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これまでに、ご支援いただいた 交通死事件の経過等一覧へ戻る

〈逃げ得解消の法改正がされました。ご協力に感謝します。〉

2003年以来、皆様に多大なご協力をいただいた飲酒・ひき逃げ犯の厳罰化を求め る署名活動ですが、2013年11月20日に成立した「自動車運転死傷行為処罰法」に よって、いわゆる「逃げ得」という法の矛盾はほぼ解消されることとなりました。 (下記「北海道新聞」11月21日記事参照) 全国連絡会の共同代表として10年に及ぶ署名活動を牽引した江別市の高石さんの思いを、地元TVのHBC(北海道放送)が12月10 日、特集で報じましたので紹介します。 これまでの多くの皆様のご協力に深く感謝致します。 なお、新法は2014年5月までに施行となりますが、実際の運用および自動車運転 による致死傷行為の刑罰の適正化にはさらなる課題も残されています。 今後ともご理解とご協力をお願いします。
(2013年12月、HP管理者)








「飲酒ひき逃げ犯の厳罰化を求める署名運動」の開始とこれまでの経過

高1の息子さんを、悪質な飲酒、ひき逃げで奪われ、 法改正を求める署名活動を始めた高石さんの訴え



飲酒・ひき逃げ犯の厳罰化を求める署名にご協力下さい
2003.8.12.UP  2007.6.27.新署名用紙UP 2008.5.20.ウオームス情報

この支援の経過署名についてのお知らせいのちのパネルよりWARMS(ウォームス)情報報道記事・関連

息子拓那(たくな)は、平成15年2月12日早朝、江別市野幌で起きたひき逃げ事件の犠牲になり、わずか16歳で命を絶たれました。
現在、犯人は、懲役2年10月の受刑中ですが、事故の経緯は、とてもむごいものでした。
車にはねられ、動けない体の上に白い雪が降り積もっている時、犯人は飲酒の発覚を恐れ、何度も拓那を確認しながら、置き去りにして逃げてしまったのです。
同乗者もいたのに、人間として一番大切なものが欠落した悪質な行為でした。ところが、法律は、犯人の心よりもっと不完全なものでした。

逃げたことにより、飲酒を免れ、車の修理をして証拠隠滅をしようとした行為も免れ、寝ないで飲んで遊んで、眠くなってくる朝方に人を撥ねたのに、わき見運転の供述が通り、時速50㎞/hの供述も、判決文にそのまま載ってしまうのです。
犯人は、逃げたことにより、刑を軽くすることができ、人々に「逃げた方が得だよ」と言うでしょう。
もし、犯人が逃げなかったら、危険運転致死罪に問われ、もっと重い判決になっただろうからです。
放火が、殺人より罪が重いと、誰もが知っているように、ひき逃げは殺人より罪が重いと知らしめる必要があるのではないでしょうか。法律を早急に改善しなければ、被害者はかけがえのない命をなくしかねないばかりか、加害者は犯さなくて良いひき逃げの罪を重ねかねません。
誰かがやらなければ何も変わらないと思い、この署名を始めました。
16歳で逝った子どもの命を無駄にしたくありません。ご協力をお願いします。

【写真】悪質なひき逃げ犯の犠牲になった拓那さん(当時16歳、高1)
2003年8月12日 高石 弘、洋子

この支援の経過

2005年7月30日 「飲酒・ひき逃げ事犯に厳罰を求める遺族・関係者全国連絡協議会」の発足について
2005年6月15日 交通事故問題を考える国会議員の会(通称「交通事故議連」)の総会で、交通事故議連が、「飲酒運転・ひき逃げ事犯の厳罰化」の訴えを本年度の活動方針として取り上げてくださいました。
2004年9月11日 息子さんをひき逃げで奪われた大分の佐藤さんが、高石さんと連携してひき逃げの厳罰化を求める署名活動を展開中
2003年8月22日 娘さんを酒気帯び、ひき逃げで奪われた秦野さんから協力の申し出がありました
2003年8月 署名用紙作成
2003年2月12日 高石拓那さんひき逃げ事件発生

「飲酒・ひき逃げ事犯に厳罰を求める遺族・関係者全国連絡協議会」の発足について 2005年7月30日

◆ 発足の趣意書

最近、飲酒運転の上で交通事故を起こし、その後負傷者を救護することなしに現場を立ち去ってしまうひき逃げ犯が急増しています。
これには、飲酒人身事故に対して厳罰が下される「危険運転致死傷罪」の新設が影響していると考えられます。現場から逃げるという行為の背景に、多くの場合、飲酒運転の発覚を恐れていったん事故現場から逃走し、体内からアルコールが抜けたころに自首することによって、業務上過失致死傷罪より厳罰が科される危険運転致死傷罪の適用が困難になるという実情があります。
その結果、より悪質にもかかわらず逃げたほうが結果的に罪が軽くなるという、おかしな現象が生じています。
もし、加害者が逃げずに救急車を呼んでいれば被害者は助かっていたかもと考えると、逃げた加害者はより厳しく罰せられてしかるべきだと思います。これまでも、飲酒・ひき逃げ犯罪によって大切な家族の命を断ち切られた遺族が個々に自分たちの体験を通じてその不条理を訴え、飲酒・ひき逃げ犯に厳罰を求める署名活動を行ってきました。
そして今年4月までに累計で約15万人分の署名を法務大臣に届け、厳罰化を要望しています。
このような状況下で、早期に法律の改正に向けて、被害者遺族や支援者等の関係者が互いに連携を保ち、今まで主に地元を中心に行ってきた署名活動を全国的に展開し、広く国民に協力を呼びかけて、その活動の輪を広げるために、「飲酒・ひき逃げ事犯に厳罰を求める遺族・関係者全国連絡協議会」を発足させることにしました。

◆ 全国連絡協議会の要望内容

飲酒・ひき逃げ事犯に対して、より厳罰が下されるよう、刑法を含む関連法の改正を要望します。

◆ 主要メンバー

共同代表 佐藤啓治・佐藤悦子(大分県東国東郡)
同    高石 弘・高石洋子(北海道江別市)
賛同遺族 秦野敞子(東京都町田市)
同    岩崎悦子(東京都多摩市)
同    佐藤清志(東京都品川区)
幹事   井上保孝・井上郁美(千葉県千葉市)

去る6月15日に、交通事故問題を考える国会議員の会総会で、 交通事故議連が、「飲酒運転・ひき逃げ事犯の厳罰化」の訴えを本年度の活動方針として取り上げてくださいました。

その席上、同じ思いをする遺族が全国で連携して展開していけるようにとの趣旨で予告しておりました標記の件について、このたび準備もほぼ整い、本格的に始動することになりましたので、趣意書および署名用紙を添えてご報告申し上げます。
趣意書にありますように、「飲酒・ひき逃げ事犯」が、平成14年(2002年)以降急増しています。
残念なことに、新たに被害者・遺族となられた方々が全国にいらっしゃいます。
事故直後、現場で救護あるいは救急車の手配さえしてくれていれば助かっていたかもしれない命のことを思うとき、自らの飲酒運転が発覚し厳罰を科されることを恐れて現場から逃走する行為は、悪質かつ身勝手な非人間的行為であり、絶対に見逃すことはできません。
ひき逃げが急増した原因を考えると、現行法における危険運転致死傷罪の最高刑(懲役20年)と、業務上過失致死傷罪の最高刑(懲役5年)に大きな開きがあるということが浮かび上がります。
つまり、酒酔い運転であることの立証を免れさえすれば、業務上過失致死傷罪・道路交通法違反にしか問えないということになってしまいます。
この、「飲酒の上で事故を起こしても現場から逃げてしまえば重い刑を逃れられる」ということが周知のこととなれば、飲酒運転・飲酒事故そのものも減らなくなってしまうことを私たちは危惧します。
このまま放置しておくと、危険運転致死傷罪の持つ抑止力が大きく損なわれてしまうことにもなります。
私達は、このような法の抜け道に対し、おかしいという声を上げ続けていけるよう、全国各地で署名活動を展開していきたいと考えています。
そして、やがては国に届くような大きなうねりとなることを期待しています。私達の訴えるところに共感し、寄り添ってくださる支援者とともに目的が成就するまで継続することを目指しています。
なお、これからの具体的な活動としては、9月中旬に2日間の合同街頭署名を行います。
合同街頭署名:9月18日(日)、19日(月・祝)大阪市内で街頭署名活動。
各メンバーはこれ以外に、順次地元でも以下に示すような活動を予定しています。

佐藤啓治・悦子(共同代表)
8月24日の民事控訴審において意見陳述にて署名活動に言及。
9月23日に大分県豊後大野市三重町で署名活動。

高石弘・洋子(共同代表)
8月30日北海道札幌市・小樽市にて街頭署名活動。

井上保孝・郁美(幹事)
8月28日福島県いわき市の講演会にて言及し署名依頼。
その後、各地での講演の中で署名活動について言及し署名依頼。

私達の今後の活動にさらに倍旧のご支援とご理解を賜りますようお願い申し上げます。
末筆ながら皆様のますますのご活躍を祈念いたします。

2005/8/24
文責:井上保孝・郁美(幹事)

息子さんをひき逃げで奪われた大分の佐藤さんが、
高石さんと連携してひき逃げの厳罰化を求める署名活動を展開中です。

5月から活動を始め、すでに25000筆以上集めているそうです。
ホームページ「父と同じ道を歩んでいた・・・
2004/9/11

娘さんを酒気帯び、ひき逃げで奪われた秦野さんから協力の申し出がありました

第二弾の法改正運動として全国的に大きく輪がひろがるよう願い
皆様の署名協力をお願い申し上げます(2003/8/22)

私の娘、秦野真弓(当時24歳)は、平成7年4月22日、直線道路をオートバイで走行中、酒気帯び運転のワゴン車にひき逃げされ、即死しました。
加害者はひき逃げしただけでなく、目撃者と仕事班長に警察に届けるよう忠告されても頑なに拒み逃げました。飲酒、ひき逃げという極めて悪質な犯罪でありながら、さらに前科もある加害者は、ひき逃げすることで飲酒運転については罰せられる事もなく、道路交通法違反罪で実刑8ヶ月、業務上過失致死罪は不起訴となりました。
私どもは6年と3ヶ月をかけ民事裁判で全面勝訴をかちとり、娘の無念を晴らしましたが、加害者は終始蚊帳の外で、私どもは検察との闘いでした。
なぜ被害者が苦しまなくてはならないのですか?
飲酒運転による死亡事故は“未必の故意による殺人”です。そしてひき逃げ行為は、その時点で故意犯です。安易に刑法211条の業務上過失致死罪として処理してはならないと思います。
“逃げ得”など決してあってはなりません。
飲酒、ひき逃げ行為に殺人罪と同じ量刑にすることで悪質な犯罪がなくなるように刑法を改正すべきであると切に要望致します。
秦野 敞子
ホームページ「真弓の心の叫び

飲酒・ひき逃げ犯の厳罰化を求める署名にご協力下さい

法務大臣殿

飲酒・ひき逃げ犯に対して「逃げ得」がまかりとおることがないよう
刑法を含む関連法の改正を要望します。

「飲酒・ひき逃げ事犯に厳罰を求める遺族・関係者全国連絡協議会」

署名の趣旨

最近、飲酒運転の上で交通事故を起こし、その後負傷者を救護することなく現場を立ち去ってしまう飲酒・ひき逃げ犯が急増しています。
飲酒運転の発覚を恐れていったん事故現場から逃走し、体内からアルコールが抜けてから自首したり逮捕されたりしたドライバーが、危険運転致死傷罪(最高刑懲役20年)の適用を逃れ、軽い罪で裁かれてしまっている事例が後を絶たないからです。
罪に罪を重ねたのにもかかわらず、逃げたがゆえに軽い罰にしか処されないという、「逃げ得」を許している法の抜け穴は、2007年通常国会の刑法及び道路交通法の一部改正をもってしても残念ながら塞がっていません。
もし、加害者が逃げずに救急車を呼んでいてくれていたら被害者は助かっていたかもと考えると、逃げた加害者はより厳しく罰せられてしかるべきだと思います。
私たちは、このような状況が早期に是正されるよう、関連する法律の改正にむけて、被害者遺族や支援者等の関係者が互いに連携を保ち、広く全国民に協力を呼びかけ、多くの賛同の意を立法に携わる人たちに伝えるため、ここに署名を添えて要望します。

※現行法では、酒酔いによる危険運転致死傷罪の法定刑は20年以下です。一方で、改正された「自動車運転過失致死傷罪」でも法定刑は7年以下であり、ひき逃げ(改正道交法の救護義務違反=法定刑10年以下)を併合罪として適用しても法定刑は最大で15年となっています。したがって、酒に酔って事故を起こした者は、逃げて飲酒検査を免れた方が刑が軽くなるという矛盾は依然残っているのです。
※ 署名用紙作成:2003年8月 
※「飲酒・ひき逃げ事犯に厳罰を求める遺族・関係者全国連絡協議会」発足(趣意書PDFに伴う署名用紙の改訂:2005年8月
※ 刑法改正および道路交通法改正に伴う再改訂:2007年5月

