◎2005年は近年まれにみる大豊作の年でした◎
2005 BEST MOVIE
BEST1
「シンデレラマン」
BEST2
「キング・コング」
BEST3
「コンスタンティン」
BEST4
「シン・シティ」
BEST5
「ボーン・スプレマシー」
BEST6
「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」
BEST7
「宇宙戦争」
BEST8
「チャーリーとチョコレート工場」
BEST9
「バットマン ビギンズ」
BEST10
「ナショナル・トレジャー」
NEXT
「ロード・オブ・ウォー」
「アビエイター」
「きみに読む物語」
「最後の恋のはじめ方」
「バタフライ・エフェクト」
「ミリオンダラー・ベイビー」
「Mr.&Mrs. スミス」
「フォーガットン」
「Be Cool/ビー・クール」
「ザ・リング2」
★★★
「ファイナル・カット」
アイデアが素晴らしい。子供の頃のトラウマというのも案外、曖昧な記憶違いかも・・・なんて妙に納得させられるものがあった。ロビン・ウィリアムズの最近の役の幅の広さに関心してしまう。果敢にチャレンジするその意気込みが伝わってくるようだ。コメディ一辺倒の頃は、少々食傷気味だったが、ここまでコメディから離れてしまうと逆にコメディが恋しくなってしまうのも事実。
★★★★
「ロード・オブ・ウォー」
ドキュメンタリータッチのこの乾ききった質感・・・グロいねぇ〜。枯渇しきっているハリウッドでのオリジナル脚本。そんな中オリジナル脚本で勝負し続けるアンドリュー・ニコル。この人絶対、理数系だよ、画の隅々で出てるもの。「ガタカ」「シモーヌ」・・・今作。まったく天才には参ります。
★★★★★
「キング・コング」
文句なし。素晴らしい。ピーター・ジャクソンの何がスゴイかって、それはシーンの構図とダイナミックな俯瞰映像。頭の中に浮かぶのであろうそのセンス。映画を撮るために生まれてきたのはもう間違いない!今後、大作の話はこの人に全部持って行きなさい。ただ、音楽を担当していたハワード・ショアとのケンカ別れは痛い。
★★★★
「ロード・オブ・ドッグタウン」
最初は悪ガキどもの騒々しいだけの映画かと思いましたが、なかなかどうして切なさ漂う素晴らしい青春映画ではありませんか。70年代を舞台にその時代の素晴らしい音楽に乗せ、友情、栄光、挫折と見事に綴っていく。
★
「エンパイア・オブ・ザ・ウルフ」
「クリムゾン・リバー」原作者と主演ジャン・レノのコンビ再びである。映像やカメラアングルなど中々のものだが、どうも新しいものを見ている感じがしない。同じようなものが多いということだろう。フランス映画も躍進してきてはいるものの、そこから一歩突き抜けるにはまだまだのようだ。
★★★★
「SAYURI」
リアルなものではなく、虚構の日本を作る。最初聞いたときは言い訳にしか聞こえなかったが、なかなかどうして素晴らしい。向こうの人の原作、視線だから、これで大正解。こんなものリアルになんか作らない方がいい。ただしキャスティングはちょっと不満。中国の女優さんにはやはり違和感が。でも仕方ない。日本には世界に出せるだけの女優がいないから。
★
「ザスーラ」
自分が小学生だったとしても楽しめるかどうか・・・。今の子供たちも目が肥えてますからね。「ジュマンジ」の続編。前作同様イマイチ・・・というか前作よりはるかに酷いです。
★★★★
「Mr.&Mrs. スミス」
やはり撮るべき人が撮ると俳優は何倍もの輝きを見せる。「トゥームレイダー」シリーズでのアンジェリーナ・ジョリーは到底トレジャーハンターなんかには見えず、鈍重な印象だった。一転、今作ではダグ・リーマンという類まれなるセンスの持ち主によってシャープでスピード感に満ち溢れた一流のヒットマンとして躍動する。煌びやかな俳優同士の単なる共演作ではなく、アクションがストーリーとなり、自然に滑稽さをかもし出すという非常に面白い仕上がりはお見事。
★★★
「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」
ファンタジー・アドベンチャーとしての面白さはさすがだが、映画として新しいのが発表されるたびに1作目から見直したり、原作を何度も読み込むファンでなければ、細かな謎や緊張感が維持できない。そこまでするほどの思い入れは個人的にないからツライです、正直。
★★
「イントゥ・ザ・サン」
話が「ブラック・レイン」に酷似している。感情の読めない日本語が笑えたセガールは脚本も担当。かの名作に憧れがあったのだろう。彼の映画にいい脚本が用意できるはずもなく、いい脚本であれば彼なんかが主演できるはずもない。彼はもっと脇役でもいいから大物監督の映画に出させてもらい、口を一切出さず身をゆだねてみるべきだ。タランティーノ辺りはいい使い方をしてくれそう。惜しいのは大沢たかお。彼は本物の俳優だ。もっとまともな映画でアメリカ進出してほしかった。
★★
「ミート・ザ・ペアレンツ2」
