吟遊詩人な日々
第36回 新大陸
 森を南下しながら、草原を中心に走り回る。途中、狩りのお手伝いもしたけど、自分からモンスターに攻撃はしない。
 広い森の中で見つけられるかな。会える可能性のほうが低いけど。でも。それでも。探して、探して。
 そして・・・。
 「発見」目の前にいる騎乗の人物に向かって、笑顔で言った。泣き笑いというほうが正しい気がしたけど。
 「久しぶり」昨日の続きのように。隊長が言った。出発前のあのピンク色の鎧姿で。新大陸にしかいない騎乗用ラマ(通称:乗 りラマ)に乗って。
 隊長が新大陸から帰ってきた。コーブからブリテインに戻った途端、その連絡が入ったのだった。いつもの森にいるから、と。
 だから走ってきた。一刻も早く会いたかったから。
 隊長から、新大陸の話を聞く。モンスターはこっちにいるのと変わらないこと。見たことのない動物もいること。あまり外に出 ないで街で過ごしたこと。調教師のギルドがあること。他にもいっぱい。
 隊長の話が終わって。沈黙が流れた。夜空には半分だけの月。優しい光が降り注いでる。
 「帰ってこないのかと思った〜」そう呟いた。
 新大陸で過ごしている間に、隊長も考えたらしい。調教師としてのレベルとか。まだこっちでできる修行もあるし。などなど。 で。しばらくはブリテインでがんばることにしたんだって。よかった。もう少し、このままみんなと一緒にいたいんだもの。
 隊長がオスタードという新大陸の動物を連れてきているというので、見に行くことにした。例の地下水道に置いているんだって。 そちらに向かって歩き始める。
 乗りラマもそうだけれど、こちらでは地上で降りると乗れなくなるんだって。乗り降りは影響がない地下限定。不思議だね〜。
 ブリテインに戻る途中、隊長に調教のスキルについて訊かれ、答えたトコロあまりの低さに呆れられた。そんなこといっても。 あがらないんですぅ。結構訓練してるのに。ホントだよ〜。
 隊長が小鹿を指して、これでやってみ、と言う。小鹿相手に調教を試す。3度目で成功し、ほんの少しスキルが上がった。隊長 も子鹿を相手にスキルをあげたということを聴き、しばらく小鹿で訓練することに決定。
 ブリテイン衛兵ガード圏内に近づく頃、ぴょんと偶然会った。ぴょんもわたしと隊長が一緒にいたのでびっくりしてた。久しぶ りに3人そろった。
 オスタードの話をすると、一緒にぴょんも見に行くって。やっぱり興味あるよね。
 地下水道に続く階段を降りると、水路を渡す橋の上に見たことのない動物がいた。緑灰色の毛(鱗かな?)に覆われた不思議な 生き物。でもめちゃかわい。らぶり〜。
 隊長が調教してもいいというので、挑戦してみる。だけど、今まで何人もが調教したんだろうか。オーナー拒否状態になってた。 残念。いつか新大陸でがんばる。
 サイクロプロス狩りに行くというぴょんとはここで分かれる。死なないでね、と言ったら「それは無理」だって。さすがパーティ No1の死男(笑)。
 隊長と一緒に鍛冶屋に武器の修理に行く。オークでぼろぼろにされたからね。鍛冶屋には偶然ヘブンがきてた。隊長が声をかけ る。今日は偶然いろんな人に会うな。
 二人が防具の話で盛り上がる。隊長はピンクの防具。ヘブンは黒の防具。二人揃って、高級色付防具。しかも武器は魔法の盾。 1万gpとか2万gpとかするんだよ。そんな大金いつ貯めたんだろ。
 そっと輪を抜け出し、フェリスさんのそばにいく。今日は来てたんだ。全身黒い衣装に身を包んだ一流鍛冶職人のフェリスさん。
 お願いして、盾、フェリス製ハイクォリティ(HQ)品質の愛刀、予備の剣を修理してもらう。腕のいいフェリスさんはあっと いう間に直しちゃった。おぉ。刀身がピカピカしてる。刃こぼれひとつなく、キレイ。
