2004 BEST MOVIES

BEST1
「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」
BEST2
「スパイダーマン2」
BEST3
「ラブ・アクチュアリー」
BEST4
「コラテラル」
BEST5
「コールド マウンテン」
BEST6
「ミスティック・リバー」
BEST7
「ヴィレッジ」
BEST8
「ターミナル」
BEST9
「バイオハザード II アポカリプス」
BEST10
「キャットウーマン」

NEXD

「スクール・オブ・ロック」
「パニッシャー」
「21グラム」
「アイ,ロボット」
「ミッシング」

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★★★

「スーパーサイズ・ミー」

 極論ではあるけれど、ドキュメンタリーとして面白かった。まあ、何でも「適度に」ってことである。

★★★

「マイ・ボディガード」

 監督トニー・スコットは相変わらずだ。特に最近は可もなく不可もなく無難な作品ばかりだ。平均点以上なのだけれど・・・。兄リドリー・スコットを個人的に信奉してるだけに物足りなさを感じずにいられない。先が読めちゃうミエミエ映画。でもデンゼル・ワシントンかっこいい&ダコタ・ファニング巧い。

★★★★

「ターミナル」

 トム・ハンクスありき。彼の演技は罪なくらい素晴らしい。他の俳優たちは彼の才能に嫉妬することでしょう。後半面白さがかなり失速してしまうのと、最後の最後まで意固地に嫌なヤツだった男がかなりマイナスに。しかし極上のエンターテインメントに変わりはない。この忙しい年の瀬に暖かい気持ちになること間違いなし。

★★

「エイリアンVS. プレデター」

 ポール・W・S・アンダーソン監督は才能抜群と思っていた。その評価も地に落ちるか?「バイオハザートU」を蹴ってまで悪びれることなく今作を作ってしまうというのは勇気ある挑戦だとは思う。しかしこの映画化は無理ですよ、無理。脚本が唖然呆然スゴ過ぎます(もちろん悪い意味で)。まあ結局「バイオハザード」(成功はしたし、傑作ではあるが)も今作も映画監督としての作品選びは、ただのオタクか?ということに尽きるのではないでしょうか。

★★

「バッドサンタ」

 ジャック・ニコルソン、ビル・マーレイと、主役候補になり興味を示した俳優たちの名前は皆ビッグネームばかり。それがどれほどの脚本かと思えば、これが何を楽しめばいいのかわからない。同監督の「ゴーストワールド」同様、評論家受けがいいものはワタシも含め一般人には理解が難しいもののようだ。

★★★★

「パニッシャー」

 このアメコミの映画化は難しいのか?復讐を遂げ、これ以上戦う意味は?ラストで覚醒。見事なパニッシャー「誕生編」の映画だ。誕生編としてこれだけ引っ張る内容なだけに、エピソード1的な扱いで続編として公開するのも1つの手だったかも。

★★

「スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー」

 ほぼ全編ブルースクリーンの前での演技だったという俳優たち。そんな映像はとてもポップな印象。時代背景に合わない高性能なメカ。しかしデザインはレトロというのが憎い。とてもセンスを感じる。宮崎アニメを彷彿とさせるものだった。しかし、肝心の話がとてもつまらない。残念!

★★

「砂と霧の家」

 一軒の家を巡る話。ベン・キングズレー(Xメンじゃないよ)&ジェニファー・コネリーの競演である。なかなか先の読めない映画であったが・・・救いがないのでかなり気が滅入る。覚悟して見よう。

★★★★

「キャットウーマン」

 キャットウーマンに覚醒してからハル・ベリーが研ナオコに見えてしまって・・・。アメリカでは気の毒なくらい酷評酷評酷評の嵐。同僚の女の「わざとらしさ」がウザイが、それ以外そんなに酷い?「ヴィドック」が個人的にダメダメだったので監督ピトフの起用に不安はあったものの、十分面白い。全てにおいてやり過ぎな感じが逆に気持ちいい。バリバリの映像派監督らしい、映像ファンにはたまらないショットが盛りだくさんだ。

