冬場は太陽が落ちるのが早い.
新潟を定刻どおり発車してから瞬く間に暗くなり,ここからの景色は全く望めなく
なった.これから7時間弱,青森までは撮影することもないだろう...と思ってデ
ジカメを閉まった後,車内にこんなアナウンスが流れた.
”この先,村上−間島間で崖崩れがありまして,現在単線運行しております.この列
車はその関係で村上で約20分ほど停車致します.お急ぎのところ申し訳ございませ
ん.なお,北海道連絡急行はまなすへの接続は大丈夫です”
何言ってんだよ.全然申し訳なくないぞ.
っていうことで,確かに一般乗客の方々には申し訳ないが,これは鉄ちゃんにとって
は撮影のボーナスタイムなのだ.
はまなすへの接続が大丈夫ってことは,どっかで本気でとばしてくれるんじゃない
かな...などと考えながら,駅に降り立つ.駅の屋根のないところは完全に雪に埋
まっている.その中を先頭ボンネット目指して....いるいる..うじゃうじゃ
鉄ちゃんが...
なかにはぼくと一緒に大阪から乗ってきた輩も...
キーンと冷たい空気の中,熱気溢れる鉄ちゃん達が無言でシャッタバチバチ.
さすがにこんな寒い中,一体この人達は何が面白くてやってるんだろう...
などと自分を棚に上げて思った.ぼくは混んでいるこのホームの先頭を避け,反対側
のホームから見た.そこには,足下(台車)まで凍っている白鳥がいた.
ぼくは思わず目頭が熱くなった...