 隊長もフェリスさんに修理してもらって。完了。
 フェリスさんは人気があるから、修理も順番待ちとかあるんだよ。ちなみに修理費は鍛冶職人さんのサービスが多くて、無料が ほとんど。お礼を込めて、謝礼を渡す人もたまにいるけど。貧乏なわたしはキモチだけ。
 新しいフェリス製の防具買おうかなぁ。わたしが身につけているのは、鎧じゃなくて、軽めの防具。重いと動けない非力なわた し。「吟遊詩人」ですから、楽器より重いものは持てませんっ。剣は周りの薦めもあって、刀。
鍛冶屋をあとにして、魔法ギルドで秘薬を買うことに。って売り切れ。ここのギルドは売ってるほうが珍しいような気がする。だ からあったら、この時とばかりに買い占めちゃう。
 買い物をすべて終えて、部屋でくつろいだ。久しぶりだったので、隊長と少し話をする。
 明日から、また一緒に冒険できる。うれしいな。

第37回 馬探し
 昨日オークキャンプでまたもやインディを失ったわたし。冒険に馬はどうしても必要なので、馬を買いに行くことにした。1銀 の前にはよく「馬売り」が来ている。先日もここで手に入れた。だから今日も1銀前に行ってみる。
 銀行近くで、人とスレ違った。この人物の顔は見覚えある。立ち止まって、振り返ると相手も振り返ってこちらを見てた。そう。 もう一人のペコ。久しぶりと挨拶を交わす。お仲間はと訊かれたので今日はばらばらと応えた。狩りに行けば、どこかで出会う のは確実だけど。
 また会ったら声をかけてね、たいていこのくらいの時間は魔法ギルド前の橋にいるから。と分かれ際に告げると、ペコから意外 な返事が返ってきた。
「知ってる。魔法ギルド前に毎日立ってたことも」
 びっくりした。魔法ギルドを通りかかる度に同じ名前の人間がいるから気になってたんだって。な〜んだ、それならもっと早く に声をかけてくれればいいのに。毎日あの時間に立ってるから、今度は遊びに来てね。隊長を紹介するからと応えてペコと分か れた。
 1銀前の立ち売りは相変わらず賑わっていた。「HQ品金鎧セット売るよ。盾もついてるぞ」「秘薬あるよ〜」「ルーンいらん かね」「魔法の盾がほし〜」売人と客の大声で、隣にいる人の会話なんて聞き取れやしない。人込みを掻き分けて、馬売りを探 してみたけど見当たらない。今日に限っていないらしい。サイアク。
 どうしよう。ブリテイン近くの森には野生の馬は生息していない。ラマはいるけど、乗りラマじゃないし。そういえば、新大陸 のデルシアには野生の馬がいるとねこから聞いたことがある。先日隊長が行ってたトコロ。今からデルシアに行ってみようかな。 そんなに遠くまで飛んだことがないけど、挑戦してみよう。
 飛ぶためにはリコールの巻物がいるんだけど。先日のコーブ行きで切れているので、魔法ギルドまで買いに行く。うぅ。生憎品 切れだった。これじゃぁ、飛べない。
 どうしよう。残る方法は秘薬を利用して魔法で飛ぶこと。まだ一回もやったことないんだけど。でも馬は欲しいしな〜。よし、 がんばってみましょ〜。
 デルシアに飛べるポイントのある地下水道に移動する。これもねこに訊いた。秘薬は昨日ぴょんから沢山もらってるけど、失敗 するのやだな〜。秘薬もったいない。だけど背に腹は変えられない。何度か失敗を繰り返し、そして景色が一変した。
 見たこともない場所に出た。目の前はどうやら銀行らしい。ここがデルシア?ブリテインとは大違いで人通りが少ない。道路も 土がむき出しの道だし、建物もログハウス。のどかな田園風景が広がってる。
 近くにいた人に訊いて、馬の生息場所を教えてもらった。北のほうらしい。北を目指して、歩き始めた。街の外には小鹿の群れ。 そして、こんなに人がいるのか、と思うほど大勢の人がいた。街の中とは大違いだ。もしかして、ここにいる人って、全員調教 師??