何てことはない、数多くある続編の失敗作の1つ。前作がたまらなく好きだった上に魅力的なキャストも新たに加わり、期待過剰だったか。パム役のテリー・ポロの魅力のなさが相変わらずで、さらに、4年の歳月は大きかったのかやけに老けてしまってる始末。当初の予定通りヘザー・グレアムだったらもっと魅力あるパムが見れたはず。
★★★
「CUBE ZERO」
えーまた作るの・・・。「2」はつまらないし、1作目の要はアイデアを生み出したヴィンチェンゾ・ナタリの才能だし、そんな彼の手を離れたCUBEはCUBEじゃない・・・というのが観る前の感想。いやーそんなに酷くない。後付にしてはうまく「1」につなげたとは思う。でも残忍な殺し方がメインに思えるのは「ソウ」の影響大だね。あー嫌だ。
★★★★
「イン・ハー・シューズ」
カーティス・ハンソンの映画はハズレなし。かといって何がいいのか問われるても答えられない魅力。アクがないというか、自然体と言うか、見る側の俳優の印象などを一切ゼロにしてくれるから、ドップリ作品に入りやすいのだ。キャメロン・ディアスはハマり役。こういう女大嫌い。トニ・コレットの巧さも相変わらずで、感嘆してしまう。
★★
「ドゥーマ」
ディズニー顔負けの甘っちょろい、現実離れした子供と動物のアドベンチャー。それもそのはず、絵本の映画化らしい。
★★★
「ダーク・ウォーター」
またまたジャパニーズ・ホラーのリメイクの登場。監督がウォルター・サレスというのは適任なのか疑問だ。昨今の傾向で多いのが、わりと低予算に抑えられるホラーで外国人監督や新人などにとりあえず力試しをさせるというもの。しかし最後が衝撃的だった。ビックリ。もとの「仄暗い水の底から」は当然未見です。
★★
「イントゥ・ザ・ブルー」
ジェシカ・アルバの水着姿を見れるだけでOKと思いきや、見所は見事にそこだけ・・・。ジョン・ストックウェルは海洋映画専門にでもなるつもりか?完全に雇われ監督だね、今作は。そんな映画監督は消えるの早いよ。
★
「トレジャー・ハンターズ」
'72年製作のジョン・ブアマン作品「脱出」が元ネタらしいアドベンチャー・コメディ。アドベンチャーと呼ぶのもコメディと呼ぶのも抵抗がある最低な映画。ジョン・ブアマン作のものもこんなに酷いの?
★★
「ミリオンズ」
それほど酷いとは思わなかったディカプリオの「ザ・ビーチ」。ところが世間一般、映画界ではものすごい酷評を受け、ハリウッドではもう映画が撮れそうもないダニー・ボイル。ところがその後、力が抜けた感じで好きなものを撮ってる感じが好印象。今作はもうイギリス映画の香りプンプンだ。好きか嫌いかはハッキリ別れるところだ。
★★
「ブラザーズ・グリム」
ギリアム作品の中では唯一といっていいほど、わかりやすい作品だった。でもやっぱりこの人は普通じゃないね。普通じゃない映画を作るのが使命だと思っているフシが見受けられる・・・なんか癪なんだよね。
★★
「ソウ2」
前作同様好きになれないな。傲慢だよね、相変わらず。「ファイナル・デスティネーション」は死神なんていう一見滑稽だけど、不可抗力なものから裁かれるから、映画として見てられるんだよね。主役の刑事役のドニー・ウォルバーグはマーク・ウォルバーグのお兄ちゃんです。似てる似てる。
★★★
「ヴェニスの商人」
一度訪れたことのあるヴェニスの地には個人的にかなり強い思い入れがある。16世紀が舞台でもほとんどそのまま撮影できるんだから、その雰囲気というのはやっぱり素晴らしい。主演のパチーノはイマイチだったのが残念。
★★
「キャプテン・ウルフ」
ヴィン・ディーゼル。ことごとくヒット作の続編を断るという一見アウトロー的な一面を見せ、精力的に主演作を生み出したが全てが裏目に。頂点を極めそうだったのに・・・。んで、これでしょ?彼のキャラとのミスマッチを狙ったのは大いに賛成だが、コメディとしての基本的なところが全然甘いし、荒い。不幸にも大ヒットしちゃったもんだから、続編作られることでしょう・・・。あ、でもまた続編断るか?
★★
「ドミノ」
あれほどストレートな演出がウリだったトニー・スコット。最近どうした?やけにコウルサイ凝った演出や目障りな細かいカット割り・・・確かにクールではあるけれど、すごく無理してるような気がしてならない。最近の若き演出家たちと張り合おうとでもいうのか?
★
「ティム・バートンのコープスブライド」
だいたいにして、題名に監督名やら原作者名やら俳優名が入った作品はろくなものがない。「チャーリーとチョコレート工場」の記録的な大ヒットに便乗した何てことはない「普通」のアニメだ。バートンにしてみたら「普通」なんて評価が一番面白くないだろうな。
★★
「蝋人形の館」
本作は何と3度目のリメイクとなるそうだ。しかし、今までと何ら変わりのない若手俳優が逃げ惑うホラー映画だ。無意味に薄着になるヒロインも同様だ。しかし、それがエリーシャ・カスバートということで最高です(笑)「24」シリーズでは鬱陶しいことこの上ないけど、あのかわいさに惚れた人多いのでは?