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ひき逃げの法定刑引き上げを求める署名についてのお知らせ(最新順)

since  2003/8/12   last up  2010/6/23

2010/6/22

千葉法務大臣に面会、署名8万人分提出(7回目)
署名総数は52万人に達しました。

飲酒運転で人身事故を起こした加害者が事故後に逃げて、酔いが冷めた後に逮捕された場合、加害者には「危険運転致死傷罪」が適用されず、より刑の軽い「自動車運転過失致死罪」などしか適用されません。
こうした“逃げ得”に対する厳罰化を求めて22日、飲酒運転事故などの被害者遺族らが千葉法務大臣に8万件あまりの署名を手渡し、「議論するための体制作り」などを申し入れました。これに対し、千葉大臣は「重く受け止める。党の中でも検討を続けたい」と話したということです。
【22日19:06 TBSのニュース報道から】

2009/5/17

5/16・17、鹿児島で署名活動、9203筆を集め、署名総数は45万人を超えました。

2009/05/19, 北海道新聞

飲酒ひき逃げで息子失った江別・高石さん夫婦
「逃げ得」署名で変えたい
厳罰化 法改正へ45万筆

ひき逃げで次男を失った江別市の高石弘さん(47)、洋子さん(47)夫婦が二〇〇三年から取り組んできた飲酒・ひき逃げに厳罰化を求める署名が十七日までに、四十五万筆を超えた。十六、十七の両日には、十五日に福岡高裁で判決が言い渡されたばかりの福岡市三幼児死亡事故の両親とともに、鹿児島市内で署名活動を行い、九千二百三筆を集めた。高石さん夫婦は、遺族らでつくる「飲酒・ひき逃げ事犯に厳罰を求める遺族・関係者全国連絡協議会」の共同代表。福岡の三児の両親大上哲央さん(36)、かおりさん(32)夫婦も裁判の過程で協議会に入り、一緒に活動してきた。
洋子さんは十五日の高裁判決を傍聴。危険運転致死傷罪の成立を認め、懲役二十年を被告に言い渡した後、大上さん夫婦と「裁判所が一般の国民も遺族も納得できる判断を示してくれた」「後は飲酒ひき逃げに関する法律の改正を」と語り合った。鹿児島での署名活動では街頭で「頑張ってね」という激励を数多く受けたという。
危険運転致死傷罪の罰則は最高で懲役二十年だが、ひき逃げの方が最高刑が軽く、飲酒の事実を隠すために現場から運転手が逃げるケースが相次いでいる。福岡の事故でも飲酒していた被告は逃げ、水を飲んでから現場に戻ったとされる。
高石さんの次男、拓那さん=当時(16)=は〇三年、新聞配達のアルバイトに向かう途中、ひき逃げされ死亡した。半日後に逮捕された運転手は飲酒を認めたが、酒酔い運転は立証できず、危険運転罪は適用されなかった。
高石さん夫婦と拓那さんの同級生たちは法改正を求める署名を展開。江別で始まった活動は〇五年、同協議会に発展して全国に広がった。これまでに四十万筆超の署名を法務相に提出し、ひき逃げの罰則強化を柱とする道交法改正につなげた。
ただ、改正後も飲酒ひき逃げの最高刑は十五年。協議会は来春までにさらに署名を募り法務相に届ける方針だ。高石さん夫婦は「事故を起こして被害者を見捨てた人が『逃げ得』となる法律は絶対に変える。拓那のために、応援してくれるみんなのために運動を続ける」と力を込める。
【写真説明】「逃げ得となる法律は絶対に変える」と話す高石弘さん、洋子さん夫婦

2008/12/17

森英介法務大臣に面会、署名4万人分提出(6回目)
署名総数は44万人に達しました。

2008年12月18日 北海道新聞

ひき逃げに厳罰を 法相に4万人の署名

飲酒死亡ひき逃げ事件の犠牲者の遺族らが17日、法務省に森英介法相を訪ね、厳罰化を求める4万1837人分の署名を提出した。
同省を訪れたのは、高校生だった次男=当時(16)=を亡くした江別市の高石洋子さん(46)が共同代表を務める「飲酒・ひき逃げ事犯に厳罰を求める遺族・関係者全国連絡協議会」のメンバーら19人。署名提出は6回目で、累計で44万人分余りとなった。
森法相に署名を提出した後、佐藤悦子共同代表は、現場から逃走した加害者が結果的に危険運転致死傷罪を逸れている現状について「逃げ得を許してはならない。早急な法改正を」と、訴えた。
法相は「悲痛な体験をされたみなさんの切実な要請。重く受け止め対応する」と答えた。

2008/8/23・24

「飲酒ひき逃げ事犯に厳罰を求める遺族・関係者全国連絡協議会」は8月23・24日の両日札幌三越前で署名活動を行い
1日目 3428筆
2日目 3563筆
計 6991筆
の協力を得ることができました。(2年前の倍です)

2008/4/24

鳩山法務大臣に面会、署名(9万7千筆)提出(5回目)
署名総数は40万人を超えました。

江別の高石さん、大分の佐藤さん、千葉の井上さんなど「飲酒ひき逃げ事犯に厳罰を求める遺族・関係者全国連絡協議会」のメンバー12人は、4月25日、法務省に鳩山法務大臣を訪ね、97084人分の署名を追加提出しました。
鳩山法相は「厳罰化の方向で考えていかなくてはならない」と答えたとのことです。(道新記事参照)
署名総数は40万人を超え、400,066筆となりました。
北海道新聞4月25日の報道記事【画像をクリックで拡大

2007/6/14

ついに、飲酒、ひき逃げのさらなる厳罰化なる!

ついに、飲酒、ひき逃げのさらなる厳罰化なる!刑法改正と合わせ、飲酒・ひき逃げの最高刑は懲役15年にさらに「逃げ得」を許さない法整備を!
道路交通法改正(9月施行)、刑法改正(6月12日施行)

2007/4/12

高石さんご夫妻は、4月12日、参議院内閣委員会で「道路交通法の一部を改正する法律案」についての参考人として出席。「ひき逃げを厳罰に」と訴えました。

2007/04/13 「北海道新聞」
画像をクリックで拡大

内閣委員会議事録(外部サイト)

2007/4/5

法務大臣に面会、追加の署名(11万)提出 署名総数は30万人を超えました。

江別の高石さん、大分の佐藤さん、千葉の井上さんなど「飲酒ひき逃げ事犯に厳罰を求める遺族・関係者全国連絡協議会」のメンバー12人は、4月5日、法務省に長勢法務大臣を訪ね、約11万7千人分の署名を追加提出。署名総数はついに30万人を超え、302982筆となりました。
長勢法相は「法務省として皆さんの要望も含めて専門家の意見を聴きながら法制審議会で検討し、「自動車運転過失致死傷罪」を提案させていただいた。同罪の懲役7年という法定刑にはまだご不満があるかもしれないが、これが法務省としての回答かと言われればそうである。」という旨述べたとのことです。

2007/1/27

同乗者にも救護義務 1/26、札幌高裁が初の認定

お礼
今月26日、民事裁判終結でした。
遠くから、そしてお忙しい中来てくださった方、ゆっくり話が出来なくて申し訳ございませんでした。
これまで、私達を励まし応援して下さった皆様、とても心強かったです。感謝しております。皆様、本当に有難うございました。
ひき逃げの同乗者に対して、責任を認めてくれた判決になり、これからの裁判に良い影響をもたらす事に繋がる事を期待します。
今裁判と戦っている皆様、どうかお体ご自愛下さいます様に・・・・・。
2007/1/30 高石 弘・洋子

2006/12/28

飲酒運転厳罰化へ警察庁が道交法改正試案を発表
北海道新聞06/12/28

2006/12/15

「全国連絡協議会」は自民党の「飲酒運転根絶プロジェクトチーム」のヒアリングに出席
高石さんも急遽駆けつけ訴えました

2006/11/7

「全国連絡協議会」は法務省刑事局と意見交換。
高石さんも上京し飲酒ひき逃げ事犯に厳罰をと訴えました

2006/9/30・10/1

「全国連絡協議会」は、3児死亡飲酒運転事件の起きた福岡市で署名活動を行いました。
北海道から高石洋子さんがはるばる参加し、報道(10/1北海道新聞)にもあるように大奮闘。2日間の活動で11,770筆もの署名協力を得ました。
(1日目 5146筆、2日目 6624筆)
なお、連絡協議会メンバーである千葉の井上保孝・郁美さんご夫妻、高石さん、そして大分の佐藤悦子さんの4名は、署名活動の翌日(10月2日)、福岡市役所を訪ね、山崎広太郎市長はじめ、助役、収入役、ほか局長クラス計50人と懇談。
福岡市に今後推進していただきたい飲酒運転撲滅への具体策について、意見交換を行ったとのことです。

2006/8/26・27

「全国連絡協議会」が札幌三越前で合同の署名活動を行いました。

遠くは大分の佐藤さん、神奈川の祝部さん、東京の岩嵜さん、千葉の井上ご夫妻が駆けつけてくれました。札幌近郊からも拓那君の友人の方や遺族の方が参加。2日間の奮闘で1日目18名で1232筆2日目 25名で2128筆、計3460筆の署名が集められました。

懸命に訴える高石さんご家族(上)、井上さん(左下)
(写真提供 千葉の井上郁美さん)

2006/4/6

法務大臣に面会、追加の署名提出

江別の高石さん、大分の佐藤さん、東京の秦野さんなど「飲酒ひき逃げ事犯に厳罰を求める遺族・関係者全国連絡協議会」のメンバー8人は、4月6日、法務省に杉浦正健法務大臣を訪ね、約3万7千名分の署名を追加提出。「逃げ得」を許さない法改正を強く要請しました。(4/7道新報道
杉浦法相は「国会でとりあげる方法を考えたい」旨述べたとのことです。

2005/9/18・19

「全国連絡協議会」が大阪で合同の署名活動を行いました。高石さんご夫妻も駆けつけ、暑い中奮闘されました。なお、署名は、2日間で3865筆集められました。

2005/8/30

札幌で9回目となる街頭署名を三越前と大通りを中心に行い初めて署名に参加した青年を含め十数名が、暑い中必死に訴えました。協力いただいた署名は985筆にも達しました。署名はネット署名や郵送でも届けられており2005/9/5現在 71,632筆 (うち提出済50,911筆)です

2005/8/27

「飲酒・ひき逃げ事犯に厳罰を求める遺族・関係者全国連絡協議会」発足

「飲酒・ひき逃げ事犯に厳罰を求める遺族・関係者全国連絡協議会」が発足しました(訴え)
※署名用紙も若干改訂しました

2005/4/16,17

札幌で7・8回目の街頭署名を行いました。

拓那君の同級生など青年を中心に30人以上で駅前から大通り、三越前など中心街で訴えました。16日は好天にも恵まれ午前10時から夕方まで頑張り、3018筆。
17日はあいにく午後からみぞれ模様となり、途中で切り上げましたが、それでも702筆合計で3720筆もの署名を集めることができました。
大分県から駆けつけてくれた佐藤悦子さんは、息子さんの写真を胸に掛け、次から次へたくさんの人に声をかけ、何と400筆以上の署名を集めていただきました。
旭川からは山下さんご夫妻も駆けつけてくれました。ありがとうございました。お疲れ様でした。(2005/4/18)


札幌市内での署名。「絆」のTシャツは九州での活動に使用しているもの。(写真提供、大分の佐藤さん)

2005/4/4

2回目の法務大臣要請を行いました

2005年4月4日、千葉の井上保孝・郁美さんご夫妻の力添えもあり、大分の佐藤さん、東京の秦野敞子さんら6遺族とともに、北海道からの約1万5千筆の追加署名も携え、南野法務大臣に直接要請することができました。(大分佐藤さんのページ  関連記事→2005/4/5「朝日新聞」)
大臣に「この要望書は重く受け止める」と言っていただきましたが、国会への働きかけを力強く約束してくれた議員さんともお会いでき、今後に期待しています。
今回集約された署名数は97、931筆。一昨年提出分(北海道から約5万筆)と合わせると累計で148、842筆になります。今後もご協力下さい。
高石 弘・洋子
2005/4/6現在 65,461筆 (うち提出済50,911筆)です 

ご協力に感謝します。引き続きお願いします
同じ被害遺族である大分県の佐藤さんが、高石さんと連携して「署名」に取り組んでいます
ホームページ:「父と同じ道を歩んでいた・・・」をご覧下さい(2004/9)
佐藤さんは、04年9月18,19の両日、大分市で街頭署名を行い、約6000筆の協力を得、現在総計42000筆の署名を集約しているそうです。(2004/9/25)
拓那さんの卒業証書をご両親が受け取りました HBCニュース

2004/3/28

札幌で第6回目の街頭署名を行いました。冷たい風の中、30人の仲間が集まり、6時間声をからして訴え1729筆もの協力を得ました。

2004/3/27

札幌と岩見沢で第5回目の街頭署名を行いました。

10:00~17:00まで、寒風の中で訴え、札幌では約40人の参加で1374筆、岩見沢では7人で311筆の署名を得ました。(合計1685筆)参加したのは高石さんのご両親をはじめ、拓那さん(当時高校1年)の同級生の高校生が中心で、前回3月13日に続いての行動です。
若い人の奮闘に本当に励まされます。
★写真は札幌駅前で署名を訴える男子高校生

