06/01/26 ”125と151”
あの日本学術振興会. 手当たり次第光らせることに異様に執念を燃やす,あの光至上主義者集団:125委員会と,神をも恐れずDNAをいじくり回す,ナノ電子バイオ集団:151委員会が,遂に風光明媚な伊勢志摩の地でコラボを実現してしまった. 2月某日,合同研究会が行われる... ってことで,おれ,行ってきます. しっかりリポートしてきます. 危ない研究内容と,集う危険な人々を. ご期待ください.
06/02/05 ”125な夜”-・・・伊勢志摩にて研究会1
125委員会と151委員会の合同研究会(06/01/26 参照). 苦しかった.. ずっと高熱が出て下がらなかった. そして,さすが125. 3人相部屋だぜ. 今どきな. こうなるとどうなるか.. こっちは悪寒と鈍痛で早く寝たいのに... 「ちょっと体調悪いんで...」. 「それはそれは..私が大学入った67年当時はね..」. ..こっちの話なんか全く聞いちゃいねぇ. ..おれの寝床は既に勝手に3人の真ん中と決められていた. しかもそこに,おれの布団の上に,なぜか御膳の板が乗っていて,酒が.. おっ,おまけに違う部屋からも... 勘弁してください.(ゑゑ) .. ..さて,これからボチボチと語っていこうか..
06/02/11 ”125委員会はエネルギー120%”・・・伊勢志摩にて研究会2
「シュレディンガーのネコ」.. ある箱の中に,核分裂する原子と,核分裂を検出してスイッチを入れる装置と,毒ガスと,ネコが入っている. つまり,原子が核分裂したら装置が作動し,毒ガスが出てネコが死ぬという箱. で,今,この箱の中のネコは生きているか死んでいるか? ..量子力学ではこの答えはこうなる.. 「この系の波動関数Ψは,ネコが生きている状態と死んでいる状態両方を含んでいる」.. どうすか? ここで重要なのは,「観測が状態を決定する」ということと,「観測装置と観測される力学系の境界が実に曖昧である」こと. ..前置きはこのくらいにしておいて,例の125委員会と151委員会の合同研究会に話を移そう. 今回の「シュレディンガーのネコ」的テーマは,「量子もつれ合い光子対の発生」. 今,エネルギー的に相対的に高い量子状態の層に挟まれた,相対的に低い量子状態の数十ナノメートル程度の薄い層,つまり量子井戸を考えてみる. ここはエネルギー的に下がった状態なので,ここに電子を大量に閉じ込めることができる. 実はこの機構は現在既に使われていて,当然おれもこの機構を用いたLED をやっている. で,今度はこの薄い層の幅を数十ナノメートルまで狭めて線状にする. これを量子ワイヤーという. 更に長さを数十ナノメートルまで縮めれば,数十ナノメートル径のキュービック: 量子箱が出来上がる. 更にこれをどんどん縮めていき,とうとう電子1コ,つまり上下対スピンのみの1量子状態だけの箱にする. これ,単電子量子ドットなり. さて,この単電子量子ドットを短波長のレーザー光で叩くと,1コの光子が励起される. これが単光子. こいつを使って通信すると,盗聴できないらしい. なにしろ盗聴しようとすると,光子が変形してしまうから. で,話はこれから. なんと,2コの対の光子を発生させる量子状態を作ることに成功したという話だ. 同時に発生した対の光子は,量子もつれ合い状態になっている. この忠実度(こういう物理表現がある)が92%とのこと. ..さて,量子もつれ合いとは.. 具体的には光子対の場合,一方の光子の偏光軸を90°傾けたとする. すると,もう一方の光子の偏光軸もその影響を遠隔的に受けて,同じく90°傾くという現象. これ,凄い事なんで. つまり,光子対の一方がどんなに遠く離れていても,手許の光子対の一方に変化を与えれば,遠隔的に瞬時に光子対のもう一方に転送される. 例え何十億光年離れていたとしても,瞬時に.. この量子力学的パラドクスが,パラドクスではなくなった. 証明されたということ. 今のところ50cm 間隔だけどね. 正に箱の中の光子対の一方が,箱の外の光子対の一方によって操作された,決定付けられた瞬間だ. ..もう得意満面.. ..でもおれは知ってるんだ. この先生,別に瞬時転送通信なんて考えてねぇ. 彼は宇宙戦艦ヤマト世代. つまり,本気でワープを.. おれ,確認済み. 夜の宴会で.