★★
「ステルス」
ロブ・コーエンは「ワイルド・スピード」でどこか一皮向けた印象だったが、「トリプルX」と今作を見る限りでは何の成長もない。というかどんどん質が下がってるのは間違いない。バカ丸出しの脚本に哀れさを感じ、力押しの特殊効果に嫌悪が走る。ジェイミー・フォックスがオスカーを獲得した途端、急遽3人主演に見せかける狡猾さも最悪だ。意味のまったくないジェシカ・ビールのビキニ姿が一番の見所だ。
★★
「旅するジーンズと16歳の夏」
広いけど浅い。コレを見ても特に何も得られないかな。それにしても、ギリシャ!いいところだねぇ。いつかきっと行ってやると誓うのだった。
★★★★★
「シン・シティ」
全てがかっこ良過ぎ!今をときめく俳優は今以上に魅力的に、昔の輝きをなくした俳優は以前の輝きを取り戻し、物珍しさだけのお飾り女優だって異様な魅力に満ち溢れ、この世界に入ればもうどんな俳優だって魅力倍増。そんな中特にお気に入りなのがイライジャ・ウッドのサイコキラーとデヴォン青木の無言の用心棒。続編の企画も進行中。次作にはバンデラスやジョニー・デップなども必ず駆けつけるはず。楽しみ!
★★★★★
「シンデレラマン」
勝つことは勝つのだが、必殺技を持たない無難なファイターという印象のロン・ハワード。しかし「ビューティフル・マインド」ではそんな印象はぶっ飛ぶ演出を見せてくれた。そして今作では元々の堅実さを武器に最高の仕事を見せる。オープニングから泣かせる雰囲気。最後はもう号泣だ。ジム・ブラドックが生きたその時代、試合のあったその時間、場所に、いつの間にか入り込み歯を食いしばって一緒に戦う自分がいた。演出を感じさせないこれこそハワード・マジック。
★★★★
「ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]」
61年発表というんだから、全てのヒーローものの原点になるわけだ。のはずなのに映画化が遅かったため、真新しさがまったくないのが少々気の毒。ゴム人間や体が透明になってバリアを張ることができるなんて「Mr.インクレディブル」で見たばっかりだし、能力の豊富さや深いメッセージ性なんかは到底「X-メン」に及ばない。そして監督のパワー不足も見え隠れ。それでもヒーローものはやっぱり燃えるし、ジェシカ・アルバが最高にいい。副題最悪だけど。
★★★★
「エコーズ」
1999年に製作された今作がなぜここまで日本公開が遅れたのだろう?しかも出来がかなりいい。誰もが思う疑問だ。「シックス・センス」以降量産された霊にまつわるスリラーの中でもかなりの佳作だけに遅れてしまったのはちょっと惜しい。
★★★★★
「チャーリーとチョコレート工場」
これこそ絶妙な組み合わせが生み出したティム・バートンの最高傑作だ!さじ加減ひとつで今作とはまったく真逆になる危険性もあった児童書という題材がティム・バートンの手に渡ったこの幸運。彼にしかできないブラックで皮肉たっぷりの味付けは、家族の愛情というちょっぴり照れくさく嘘くさいテーマを逆に引き立たせ真実味を出したよう。ただし、拾ったお金で、というのがちょっと腑に落ちませんが・・・。
★
「銀河ヒッチハイク・ガイド」
脱力系のシュールなSFコメディの傑作「ギャラクシー・クエスト」のようなノリと勝手に思い込んでたのが運の尽き。何をどこを楽しめば良いのやら・・・。
★★★★
「Be Cool/ビー・クール」
「ゲット・ショーティ」の続編だ。今作はとにかくザ・ロックが最高!小さな役どころなんだが最高におかしいし、おいしい。アクション一辺倒、しかも主演以外はやらないと思っていたし、正直好きではなかったが、これを機に大ファンになりそう。彼の才能は半端じゃなかった。これは楽々とシュワなんか超えそうだ。他にもエアロスミスのスティーヴン・タイラーが演技してるのも笑えたし、ましてやジョー・ペリーにまでセリフが・・・。
★★★
「愛についてのキンゼイ・レポート」
何かとタブー視される性について真っ向から挑むキンゼイ博士の勇気に感服。しかも保守的だった時代に。そんな博士の情熱と熱意に対して失礼で安易なこの邦題・・・。「セックスについてのキンゼイ・レポート」と堂々といえないところがやっぱり性はタブーということか。
★★★
「ランド・オブ・ザ・デッド」
ゾンビ映画なんてそう何作も撮るものじゃないと思うんだけど・・・。ロメロってやっぱり病的なのか。しかし楽しめるんだからさすがというしかない。
★★
「奥さまは魔女」
ウィル・フェレルはアメリカでは大人気なのだそうだ。果たして日本では人気が出るか?面白い顔してるんだよね、目が怖いっていうか。生理的に受け付けない女性が多そうな気も・・・。企画が出た頃はニコール・キッドマンとジム・キャリー予定だったんだけどね。単なるリメイクではない設定は面白かっただけに、そっちのキャスティングも見てみたかった。受け付けないといえば、今作と下記の「ハッカビーズ」にも出てたジェイソン・シュワルツマン(エイドリアンことタリア・シャイアの息子でニコラス・ケイジの従兄弟。ということでコッポラファミリーです)は個人的にかなり苦手だ。
★
「ハッカビーズ」
いい俳優が挙って出演を希望する監督の1人デヴィッド・Oラッセル。何を撮ってもどこか攻撃的な印象を受けてしまうのはなぜでしょう。「アメリカの災難」は好きだったんだけどなぁ・・・。
★★
「チーム★アメリカ/ワールドポリス」
「サウスパーク」のコンビが挑む人形劇。公開禁止になった国もあるといういわく付きの作品だ。過激で下品、皮肉たっぷりのその内容は様々なものを笑い飛ばしコケにする。一見痛快そうだが何かこう「あざとさ」を感じてしまう。
★★★
「アイランド」
「命」を扱っているテーマのわりに、それを丁重に描いてるようで案外そうでもない。クローン製造者は悪者ですか?クローン発注者は悪者ですか?そしてクローン人間は?その辺の灰色さ加減を上手く描けないと、いつまでたってもマイケル・ベイはマイケル・ベイのままだ。エンディングもどこか無責任だし。まあ重いテーマに関しては忘れ、SFアクション大作と割り切れば、お祭り気分の夏に味わうには文句なく楽しめる。スカーレット・ヨハンソン大好き〜〜。
★★
「0:34 レイジ 34 フン」
ホラー作りたいのはわかったから、もっとちゃんと作ろうよ。だいたい最初に乗った電車は何なの?