2004/3/13

札幌で第4回目の街頭署名を行いました。寒い中、30人の仲間が集まって、6時間頑張り1062筆の協力を得ました。

2004/1/27

輪禍死の後輩にささげる歌 
野幌高校の女子デュオ「WARMS」初CD「一番星」(歌詞あり)発売

現在も署名活動を行っていますが、特に「ウォームス」というデビューの決まった2人の女の子が、拓那のために作ってくれた歌とともに、全国ツアーで、署名を訴えてくれており、全国の高校生から今も送られてきています。
「一番星」というCDは、1月25日に発売されますので、メッセージソングを聞いて欲しいと思います
最後に、私たちは、実は人のためにとか格好良いものではなく、自分たちが息をしていくためにこの署名活動をしていることを言わなければなりません。どうか、これからも皆様のご協力をお願いします。(2004/1/6 高石 弘・洋子)

2003/12/27

そして一月後の2003/12/27 
国家公安委員会から12/22付けで、要請書に対する「回答」が届きました。

要点は「平成13年に道交法のひき逃げの罰則を改正しているので、その後の推移をみながら慎重に検討したい」というもので、「逃げ得」についての言及もなく、法改正を早急に始めるといった文面を期待していた私たちにしてみると、肩透かしされたように気持ちもあります。
しかし、5万人の署名の重みが返書につながったことも事実です。
運動はこれからと希望的観測もしています。

2003/11/27

野沢法務大臣への署名提出報告

11月27日、拓那の友人のお父さんの紹介で、突然、野沢法務大臣に直接署名を手渡す機会が訪れました。
急遽準備し、私たち夫婦と拓那の友人二人で、それまでに届いた5万筆の署名を持って上京。
東京で秦野さんと合流し野沢大臣と20分に及ぶ会見。
50911筆の署名と要請書を手渡しました。北海道新聞
大臣からは「遺族の気持ちを受け止め検討したい」旨の返答を受けました。

2003/9/14

第3回街頭署名活動の報告・・・40人で1900筆

9月14日、3回目の街頭署名活動が札幌市で行われました。
台風が過ぎた後の蒸し暑さの中、拓那さんの中学や高校の同級生などを中心に、のべ40人が参加。この日集められた署名は1900筆でした。

2003/8/30

第2回街頭署名活動の報告・・・札幌でも5000筆達成

8月30日、第2回目の街頭署名活動が札幌市の駅前通り5カ所の交差点で行われました。
拓那さんの中学や高校の同級生などを中心に、のべ70人が参加。午前10時から夕方6時まで続けられ、何と一日で5181筆を集めました。
この日の行動ではやくも1万筆を突破、運動は大きく広がりつつあります(前田)


  • 署名開始の打ち合わせ

  • 新装なった札幌駅前で署名は進む

  • 若い人の訴えに快く応じる人たち

  • TVも取材に入っていました

2003/8/17

みなさまには、大切な時間を割いていただき、また、用紙コピーなどのお手数、コピー代援助等賜りまして、大変感謝しております。
なにも解らないまま、手探りでこの運動を始めてしまい、たくさんの方に迷惑をかけ大変申し訳なく思っています。
現在、警察は、飲酒の罰則を強化し、違反者検挙に一生懸命ですが、同時にひき逃げに対し強化しなければ片手落ちだと言う事に気がついておりません。
このままではひき逃げを助長させ、ますます増えてしまうでしょう。
ひき逃げは、助かる命や、軽くすむ障害の芽をついばむばかりか、被害者の家族の心に対して、とても重いしこりを残します。
署名活動をしていて感じたことは、刑の軽さが知られていない事と、とてもたくさんの人が、賛同してくれることです。
みんなの刑に対する考えは、検察庁の中、裁判所の中とは、あまりに対象的です。
つきましては、全国規模で活動すべく同士、相談にのってくださる賢者を募っています。
勝手なお願いとは思いましたが、少しでも早く多くの人にわかってもらうために、どうかよろしくお願いします。(高石)

2003/8/16

「ひき逃げの法定刑厳罰化の法改正を求める」署名活動を協力いたします。

私の娘真弓も飲酒轢き逃げで死亡しました。
前回の法改正の署名活動の時も請願書に「轢き逃げは故意犯であり飲酒運転は、ハンドルを握った時点で未必の故意の殺人である。
逃げ得など決して許してはならない」と訴え、カリホルニアでは飲酒轢き逃げ死亡事故の場合は終身刑である。と実状を上げ提出したものです。
今回の署名活動は私が長年訴えてきたものです。微力ながら活動を共にしたいと思います。関東地区の世話人になってもいいです。
法務大臣に提出時は時間の許す限り同行します。
メッセージ展メンバーでも大坂の松田さん、千葉の谷口さん他、轢き逃げで悔しい思いをした方がおりいつか活動しようと約束していました。
今は興奮してまとまりませんが宜しくお願いします。
秦野 敞子 ホームページ「真弓の心の叫び

2003/8/16

反響は、江別はもとより、全国に広まっていることを感じております。
私のアドレスにもたくさんの、応援者のメールが来ています。
今日、こんなことがありました。
署名用紙が欲しいと連絡があり、公園に届けに行くと、そこは盆踊り会場で、夜店と夜店の間に長いテーブルがあってそこに署名用紙がたくさん張ってあるのです。脇に男の子がちょこんと座っているだけなのですが、署名をしようとしている人が、並んでいるのです。
なんと、知らないところでたくさんの人が動いてくれているのです。
また、こんなメールも来ました。
「いま、会社に、女の子が二人やってきて、署名をしてくれというので、しました。その後、よく読んでみると、メールせずにはいられなかった」というのです。
おどろいたのは、署名をして回っている子供たちがいるということです。指示しているわけではありません。子供たちの行動力には、感服しています。
近く、札幌で署名活動をする予定です。決まり次第連絡します。
現在、街頭署名活動と平行して署名用紙を置いてくれるところを探しています。サービスカウンターや、喫茶店など、色んなところに置かせてもらってます。
また、連絡します。では (高石)

2003/8/12

第1回街頭署名活動の報告…何と一日の行動で5000筆

8月12日第一回目の街頭署名活動が北海道江別市野幌のJR野幌駅、ポスフール、イトーヨーカドー、セリオの4カ所で一斉に行われました。
この日の行動には、高石さんご夫婦と、拓那さんの友人の高校生、そして、江別市のサークルのお兄さんお姉さんたち、総勢が50人が参加。午前10時から、午後7時まで懸命に訴えました。あらかじめ新聞やTVで報道されていたこともあり、市民の反応は大変良く、集まった署名は何と一日で5000筆に達しました。
なおこの模様はSTVの夕方のニュースに流されました。(前田)


  • 署名が行われた4カ所に設けられた看板(上は野幌駅)

  • 野幌駅で

  • 野幌ポスフール前

  • 野幌ポスフール前(中央が高石弘さん)

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「いのちのパネル」より
(※主催:「いのちのパネル」実行委員会/協力:北海道交通事故被害者の会、北海道共同募金会、(財)北海道交通安全協会)

☆一番星☆

高石 拓那  1986年 8月30日生まれ  当時16歳

平成15年2月12日、早朝、アルバイトの新聞配達へ向かう途中、飲酒運転のRV車にひき逃げされ亡くなりました。即死状態で、倒れている拓那の体には雪が降り積もっていました。

明るくて、優しくて、いたずらが好きで、でも、すごく照れ屋で、頑張り屋さん。どんどん背が伸びて「180cm超えた~」って言ってたね。顔も大人っぽくなってきていた。
中学からバレーボールが好きになったね。大好きな友達と練習するのが、楽しかったんだね。高校でもバレー頑張っていたね。拓那の「諦めない精神」今でも男子バレー部に受け継がれているよ。相変わらず部員少ないみたいだけどね。
拓那の友達が教えてくれたよ。悩みを相談した時、拓那の言葉で元気づけられたって。「1%の可能性しかなくても、僕は99%努力する。僕は諦めない。だから諦めちゃいけない」って、そう言ったんだってね。この話を聞いた拓那の先輩が歌を作ってくれたよ。

…♪あなた(拓那)がこの世に残した言葉、私の胸の中で強く生きていく力に変わったよ~…一番星…♪ 
(「ウォームス」・アルバム「一番星」より)

お母さんも、この歌を口ずさんで頑張っているよ!拓那はずうっと皆の「一番星」だよ!

拓那の事故が教えてくれた事は、とても重大な事だった。お酒を飲んで人を撥ねてその場から逃げるとアルコールの検知から逃れるだけじゃなく、証拠さえ無くすことができる。その場で助けた人より罪が軽くなる「逃げ得」がまかり通っているの。
お父さんと、お母さんは「逃げ得」の無い法律を作ってもらう為に今も訴え続けているよ。拓那を守ってあげられなかった事が一生の後悔だから、拓那に謝りながら頑張っている。そして、私達の願いは一つ、「交通事故死ゼロ!」だよねっ拓那!

2007年8月12日  拓那の母

WARMS(ウォームス)

野幌高校3年の宮口真衣さん(18)と押切妙さん(18)の同級生デュオ

アルバム「一番星」 作詞・作曲/まい
始まりがあればいつか終わりが来る
そんな事誰だって知っているのに
悲しみや喜びは日々絶えず繰り返す
いろんな人との出逢い別れ経験する

街中ですれ違う人たち
いろんなもの背負いながら生きてる
人はみないつか輝く星になる
だけどこの時を必死に生きている

手探りで探した生きてる意味を
希望や夢を抱きながら進んでく
人の優しさや支えられる程に
生きてく強さを知って歩き出してみたり

1日を一生懸命生きようってあなたが私に教えてくれた
人はみないつか輝く星になる
だけど笑いながら今を生きている

あなたがこの世に残した言葉
私の胸の中で強く生きていく力に変わったよ
一番星...

人はみないつか輝く星になる
だけど笑いながら今を生きている

今を生きて行こう
「生きてる証」(一番星インディーズレーベル」2004/1発売より)
演奏活動…2008年6月7日 「生命のメッセージ展in札幌」(札幌市エルプラザ)でのメッセージコンサートに友情出演。 「一番星」はじめ、新曲「生きてる証(あかし)」など演奏。

作詞・作曲/まい

あなたが居て
私がいきてる
それだけで
“生きている証”

誰かこの聲(こえ)聞こえていますか?
雑踏の渦に消されてないかな?
あなたも心に傷を負ってるの?
たまに見せるその哀しい顔…

『死にたい…』っていうコトバは『生きたい!!』っていう裏返し
人は皆孤独背負いながら
それでも必死に生きてるんでしょ??

あなたが居て
私がいきてる
それだけで
“生きている証”

強くなりたい…
強くなりたい…
上手くいきれないから

誰か私が今見えていますか??
私は今ココに立っていますあなたも心に傷を負ってるの??
無理して笑う顔つくらなくていいよ…

『死にたい…』っていうコトバは『生きたい!!』っていう裏返し
人は皆 認めてほしいからその日まで必死に生きてるんでしょ??

あなたが居て
私がいきてる
それだけで
“生きている証”

強くなりたい…
強くなりたい…
上手く生きれないから

『死にたい…』っていうコトバは『生きたい!!』っていう裏返し
人は皆迷いながら
それでも必死に生きてるんでしょ??

あなたが居て
私がいきてる
それだけで
“生きている証”

強くなりたい…
強くなりたい…
上手く生きれないから
WARMS(ウォームス)を取り上げた報道 2004/01/20 「北海道新聞」朝刊全道
野幌高の女子デュオ「WARMS」
輪禍死の後輩にささげる歌
27日にCD発売「同世代の人聞いて」

【江別】「一日を一生懸命生きようってあなたが私に教えてくれた」-。野幌高校3年の宮口真衣さん(18)と押切妙さん(18)の同級生デュオ「WARMS」(ウォームス)がインディーズレーベルから初のCD「一番星」を27日、発売する。「一番星」は昨年2月、江別市内でひき逃げされ、死亡した同高1年高石拓那君=当時(16)=に贈るオリジナル曲。一周忌を前に2人による鎮魂の歌声が響く。
高石君は自転車で新聞配達のアルバイトに向かう途中、乗用車にひき逃げされ亡くなった。
現在も高石君の自宅に同級生らが集まり、両親の弘さん(42)と洋子さん(41)を囲み、思い出を語り合っている。高石君と一緒に下校する仲だった二人も昨夏から通う。
初めて訪ねた時、弘さんから「歌がうまい先輩がいると(高石君が)自慢していた」と聞かされた。そこで両親から承諾を得て、昨秋に曲を作った。
静かなバラードの曲は「あなたがこの世に残した言葉 私の胸の中で強く生きていく力に変わったよ」など、懸命に生きる誓いが託されている。
札幌市内でのライブのほか、昨年十一月には川崎市で開かれた高校生音楽祭全国ライブ(実行委主催)にも道内予選で優勝して出場、「一番星」を歌い、その際に両親がひき逃げの厳罰化を求める署名運動をしていることも紹介。そのため、高石君の両親のもとに「『一番星』で知った」と署名に賛同する十代の声が神奈川県など全国から届く。弘さんは「十代ならではの方法で事故の悲惨さを伝えてくれてありがたい」。
二人は「特に同年代の人に聞いてもらいたい」と話す。CDは五曲収録で九百枚限定、税込み千円。道内の玉光堂などで扱う。問い合わせはウォームスの電子メールtianlong@livedoor.comへ。
【写真説明】札幌中心部の商業施設で歌う「WARMS」の宮口さん(右)と押切さん

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ひき逃げ署名関連記事

2012/1/10 「朝日新聞」北海道内版
飲酒ひき逃げ厳罰を 9年前に次男犠牲、高石さん活動

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2003/02/12 北海道新聞夕刊全道
新聞配達の高校生 ひき逃げされ死亡*江別