 乗ってる馬も様々で、普通の栗毛、乗りラマ。オスタード。そしてナイトメアまでいた。
 ナイトメアは黒灰色の毛の美しい馬。ブリテインでも滅多に売られていない、たとえ売られてても市場相場20万GPという破 格の珍しい馬。
だけど、密かに憧れてたりする。あの美しい馬体と黒いたてがみ。うっとり。
 森を抜け、道なき道を歩き、砂漠に出て、探し回った。馬なんていない〜。いったいどこにいるのぉっ。空腹と歩き疲れで、動 けない。道にしゃがみこんだ。
 鞄の中から食料を出そうと、開けて驚いた。洋梨が3個だけ。が〜ん。とりあえず梨にかぶりつく。甘い果汁が口の中に広がっ て、疲れが少し取れた気がした。
 また馬を探して回る。左手には一面砂漠が広がっている。砂漠には行きたくないなと右の森側に進むことにした。大きく右にカー ブした道を迂回しようとしたとき、茶色い馬が見えた。いた。さっそく駆け寄って、調教を開始する。
「怖がらないで、傷つけたりしないから」慎重に慎重に。今まで成功したことのない馬の調教。時間がかかったけど、無事成功。 新しい初めて自分の手で調教した馬。よろしくね。名前はもちろんインディ。さっそく騎乗し、街に戻る。
 さて。目的も達成したし、ブリテインに帰ろう。帰り方もねこに訊いてるから、たぶん大丈夫。
 実はブリテインからここには飛べるけど、ここからブリテインには直接飛べない。ねこの指示通り、ここからパプアという街に 向けて飛ぶ。パプアは南国ムードの街だった。いろいろ見て回りたかったけど、それは次回ということで。
 次は。パプアの魔法ギルドの魔法陣からムーングロウに移動。ホントだ。ねこに訊いてた通り魔法陣がある。ここに乗るだけら しい。そろそろとインディに乗ったまま魔法陣に入る。
 おぉ、さっきとは違う魔法ギルドに到着した。ここがムーングロウか〜。ここは「魔法使いの街」として有名なところ。四方を 海に囲まれた島国だと訊いてるけど。好奇心が勝って、街に飛び出した。
 この魔法ギルドは街の中心部とは離れてるらしく、外はひっそりとしていた。土の道を歩く。農家を見つけたので、果物を売っ てもらう。インディに人参。わたしにりんご。一緒に初めての食事をとった。
 中心部に来た。瀟洒な建物がいっぱい。だけど人いないなぁ。一通り見て回って、元の魔法ギルドに戻る。
 ブリテインに向かって飛んだ。到着した地点は1銀前。消費した秘薬を補充するため魔法ギルドにお買い物に行った。売り切れ てたけどね。使わないお金を銀行に預けるため1銀に向かって歩く。
 っと。前方にラマに乗ったピンクの鎧姿の男性がいる。
 「偶然」と後ろから声をかけた。隊長もびっくりしたみたいだった。ブラックと一緒だったらしい。同じく1銀に行くところら しいので、一緒に行く。ブラックとも久しぶりだなぁ。
 実は隊長とブラック。外見が良く似てる。防具が色違いなことと乗ってる動物が違うだけなんだもの。隊長はピンク。ブラック は名前の通り、黒。ブラックだったら、手に釣竿を持ってるってとこも違うかな。
 1銀前には行きと同じく人でいっぱい。あ。馬売りいる〜。今いたって、遅いってば。って。あれ、ナイトメアだ〜。売りに出 てる。隊長もびっくりしたみたいで、早速交渉に走っていった。残念なことにすでに契約済みの馬だった。それも特別に無料な んだって。いいなぁ。わたしもほし〜。
 ブラックは先に帰ると言うので、隊長と二人で、お店に行く。隊長が品物を売ってる間に、秘薬を入れる巾着を購入した。染料 で前と同じ青に染める。
 宿屋に戻った。
 隊長に今日はどうしてたのか訊かれたので、今日の馬探しの旅を話した。初めて調教して得た馬なので、自分が死んでも守る。 といったら、それは無理といわれちゃった。
そうなんだよね。みんながいればともかく一人だと。。。隊長もそうだったらしい。
 だけど。やっぱり守りたい。この気持ちは大切だよね。

第38回 ペコ
 橋で待っていると、ブラックが突然目の前に現れた。リコールで飛んできたらしい。