★★
「皇帝ペンギン」
DVDが売れまくっている「ディープ・ブルー」の中でも印象的だった皇帝ペンギン。本作では全編に渡ってより詳しく見ることができる。ドキュメンタリーとしては文句なしに素晴らしい。しかし、ペンギンはしゃべらせるわ、歌は流すわ、過剰な演出が最悪だ。
★★★★★
「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」
過去を描きお馴染みの話に合致する快感は、未来を描く続編以上と見解を改めることになりそう。141分は決して短い時間ではない。しかし30年という期間を掛け描かれた神話の最終章は、未だかつてない全編クライマックスの連続で時間の概念が吹っ飛び、残酷さすら感じてしまうほどにあっという間に過ぎる。そして鑑賞後、高揚感を味わいつつ込み上げてくるのはやはり寂しさ。「ああ、スター・ウォーズが終わってしまった・・・」と。
★
「アルフィー」
終始カメラ目線でこちら側に話しかけてくるのはやめてくれ。軽薄な主人公。軽妙な音楽。軽快な映像。スタリッシュさを狙ってるのだろうが、ファミリー映画畑のチャールズ・シャイアでは到底無理がある。今や評価が急降下中のソダーバーグのマネゴトでもしているのか?
★★★★
「ヒトラー 〜最期の12日間〜」
悪の権化のようなイメージのアドルフ・ヒトラー。敗戦間際の錯乱と同時に、そんな彼を人間として時にはその優しさを垣間見せる姿を真正面から描く勇気ある実録ドラマだ。ドイツ本国ではこの描き方にかなり批判が多かったそうだが、秘書だったという女性の回顧録を忠実にまた誠実に作る製作陣の誠意がものすごく伝わってくる。そして勇気ある決断でヒトラーを演じたブルーノ・ガンツは圧巻だ。
★★★★★
「宇宙戦争」
53年の同名リメイク元は見てないが、思い出したのは「ID4」。単純に似てる(ID4がパクったんだろうけど)。シールド突破やウィルスというか細菌というか微生物(片方はコンピューター・ウィルスだけど・・・苦笑)云々なんか。でも方向性がまったく違う。今作はカタルシスを感じる映画ではないし、とにかく怖い。未知のものに対する人間の反応の描き方が超リアルで怖いのだ。今の時代の最先端の映像と、どこか昔ながらの単純SFチックさのバランスがとにかく絶妙。さすがは巨匠、安心して楽しめた。
★★★
「オープン・ウォーター」
映画冒頭から、何か映画ではなくドキュメンタリーを見ているようだ。素人が日常をそのまま手持ちカメラで撮影しているような大雑把な印象を受けるから当然リアル。怖さも半端じゃない。海と空しか見えない大海原のど真ん中・・・サメが出てこなくても考えたくもない状況だ。実話だそうだが、2人があのような状況では真実は闇の中だと思うのだが・・・。
★★
「ダニー・ザ・ドッグ」
英語力に乏しいアジア系俳優主演となると寡黙な人物にせざる負えないし、しかもジェット・リーの場合は格闘を見せないとダメなので、必然的に脚本の幅も狭くなる。同じような役ばかりで気の毒だが、それしか芸がないからしょうがない。彼は、リュック・ベッソンの腐った脚本のフランス・アクションやアンジェイ・バートコウィアクのような三流監督を離れることを早く決断すべきかも。
★★★★
「Dear フランキー」
いいドラマだ。静かな音楽が心地よく、人も暖かくとっても自然で無理がない。障害を持つフランキーだが、そんなことはまったく感じさせない活き活きした子だ。冒頭からエンディングまで何ともいえない心地よい空気感の漂う素晴らしい映画だ。
★★★★★
「バットマン ビギンズ」
クリストファー・ノーランがバットマンを撮るなんて!(しかもクリスチャン・ベール主演!惚れた方は「アメリカン・サイコ」「リベリオン」見るべし)誰にも媚びることなく、重厚にそして丁寧にバットマン誕生を見事に描く。色のイメージでいくと、バートン版は白黒、シュマッカー版はカラフルな原色系か。今作のイメージはバットマンに相応しい闇の色「漆黒」。シリーズ通してのわかりやすい怪人は現れず、小道具大道具、町並み、全てがリアル。俳優たちも豪華絢爛で贅沢な起用だ(中でもキリアン・マーフィが抜群に良い)。期待の謙さんは残念ながらかなりのチョイ役。役をリーアム・ニーソンと交代してほしかったなぁ。ラストもバートン版へと続くサービスぶり。でもブルースの両親を殺害したのはジョーカーだったのでは?というか自らジョーカーを描き直すつもりか!?
