どうしよう。これがドライバーに選ばれた時の正直な気持ちでした。これはもちろん、1400人以上の会員の代表として走るというプレッシャーもありましたが、お金がぜんぜんナーイ!!ということでした。そしてレーシングスーツも無ければヘルメットも友人からもらったボロボロの2輪用だけで、一式買ったら20万円はくだらない。もちろんA級ライセンスももっておらず、はてはJAFにも入っていない!!!という、正真正銘全くのゼロからのスタートでした。一瞬辞退しようかと考えましたが、4耐に出場するのは去年からの目標だったし、(それなら貯金しとけ!!)レースに出ることは初めてF1を観た小学生の頃からの夢だったので、この機会を逃したら2度と無いと思い、借金をして出ることにしました。


 すぐに携帯で、いつもつるんでいるJリミUに乗っている塚田さんに選ばれたことを連絡すると仲間に速報メールを打ってくれ、(去年振られた僕の元彼女にまでも!!!!)その日はたくさんの仲間から連絡が入り、がんばれよ、とか、広島の10周年イベントのために当日は仕事するつもりだったけど、クボッチがでるなら休んで応援しにいくよ!と言ってくれた越川カップル(もちろん強行スケジュールだけどいっしょに広島に行きました)壮行会をひらいてくれた僕の所属している松風のみんな。(横川さんカンパありがとう)リハーサルで思うように走れず落ち込んでいるとき、メールや電話ではげまし、元気をくれた原組組長のハラッチ、たくさんいすぎて書ききれないけど、本当に多くの人から勇気をもらいました。


 そしてレース当日、僕はドライバーチェンジの練習をするくらいで、他にすることなくブラブラしている間もスタッフのみんなは昼食もとらずレース開始ぎりぎりまで整備してくれました。いよいよ練習走行のコースイン、実は4耐車を運転していないのは5人のドライバーの中で僕だけで緊張してたんですが、乗った途端、なんて走りやすい車だーとえらく感動し、タイムも結構出ていたんで早くレースしてー、なんてさっきまでのプレッシャーはどこいっちゃったの?というかんじで、本番に挑みました。


 水落さんのジェントルメーンな走り、田島さんの冷静かつアグレッシブな走りで、スタンドは大盛りあがり、だって入賞圏内はおろか、表彰台圏内を走っているんですから!!!ここで盛り上げなければ芸人として失格や!!絶対もりあげちゃる!!!というかんじでいざ発進!!!すぐ前を走っているホリデーオートチームを目標に走りますが、は、速い…特に周回後れを抜くときの鋭さは、後ろで見ていてホレボレしていると、後ろからジワジワ近づいてくる車が1台、5周ぐらいですでにテールtoノーズ、ここで抜かれたらつまんない、SENNAばりのブロック走行で7周がんばりましたがダンロップ下で周回後れに遭遇、その時後ろを見ると、いない…きづいた時には横に並んでる。プロにはかなわないなーと感心していると最終コーナーで今度は抜けずにひっかかっている。見せ場だ。すこしアウトからたちあがり重視のラインをとるとスリップにつき、2台抜き!!1コーナーをぬけ、スタンドを見ると、みんな大盛り上がり。つられてガッツポーズ!!!!その後も何台かぬき、気が付けばピットインのタイミングなどもありサインボードにはP3の文字が。俺3位走ってる。信じられませんでした。でもその後他の車のスピンにまきこまれて僕もスピン。すぐに再スタートをきれたけど、俺らしーなーと思わず笑っちゃいました。その数周後、少しタイヤがたれてきてたけど、無事伊崎さんにバトンタッチ。みんな大盛上がりで出迎えてくれたときは本当にうれしかった。


 その後のレースは、たれてきた車をクレバーな走りで安定して速く走らせた伊崎さん、コースにオイルが撒き散らされているのに、何人たりとも俺の前を走らせネー走法で右フロントにエクボ?を作りながらもしっかりと走りきらせたTバック浜島さんがきっちりと締めてくれ、結果は目標の10位を大幅に上回る4位でフィニッシュ。ピットはみんな笑顔でヤッターとおおはしゃぎ、ハイタッチの嵐でみんなで祝福し、今度は浜ちゃんが帰ってくるとバンザイの嵐。本当にみんなに会えて良かった。みんなとつかんだ4位。サイコーでした。


 これを書いているのは広島の10周年イベントが終わった後で、いろんな人からおめでとうと祝福をうけたけど、この結果はドライバーだけではなく、当たり前だけどスタッフと一丸となって得られた結果です。ギリギリまできっちりと車をみてくれたおかげで、100パーセント信頼して走ることができました。そしてサポーターのみんな。応援本当にこころ強かったです。みんな、本当にありがとう!!


9705024  久保 健史







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