★★★★

「コラテラル」

 全編夜。相変わらず夜を撮るのが巧い硬派マイケル・マン。何とも感情的な夜の風景だ。「ヒート」では寡黙な男同士の対決を描いた。今作では登場人物は皆多弁だ。緊張感がないのはそのせいか・・・と思っていると後半緊張感が大爆発。トム・クルーズ、ジェイミー・フォックスは文句なく素晴らしい。トム・クルーズは銃を扱う映画を避ける傾向にあるけど、銃さばきが実に見事。アカデミー賞主演助演ダブルで受賞の可能性大。ただ駄作「イン・ザ・カット」からそのまま出て来たような刑事マーク・ラファロは×。

★★

「シークレット・ウインドウ」

 凡作。こういう話は山ほどある。近作では「アイデンティティー」か。最近、目に余るのがジョニー・デップの名を巧みに客寄せに使っていること。ジョニーは孤高のアウトサイダーだ。それを忘れないように。

★★★

トルク」

 いやはや、これはスゴイ。やり過ぎなんてもんじゃない。メチャクチャ・・・そうバカ映画。でもノリノリで好感度大。この新人監督はしっかりした脚本渡せばいい仕事しそう。こういった映像派の監督は大歓迎だ。

★★

「エクソシスト ビギニング」

 何じゃこりゃ。73年の「エクソシスト」は大傑作。ホラーの域を超え、ドラマの秀逸さに舌を巻いた。しょうもない「2」「3」と製作され、今作は時代を遡り、メリル神父の中年時代を描く。ポール・シュレイダーからレニー・ハーリンへと監督の交代劇もあった。レニー・ハーリン?こんなヤツにはアホなアクション映画撮らせてればいいのに・・・。救いはメリル神父演じたステラン・スカルスゲールドはナイスキャスティング。メリル神父にしっかり見えました。

★★★★

「モーターサイクル・ダイアリーズ」

 ロードムービーって好き。訪れる土地の情感が伝わってくるものはなおさらである。南米という独特の異国情緒の魅力と革命家というちょっと仰々しい肩書きを持ち、若くして逝ったチェ・ゲバラの心の内も伝わってくる良作だ。

★★

「ヘルボーイ」

 ギレルモ・デル・トロ監督だけに期待し過ぎた。普通なら及第点だが・・・。特殊メイクばっちりとはいえ、こういった大作にロン・パールマン主演というのは嬉しい限り。ヒロインのセルマ・ブレアは地味で日本では人気出ないでしょう。しかし、ヘルボーイって弱くないか?続編に期待。

★★★

「モンスター」

 映画の良し悪しは別として、シャーリーズ・セロンが凄い。オスカー受賞という栄誉を受け、話題先行でようやく日本公開。役への変身振りがスゴイという話は聞いていたが、これほどとは!直視できないくらいの変身振りだ。メイクを施した顔、体重を大幅に増やした体型にも驚くが、何より細かい仕草が素晴らしい。オスカー受賞は納得である。なんか、俳優ジョン・ボイトそっくりで・・・超怖い。

★★

「ソウ」

 脚本、特に犯人の動機、最後のオチなどは大層なものじゃない。殺され方や状況が斬新でショッキング・・・それだけでいい映画と言えるのだろうか。

★★

「トゥー・ブラザーズ」

 やたらと大げさな音楽や効果音がウルサイ。そんなに感動を強要するなって感じでしょうか。自然に自然に動物たちを見せようとしてるけど、やはり演出の域を脱せない。演出を隠そうともしない自然でない「ベイブ」の方がずっと自然だ。

★★★★

「アイ,ロボット」

 題材としては語りつくされた感のあるお話。新鮮味はないものの、監督アレックス・プロヤスやはり才能抜群。好感の持てる良作に仕上げた。ステレオタイプの科学者ヒロインには閉口するが、ウィル・スミスの魅力全開、走るのも久しぶりに全開。