 昨日と乗ってる馬が違う。訊くと、さっきまで精霊狩りに行ってて、死んじゃったんだって。あそこって、お金貯まるけど、 まさに命懸けの場所だよね。ブラックほどの手だれでも死んじゃうんだもの。
 ヘブンも来た。わたしの乗ってる馬を見ていいなと連発する。よく見るとブラックの新しい馬も同じだったけど。
 デルシアにいるよ、と言っても、いいなを言い続ける。それって、わたしに取って来いってこと?いいけどね。調教の訓練になる から。ただ、ちゃんとブリテインに帰られるかどうかが心配なだけなんだけど。
 と。来た。今日は実はお客様がいる。ペコだ。興味がありそうだったら、昨日誘ったんだよね〜。実は。えへへ。
 同姓同名のペコに予想通りブラックがウケた。これ、これ。狙ってたんだよね〜。
 で。一番ペコを紹介したい相手が実はすでに森でテイムの修行中。みんなで東の森まで隊長を探しに行くことになった。
 ところが。ここでブラックがちょっと待ってて、といって立ち去った。しばらく待っているとブラックじゃなくて、女釣り師のざ なちゃんがやってきた。ブラックの名代らしい。ブラックは帰っちゃったのね。じゃ、ざなちゃんも一緒に紹介しよう。
 東の森は珍しくモンスターであふれてた。なんでこんなにいっぱいいるんだろう。
 その中でもうかなりの重症の男性を見とめた。防具も着ないで、粗末な武器で、戦ってる。というかモンスターに弄ばれてるとい うか。名前はPKというらしい。・・・。
 「ヤな名前」。偶然まったく同じ言葉を合唱するわたしとヘブン。名前はヤだけど、ホンモノじゃないから。ホンモノだったら、 すぐ逃げるけど。
 わたし達みんなで、回復してあげたけど、あっけなく死んでしまった。回復しても無駄なほど、弱いらしい。森の中にいるヒーラー に復活させてもらって、すぐに戻ってきた彼はやっぱり無謀な戦いを挑んで、まだ死んでしまった。なんだかな〜。
 とりあえず隊長探しを再開することにした。
 ホントに今日は多い。森のそこら中で戦闘が繰り広げられている。トロル二体に挟撃されている人がいた。差し出がましいかなと 思ったけど。ハープを取り出して、挑発の旋律を奏でた。成功。二体のトロルが同士討ちを始めた。戦士に向かって、「同士討ち にしましたから、あとはとどめだけ刺して下さいね」と伝える。助かりますと言ってもらえた。よかった。えへへ。吟遊詩人な戦 い方ってカンジ♪
 モンスターがやたら密集してるところに着いてしまった。めんどくさいけど、しつこいモンスターばかりだったので、全員で叩く ことにした。で。えぇ、死にました。多勢に無勢。前回と同じです。
 さっきPKを助けたヒーラーを探して、復活してもらいましたけど。で。新しいインディはゴーストのわたしの後をずっとついて きてた。えへへ、うれしい。かわゆいやつ。
 このままじゃ、狩りで終わってしまいそうだった。これではいかんと、全員が散会して探すことにした。
 ペコは顔を知らないから、名前と特徴を伝えた。「ピンクの鎧に、ラマに乗ってる人物」。
 森をくまなく探す。だけどいない。
 随分探して。ヘブンが隊長を発見したと連絡してくれた。
 教えてもらった場所に向かった。隊長だ。やっと全員集合。
 で。まずざなちゃんを紹介した。ブラックとはとても身近な人物なんだよ。
 ペコを紹介した。やった〜〜〜。ウケた。さらにペコの乗ってる馬の名前がポコだというと、更にウケた。
 これ、これ。これが見たかったんだ〜。

第39回 リコール
 今日もデルシアにリコールで飛んだ。また馬探し。ヘブンが欲しがってたから、探そうかなと思ったんだよね。
 でもいない。この間もかなり探していなかったもんね。諦めて次回ってことで、今日は帰ろう。
 デルシアの銀行前でリコールを唱える。ところが。なぜか全然うまくいかない。もう何十回も試したけど、全然だめ。
 どうしよう。帰れなくなっちゃった。マジですか?このままブリテインに帰れず、誰も知らないこの街で生きてくの??え〜〜 〜っ。それはまだヤだぁ。
 というわけで。ねこに緊急連絡を入れた。