【江別】十二日午前四時五十分ごろ、江別市上江別四三七の市道に男性が倒れているのを、乗用車で通りかかった人が見つけ、江別署に届け出た。同署の調べで、男性は同市東野幌町、野幌高校一年高石拓那さん(16)と分かった。高石さんは全身を強く打っており、約一時間後に死亡した。同署はひき逃げ事件として捜査している。
高石さんはアルバイトで新聞配達を行っており、同署は自宅から自転車で新聞販売所に向かう途中、車にはねられたとみている。近くに後部が大破した販売所の自転車が倒れており、追突されたとみられる。
高石さんは昨年五月からアルバイトを始めた。販売所の近藤孝雄社長は「職場内ではあいさつをきちんと交わし、配達先からのクレームも無いなど、勤務態度もまじめだった」と話している。高石さんは野幌高ではバレーボール部に所属し、クラスでも人気者だった。

2003/02/13 北海道新聞夕刊全道
高1ひき逃げ 無職男を逮捕*江別

【江別】十二日未明、江別市内の市道で、同市東野幌町の高校一年生高石拓那さん(16)がひき逃げされ死亡した事件で、江別署は同日夜、業務上過失致死と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、無職○○容疑者(28)を緊急逮捕した。
調べによると、○○容疑者は同日午前四時五十分ごろ、RV(多目的レジャー車)を運転、江別市上江別四三七の市道で、自転車に乗り新聞配達のため販売店に向かう途中の高石さんをはねて死亡させ、そのまま逃走した疑い。
○○容疑者は「高石さんをはねた後、恐ろしくなって逃げた」と容疑を認めている。○○容疑者は江別市の友人宅から車で別の友人宅へ行く途中、車内のオーディオ機器の操作に気を取られ、高石さんの発見に遅れ、追突したと話しているという。同署員が、同市あけぼの町で前部を破損した○○容疑者のRVを発見、近くの友人宅に 戻った○○容疑者を逮捕した。

2003/02/14 北海道新聞朝刊地方
江別の高1 死亡交通事故*無謀運転の犠牲
朝刊配達前、はねられ バレー部再建が夢 「あんないい子が」

【江別】江別市上江別の市道で十二日早朝、アルバイト先の新聞販売店に向かう途中の野幌高校一年高石拓那(たくな)さん(16)がひき逃げされ死亡した事件で、江別署は同日夜、美唄市内の無職男を容疑者として逮捕した。同署の調べで事故当時の状況が分かってくるにつれ、関係者の間に怒りと悲しみがあらためて広まっている。
十二日午前四時五十分。現場から一キロほど離れた北海道新聞販売所の所員は、高石さんの携帯電話を鳴らした。「もうすぐ着きますから」。元気な声が返ってきた。雪が降り始めていた。車で通りかかった人が車道に倒れていた高石さんを見つけ、110番通報したのは十五分後。高石さんは市内の病院に運ばれたが、全身を強く打っており、間もなく死亡した。
現場はJR函館線に沿った片側一車線の直線道路。当時、高石さんが走っていた線路側車道の脇の歩道は除雪されておらず、凍った雪が山積み状態だった。調べでは、車道左端を自転車で走っている高石さんを後方から来た無職○○容疑者(28)のRV(多目的レジャー車)がはねた。
自転車を五十メートルもひきずった跡が残っており、かなりの速度が出ていたと見られる。○○容疑者は江別市内の友人宅で徹夜で遊び、別の友人宅に向かう途中。調べに対し、高石さんをはねた後、一度は現場に戻ったものの、恐ろしくなって逃げた、酒を飲んでいたなどと供述している。
「なんであんないい子がそんな無謀な車の犠牲にならなきゃいけないんだ」。野幌高で担任の坂井秋人教諭(41)は声を詰まらせる。高石さんの愛称は「拓ちゃん」。頼まれると嫌と言えない人柄で、クラスのムードメーカーだった。成績は優秀。「手に職を付けたいから調理師になる」と話していた。
中学校からバレーボールを続け、野幌高でもバレーボール部。部員不足で練習も満足にできない状態の部を一人支えた。放課後、体育館で黙々と練習に励んだ。家計を助けるためアルバイトを探したときに朝刊配達を選んだのは、放課後の練習時間を確保するためだ。
坂井教諭は運動神経抜群の高石さんを陸上部に誘ったことがある。「春には後輩が入ってくるから」。高石さんはそう笑った。バレーボール部を立て直すことを夢見て、春を待っていた。同級生は高石さんに贈る寄せ書きを始めた。高石さんが愛したバレーのボールと色紙に一人ずつ思い出と贈る言葉を書き込んだ。ひつぎに入れてもらうつもりだ。

2003/02/21 北海道新聞朝刊地方
<記者日記>ひき逃げには厳罰を

これは殺人だ。取材して、そう思った。
江別市内で十二日早朝、アルバイト先の北海道新聞販売所に自転車で向かう途中の野幌高一年高石拓那さん(16)がひき逃げされた事件だ。午前五時すぎに、車で通りかかった男性が路上に倒れていた高石さんを発見した時、まだ息があった。亡くなったのは病院に運ばれた後だ。全身を強く打っていたから、すぐに運ばれても助からなかったかもしれない。だが、犯人は高石さんを、雪の降る氷点下の路上に置き去りにした。高石さんに外傷はほとんどなかった。「助けなくては」とは思わなかったのか。
私たち記者が書いた記事を、高石さんは読者に届けてくれていた。その仕事に向かう途中、理不尽に命を奪われた。それを考えると心が痛む。
江別署の迅速な捜査で事件発生当日の夜、容疑者が逮捕された。ひき逃げの場合、目撃者がいないケースが多い。だが、科学的な調査で事実を明らかにし、加害者を厳罰に処してほしい。(玄)

2003/05/28 北海道新聞朝刊地方
拓那よ 父母はあきらめぬ

16歳をひき逃げ 命奪った被告に懲役2年10カ月
控訴要望書きょうにも提出
量刑に不満「厳罰を」飲酒立証ならず 危険運転不適用

【江別】江別市上江別の市道で二月、アルバイト先の新聞販売店に向かう途中の野幌高一年高石拓那(たくな)さん=当時(16)=がひき逃げされ死亡した事件で、業務上過失致死、道交法違反(ひき逃げ)の罪に問われた江別市内の○○被告(28)の判決公判が二十一日、札幌地裁であり、中桐圭一裁判官は○○被告に懲役二年十カ月(求刑懲役四年)を言い渡した。これに対し、高石君の両親は「刑が軽すぎる」として、控訴を求める要望書を二十八日にも札幌地検に提出する。
「こんなことって…」。傍聴席で判決を聞いた両親の弘さん(42)と洋子さん(41)は、ショックで次の言葉が出てこなかった。二男拓那さんの命を奪った被告が退廷するのをぼうぜんと見ていた。「警察も検察も『これは殺人だ』と言った。その結果がこの判決か。絶対納得できない」。弘さんは唇をかみしめる。

はねた後、放置

判決によると、○○被告は二月十二日午前四時五十分ごろ、乗用車を時速六十キロで運転中、カーステレオに入れるMDを選ぼうとして脇見運転し、道路左端を自転車で走っていた拓那さんをはね、死亡させた。○○被告は拓那さんをそのままにして逃亡。同日中に江別署に逮捕された。
○○被告の車には同乗者がいた。江別署などの捜査では、○○被告は友人たちと飲酒しながら遊び、同乗者宅に向かう途中だった。現場には自転車を五十メートルもひきずった跡が残り、かなりの速度が出ていたと見られる。

まるで「逃げ得」

過度の飲酒や無謀運転で人をはね死亡させた場合、危険運転致死罪(一年以上十五年以下の懲役)が適用される。これにひき逃げが加わると、最高刑は懲役二十年だ。一方、業務上過失致死罪でひき逃げの場合の最高刑は懲役七年六カ月。
高石さん夫婦は事件発生後、札幌地検の担当検事に「危険運転致死罪は適用できないのか」と聞いた。「不可能」との答えだった。事件発生直後に加害者の呼気を調査できなかったため酒酔い運転かどうかが立証できない、などの理由だった。
裁判で、同乗者は証言しなかった。判決文に「飲酒運転」の文字は盛られていない。「飲酒量も、はねた時点での速度も、被告の証言だけ。これじゃ『逃げ得』じゃないか」と弘さんは憤る。夫婦は北海道交通事故被害者の会(事務局・札幌)に相談し、《1》量刑不当による控訴《2》危険運転致死罪への訴因変更などを求める要望書を札幌地検に提出することを決めた。「事実を解き明かすには、唯一の目撃者である同乗者や被告と一緒に酒を飲んだ人たちの証言が不可欠だ」と訴える。

同級生の人気者

拓那さんは野幌高バレーボール部の所属。部員不足の部を一人で支え、今春の新入部員を待ち望んでいた。携帯電話を手に入れるためにバイトを始めたが、冬休みごろからはバレー部のボールとネット代の足しにするつもりでバイト代をためていた。朝刊配達を選んだのは放課後の練習時間を確保するためだ。
同級生たちに「拓ちゃん」と慕われた。四十九日の法要が営まれた四月一日、同級生の一人がこんな話を披露した。「悩みを相談したら『1%しか可能性がなくても、ぼくは99%努力する。絶対あきらめない』って。あの言葉が心に響いた」
弘さんは地検に提出する要望書を手にきっぱり言う。「一生をかけて、ひき逃げ殺人の厳罰化を実現する。私も絶対にあきらめない。そうでなくては、私たちと同じ悲劇が何度でも繰り返されてしまう」
【写真説明】友人とはしゃぐ生前の拓那さん=2001年12月、江別市内の友人宅

2003/05/28 読売新聞
2月の江別のひき逃げで遺族が地検に控訴求め上申書

北海道江別市で2月、道立高1年の高石拓那さん(当時16歳)がひき逃げされて死亡した事件で、高石さんの両親が28日、業務上過失致死と道交法違反(ひき逃げ)の罪に問われた美唄市○○、無職○○被告(28)に対し、札幌地裁が言い渡した懲役2年10月の判決は軽すぎるとして、札幌地検に控訴を求める上申書を提出した。
起訴状によると、○○被告は2月12日午前4時50分ごろ、江別市上江別の市道で乗用車を運転し、新聞配達のアルバイト先に向かっていた自転車の拓那さんをはねて死亡させ、そのまま逃げた。同地検は懲役4年を求刑、同地裁は今月21日に判決を出した。
拓那さんの父、高石弘さん(42)らは上申書で、○○被告が飲酒運転したと供述していたにもかかわらず、飲酒運転の罪が問われないのは「逃げ得」だとし、量刑不当による控訴とともに、より刑が重い危険運転致死罪に切り替えることなども求めている。弘さんは「検事から実質勝訴と言われたが、納得できない。逃げて飲酒が免じられるのは不平等だ」としている。

2003/07/29 北海道新聞朝刊地方
「ひき逃げ 量刑軽すぎる」遺族が説明求める 地検に要望書

江別市で二月、野幌高一年の高石拓那さん=当時(16)=がひき逃げされて死亡した事件で、拓那さんの両親が二十八日、札幌地検に対し、加害者の量刑について説明を求める要望書を提出した。提出したのは高石弘さん(42)と妻洋子さん(41)。二人は、札幌地裁が加害者の男性に言い渡した懲役二年十カ月の判決は軽すぎるとして、五月二十八日に札幌地検に控訴を求める上申書を提出したが、控訴されず刑が確定した。
この日の要望書は「これから法改正を求める運動をしていくために、検察庁としての考え方を知りたい。文書で回答してほしい」とする内容。高石さんは、拓那さんの同級生らと八月から道交法改正を求める署名活動を始める予定で「悪質なドライバーに『逃げ得』を許す現行法を改めなくては、飲酒ひき逃げはなくならない」と話している。

2003/08/06 北海道新聞朝刊地方
ひき逃げ死亡の野幌高生両親ら
罰則強化を求めて12日から署名活動

【江別市】江別市で二月、野幌高一年の高石拓那さん=当時(16)=がひき逃げされ死亡した事件で、拓那さんの両親と友人たちが、拓那さんの命日から半年となる十二日、道交法のひき逃げの罰則の強化を求める署名活動を始める。
署名活動を行うのは両親の高石弘さん(42)、妻洋子さん(42)と幼なじみら。高石さんは「ひき逃げは故意で悪質な行為。現行の法定刑(五年以下の懲役または五十万円以下の罰金)は軽すぎる」として、道交法改正を求めている。十二日は、高石さん夫婦と拓那さんの友人たち約二十人が、JR野幌駅前など江別市内四カ所で街頭署名を募る。さらにインターネットなどを通じて全国に署名を呼びかけ、今秋にも第一次分を取りまとめて法務大臣に提出する方針だ。
拓那さんは二月十二日早朝、自転車で新聞配達のアルバイトに向かう途中、乗用車にひき逃げされ死亡した。加害者は同日中に逮捕され、札幌地裁は五月、業務上過失致死と道交法違反(ひき逃げ)の罪で加害者に懲役二年十カ月を言い渡し、刑が確定した。
高石さん(42)は「拓那の犠牲を無駄にしないために、結果的に『逃げ得』を許した現行法を改正したい」と話している。
【写真説明】高石弘さん(左)と、署名活動に使う看板づくりに取り組む拓那さんの友人たち