★★★★
「ザ・リング2」
日本版の「リング」は続編の「2」や「0」などそれは酷くて見れたものじゃない(「らせん」は結構好き)。それに比べるとハリウッドで新たに書き下ろされたオリジナル脚本で撮られた今作は素晴らしい。中田監督が惹かれたという脚本は納得の秀逸さだ。今作はヒットしたにも関わらず次の続編「3」はナオミ・ワッツ降板で予算をはじめ小規模になってしまうとの噂。
★★★
「リチャード・ニクソン暗殺を企てた男」
思い込みが激しく、自己本位で周りがまったく見えてないがどこか純粋な男の悲劇。「タクシードライバー」のトラヴィスを彷彿とさせる主人公サムの狂気を文句なしに演じるのはショーン・ペン。言わばこちらも「アイ・アム・サム」なわけで・・・。この男のダメっぷりは見ていて辛かった。
★★
「サハラ 死の砂漠を脱出せよ」
世界的ベストセラー冒険小説シリーズの一編を映画化。主役のダーク・ピットを演じたくて仕方がなかったというマシュー・マコノヒーが製作総指揮も兼任。その意気込みは買うが、原作者も不満を漏らしたというその脚本に不満も納得。有能なトレジャー・ハンターには到底見えないキャラクターたちは単なる運のいいお兄ちゃんって感じ。ペネロペなんて当然飾り。監督も業界の超大物の御曹司。実力で仕事をゲットしたのか怪しいものだ。
★★★★
「最後の恋のはじめ方」
ラブコメも征したウィル・スミス。さすがだ。会話が多く字幕に付いていくのも大変だが、監督アンディ・テナントが意外にも優等生的演出から脱却してるのも見所か。ジーナ・ガーションねーさんばりの迫力のエヴァ・メンデス。今後エヴァねーさんと呼ぼうっと。ヒッチもいいけどアルバートの恋の方が気になった人きっと多いよね。
★★★★
「フォーガットン」
最初からクライマックスのようなテンションで大いに盛り上がる。もしかして、ものすごい傑作サスペンス・スリラーに出会ったか?と前半は完璧。しかし、すごいオチが待っていた!これって○○映画かよ〜。こんなオチでは何でもありだ。当初主人公のオファーがいったのはニコール・キッドマンだそう。しかしこの手のジャンルの似合わないジュリアン・ムーアの起用で正解。賛否両論で「否」が圧倒的に多いであろう中、ワタクシは堂々と「賛」。
★★★
「ホステージ」
元SWATで腕利き交渉人、現田舎の警察署長の主人公がこの難解な事件をどう解決するのか?なかなかの緊張感で期待は膨らむ。が・・・そんな過去の経歴など関係なく、他力本願でしかも終盤は力ずくの解決に脱力。ブルース・ウィリスの娘がちょこっと出演してるが、デミ・ムーアそっくり。
★★★
「エレクトラ」
へ〜生き返った?かなり無理やりだけど「デア・デビル」よりいいかも。何より敵も自分も強い。ジェニファー・ガーナーは公私共に絶好調だけど、あまり興味なかったのが正直なところ。でも今作では思っていた以上に魅力的でファンになりそうだ。ボブ・サップ出てたのもビックリ。
★★★★
「ミリオンダラー・ベイビー」
2004年アカデミー作品賞受賞。勝手に想像していた内容では受賞が不思議でならなかった。あくまで想像で。実際見た感想は受賞も納得の命の尊厳まで行き着く重いテーマを持つ作品だった。しかしそのテーマを議論、提起しようというのではなく、焦点はあくまで人との「絆」だ。イーストウッドは監督としても素晴らしいが、今作では俳優としても最高だった。再び見る気にはしばらくなれそうもない重い映画だが、終盤マギーへの思いを語るエディの言葉で救われる。それにしてもマギー役はサンドラ・ブロックじゃなくて良かった・・・考えただけでゾっとします。
★★★
「ザ・インタープリター」
ショーン・ペン。この人が出演してるだけで格が上がる。それはいつからだろう。映画ファン、そして数多くの業界人からまでもリスペクトされるその実力は最近特に確固たるものとなる。そんな彼がシークレット・サービスを演じるのだから見逃せない。割と珍しい役のチョイスだ。共演は、同様にこちらも最近その地位を確固たるものにしたニコール・キッドマン。この人はあくまで個人的な意見だが、今の段階では魅力や実力はあまり感じない。そんなオスカー俳優の豪華共演。しかし、オスカー獲得の遅過ぎたショーン・ペンは素晴らしいが、ニコール・キッドマンはまだまだ飾り物の感は拭えない。彼女はオスカー獲得はまだ早過ぎたように思う。
★★★★
「炎のメモリアル」
消防士という職業に改めて敬意を表すと共に、日々の安全を守ってくれていることに心から感謝の気持ちを捧げましょう。その家族は誇らしい反面、この映画のように眠れぬ夜を過ごすのでしょうか。主演のホアキン・フェニックス。いつ見てもこの人の才能は群を抜いている。素晴らしい。アルコール依存症だけが心配だが・・・。しかしこの邦題は何か違うな。
★★★
「クローサー」
どこか淡々と話が進むのは時間の流れがよくわからないからか。感情移入はできなかったが、実力派俳優4人の絡みは圧巻である。情けないことこの上ない男を演じるジュード・ロウ。いつの間にかこんな役までこなせるようになっていた色っぽいナタリー・ポートマン。地味な役でもさすがの輝きを見せるジュリア・ロバーツ。そして特にクライヴ・オーウェンがギラギラしてて気持ち悪いことこの上ない。
★★★★
「キングダム・オブ・ヘブン」
これは明らかにミスキャストだ。オーランド・ブルームではちょっとキツイ。エドワード・ノートンももったいない。顔は出さないが大事な役どころで実力者を配したい、などというのは今回に限っては詭弁だ。この二人、配役を逆にしたら・・・などと言ったら怒られるだろうか?かなり甘めの評価だが、この時代にこの内容はリドリー・スコットあっぱれだ。