★★

「テイキング・ライブス」

 話題だったのは製作中のみだった、とても残念な駄作。アンジェリーナ・ジョリーの作品選びは特に最近は「アホ」である。

★★★★

「ヴィレッジ」

 「シックス・センス」「アンブレイカブル」「サイン」・・・んでこれ。今作が1番好き。作るごとにテーマもどんどん深くなってるのはスゴイかも。今回の話も妙に気持ち理解出来ちゃったりする自分がいます。昨今の物騒な事件がそういう気持ちにさせるのでしょう。最後にオチが待っている展開は相変わらずで、シャマランはそろそろ違うタイプの映画撮った方が良くない?

★★★★

「バイオハザード II アポカリプス」

 文句なしに面白い。監督交代でクオリティ・ダウンの心配もナシ。ホラー色は皆無になりましたが。「トゥームレイダー」シリーズもこういうクールなヒロイン映画に出来たはず。見習うべし。主役のアリスも当然魅力的だが、それ以上に、ジル・バレンタインが最高にいい女!

★★

「リディック」

 監督デヴィッド・トゥーヒーはヴィジュアル・センスがないことが完全に露呈し、神話など到底作り上げるような器ではなかった。今後彼に大きな予算を預けるのはやめましょう。

★★

「ヴァン・ヘルシング」

同じような悪役続きのリチャード・ロクスバーグ。悪役の魅力がないとこういう結果に。そして監督スティーヴン・ソマーズ。相変わらず幼稚な脚本しか書けないし、今後書かせてはいけません。そして日本語吹替え版の主題歌なんて仕事受けてるヒムロックがかっこ悪い。

「マッハ!」

 巷で話題騒然ですが、これは映画です、冷静になりましょう。映画には魅力ある俳優、演技、脚本が必要です。これを映画だという人はムエタイの試合でも見てれば?

★★★★★

「スパイダーマン2」

久しぶりに前作を超える続編に出会う。完璧な映画とはこういう映画のこと。10年に1本の傑作だ。

「スターシップ・トゥルーパーズ2」

 個人的に前作は大傑作。それが・・・ああこんな続編作ってしまうなんて・・・。とにかくカメラアングルが対象物に近すぎて、ダイナミックさに欠けるし何をしてるかわからない。俯瞰の映像は金かかりそうだもんね・・・。舞台も狭い所限定。金かからないよね、これだと。そう予算ないのがバレバレ。でも監督デビューのフィル・ティペットを誰が攻められよう。映画界に多大なる貢献をしてきたこの人物を。怒りをぶつけるところないから、ただただ悲しい。

★★★★★

「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」

 「ロード・オブ・ザ・リング」3部作ー「旅の仲間」「二つの塔」「王の帰還」が遂に完結(ようやくオスカーも11部門で受賞)。監督ピーター・ジャクソンが見事にやり遂げた。この3部作はまさに奇跡。ジグソーパズルが一片のカケラもなく見事に完成するかのように---監督、キャスト始め、製作に携わった全てのスタッフ1人1人の実力、作品に注がれた溢れんばかりの愛情、そしてニュージーランド、そこには中つ国があった---それら全てが見事に融合。これ以上の映画に出会うことは私のこれからの残りの人生あり得るだろうか?このシリーズにはそれだけの価値があった。数年前、この強烈な3部作---数多のファンタジーの原点であり、世界中にファンを抱える原作---の映画化の決定に世界は沸いたと同時に監督の名前を聞くと世界中から「WHY?」の声。私もその1人。ああ、心から謝罪したい。そして彼に映画化を託し、3部作での製作という当時、無謀とも思えるプロジェクトにGOサインを出したニューライン・シネマの勇気も讃えたい。そして何よりもそれら全てに、自分が生きるこの時代にこの映画を届けてくれたことに心から感謝したい気持ちでいっぱいです。(2004年3月某日)
さて、そろそろ聞こえて来るはず・・・「スター・ウォーズ」を本来の9部作に戻し、新シリーズをピーター・ジャクソンに撮らせろ・・・なんてね(笑)