2003年8月12日(火)STV「どさんこワイド212」
逃げ得許さない! 遺族らが署名活動

「逃げ得はもう許さない」。息子を奪われた両親とその友人が立ちあがりました。2003年2月、江別市で飲酒運転の車にひき逃げされ死亡した高校生の友人と両親が、罰則の強化を国に訴えようと街頭署名活動を始めました。市民の関心は予想以上でした。
16歳で命を奪われた高石拓那さんの月命日の12日、拓那さんの両親、そして拓那さんの友人だった市内4つの高校の生徒有志らが街頭に立ちました。飲酒ひき逃げの刑を重くするため、道行く市民に署名を求めたのです。
高石拓那さんが飲酒ひき逃げ事件の犠牲になったのは2003年2月です。自転車で新聞配達のアルバイトに向かう途中、江別市の路上でRV車にはねられ死亡しました。現場から逃げた男はおよそ10時間後に逮捕。男は飲酒運転を認めましたが、逃げている間に酔いが醒めたため、警察は飲酒運転の立証ができませんでした。この結果、男には量刑の重い危険運転致死罪の適用は見送られ、懲役2年10か月という判決が下されました。こうした判決が続けば、飲酒ひき逃げに対する逃げ得を助長させる。この思いから両親と友人らは、飲酒ひき逃げの刑を重くすること求める署名活動を行うことを決意しました。友人らは夏休みを利用し署名活動の準備作業を続けました。
(拓那さんの友人・工藤孝太さん)「1人でも多く署名してもらったらうれしいです」
12日の署名活動には多くの市民が足を止め、署名用紙に名前を書き込みました。反響は予想以上でした。
(友人)「頑張った結果がこれだけの署名を集めることができてうれしい」
(父・高石弘さん)「応援してくれる。みんな同じ気持なんだなと」
(母・高石洋子さん)「本当は助かっていたかもしれない人たちのためにも、拓那のためにも頑張らないといけない」
集まった署名は、早ければこの秋にも法務大臣宛てに提出される予定です。

2003/08/13 北海道新聞朝刊地方
「ひき逃げ犯重罪にして」両親、友人が署名開始
高石さん事件

【江別】江別で二月、ひき逃げ事件で命を奪われた野幌高一年の高石拓那さん=当時(16)=の両親と友人たちが十二日、道交法のひき逃げの罰則強化を求める街頭署名活動を江別市内で始めた。
両親と拓那さんの同級生、幼なじみ、市内の子ども会のメンバーら五十人が集まり、JR野幌駅や大型店前など四カ所で「ひき逃げを重罪に」などと書いた看板を掲げて署名を集めた。拓那さんは二月十二日早朝、自転車でアルバイトに向かう途中、乗用車にひき逃げされ亡くなった。札幌地裁は五月、業務上過失致死と道交法違反(ひき逃げ)の罪で加害者に懲役二年十カ月を言い渡し、刑が確定した。
大型店前で署名を募った拓那さんの友人の高橋哲自さん(17)、いとこの新山将司さん(17)は「法律を変える活動を続ける」と力を込める。
署名はインターネットなどを通じて全国に呼びかけ、今秋にも第一次分を取りまとめて法務大臣に提出する。

2003/08/31 北海道新聞朝刊全道
ひき逃げ罰則強化求め街頭署名活動
高石さん家族ら

江別で二月、野幌高一年の高石拓那さん=当時(16)=がひき逃げされ死亡した事件で、拓那さんの両親と友人たち五十人が三十日、JR札幌駅前で道交法のひき逃げの罰則強化を求める街頭署名活動を行った。
拓那さんは二月十二日早朝、自転車で新聞配達のアルバイトに向かう途中、乗用車にひき逃げされ亡くなった。札幌地裁が五月、業務上過失致死と道交法違反(ひき逃げ)の罪で加害者に懲役二年十カ月を言い渡し、刑が確定している。父弘さん(42)は「むごいひき逃げをなくすには、罰を重くし、重罪であることを多くの人々に知ってもらうことが必要」と協力を呼び掛けた。
署名は全国に呼び掛けており、十月末までに寄せられた分をまとめ、法務省に提出する。

2003年9月23日(火)「どさんこワイド212」
広がる支援の輪 飲酒ひき逃げ罰則強化訴え

飲酒運転の車にひき逃げされ、我が子が帰らぬ人となりました。ひき逃げ犯は捕まりましたが、逃げた方が罪が軽いという不可解な現実がありました。誰もが「なぜ?」と思いますが、こうした法律の矛盾が実際に存在します。
江別に住む高石さんです。2か月前から署名活動をはじめ、今、その集計に追われる日々が続いています。署名は飲酒ひき逃げの犯人に厳罰化を訴えるものです。道内だけでなく、全国各地からも多くの署名が集まりました。

(父・高石弘さん)「意味がないなんて絶対言わせない。気持ちがこもっているので」
署名だけではありません。高石さんを励ます手紙も数多く寄せられました。
(母・高石洋子さん)「驚くのは、全然知らない人から届くこと。少しでも役に立てばと」
高石さんの次男・拓那さんは野幌高校のバレーボール部員でした。少ない部費を補うため、新聞配達のアルバイトをしていました。しかし、2003年2月、新聞配達に向かう途中ひき逃げされ死亡しました。ひき逃げ犯はまもなく逮捕されましたが、当時、飲酒運転でした。飲酒など、正常ではない状態で死亡事故を起こした場合、危険運転致死罪という法律が適用されます。危険運転致死罪の最高刑は懲役15年、しかし、ひき逃げ犯に下ったのは懲役2年10か月の判決でした。逃げてから逮捕されるまでの間に酔いが醒めたため、危険運転致死罪が見送られたのです。
(洋子さん)「私がこの裁判で学んだことは、お酒を飲んで運転したら逃げた方が得ということ」
高石さんは週末、カー用品店や自動車販売店を廻っています。飲酒運転で事故を起こした場合、助けるより逃げた方が罪が軽くなる、こうした法律の矛盾を多くのドライバーに訴えるためです。
街頭署名には拓那さんの友人が大きな力となりました。同級生やバレーボール部員、さらに、市内の別の高校の生徒も加わりました。その訴えに多くの人が署名を寄せました。
(署名した人)「逃げた方が得なんて、ありえない」
(女性)「逃げ得だと思えばみんな逃げてしまうのでは」
実は、この法の矛盾に苦しむのは高石さんだけではありません。2003年3月、栃木県益子町で女子中学生2人がひき逃げされ、死亡しました。ひき逃げした男はゴルフに出かけて酒を飲み、帰宅途中に2人の命を奪ったのです。
(理恵さんの父・鈴木栄さん)「危険運転致死罪を使ってもらえると思っていた」
男は事件のおよそ6時間後に出頭し、危険運転致死罪で送検されました。しかし、宇都宮地検は危険運転致死罪の適用を見送りました。「ひき逃げ現場までは何事もなく運転していて、正常な運転が困難だったとはいえない」という理由でした。
(歩美さんの父・添谷修治さん)「それはないんじゃないかと」
2人の遺族は危険運転致死罪の適用を求め9万3000人余りの署名を地検に提出しました。しかし、一審で男に下された判決は5年6か月、遺族の願いは叶いませんでした。
(青野渉弁護士)「被害者の声からできた法律だから、検察はもう少し壁を越えて起訴してもいいのでは」
江別の高石さんもこの事件の行方に関心を寄せていました。
(高石弘さん)「絶対こんな判例を続けることがまずいと気づいてもらいたい」
高石さんは栃木の遺族の連絡先を調べ、電話をかけました。
(弘さん)「法改正の署名活動をしています」
(添谷さん)「できるだけ協力したいと思っているので、頑張って」
高石さんは栃木県の遺族の元へ署名用紙と手紙を送ることにしました。手紙には飲酒ひき逃げの矛盾を協力して訴えていきたいという思いをしたためました。
(洋子さん)「法改正の気持ちが同じだったら一緒に闘っていきませんかと、そういう気持ちです」
飲酒など悪質なドライバーを厳罰するため、2001年、制定された危険運転致死罪。しかし、その法律が逆に遺族を苦しめる結果を招いています。

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2003/11/28北海道新聞朝刊全道
ひき逃げの罰則強化へ 5万人署名、法相に 江別の高石さんら訴え

今年二月、江別市内で野幌高一年の高石拓那さん=当時(16)=がひき逃げされ、死亡した事件で、拓那さんの両親と二人の友人が二十七日、法務省を訪れ、ひき逃げの罰則強化を求める五万九百十一人分の署名を野沢太三法相に手渡した。
拓那さんは二月十二日早朝、自転車で新聞配達のアルバイトに向かう途中、乗用車にひき逃げされ亡くなった。札幌地裁は業務上過失致死と道交法違反(ひき逃げ)の罪で、加害者に懲役二年十カ月を言い渡し、刑が確定している。父の弘さんらは「非道なひき逃げをなくすために」と、夏から街頭などで署名を呼び掛けてきた。同日、弘さんは野沢法相に事故の経緯を説明するとともに罰則強化を強く求めた。これに対し、署名を受け取った野沢法相は「遺族の気持ちを受け止め検討したい」と述べた。
弘さんは「大臣が息子の事件を重く受け止めてくれ、罰則強化に真剣に取り組むと言ってくれた。今後も署名などの取り組みを続けたい」と話している。

2004/01/20  北海道新聞朝刊全道
野幌高の女子デュオ「WARMS」輪禍死の後輩にささげる歌 27日にCD発売「同世代の人聞いて」

【江別】「一日を一生懸命生きようってあなたが私に教えてくれた」-。野幌高校3年の宮口真衣さん(18)と押切妙さん(18)の同級生デュオ「WARMS」(ウォームス)がインディーズレーベルから初のCD「一番星」を27日、発売する。「一番星」は昨年2月、江別市内でひき逃げされ、死亡した同高1年高石拓那君=当時(16)=に贈るオリジナル曲。一周忌を前に2人による鎮魂の歌声が響く。
高石君は自転車で新聞配達のアルバイトに向かう途中、乗用車にひき逃げされ亡くなった。現在も高石君の自宅に同級生らが集まり、両親の弘さん(42)と洋子さん(41)を囲み、思い出を語り合っている。高石君と一緒に下校する仲だった二人も昨夏から通う。初めて訪ねた時、弘さんから「歌がうまい先輩がいると(高石君が)自慢していた」と聞かされた。そこで両親から承諾を得て、昨秋に曲を作った。静かなバラードの曲は「あなたがこの世に残した言葉 私の胸の中で強く生きていく力に変わったよ」など、懸命に生きる誓いが託されている。
札幌市内でのライブのほか、昨年十一月には川崎市で開かれた高校生音楽祭全国ライブ(実行委主催)にも道内予選で優勝して出場、「一番星」を歌い、その際に両親がひき逃げの厳罰化を求める署名運動をしていることも紹介。そのため、高石君の両親のもとに「『一番星』で知った」と署名に賛同する十代の声が神奈川県など全国から届く。弘さんは「十代ならではの方法で事故の悲惨さを伝えてくれてありがたい」。 二人は「特に同年代の人に聞いてもらいたい」と話す。CDは五曲収録で九百枚限定、税込み千円。道内の玉光堂などで扱う。問い合わせはウォームスの電子メールtianlong@livedoor.comへ。
【写真説明】札幌中心部の商業施設で歌う「WARMS」の宮口さん(右)と押切さん

2005/3/1 HBCテレビ「テレポート2000」
亡き息子・・・両親に卒業証書

江別の野幌高校の卒業式では、2年前ひき逃げ事件で亡くなった男子高校生の両親が、1日、息子の代わりに卒業証書を受け取りました。同級生たちの胸に、命の重みを刻んだもう一つの卒業式です。野幌高校の卒業式に、若者たちの晴れやかな顔が並びます。
その少年は、一人、母親に抱かれた額縁の中で、仲間の卒業式を見送りました。高石拓那さんは、高校1年生だった2年前の2月、アルバイト先の新聞配達に向かう途中、ひき逃げされ死亡しました。 バレーボール部に所属していた高石さんは、誰からも好かれる明るいスポーツマンでした。
ひき逃げした男は逮捕され、懲役2年10ヶ月の判決をうけます。命の代償の軽さに、高石さんの両親は打ちひしがれ、ひき逃げという罪に対しより厳格な処罰を求める署名運動を始めました。そんな両親の活動や思いを支えていたのは、高石さんの学校の同級生たちでした。事故のあと、友達の一人は、ずっと高石さんの制服を着て学校生活を過ごし、1日の卒業式も一緒に迎えました。
高石さんの両親も、壇上で卒業証書を受け取りました。高石さんを一緒に卒業させてあげたいという学校の計らいでした。失われた仲間の命とどう向き合い、何を考えるか。
重いメッセージを胸に、若者たちは、きょう学び舎を後にします。

