〜〜〜石けんのこと、考えよう〜〜〜　　

　　　　　　 みなさんは、せっけん、というと何を想いうかべますか？
白っぽい固まりの、お風呂でつかうせっけん。洗濯で使う、粉状または液状のせっけ ん。 せっけん、といえば洗浄剤の総称として使われているわけなんですけど、合成のもの か「純せっけん」かで大違い、なのですよ...

当院では、とくに肌にトラブルのある患者さんに、せっけんのことを説明してきました。診察のときに、肌が乾燥してがさがさ、乾燥するとかゆみが出るので皮膚にかきむしった跡まである方があります。ボディシャンプーを使っているかどうかと聞きますと、たいてい、当たります。
合成洗剤の一つであるボディシャンプーは皮脂を取り除く力が大変強く、肌のバリアをこわします。使って平気な方はよいのですが、肌にトラブルのある方は、純せっけんで洗うのがベストだと考えます。
でも本当は、肌荒れがあってもなくても、アトピーであってもなくても、みんなで純せっけんを使っていくのがいいと思います。
石けんの手作りについて、ここでは説明ができませんので、あとに紹介する本やインターネットのホームページを読んでくださればと思います。

〜〜かたまりのせっけんには２種類ある！〜〜
1）純せっけんと、2）純でない（？）せっけん。みわけかたは包みの裏、表示指定成 分に「エデト酸塩」とあれば、それは”純じゃない”せっけんです。
現在でまわっている純石けんには、わかりやすいように「純せっけん」「無添加」と表示してあるものが多いです。
いくつかの会社が純せっけんを製造販売しています。生協なら必ずありますし、大きめのドラッグストアに行けば置いてあることが多いです。ひとつ百円台で、けして高くありません。

〜〜粉のものにも２種類！（1：純石けん、2：合成洗剤）〜〜
ホントウは、純せっけんの粉状のものを「粉せっけん」と呼ぶべきなのでしょうけれど、合成洗剤も粉状であれば同じく「粉せっけん」と呼ばれていますね。これも包みの表示をみれば、みわけはすぐにつきます。
純石けん、または液状のカリ石けんで洗濯する場合は柔軟剤は不要です。合成洗剤プラス柔軟剤で洗ったものより、ふっくら柔らかいですよ。
また、合成洗剤には蛍光剤が入っていることがありますが、蛍光剤は発ガン性物質です。そのため紙コップや紙ナフキンには入れてはいけないことになっています。食品を入れたり、口をふいたりするものですからね。だけど洗濯だって...ハンカチ、給食のナプキンや台ふきんなど、洗うではありませんか！？...それでも、洗濯用の洗剤に蛍光剤を入れてはいけない法律は無いので、洗濯物が美しく洗い上がったようにみせるために、入れてあるのです。

むかしながらのせっけんは、油脂と苛性ソーダとをゆっくり反応させ、時間をかけてつくりました。高校化学で習う、「けん化法」という化学反応です。これによって、材料は脂肪酸塩とグリセリンとに変化し、固まります。脂肪酸塩が汚れを落とし、グリセリンは汚れをおとすほかに、肌を保湿する働きがあります。
自分でせっけんをつくってみると、できあがりはチーズかケーキのようです。純せっけんを作る仕事の人たちは、せっけんを「炊く」というそうです。昔のせっけん（純せっけん）は、ねずみがかじりました。今世間にあふれる添剤（エデト酸塩）入りのせっけんは、ねずみもかじれません。

色々長く書きましたが、のうがきはなくても実際に純石けんを使ってみれば、それが一番早く「わかる」やり方だと思います。文字どおり、肌で感じる使いごこちの良さ、です。
泡のきめは非常に細かく、さっぱりとして、しかもつっぱらない洗い上がりです。

ご紹介する本：前田京子「お風呂の愉しみ」飛鳥新社
　ホームページアドレス...http://www.asukashinsha.co.jp/tachi/ofro/tachi.html