★★★★
「バタフライ・エフェクト」
アシュトン・カッチャー。デミ・ムーアの恋人ってことで一躍話題になった彼。あまり好きではなかったけど、今作ではなかなか頑張ってる。それというのも話が面白く、またよく出来ているのであっという間にエンディング。監督の2人は「デッドコースター」の原案&脚本を手掛けたコンビということで、なるほど納得。これは期待してなかっただけにかなり得した気分だ。
★★★
「プライド 栄光への絆」
スポーツものの王道を行く作品。最後に感動が待っているのは目に見えてるが、そこに辿り着くまでの困難をいかに盛り込むか、というのが大きい。今作の場合、前半描く困難が厳しすぎてそこで気分が悪くなってしまう。落とし過ぎなのである。しかし編集も抜群だし傑作「エニイ・ギブン・サンデー」には到底及ばないが、感動作品であることに変わりはない。
★
「ライフ・アクアティック」
さっぱりわからん。
★★
「ブレイド3」
シリーズ最終作。残念ながらシリーズ中最低。脚本家が監督デビューと聞いてかなり不安だったが、見事的中。このデビューを飾ったデビッド・S・ゴイヤーは前作「2」を「ユーモアが足りない」などとホザいていた。今作「3」にはくだらないユーモアをこれでもかと詰め込み、シリーズ通してブレイドに貢献してきたキャラをアッサリ殺し、魅力が皆無でワケのわからないでしゃばりな脇役が邪魔をする。ギレルモ・デル・トロ監督、ドニー・イェンがアクション監督を勤めた前作を超えるのは、こんな脚本家では笑止千万。ウェズリーがブレイドを演じそこに立っているだけで満足だと思っていたが・・・。
★★
「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」
大ヒットすれば、同じ系統の映画がワンサカ増える。「セブン」がヒットすればサイコ・サスペンス、「シックス・センス」では超常現象スリラーまたは結末にビッグ・サプライズ・・・といった具合に。ハリー・ポッターシリーズの大ヒットによる余波がそろそろ現れてくる。児童文学ファンタジーだ。話題の原作はこんなものなのか?子供たちもそれぞれ個性的そうだけど・・・生かしきってないような。エミリー・ブラウニングがいい女優になることだけが確実にわかる映画・・・それだけが唯一の収穫か。
★
「ドッジボール」
ベン・スティラーは大好きな俳優だ。奥さんのクリスティン・スティラーもカワイイ。アメリカで大ヒット。日本公開を諸手で喜ぶ業界人多し。しかし・・・TVのバラエティ番組以下。映画とは思えない。果たしてこの日本で最後まで席を立たずに見ることが出来る人はどれくらいいるのだろうか。
★★★
「ウィンブルドン」
特にヒネリもなく意外性もないが、スポーツ映画特有のスローモーションを多用した決戦が、わかっていても緊張し感動してしまう。脇役で順調なポール・ベタニーはジェニファー・コネリーというこれまた絶好調の奥さまを得、ついに主演。キルスティン・ダンストも素敵だし、ロマンス映画としても及第点。なんたってワーキング・タイトル製作ですから。
★★
「ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ」
「超感動スリラー」だそうだ。まったく困ったキャッチコピーだ。「シークレット・ウインドウ」「マシニスト」同様、こういうオチの作品が最近特に多くてウンザリ。こんな人がアメリカには多いのだろうか?俳優は揃ってるが(デ・ニーロとダコタちゃんの親子は無理あり)、これは酷い作品だ。
★★★★
「Shall we Dance? シャル・ウィ・ダンス?」
オリジナル(オリジナルのヒロインは魅力薄)には遠く及ばないという声は多いが、十分楽しめる。国が変わっても素晴らしい話だということなのだ。安易な恋愛ものになりがちなところを妻への愛へと結びつく、なんていうのはハリウッドでは中々考えられる代物ではないということも改めて思う。リチャード・ギアは年取ってますます魅力的だし、ジェニファー・ロペスも今回は抑え目でGOOD。
★★
「マスク2」
マスクはジム・キャリー以外は考えられない。彼のためにあるような役だった。赤ちゃんや動物に頼る続編は案外多い。その多くが失敗作。アラン・カミングは大好きな俳優。アカデミー賞も狙えるであろう屈指の実力者がこんなのに出てはいけない。「X-MEN2」は良かったけど。
★
「レジェンド 三蔵法師の秘宝」
ミシェル・ヨー頑張ってるだけにこの出来の悪さが気の毒でツライ。ベン・チャップリンとリチャード・ロクスバーグを引っぱってきたのも無駄足だった。
★★
「海を飛ぶ夢」
才人アレハンドロ・アメナーバルの新作。若き天才アメナーバル。彼の作品は大好きだし、その才能には脱帽ものだ。今作も尊厳死という一筋縄ではいかないテーマに真っ向から挑み、真摯に向き合う姿勢は伝わってくる。しかし、違う。何かが違う。尊厳死に反対なワケでもない。尊厳死を望む主人公の周りの人間がリアリティに欠けると思ってしまった。一見リアルに見えるところがまたウソ臭い。
★★★★★
「コンスタンティン」
キアヌ・リーブス。圧倒的な成功を収め次はどこへ行く?その成功に安住することなく新人監督と組むという大きなリスクを背負うその心意気には感服した。またそれが成功するのだから脱帽だ。「マトリックス」後のキアヌも心配ない、大丈夫。未だかつてないシャープでパワーのあるゴシック・ムービー。ハデなクリーチャーは登場しないが、映像、世界観、見事にツボにハマってしまった。完成度が高い今作だけに、続編は望まない方が良いのかも。タバコではなくガムを口にするラストには痺れた。まだ4月、今年のベスト1は決定か?