2005年4月5日 朝日新聞
「ひき逃げの厳罰化を」 9万8千人署名 遺族ら要望書

酒や薬物を飲んで起こした交通死亡事故を厳しく罰する危険運転致死傷罪の成立後、現場から逃げて飲酒などの立証を困難にし、同罪の適用を免れる例が生じているとして、ひき逃げ事故の遺族らが4日、ひき逃げ犯の厳罰化を求める要望書を南野法相に提出した。約9万8千人の署名を示し「ひき逃げによってかえって罪が軽くなる矛盾が生じている」と訴え、関連法の改正を求めた。法相は「検討させていただく」と述べたという。
要望書を提出したのは、泥酔した運転手のトラックに追突されて3歳と1歳の2人の娘を亡くした井上保孝さんと妻郁美さんら全国の6遺族。遺族らの活動が元になり、01年に危険運転致死傷罪が成立した。酒や薬物を飲んで車を運転して人を死なせた場合は最高20年の懲役が科される。
しかし、加害者が現場から逃げ、同罪の適用を免れて刑が軽くなる例があるという。業務上過失致死とひき逃げの罪を併合しても最高で懲役7年に6カ月にとどまる。03年にひき逃げ事故で当時16歳だった息子の拓那さんを失った高石弘さんと妻の洋子さんは「悪質なドライバーの逃げ得を許す法を改めなければ、ひき逃げ犯はなくならない」と訴えた。

2005年5月5日 北海道新聞
二男奪ったひき逃げ許さない 厳罰化署名15万人に
江別・高石さん夫妻 「逃げ得の現行法改正を」

【江別】ひき逃げで二男を失った江別市の会社役員高石弘さん(43)と妻洋子さん(43)らがひき逃げの厳罰化を求め、二○○三年八月から集めていた署名がこのほど、十五万人を突破した。五日の「こどもの日」が来るたびに、二男の大好きな卵焼きの入った弁当を持ち、家族で行楽地に出掛けたときのことを思い出すという二人。「『逃げ得』を許す現行法の改正が実現するまで、活動を続ける」と、二男への思いを新たにしている。
四月十六日、札幌市中央区の駅前通。二人と二男の友人ら約二十人が数カ所に分かれて街頭に立ち、訴えた。「ひき逃げの刑は軽すぎます」。署名は朝から夕方までに約三千人に達し、総数は署名開始から一年九カ月で十五万人を超えた。
二人の訴えは明快だ。
過度の飲酒や無謀運転による事故は危険運転致死傷罪が適用され、最高で懲役二十年の厳罰が科せられる。しかし、逃げると、事故当時の呼気中のアルコール濃度を調べることができないため、飲酒運転を立証できず、業務上過失致死傷罪が適用され、道交法違反(ひき逃げ)を合わせても、最高で懲役七年六カ月にしかならない。
現行法は明らかに「逃げ得」を許しており、改正が必要という主張だ。
高石さんの二男で野幌高一年だった拓那さん=当時(16)=は○三年二月十二日朝、自転車でアルバイト先の新聞販売店に向かう途中、無職男のRVにひき逃げされ、死亡した。拓那さんの自転車は五十メートルも引きずられ、捜査した警察官は弘さんに「これは殺人だ」と言ったという。
男は同日夜、逮捕され、「酒を飲んでいたので、怖くなって逃げた」と供述した。しかし、飲酒運転は立証できず、札幌地検は男を業務上過失致死と道交法違反の罪で起訴。札幌地裁は同年五月、男に懲役二年十カ月を言い渡した。
二人が納得できないまま、刑は確定した。「逃げ得を許さないためには法改正しかない」。拓那さんの死からちょうど半年後の八月十二日、二人は江別市内の街頭で署名活動を始めた。  街頭に立ったのは二人と、拓那さんの同級生ら。男の刑に納得できないのは、友人らも同じだった。
インターネットなどを通じた呼び掛けにも、予想以上の反響があった。見ず知らずの市内の男性は、自主的に地域の盆踊りで署名を集めてくれた。札幌の高校生は、学校単位で署名をまとめてくれた。三カ月で五万人の署名が集まり、第一次分として当時の法相に提出した。
二人は四月四日、全国のひき逃げ事件の被害者の遺族八人とともに南野知恵子法相と面会した。九万七千人の署名を手に訴える二人に、南野法相は「重く受けとめます」とうなずいたという。「ひき逃げという卑劣な行為をなくすため、あきらめない」と弘さん。洋子さんは「拓那の悲劇を繰り返さないために、法改正が必要なんです」と話す。
洋子さんは拓那さんが死んでから、つらくて卵焼きをうまく作れなくなったという。
【写真説明】拓那さんの遺影を前に、ひき逃げの厳罰化に向けた思いを語る高石弘さん(右)と洋子さん

2005年6月24日 北海道新聞
飲酒ひき逃げ、どうして止めぬ 同乗者にも賠償請求 江別の遺族きょう提訴

二○○三年二月、江別市内で野幌高校一年の高石拓那さん=当時(16)=がひき逃げされ、死亡した事件で、同市内に住む拓那さんの両親が二十四日、拓那さんをRVでひき逃げした男性(服役中)と、同乗していた市内の女性を相手取り、計九千七百万円の損害賠償を求める訴えを札幌地裁に起こす。代理人の弁護士によると、交通事故の民事訴訟で運転者だけでなく、同乗者を訴えるのは「調べた限り、全国初」という。
同乗者も訴えることについて、拓那さんの両親は「事故後、携帯電話を持っていた同乗者がなぜ、通報してくれなかったのか。逃げたことについて同乗者の責任も明確にしたい」と話している。
訴状によると、男性は○三年二月十二日未明、女性とRVで札幌市内のパブに行き、一緒に飲酒。帰りに女性を自宅まで送るため、RVを飲酒運転し、同日午前四時五十分ごろ、江別市内の市道でアルバイト先の新聞配達店へ自転車で向かっていた拓那さんをひき、死亡させた。二人は拓那さんの救護や通報などの措置をとらず、そのまま立ち去った。
訴状は、女性が男性の飲酒を止めず、自宅まで送ってもらうために男性に運転させたことから、単なる同乗者ではなく、道路交通法上、事故の際の救護などの義務がある「乗務員」に該当すると指摘。それにもかかわらず、持っていた携帯電話で通報するなどの措置を怠った、などとしている。
この事件で、男性は業務上過失致死と道交法違反(ひき逃げ)の罪で懲役二年十カ月の判決を受け、服役している。
拓那さんの母親の洋子さん(43)は「同乗者からは、いまだに謝罪の言葉がない。なぜ、運転者に『逃げないで』と言ってくれなかったのか。なぜ、倒れている拓那を放置したのか。同乗者にその罪の大きさと、自分の責任を自覚してほしかった」と話している。
代理人の青野渉弁護士(札幌)は「単なる賠償請求ではなく、うやむやになっている同乗者の責任をはっきりさせるのが最大の目的」と話している。

2005年9月20日 毎日新聞 
悪質交通事故:厳罰化へ署名3865人
遺族ら街頭で呼びかけ--中央区 /大阪

「飲酒・ひき逃げ事犯に厳罰を求める遺族・関係者全国連絡協議会」は18、19の両日、中央区の高島屋前で署名活動を行い、3865人分の署名を集めた。
同会は今年7月、北海道や大分県など全国の交通事故遺族が中心となって発足。同会によると、飲酒運転で事故を起こした運転手がアルコールが抜けた後に出頭して検挙されると、飲酒事実の証拠がなくなるため、業務上過失致死傷罪より刑罰が重い危険運転致死傷罪の適用を逃れる悪質事案が後をたたないという。
99年に東名高速で泥酔運転の大型トラックに追突され娘2人を亡くした同会幹事、井上郁美さん(36)=千葉市=は「逃げ得を許さない制度が事故抑制につながるはず。飲酒運転の犠牲者をこれ以上出さないために、多くの人に署名に協力してほしい」と話す。今後も署名活動を続け、年内に法相に届ける予定。連絡先は同会幹事の井上さん(043・276・4162)。【江畑佳明】

2006/04/07  北海道新聞夕刊
飲酒ひき逃げ 厳罰化を要望 法相に遺族団体

飲酒運転によるひき逃げの厳罰化を求め、全国で署名活動などを展開している「遺族・関係者全国連絡協議会」は六日、法務省を訪れ、罰則強化を求める三万七千人余りの署名を杉浦正健法相に手渡した。同会は、二○○三年二月に江別市内で起きたひき逃げ事件で死亡した野幌高一年、高石拓那さんの両親らが共同代表となり、昨年七月に発足。高石さんの両親を中心に全国で署名活動を展開、すでに計十四万人の署名を歴代法相に提出している。
この日は高石さんの母洋子さんら八人が法務省を訪れ、杉浦法相と面談。飲酒運転してひき逃げすると、「飲酒」の立証が難しく、結果的に「逃げ得」を許している現状を説明。杉浦法相は「国会で取り上げる方法を考えたい」と述べたという。

2006/05/29  北海道新聞夕刊
同乗者の賠償認めず 札幌地裁「事故は目撃せず」江別ひき逃げ 

二○○三年二月、江別市内で野幌高一年の高石拓那さん=当時(16)=がひき逃げされ、死亡した事件で、拓那さんの両親が、RVを飲酒運転して拓那さんをひき逃げした男性と、同乗していた同市内の女性の二人に計九千七百万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が二十九日、札幌地裁であった。
宮島文邦裁判官は、運転していた男性に約八千二百万円の支払いを命じる一方、同乗女性に対する請求は棄却した。
判決理由で宮島裁判官は「事故発生時に女性は寝ており、事故を目撃していなかったと認められ、女性が故意に救護義務を怠ったとは認めがたい」と述べた。
訴えによると、男性は○三年二月十二日午前四時五十分ごろ、江別市内の市道でアルバイト先の新聞配達店へ自転車で向かっていた拓那さんをひき、死亡させた。二人は救護や通報などの措置をとらず、そのまま立ち去った。二人は札幌市内のパブで飲酒し、その後女性宅へ向かう途中だった。
訴えに対し、男性側はひき逃げに対する責任は認めたうえ賠償額で争い、同乗女性側は請求棄却を求めていた。

2006/06/06 北海道新聞
「同乗者の責任追及」死亡高1の両親控訴 江別・飲酒ひき逃げ

二○○三年二月、江別市で起きた飲酒ひき逃げ事故で、死亡した野幌高一年の高石拓那さん=当時(16)=の両親が、拓那さんをはねたRVの男性と同乗の女性に計九千七百万円の損害賠償を求めた訴訟で、高石さんの両親は五日、同乗者への請求を棄却した一審札幌地裁判決を不服とし、札幌高裁に控訴した。五月二十九日の札幌地裁判決は、同乗者への請求は棄却したが、男性には約八千二百万円の支払いを命じた。控訴について代理人の青野渉弁護士は「一審判決は男性の前方不注視を事故原因とし、飲酒の影響を過小評価している。二審でも飲酒運転と事故との因果関係や同乗者の責任を追及したい」と話している。

2006/8/27 北海道新聞(札幌圏版)
悲劇繰り返すな 飲酒ひき逃げ厳罰化求め 江別の高石さんら署名活動

ひき逃げで二男を失った江別市の会社役員高石弘さん(四五)と妻の洋子さん(四四)らが二十六日、札幌市中央区の駅前通で、飲酒運転によるひき逃げの厳罰化を求める署名行動を行った。父の弘さんは「悲劇を繰り返さないためにも法改正は必要。残された遺族の心のケアについても皆で考えてほしい」と訴えた。高石さんは三年前、江別市内で二男の拓那さん=当時(一六)=をひき逃げ事件で失った。生きていれば今年で二十歳。署名活動には高石さんの両親が共同代表を務める「遺族・関係者全国連絡協議会」の会員や拓那さんの友人らも参加。「ひき逃げを重罪に」などと書かれた看板を掲げて署名を集めた。高石さんらは来年春に法務省を訪れ、今回集めた署名を法相に手渡しすることにしている。署名活動は二十七日も実施する(天羽司)

2006/9/23 読売新聞
特集「なくせ飲酒運転 遺族の叫び4」【PDF】

高1の冬路面置き去り
常習者5年で「復権」免許何度でも再取得

2006/10/1 北海道新聞
力込め 逃げ得ノー
飲酒運転事故でつらい思い… 署名活動3年・江別の高石さん 福岡で「厳罰化を」訴え

飲酒運転の車に追突され、幼児三人が犠牲になる事故があった福岡市で三十日、飲酒運転によるひき逃げの厳罰化を求める署名活動が行われた。その中に、飲酒ひき逃げで息子を亡くした江別市東野幌町の主婦高石洋子さん(44)の姿があった。「飲酒運転の逃げ得は許さない」と訴え続けて三年。飲酒運転に向ける社会の目が厳しさを増す中、「今こそ『ひき逃げ罪』の創設を」と拡声器を手に協力を呼び掛けた。
「こんなつらい思いをするのは、私たちだけにしたい。だから福岡に来ました」。福岡市中央区の西鉄福岡駅前。署名活動には、高石さんを含む全国の飲酒運転事故被害者の遺族ら約二十人が参加した。
二○○三年二月十二日の早朝、高石さんの二男、拓那さん=当時(16)=は自転車でアルバイト先の新聞販売店に向かう途中、飲酒運転のRVにひき逃げされ死亡した。半日後に逮捕されたドライバーは飲酒を認めたが、事故直後の呼気がわからないため酒酔い運転を立証できなかった。このため、著しい飲酒運転などによる事故に適用され、最高で懲役十五年(現在は二十年)が科される危険運転致死罪には問えず、業務上過失致死と道交法違反(ひき逃げ)の罪による懲役二年十カ月の刑となった。
危険運転致死傷罪が二○○一年に新設されてから、飲酒運転の発覚で厳罰が下されることを恐れ、現場から逃走するひき逃げが全国で増加。「逃げた方が、なぜ罪が軽くなるのか」。拓那さんの死から半年後、高石さんは夫の弘さん(45)と一緒に、飲酒ひき逃げの厳罰化を訴えて、札幌や江別市内で署名集めを開始した。昨年からは東京、神奈川など活動の場を道外にも拡大。これまでに集めた署名は約十九万人分に上り、三回に分け、法務大臣に提出している。
福岡での事故をきっかけに、警察庁もひき逃げについて道交法の法定刑を引き上げる方向で検討を始めた。遺族らの主張がようやく現実味を帯びてきた形だが、高石さんは「誰もがひき逃げは犯罪だと思っている。それなら法定刑を引き上げるよりも、刑法に『ひき逃げ罪』を作って、犯罪であることを国が示すべきだ」と強調する。三十日の署名活動には五千百四十六人が応じてくれた。「驚くほど集まった」と高石さん。署名を呼び掛けていて、元気だったころの拓那さんをふと思い出したという。「法律が変わるまで闘いは終わりません」。一日も福岡で活動を続ける。
<写真:幼い子供3人が犠牲になる事故があった福岡市で、署名を呼び掛ける高石洋子さん>

