいアップする。
刑法
 刑法は、書研の講義案がいいといわれるが、結果無価値なら木村光江先生、行為無価値なら大谷先生のでもいいと思うが、新法に対応したものは、入門書ではまだのようだ。