★★
「フライト・オブ・フェニックス」
65年製作の「飛べ!フェニックス」のリメイク。墜落シーンが大迫力、だけど内容がイマイチ。そう監督ジョン・ムーアは前作「エネミーライン」と同じことを繰り返しちゃったのだ。過酷には到底見えない砂漠での遭難生活。最後まで揃い過ぎている道具類。個性のない生存者たち。鍵を握る謎の飛行機設計士エリオットの扱いに違和感大。大味で子供染みてるディズニー映画みたい。余談ですが、飛行機墜落シーンが大迫力の映画結構あります。前述の「エネミーライン」、命の危機感を参考にしてほしかった「生きてこそ」、下記の「アビエイター」もすごかった。
★★
「ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月」
続編を成功させるのはやはり難しい。1作目というのは登場人物の紹介や相互関係、舞台の背景など説明が必要だ。続編はその辺りを割愛できるから自由に描ける。それはもちろん正論。しかしその説明のプロセスというのものは足かせではなく、1つの大きな魅力。そして続編の自由度というのはかなり難易度の高いハードルと見る。随所に見せるブリジットらしさは前作同様あるし、レニー・ゼルウィガーも抜群に上手い。前作は上品とは言えないコメディながら、アカデミー主演女優賞ノミネートに違和感はまったくなかった。しかし今作にはその品格がまるでなし。タイに赴くなど世界を広げたのも、ありがちな失敗だ。バカ丸出しの副題もどうにかならないものか。
★
「クライシス・オブ・アメリカ」
ジョナサン・デミである。「羊たちの沈黙」「フィラデルフィア」のジョナサン・デミ。前作は失笑を買った「シャレード」('63)のリメイク。そして今作も「影なき狙撃者」('62)のリメイク。何やってんの?
★★★★
「アビエイター」
ハワード・ヒューズ。色んな意味でスゴイ人だ。世間ではディカプリオがアカデミー主演男優賞を逃し、悲嘆に暮れているとのことだが、そんなことはまずないだろう。彼は少し大げさではあるが、演技は上手い。かなり上手い。今後、こんなチャンスは幾度とあるはずだ。そんなことは本人も十分承知のはず。スコセッシとのコラボレーションは今後も続くようだが、もっといろんな監督との仕事も見てみたい。今作は少々長いがそれに耐えうるだけの内容だ。俳優の使い方も贅沢。いい意味でスコセッシらしくないところが気に入った。
★
「エターナル・サンシャイン」
手持ちカメラ?グラグラ、画面の質感もなんかザラザラ、んで頭の中をどうこうする内容なので、なんか酔いそう、気分悪い。チャーリー・カウフマンが書く話は全然わからない。意味不明。今作(どうやらミシェル・ゴンドリーも仲間入りの様相)のチャーリー・カフマン脚本作品、他にもコーエン兄弟やテリー・ツワイゴフ、ウェス・アンダーソン、ラース・フォン・トリアー作品、仏映画「アメリ」などなど、絶賛しないと「映画好きとは言えないよ」的な映画は揃って「?」です。タランティーノは別ですけど。
★★★★★
「ナショナル・トレジャー」
不安要素は2つ。ほのぼの系の監督ジョン・タートルトーブにアクション映画は撮れるのか?ディズニー映画特有の毒抜き、子供だましのアドベンチャーか?しかしその2つは完全に良い方へと転じる。今作の何が素晴らしいかって、それは抜群のテンポの良さ。俳優もいい。ニコラス・ケイジはもちろん、「トロイ」では置物の人形のようで失笑をかったダイアン・クルーガー。実は彼女、案外巧い。ラブコメなどもそつなくこなせそう。久しぶりの直球娯楽大作に満点を進呈。
★★
「アナコンダ2」
話はまったく続いてはいないが、安易な脚本、仲間同士の亀裂、なかなか姿を見せないアナコンダ・・・などなど全てにおいて前作を踏襲してはいる。同様にそんなB級な前作も好きなので期待は高まるものの俳優が無名過ぎ。アナコンダは前作同様迫力満点なのでジェニファー・ロペスやジョン・ヴォイトのような一級品が1人でもいれば、作品として締まった気がするが。
★★
「マシニスト」
若き才人ブラッド・アンダーソン作品。独特な世界観を持つ彼は、ヴィンチェンゾ・ナタリやクリストファー・ノーランに続き成り上がれるか?そんなことには興味を示しそうもない彼は、リンチやクローネンバーグの世界をただひたすらマイペースで歩いて行くのかも。クリスチャン・ベールの役作りのための激痩せ(映画史上これ以上の体重減は後にも先にも見れないと思う)を心配し、ジェニファー・ジェイソン・リーが老けたなぁ&相変わらず「無駄脱ぎ」女優だなぁと寂しさを感じつつ、最近多い「オチ」にまたかと苦笑い。