2006/12/28, 北海道新聞夕刊
「酒酔い」は最高懲役5年/アルコール提供にも懲役
飲酒運転を厳罰化
警察庁が道交法改正試案

酒酔い運転などによる重大事故の続発を受け、警察庁は二十八日、飲酒運転の厳罰化などを盛り込んだ道路交通法改正試案を公表した。飲酒運転そのものの罰則を強化するほか、飲酒運転の恐れのある人への車や酒類の提供、飲酒運転の車への同乗などの行為に対しても罰則規定を設ける。国民に意見を求めて検討を加え、来年の通常国会に改正案を提出する。(関連記事17面に)
試案によると、酒酔い運転(アルコールの影響で正常な運転ができない恐れがある状態)の罰則を現行の「三年以下の懲役または五十万円以下の罰金」から「五年以下の懲役または百万円以下の罰金」に、酒気帯び運転(呼気一リットル中のアルコール濃度が○・一五ミリグラム以上)についても「一年以下の懲役または三十万円以下の罰金」から「三年以下の懲役または五十万円以下の罰金」に引き上げる。
飲酒運転の恐れのある人への車や酒類の提供については、現在、刑法のほう助罪を適用して立件しているが、量刑は正犯の二分の一のため、大半は罰金で済んでいた。試案では車や酒類の提供者に、飲酒運転のドライバーと同等の罰則を科す。
また、飲酒運転を知りながら同乗することも禁止する。従来は積極的な運転依頼などがない場合はほう助罪の適用が難しかったが、試案では懲役を含めた罰則を設ける。飲酒運転の発覚を恐れて事故現場から逃走するケースが指摘されているひき逃げについては、現行の「五年以下の懲役または五十万円以下の罰金」から「十年以下の懲役または百万円以下の罰金」に罰則を強化する。
さらに、酒酔い運転で死亡事故を起こすなど悪質な違反で免許を取り消された場合、新たに免許を受けられない欠格期間を従来の最長五年から十年にする。飲酒運転の罰則強化は二○○一年以来。同庁は「前回の厳罰化で事故そのものは減ってきているが、悪質な運転、行為は後を絶たず、対策が必要となった」としている。このほか、試案には、七十五歳以上の高齢者を対象にした認知機能検査導入や、後部座席のシートベルトの着用義務付けなども盛り込んだ。

*道交法の飲酒運転の罰則

●現行

酒酔い運転   3年以下の懲役または50万円以下の罰金
酒気帯び運転  1年以下の懲役または30万円以下の罰金
酒類、車両提供 なし(刑法のほう助罪などを適用)
同乗      なし(積極的な助長行為は刑法のほう助罪などを適用)
ひき逃げ    5年以下の懲役または50万円以下の罰金

●改正試案

酒酔い運転   5年以下の懲役または100万円以下の罰金
酒気帯び運転  3年以下の懲役または50万円以下の罰金
酒類、車両提供
・酒酔い運転  5年以下の懲役または100万円以下の罰金
・酒気帯び運転 3年以下の懲役または50万円以下の罰金
同乗
・酒酔い運転  3年以下の懲役または50万円以下の罰金
・酒気帯び運転 2年以下の懲役または30万円以下の罰金
ひき逃げ    10年以下の懲役または100万円以下の罰金

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2006/12/28, 北海道新聞夕刊
道交法改正試案「逃げ得対策強化を」飲酒運転事故の遺族
予防の重要性も強調

「厳罰化は一歩前進だが、飲酒運転の根絶にはアルコール依存症や『逃げ得』させないための対策が必要」。交通事故の遺族らは、道交法改正での罰則強化を評価する一方、批判が高まる中でも飲酒運転をやめない悪質ドライバーらの対策強化を訴えている。
二○○三年二月に当時十六歳の二男を飲酒運転によるひき逃げで失った江別市の高石洋子さん(44)は、厳罰化を求め続けても鈍かった国の対応を思い出した。「それを思えば、よくここまで引き上げたと思う。でも、もっと早ければ(幼児三人が死んだ)今年八月の福岡の追突事故も起きなかったかもしれない」と語る。
事故後の○三年八月に始めた、飲酒・ひき逃げの厳罰化を求める署名活動は三十万人が集まった。「飲酒を隠すために逃げたり、酒や水を飲んだりの逃げ得を許さないためにも、道交法の改正だけではなく新たな法律の制定を急ぐべきだ」と法整備の拡充を求めた。
一九九五年に千歳市内で前方不注意のワゴン車にはねられ、当時十七歳の長女千尋(ちひろ)さんを失った北海道交通事故被害者の会代表の前田敏章さん(57)=札幌市西区=も「福岡県で起きた飲酒運転による死亡交通事故を受け、比較的早い対応だった」と評価する。一方で、「最高懲役が二十年の危険運転致死罪との格差は残る。飲酒運転事故の『逃げ得』をなくすため、罰則は上限だけでなく、下限も引き上げるべきだ」と話す。また、前田さんは「飲酒運転を続ける人は確信犯。一度摘発された人の車には、アルコールを検知すると車が発進できない装置を搭載させるなどの対策が必要」と事故の予防策の重要性を強調する。
九月に埼玉県で保育園児らの列にライトバンが突っ込み四人が死亡、十七人が重軽傷を負った事故で、運転手が業務上過失致死傷罪(最高懲役五年)で起訴されたことに触れ、「危険運転致死傷罪の適用上の不備についても見直しを進めるべきだ」と話した

*シートベルト後部座席も義務

警察庁は二十八日公表した道交法改正試案に、自動車の後部座席のシートベルト着用を義務付けることも盛り込んだ。高速道路で違反した場合、ドライバーに行政処分の点数一点を付加する。  昨年一年間に起きた交通事故で、後部座席のシートベルトを着用していなかった人の致死率は着用していた人の約四倍に上っている。
しかし現行法では、着用は努力義務にとどまっており着用率は低い。警察庁と日本自動車連盟が十月に実施した調査では、一般道での着用率は運転席が93・8%、助手席が83・4%だったのに対し、後部座席はわずか7・5%だった。警察庁は二○一○年までに後部座席の着用率を50%以上にするとの目標を掲げており、義務化に踏み切った。違反点数の付加は、当面は被害軽減効果が大きい高速道路を対象にし、効果を見ながら一般道への適用拡大も検討する。

北海道新聞 2007/01/27
江別ひき逃げ 同乗者にも救護義務 札幌高裁、初の認定

二○○三年二月、江別市でひき逃げされ死亡した高石拓那さん=当時(16)=の両親が、飲酒運転して拓那さんをはねた男性と同乗の女性に、計八千四百万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が二十六日、札幌高裁であった。末永進裁判長は「事故後すぐに救護措置を取らなかった責任は同乗者にもある」として、男性にのみ賠償を命じた一審判決を変更し、男性に七千九百万円、女性にも慰謝料など三百三十万円を男性と連帯して支払うよう命じた。原告代理人によると、飲酒運転について同乗者の責任を認めた判決はあるが、ひき逃げを起こした車の同乗者に救護義務を認めた判決は全国で初めて。
判決によると、男性は○三年二月、女性と札幌市内のパブで飲酒し、女性を車で自宅へ送る途中、江別市の市道で、アルバイト先に自転車で向かっていた拓那さんをはね、死亡させた。二人は拓那さんの救護措置を取らずに現場を立ち去った。
女性は「事故が起きるまで寝ており、その後男性から『人をひいた』と聞いて現場に戻った。自転車は見たが、被害者には気付かなかった」などと主張。一審の札幌地裁判決は女性の主張を認め、男性にのみ賠償を命じた。
これに対し、高裁判決は《1》事故直後に現場に戻った際、男性は車内から拓那さんを見ている《2》再び現場から逃げる途中、女性は「戻った方が良い」と進言している-ことなどから「女性の『被害者に気付かなかった』という供述は信用できない」と認定。その上で「被害者は即死状態だったが、二人が救護せず拓那さんが放置されたことで、両親は精神的苦痛を受けた」とした。
道路交通法では一般の同乗者に救護義務はないが、高裁判決は今回のケースでは「条理上の救護義務が発生する」としている。
拓那さんの両親は、男性と一緒に飲酒していた女性には事故を起こした責任もあると主張したが、判決は「飲酒が事故の原因とはいえない」として退けた。
判決後、拓那さんの父親の弘さん(45)は「同乗者にも責任があり、『逃げ得』は許されないことが認められた」と話した。

毎日新聞 2007/1/27
ひき逃げ、同乗者にも救護義務認定 札幌高裁

北海道江別市内で03年2月、道立高校1年、高石拓那(たくな)さん(当時16歳)がひき逃げされ死亡した事故で、車を運転していた男性(32)と同乗の女性(32)に対し、拓那さんの両親が約8400万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が26日、札幌高裁であった。末永進裁判長は、女性の責任を認めなかった1審判決を変更し、「女性にも被害者を救護すべき義務があった」と認定。1審が男性に命じた約8200万円の賠償額のうち、ひき逃げの慰謝料330万円を女性も連帯して支払うよう命じた。
道路交通法は一般の同乗者には救護義務を規定しておらず、原告代理人で交通事故訴訟に詳しい青野渉弁護士は「同乗者の義務を認めたのは画期的」と評価した。
判決によると、男性らは札幌市内で飲酒した後の03年2月12日未明、レジャー用多目的車(RV)で走行中、自転車で新聞配達に向かう途中の拓那さんをはね、救護せずに逃走した。
拓那さんの両親は「女性は飲酒運転を助長し、事故後には救護しなかった」と主張。末永裁判長は「事故はわき見が原因」として飲酒との因果関係は認めなかったが、事故後については「道交法に規定がなくても、女性には道理上の救護義務があった」と判断した。
刑事裁判では男性のみが業務上過失致死と道交法違反(ひき逃げ)の罪に問われ、懲役2年10月の1審判決が確定した。
拓那さんの父弘さん(45)と母洋子さん(44)は「事故後、パニック状態の運転者に『助けよう』と助言できるのは同乗者しかいない。ひき逃げは同乗者にも責任があると認めてもらい、拓那に報告できる」と涙を浮かべて話した。2人は27、28の両日、飲酒ひき逃げ事故の厳罰化を求め、全国の遺族仲間と東京・上野駅前で署名活動を行うという。【真野森作】

2007/03/02, 北海道新聞夕刊
飲酒、ひき逃げ厳罰化
道交法改正案を閣議決定

飲酒運転の刑罰引き上げを柱に、車両、酒類の提供者や同乗者の罰則を新設した道交法改正案が二日、閣議決定された。飲酒運転に絡む道交法改正は二○○一年以来。ほかに自転車の歩道走行の一部解禁や後部座席シートベルトの着用義務化、高齢ドライバーを対象にした認知機能検査の導入なども盛り込んだ。
政府は今国会に改正案を提出し、飲酒運転に関する規定は公布から三カ月以内の今年秋までに、そのほかは公布一-二年後の施行を目指す。改正案は、酒酔い運転の刑罰を現行法の「三年以下の懲役または五十万円以下の罰金」から「五年、百万円」に引き上げ、酒気帯び運転も「一年、三十万円」を「三年、五十万円」とした。
飲酒運転のドライバーに車や酒を提供した場合の罰則を新設。車両提供はドライバーと同じ刑罰に、酒類提供は酒酔い運転の場合「三年、五十万円」、酒気帯びは「二年、三十万円」とした。
飲酒運転の容認につながるため「同乗罪」も新設。同乗者が車に乗せるよう要求、依頼していれば摘発対象で、酒酔い運転の同乗は「三年、五十万円」、酒気帯びは「二年、三十万円」。
ひき逃げも「五年、五十万円」から「十年、百万円」に厳罰化。飲酒ひき逃げの場合、併合罪の上限は現行の懲役七年六カ月が同十五年となる。

*道交法改正案の骨子
・酒酔い運転の刑罰は「5年以下の懲役、100万円以下の罰金」に、酒気帯びは「3年、50万円」に引き上げ
・飲酒運転への車両提供はドライバーと同じ刑罰に。酒類提供は酒酔い「3年、50万円」、酒気帯び「2年、30万」
・飲酒運転の車に要求、依頼して乗せてもらう「同乗罪」を新設
・ひき逃げの刑罰を「10年、100万円」に引き上げ
・後部座席シートベルト着用を義務付け
・子供が運転する場合など自転車の歩道走行を一部容認