 「ねこ?帰れなくなっちゃった」(涙声)。
 「じゃ、迎えに行きますから、そのへんにいて下さい」そのへんってどのへんなんだろう、と思ったけど。うん、待ってるから、 早く来て。
 ねこの到着をじっと待つ。良かった。でもなんで今日はうまくリコールを使えないんだろ。
 ねこが目の前に現れた。「おまたせっ」
 ねこの顔を見た途端、ほっとしちゃって、更に涙が出る。
 「リコールうまくいかないよぉ。馬は見つからないし」
 根気よくわたしの話を聴いてくれたねこがこのまま帰るか、馬を探すか提案してきた。
 速攻答える。「馬」
 というわけで、ねこの知ってる馬がいっぱいいるポイントにゲートを開いてもらう。あぁ、やっぱりもっと魔術スキル磨こう。
 ポイントに来たけど馬がいない。馬取り尽くされちゃったのかなぁ。少しずつポイントを移動しながら探すけれど、見つからな い。
 諦めかけたとき、乗りラマがいた。これ、ほしいと言うねこの言葉に頷いて、乗りラマを調教する。
 一頭目は、成功したけど、命令を聞いてくれなかった。わたしの「命令」スキルが低いせいなんだって。舐められてるってこ とね。が〜ん。
 二頭目は命令もちゃんと聞いてくれるラマだった。だけど。調教したラマをねこに譲ったら、ラマのほうがねこを信用できな いと拒否しちゃった。ねこの調教スキルが低すぎるせいなんだって。う〜ん。うまくいかないなぁ。
 結局何の実りもないまま、今日はこれで帰ることに決定。ねこにブリテインにゲートを開いてもらった。
 たまにはこういう日もあるね。

第40回 トレジャーハンティング
 舟はゆっくりと南に進んでいる。今日はこれからぴょん、ねこ、ヘブン、わたしの4人でトレジャーハンティングに行く。 ぴょんとねこが入手した地図を元に宝捜しというわけ。
 このブリタニア大陸にはこういう謎も隠されているんだな〜と思うとうれしぃ。わくわくしちゃう。
 ぴょんとねこがいれば、宝のある場所近くの街までだったらゲートを開けて簡単に移動できるはずなんだけど。そういうことを しないで、舟で行くあたりが雰囲気出てるでしょ。やっぱり、せっかくのトレジャーハンティングなんだから。
 舟旅はとても穏やかだった。お天気もよくて。海を渡る風も穏やかで。到着まで、ぼーっとしてた。日向ぼっこというか、日光 浴というか。
 南に近づくにつれて、ワニが何匹も姿を現わすようになった。モンバットの群れもいる。楽器を奏でて、相打ちにして一網打尽 にした。今日の目的はトレジャーハンティング。狩りではないからね。
 舟を陸に横付けし、上陸する。目の前はジャングルだった。熱帯特有の、湿気を含んだ濃密な空気。じっとしていても汗をかい てしまうくらい。ましてや、防具着込んでるから、ムレちゃうよ。
 見たことのない色鮮やかな鳥たち。動物の声が木々に反響する。ブリテインの東の森とは全然違う。
 ジャングルに足を踏み入れた。ねこが解読したポイントに移動する。
 ねこがポイントを掘りはじめると、たくさんのモンスターが姿を現わし始めた。宝を守る守護モンスターってわけだ。他のメン バーでモンスターを攻撃する。弱かったので、すぐに倒しちゃったけど。
 あ。宝箱がでてきた。いかにも、ってカンジの宝箱。ねこが中を開けて、中身を出す。たくさんのお金と宝石。やった〜。ばん ざ〜い。
 他の地図の解読が出来なかったので、今日はこれで終了。あっちゅーま、だ。でも仕方がない。せっかく地図は沢山あるんだけ ど。解読するスキルのある人間がメンバーの中にいないんだもの。トレジャーハンティングに行くときは、本物のトレジャーハ ンターが必要みたい。だけど、気分は味わえたのでよかったかな。
 ブリテインに戻り、2銀で山分けする。簡単な宝捜しだったので、お金は一人アタマ300GPくらいだった。宝石は宝石店で 売る予定だったんだけど、買いとってもらえなかった。残念。
 わたしは宿屋に戻ることにした。だって眠いんだもん。ぴょんが宿まで送ってくれるというので、二人で宿屋までお散歩しなが ら帰った。
 またトレハン行こうね。