06/02/18 ”125な朝”・・・伊勢志摩にて研究会3
集まりの悪さはいつもの125. 9:00からって言われたって,9:20に朝風呂に行った先生がいた. この先生,脳内埋込み型映像認識装置(人工眼)の研究してるおっちゃんで,前日に既に発表終わってて,完璧観光モードに入ってる. ..朝,おれもヤバかった. ひどい風邪と熱でぐったりしてたもんだから,しかも3時過ぎまで寝かせてもらえなかったもんだから,朝は昏睡状態だったらしい.. ..だったらしいとは,おれと同部屋の2人の先生. おれを放置しやがった. 置き去りにしやがった. 彼らによれば,「起こしてはならない極めて危険な状態だった」とのことだ.. 具体的にどうだったんだよ! しかも,あんたらのせいだろ!(`〆´メ) あれほど無理だと言っていたおれに酒飲ませやがって..(ノ_・。) とにかく20分遅れて行った. 丁度始まったところだった. ..それにしても朝の志摩の海はキレイだった. 湾内に沢山の島が散らばっていて,朝の光を受けている. 快晴. なのだが,晴れているのに時折雪が横なぶりに降る. 関ヶ原の方から流れてくるのだろうか? 不思議な朝だった. そんな風景をぶち壊すように,先程の人工眼の先生は,浴衣でタオルをぶら下げて,外で見たらただの呑んだくれの腹の出た精彩を欠いたチビデブの糞オヤジにしか見えない風体で,鼻歌なんか歌いながら大浴場へ向かったのだ. 9:20に! 但し,その鼻歌は,バッハであったが.. おれが会議室に入ってくるなり,おれと同部屋の先生が,おれに向かってこう言った. 「先生は朝ごはんどうされましたか?」(おれもココでは先生と呼ばれている) .. 喰ってるわけねぇだろ! あんたら起こさなかったんだから.. 「いやぁ私はどうやら違うところで食べてたみたいでね,せっかく事情を説明しようと思ったら,そこで結構ですってことになりまして...」 ..あれほど前日説明されたのにもう忘れちまったのかよ. 2Fのバイキングに集結されてんだよ. あんたの行った場所は一般客の高価なほう! やっぱ彼ら何かが欠けてる. おれが正常に見える. おれがまともに見える. それに,どうせ説明しようとした事情なんてきっとタカが知れている.. 「エレベーターがなぜか上に向かってしまい,周囲の人々と共にココに入らざるを得ない状態になってしまったため」とか言うんだろう. なにしろ,おれのこと起こさなかった. 「起こしてはならない状態だったため」とか言って...