2007/04/13,「北海道新聞」
飲酒・ひき逃げに厳罰を 息子失い 江別の母、国会で訴え

飲酒運転によるひき逃げで息子を失った高石洋子さん(45)=江別市=が12日、道路交通法の改正案を審議している参院内閣委員会に参考人として出席、「悪質なドライバーに逃げ得を許す現行法を改め、厳罰化を進めなければ飲酒運転やひき逃げ事件はなくならない」と訴えた。
「飲酒・ひき逃げ事犯に厳罰を求める遺族・関係者全国連絡協議会」共同代表でもある高石さんは、16歳の二男を亡くした4年前の事件を振り返り「息子をひいて逃げた犯人の行為は人間として一番大切なものが欠落している。ところが、犯人を裁く法律は犯人のあしき心よりもっと不完全だった」と、現行の道交法の不備を指摘した。
その上で「息子の死を無駄にしたくない気持ちと、こんな苦しみを誰にもさせたくない思いから、逃げ得とならないために飲酒運転やひき逃げに厳罰を下すよう、刑法を含む関連法の改正を求める」と要望した。
新聞記事スクラップ

2007/04/12  STV
遺族が訴え「ひき逃げを厳罰に」

遺族が訴えたのは、悪質な交通違反の厳罰化でした。4年前にひき逃げ事故で息子を失った江別市の両親が、改正道路交通法の審議が進む国会で、飲酒運転やひき逃げなどの厳罰化を訴えました。

(高石洋子さん)「拓那ががんばれと言ってくれているので…」

江別市の高石さん夫妻です。悪質な交通違反の厳罰化が審議されている国会・参議院から参考人として出席を求められました。高石さんは4年前、息子の拓那さんをひき逃げで失いました。新聞配達に向かっていた拓那さんの命を奪ったのは飲酒運転のクルマ。運転手は、飲酒の発覚を恐れて、逃走しました。

裁判で男に下った判決は、懲役2年10ヶ月でした。

(高石洋子さん)「この裁判で学んだことは飲酒運転したら逃げた方が得で刑が軽くすむということ」
逃げ得は許さない―。高石さんは、刑をもっと厳しくするべきだと訴えてきました。国会では現在、悪質な交通違反の厳罰化について審議をしています。ひき逃げの罰則は、これまでの倍の懲役10年ーさらに懲役7年の「自動車運転過失致死傷罪」が新たに設けられる見込みです。しかし、懲役20年の危険運転致死傷罪と比べても罪が軽くなっています。

(高石洋子さん)「悪質なドライバーに逃げ得を許す現行法を改めなければ助かる命を見殺しにするひき逃げ犯はなくなりません。飲酒ひき逃げに対して逃げ得とならないよう、より厳罰が下される関連法改正を要望します」
(高石洋子さん)「ものすごい緊張しました。ここに来て下さった方には通じたと思っています」
国会議員に自らの思いは伝わったはずだと話した高石さん―。逃げ得を許さないという姿勢を法律に反映して欲しいと話しています。
(2007年4月12日(木)「どさんこワイド180」)

2007/6/14 「北海道新聞」
酒類提供者に罰則
同乗者も 改正道交法成立へ

飲酒運転の厳罰化などを柱とした改正道交法が十四日午後、衆院本会議で可決、成立する。酒類や車両の提供者とともに、同乗者に対する罰則を新設し、ひき逃げの罰則も強化した。九月にも施行される。
同法は、酒酔い運転の罰則上限を現行の「懲役三年または罰金五十万円」から「五年、百万円」とし、酒気帯び運転は「一年、三十万円」を「三年、五十万円」に引き上げる。飲酒運転者への車両提供は、運転者と同等の罰則とし、酒類提供は運転者が酒酔い運転をした場合は「三年、五十万円」、酒気帯びは「二年、三十万円」。同乗者は、運転者に同乗を要求、依頼した場合に、酒類提供者と同様の罰則とする。 ひき逃げは「五年、五十万円」を「十年、百万円」に引き上げ。飲酒検知拒否は「三カ月、五十万円」で、懲役刑を新設する。このほか、七十五歳以上の高齢者に認知機能検査と高齢者標章「もみじマーク」の表示を義務付け。聴覚障害者には車両へのワイドミラー装着を条件に、普通免許取得を認め、障害者用の標識表示を義務付ける。
後部座席のシートベルト着用も義務化し、子供などの歩道での自転車通行を認める。
飲酒運転などの厳罰化は二○○一年六月の同法改正(○二年六月施行)以来、六年ぶり。今国会では、自動車運転過失致死傷罪を新設した改正刑法も成立している。

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2008/01/27 北海道新聞朝刊全道
飲酒・ひき逃げ「厳罰を」 全国連絡協、名古屋で署名活動(01/27 07:07)

飲酒運転で人身事故を起こした後、飲酒の事実を隠すために加害者が現場から逃げる事件への厳罰化を求める署名活動が二十六日、名古屋市中村区の名古屋駅近くで行われた。飲酒事故で亡くなった人の遺族らでつくる「全国連絡協議会」の会員らが街頭に立ち、約四千百人分の署名を集めた。
二○○三年に飲酒運転によるひき逃げで二男を失った江別市の主婦高石洋子さん(45)や、大型トラックの追突事故で幼い娘二人を亡くし署名活動で危険運転致死傷罪の新設につなげた同協議会幹事の井上保孝さん(57)ら約三十人が参加。「危険運転致死傷罪の適用を免れるために逃げ、結果的に罪が軽くなるのはおかしい」と通行人に署名を呼び掛け、チラシを配った。
高石さんは「身近な問題として認識してもらえるよう、今後も活動を続けたい」と話していた。
同協議会の署名活動は十カ所目。二十七日も名古屋駅周辺で活動する。

2008/08/24, 北海道新聞
飲酒運転事故 逃げ得させぬ 遺族ら署名活動

飲酒運転の加害者が起こした交通事故で家族を亡くした遺族らでつくる「遺族・関係者連絡協議会」の会員約三十人が二十三日、飲酒運転のひき逃げ犯を厳正に処罰することを求める署名活動を札幌市内で行い、「法改正して、ひき逃げした方が刑が軽い現状を変えるべきだ」と訴えた。
飲酒運転によるひき逃げで次男を失った江別市の高石洋子さん(46)らが、亡くなった家族の写真を掲げて署名を呼びかけると、大勢の買い物客が応じた。
飲酒運転で人身事故を起こすと危険運転致死傷罪(最高懲役二十年)に問われるが、逃走し、酔いがさめた後に逮捕されると飲酒が立証されず、道交法違反のひき逃げ(同十年)として刑が軽くなるのが問題と同協議会は主張している。
二十四日も札幌市中央区南一西三の街頭で署名活動を行い、署名は法相に提出する。
【写真説明】飲酒運転でのひき逃げに厳罰をと署名を呼びかける交通事故被害者の遺族ら

2008年12月18日 北海道新聞
ひき逃げに厳罰を 法相に4万人の署名

飲酒死亡ひき逃げ事件の犠牲者の遺族らが17日、法務省に森英介法相を訪ね、厳罰化を求める4万1837人分の署名を提出した。
同省を訪れたのは、高校生だった次男=当時(16)=を亡くした江別市の高石洋子さん(46)が共同代表を務める「飲酒・ひき逃げ事犯に厳罰を求める遺族・関係者全国連絡協議会」のメンバーら19人。署名提出は6回目で、累計で44万人分余りとなった。森法相に署名を提出した後、佐藤悦子共同代表は、現場から逃走した加害者が結果的に危険運転致死傷罪を逸れている現状について「逃げ得を許してはならない。早急な法改正を」と、訴えた。法相は「悲痛な体験をされたみなさんの切実な要請。重く受け止め対応する」と答えた。

2009/05/19, 北海道新聞
飲酒ひき逃げで息子失った江別・高石さん夫婦
「逃げ得」署名で変えたい 厳罰化 法改正へ45万筆

ひき逃げで次男を失った江別市の高石弘さん(47)、洋子さん(47)夫婦が二〇〇三年から取り組んできた飲酒・ひき逃げに厳罰化を求める署名が十七日までに、四十五万筆を超えた。十六、十七の両日には、十五日に福岡高裁で判決が言い渡されたばかりの福岡市三幼児死亡事故の両親とともに、鹿児島市内で署名活動を行い、九千二百三筆を集めた。
高石さん夫婦は、遺族らでつくる「飲酒・ひき逃げ事犯に厳罰を求める遺族・関係者全国連絡協議会」の共同代表。福岡の三児の両親大上哲央さん(36)、かおりさん(32)夫婦も裁判の過程で協議会に入り、一緒に活動してきた。
洋子さんは十五日の高裁判決を傍聴。危険運転致死傷罪の成立を認め、懲役二十年を被告に言い渡した後、大上さん夫婦と「裁判所が一般の国民も遺族も納得できる判断を示してくれた」「後は飲酒ひき逃げに関する法律の改正を」と語り合った。鹿児島での署名活動では街頭で「頑張ってね」という激励を数多く受けたという。
危険運転致死傷罪の罰則は最高で懲役二十年だが、ひき逃げの方が最高刑が軽く、飲酒の事実を隠すために現場から運転手が逃げるケースが相次いでいる。福岡の事故でも飲酒していた被告は逃げ、水を飲んでから現場に戻ったとされる。
高石さんの次男、拓那さん=当時(16)=は〇三年、新聞配達のアルバイトに向かう途中、ひき逃げされ死亡した。半日後に逮捕された運転手は飲酒を認めたが、酒酔い運転は立証できず、危険運転罪は適用されなかった。
高石さん夫婦と拓那さんの同級生たちは法改正を求める署名を展開。江別で始まった活動は〇五年、同協議会に発展して全国に広がった。これまでに四十万筆超の署名を法務相に提出し、ひき逃げの罰則強化を柱とする道交法改正につなげた。ただ、改正後も飲酒ひき逃げの最高刑は十五年。協議会は来春までにさらに署名を募り法務相に届ける方針だ。高石さん夫婦は「事故を起こして被害者を見捨てた人が『逃げ得』となる法律は絶対に変える。拓那のために、応援してくれるみんなのために運動を続ける」と力を込める。
【写真説明 PDF】「逃げ得となる法律は絶対に変える」と話す高石弘さん、洋子さん夫婦

2009/06/10, 北海道新聞 札幌近郊版
「こんな思い誰にも…」輪禍死生徒の母が講話 大麻高

【江別】飲酒運転によるひき逃げで2003年に次男拓那さん=当時(16)=を失った高石洋子さん=江別在住=が9日、大麻高校(喜多清彦校長、1106人)で交通安全講話を行い、「こんなに苦しい思いを誰にもしてほしくない。自分の命を大切にして」と輪禍防止を訴えた。
同校でも昨年8月、当時2年の女子生徒がトラックにはねられて亡くなる事故があり、生徒に交通安全への意識を高めてもらおうと行われた。高石さんは「悲劇をなくすために」のテーマで講演。中学、高校とバレー部の練習に汗を流し、新聞配達も頑張っていた拓那さんを襲った悲劇に「今も毎日涙が出る」と声を振り絞った。
「息子の死という地獄の中で法律とも戦わなくてはいけなかった」と振り返り、飲酒ひき逃げの厳罰化を求める署名活動を続けていることや、友人たちが活動を手伝ってくれていることを説明。その上で「事故に遭えば悲しむ人が大勢いる。まず自分の命を守りましょう」と呼びかけた。生徒会長で3年の水野星良さん(17)は「自分も昨年同級生が亡くなり、信じられない気持ちだった。高石さんの話を聞いて、あらためて飲酒運転の撲滅が必要だと思った」と力を込めた。(相川康暁)
【写真説明 PDF】交通事故の被害者をなくすため、全校生徒に命の大切さを訴えた高石さん

2010/6/22【TBSのニュースより】
22日19:06 TBSのニュース報道から

飲酒運転で人身事故を起こした加害者が事故後に逃げて、酔いが冷めた後に逮捕された場合、加害者には「危険運転致死傷罪」が適用されず、より刑の軽い「自動車運転過失致死罪」などしか適用されません。こうした“逃げ得”に対する厳罰化を求めて22日、飲酒運転事故などの被害者遺族らが千葉法務大臣に8万件あまりの署名を手渡し、「議論するための体制作り」などを申し入れました。これに対し、千葉大臣は「重く受け止める。党の中でも検討を続けたい」と話したということです。【22日19:06 TBSのニュース報道から】

2011/04/19, 北海道新聞(札幌圏)
遺族の悲しみ「忘れないで」警察学校で講演

飲酒運転によるひき逃げ事故で次男を亡くした江別市の高石洋子さん(49)が18日、札幌市南区の道警察学校で講演し、被害者や遺族の悲痛な思いを新人警察官に語りかけた。
新人警察官に犯罪被害者支援の必要性を教えるため、道警が高石さんに依頼した講演会で、同校初任科生と警察相談・犯罪被害者支援専科生の合わせて約260人が出席した。2003年に当時16歳の次男を事故で亡くした高石さんは、「警察官は悲しい事件や事故の現場に立ち会うことが多いが、決して慣れないで」と強調。
「被害者や遺族の悲しみの分かる警察官になってほしい」と訴えた。(丸山格史)
【写真説明】新人警察官に遺族の悲しみを語る高石洋子さん

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