★★★★★
「ボーン・スプレマシー」
超硬派な映画だ。マット・デイモンがとにかくかっこいい。無駄口はきかず淡々と行動する姿は実にスマートだ。脇を固める俳優もベスト・キャスティング。腕利き女性諜報員演じるジョアン・アレンがハマっている。こういうポジションを演じられる女優は少ない。惜しいのがジュリア・スタイルズ。この人、顔はそんなに良くないけど、運動神経は抜群のはず。アクションなしはもったいない。ただブライアン・コックスの悪役は見飽きた感が。2005年ベストムービー上位に来ること間違いなしの傑作。
★★★
「THE JUON/呪怨」
日本への観光客激減か?その怖さは監督の力量なのか、話が良く出来ているのか、舞台が良いのか・・・冷静に分析できないなぁ。1/3くらいスクリーン直視できなかったんだもの。何が怖いって、その辺にあるごく普通の家を含め自分の身近にある風景が舞台というのは大きい。怖すぎて★1つ減点(笑)
★★★
「アレキサンダー」
興行的にも内容的にも失敗作とのレッテルを貼られてしまった大作。残念ながらその評価は正しいようだ。これだけの予算、俳優、監督はオリバー・ストーン。何が起きたのか。やはり脚本だろう。気になる点は2つ。何か全てがナレーションで片付けられてる印象なのとアレキサンダーの人物像だ。映画はある程度決まった時間内に収めなければ成立しない。その枠にどのエピソードをピックアップし、盛り上がり所を見極め、うまくその波を作る。しかし波がない。終始、等身大過ぎるアレキサンダーが波が立たない原因か。「グレート」には到底見えないのは言わずもがなである。とはいえ、壮大な歴史絵巻は胸躍るものがあった。
★★
「ビフォア・サンセット」
「恋人までの距離(ディスタンス)」の続編。9年後の続編は9年ぶりの再会というシチュエーション。二人の偶然の再会はすごくリアルな反応と会話なのだろうけど・・・延々とそんなの見せられてもねぇ・・・。
★★★★
「きみに読む物語」
予定調和な物語と言ってしまえばそれまでですが、たまにはそういうのにドップリ浸かってみるのも映画を楽しむ一つの醍醐味。昨今では珍しい超ストレートなメロドラマに、痴呆という問題を絡ませ、一気に見せます。いいのか悪いのか判断付きかねる所ではありますが、物語を一味違ったものにしているのは確か。監督ニック・カサベテス、主演ジーナ・ローランズ親子による同コンビの「ミルドレッド」も大変オススメ。
★★
「オーシャンズ12」
来日記者会見や雑誌インタビュー記事でのおふざけがちょっと度を越してる彼らの話題作。そんな俳優たちを監督はしっかりコントロールできていたのだろうか?ヨーロッパでのロケは「バカンスついでの撮影」だったのでは?仲良し連中による、緊張感のない超私的で退屈な作品に成り下がってしまった続編は、格好の睡眠薬だ。
★★★★
「Ray/レイ」
ジェイミー・フォックスの熱演は凄まじいものがあった。アカデミー主演男優賞受賞は納得である。そしてミュージシャン、レイ・チャールズの偉大さも改めて感じることが出来た。特に様々なものを克服する終盤は感極まるものがある。ただ演出やや弱くアカデミー作品賞獲得に至らないのも納得。同じくミュージシャン、ティナ・ターナーの伝記映画「ティナ」もこれを機にオススメしたい。
★★★
「オペラ座の怪人」
ジョエル・シュマッカーは何の特徴もない単なる職業監督と思っていたが、なかなかの演出力をお持ちのようで。冒頭の過去へ時間が遡っていくシーンなどは鳥肌ものだ。歌曲も素晴らしく耳なじみが良い。知らず知らすに口ずさんでしまう。サントラ買います。ただ、個人的にミュージカルが苦手なので普通のセリフまで徹底的に歌われると、正直引いてしまう。そういえばシュマッカー版「バットマン」はミュージカルみたいって酷評されてましたが・・・。
★★
「ネバーランド」
高評価の中言いにくいが、ハッキリ言うと退屈。あの家族、デイヴィス家になぜバリはそこまで入れ込むのかがわからない・・・というかそんなに絆が深く感じられないし、デイヴィス家が名作「ピーターパン」誕生のきっかけになってるとは思えない。そう、少なくてもこの映画からそれらの大事なところが感じられないし伝わってこないということだ。
★★★★
「TAXI NY」
ノリ良し。クイーン・ラティファ主演抜擢、クールビューティーな悪者のオネー様方(ジゼルはディカプリオの彼女)、ちょいとユアン・マクレガー似の俳優ジミー・ファロン(初めて見た)の抜群のコメディセンス、とお得な拾い物感強し。元のフランス版は大嫌いですが。