レポート5

 やっと弘前だ.

村上で20分遅れた後,特に急ぐでもなく,秋田に着いてみれば更に10分遅れてい

た.その後,奥羽本線に入ってから約10分遅れを取り戻し,20分遅れで弘前に着

いたのだった.北海道連絡急行はまなすへの接続も確保されており,もう次は終点

青森駅だ...と誰もが思っていたそのとき,また車内アナウンスがあった.

”ただ今,この列車には電気が供給されておりません.しばらくそのままお待ち下さ

い”  えっ? ちゃんと明かりだって点いているじゃない...

しばらくすると明かりが消えた.暖房も止まった.

再び車内アナウンス

”ただ今,列車を動かすことができません.お忙しいところ申し訳有りませんが,

現在原因調査中です.判り次第お知らせ致します”

 

 にわかに車内がざわめきだした.不安そうな人達...

ぼくはデジカメ持って外にでた.そこには...

車内の不安そうな雰囲気とは裏腹に,明らかにこの状況を楽しんでいる血色の良い

鉄ちゃん達が,先頭部に集まってきており,故障原因についての話で盛り上がってい

た. 笑顔.笑顔.笑顔....

 ひとりの鉄がぼくのところにやって来た.

”よくあるMG故障だよねぇ”

ぼくもすかさず

”片一方のクハから供給したらどうなのかな”

”まっ,そういうことだろうね.それよりも後もう少しなんだから,カマ(電気機関

車)が引っ張ってくれたら面白いんだけどね(笑)”

”あっ!それいいねぇ(笑)”

...鉄道を知らない人達にしてみれば,何が面白いんだか判らないであろう会話が

続き,ぼくたちは良く笑っていた.

 この鉄ちゃん,JRの上沼垂機関区(新潟)に就職している鉄道マンだった.

しかしこの人明らかに,ずぅ〜っと大阪から乗っていた(爆笑).

...鉄ちゃんのJR勤務って,一見合理的だけど,趣味と仕事が重なって反対に

色々問題も生じるんだろうな...などと失礼にも思った.

でもこの人,数いる鉄ちゃんの中で,最もまともで紳士的な人だと思った.

 

 この人の言うとおり,MG故障であることが判った.車掌を囲んだ鉄ちゃんが聞き

出したのだ.なんか,車掌にアドバイスしている鉄ちゃんもいる ┐('〜`;)┌.

車掌さん!ご苦労様.

 結局,車掌と運転手では何もできず,駅構内勤務の人達が来て修繕.なんと70分

も立ち往生.これで,北海道連絡急行はまなすとの接続が完全に不可能になった.