06/02/19 ”125なお別れ”・・・伊勢志摩にて研究会4
なんだかんだで最後は委員会を昼飯喰いながらやって,合同研究会は終了した. ..やっと終わった. 面白かった. 物凄く面白かったが苦しかった. 悪寒のする熱が下がらない. さて帰り.. ..えっ? 駅までどうやっていくわけ? バスもチャーターしてないわけ? 行きはともかく,帰りは一度に40名もどうやって帰るつもりだったわけ? おれが帰りの心配してる時,おれと同部屋だった先生がおれのところに来て言った..「なんかこう真珠貝の形したマドレーヌのお土産買いたいんだけど..」 えっ? 信じられない..スゲェ呑気. 帰りの心配してるおれって,小さい人間ですか? ..それより,なんでそんなことおれに聞くわけ? 「そんなのがあるんですか?」 「そう,そう,そんなのがあるような気がしないかい?」 「....」 ...もしかして,おれで遊んでるんですか? .. ..「あぁ,さっきなんか売店で見かけたの,そうかな?」..うそついた.Ψ(`∀´)Ψ 「..えっ? そうなの. じゃあちょっと買ってこようかな. バス来たら教えてね」 「はい」 バスなんか来ねぇよ. 何考えてんだよ. 今,マイクロ出してくれって,125の事務の人がホテルに交渉しているところだが.. しばらくして先生が戻ってきた..「あれマドレーヌじゃないよ. 真珠貝の貝柱だよ」 \(゜o゜;)/「そっ,そうすか. そんなもんがあったんすか」 「それよりね,お店の人に聞いたら,賢島の**ホテルで真珠貝の形をしたマドレーヌを売ってることが分かってね. 先生(おれのこと)も一緒にどうですか?」 えーっ,おれも巻き込むわけ?? 「...へっ? ..先生,なんでそんなにマドレーヌにこだわっていらっしゃるんですか?」 「う〜ん...どうしてだろう,ね?」 ..訳分かりません.┐('〜`;)┌ 「先生,ぼく,マドレーヌいりませんけど,なんならタクシー呼んでそっち(賢島)方面経由で帰りましょうか?」 「おぉ,そうして頂けるとありがたい. まだ色々教えて頂きたいこともあるし. 伊勢は30年ぶりかなぁ..」 ..先生,伊勢なんか行きません!(`〆´メ) それより,おれをこれ以上振り回さないでください.(ゑゑ)
08/5/17 ”久々125はお祭りモード”
れいの125委員会の50執念特別講演会があって行ってきた. まぁ蒼々たる面子で,前に中村修二教授(青色LED)がいるかと思えば,左に城戸先生(有機EL)発見,右に小林先生(無機EL)発見,と,とにかく大御所があちらこちらに見受けられた. ただ,講演者の殆どは,現役とは言い難い,いわゆる名誉教授クラス. 内容的にもいつもと随分違って,「この50年を振り返って」みたいな,ともすれば単なる自画自賛というか,全て今があるのは125のお陰,無機も有機もレーザーもLEDも..みたいな感じで.. そりゃ,今日講演されてる先生方はどなたも重鎮. 凄い先生方なのだが.. いつもの光バイオや人工眼などの人達はどこに行ってしまったんだろう. あの,生きた木を光らせて反感かった人とか,有機FETを人体に埋め込もうとして異動させられた人とか,神経の束を適当につないだら脳が勝手に段々見えるようにしたとかいい加減なこと言ってた人工眼のおっちゃんとか,ツイン光子を50cm 瞬間転送させた人も.. みんなどこにいるの? きわものが80%を占める125委員会も,その本筋はEL だったということか. っていうわけで,ほとんどがEL創世記の歴史をひも解く,昔は素晴しかった,あの時の展望や予測は正しかった,私が起点となり開けた,皆で奈良を見物した(ん?)みたいな流れだったが.. ..唯一,全く異なる,これらの申し合わせを全く無視した講演が..それが中村修二先生. 唯一の現役. 良い悪いではなく,実に個性的な内容だった. まず,今現在の話しかしない. 125とのつながりは念頭に全く無いようだ. 長年米国にいらっしゃるせいか,日本語がよく出てこない. 灯油をケロシンと言った. そして,ちらっと,「全くものにならない時期にはとにかくパテントを散々取っておかないと騙される」 「もう万全だ. 闘っても絶対勝てる」 「私の人生は法廷闘争の連続だ」 「そろそろ因縁をつける連中が湧いてくる頃」 などと,時折ポロッと言われた. 全般的にやや物騒なものの,一言一言だれよりも苦労されている様子が伺えた. そういうのもこういうのも全てひっくるめて125. 実に懐が深い125であることについては,今までと全く変わっていなかったと言えよう. なにしろ,おれみたいないんちきなのも混じれるわけだから...