逮捕〜釈放〜判決 TOP


2003/02/04〜05/26の出来事
2003/02/04
4日午後0時半頃、麻薬取締部の捜査員11人が 中島らもの自宅を訪れる。 大麻やマジックマッシュルームの所持、麻薬取締法違反などの現行犯で作家、中島らも容疑者 逮捕。
「(大麻は)自分で置いていた。逮捕前日に吸った。マッシュルームは身に覚えがない」

2003/2/11
妻 美代子さんのインタビュー:
「夫が大麻を吸っていることは知ってました。1〜2カ月前からです。 長く患っている躁鬱病の躁状態が出まして・・・。私が無理にでもやめさせるべきでした」

・マジックマッシュルームは?
「ファンの人からいただいて、夫は5〜6年前に食べていました。 それから私が冷凍庫にしまっておいて。違法になってからも入れたままにしていました」

・逮捕時の状況
「私たちは寝ていて、泥棒か何かが入ってきたと思いました。 気が付いたら捜査員の方々が家の中で立っていました」

2003/2/25
保釈請求が大阪地裁に認められ、大阪拘置所を出所。 妻美代子さん,長男晶穂さんがお迎え。中島被告は驚くほどのハイテンション。

「日本全国民善男善女、ことに読者の皆さま、出版社、知人、友人、妻、子供、 飼っている犬、猫、ハムスター、すべての動物たち、留置所、拘置所の悪党たち、 伏しておわびを申し上げます。とにかくざんきの念に堪えません。」と深々と頭を下げた。
「大麻解放論者だが、法治国家の日本では吸わないと著作で公言していたのに、 魔が差して大麻を吸ってしまいました。オランダ・アムステルダムで吸うべきでした。 自身の法に照らして、アメリカ式に56億7000万年の刑に処します」

2003/2/28
持病の躁病の治療のため、大阪市内の病院に入院中。 本人の希望で保釈前から入院手続きを行っていた。 時折、躁状態が出る以外は健康上問題はなく、投薬治療を受けている。 落ち着いているときには原稿用紙に何か書いている。

2003/04/14 am11:20
大阪地裁で初公判。中島被告は「相違ございません」と起訴事実を全面的に認めた。

冒頭陳述 検察側:
19歳で大麻を使い始め、21歳のときには自分で栽培して数十キロ単位で収穫し友人に 分けていたことや、作家になってからは外国で使っていたこと、「大麻解放論者」で 妻や息子から再三注意を受けても耳を貸そうとしなかったと指摘。

検察側は懲役10月を求刑、弁護側は執行猶予付き判決を求める。

被告人質問 中島被告:
「大麻は一つの文化」「日本の大麻取締法は根底的にナンセンス」 「こういうことで捕まって懲罰を受ける、こんな馬鹿らしいことはない」 「金輪際大麻には手を出さない」

最終意見陳述 中島被告:
「少年少女から相談を受ける立場がこのような罪を犯したことを反省している」

2003/05/26 am10:00
大阪地方裁判所804号法廷にて判決公判。
「読者に与えた影響は軽視できないが、今後は執筆活動で信頼を回復すると誓い、 被告なりに反省している」として、懲役10月、執行猶予3年を言い渡した。

判決によると、中島被告は2月4日、自宅で大麻6.496グラムを所持。 本人いわく「ギザギザとした精神」になってしまったため、妻や息子の 制止にも関わらず、国内でも常用するようになり、依存するようになっていた。 厚生労働省近畿厚生局麻薬取締部は今年に入り、中島被告が大麻を使用しているとの情報を受け、 被告の自宅を捜索、大麻などを押収。大麻取締法違反などの現行犯逮捕。

おぼつかない足取りで入廷した中島被告は灰色のシャツに黒いジーパン姿。白髪混じりのロングヘア。 机に寄り掛かるように両手をついて判決を待った。有罪が言い渡されても姿勢を変えず、 判決理由に聞き入った。 小雨の中、中島被告のファンら約100人が傍聴券を求めて列をつくった。

兵庫県宝塚市の自宅に戻った中島らも(報道陣に対して):
「裁判に時間がかかり、拘置所に20日、(そう病治療で)病院に70日。100日をムダにした」 「その間毎日裁判のことを考え、実刑も覚悟した。いまは虚脱状態」 「大麻に習慣性はなく、気持ちが穏やかになるピースフルなドラッグ。 シャブは最低だけど、大麻は文化。茶道のように楽しみ方や風情がある」 「僕の言い分をわかってくれた裁判官は85点」と、らも節全開。

「囚人の『囚』の字は箱の中の人と書くが全くそのとおり。 気温4度の独房でおかしくならないためには自分(の内面)と遊ぶしかなかった。 もう2度とごめん」

閉廷後、兵庫県宝塚市内の自宅で中島被告は拘置所での体験を 「牢屋でやせるダイエット」(仮題、青春出版)としてまとめ、 7月に出版するプランを語り、作家活動の再開を明言。 題名と反対に、実際は2キロ太った。朝食で吉野屋の牛丼を食べたりして太ったらしい。 らも「(本の題名は)まあ皮肉ですわ」。

出版元の青春出版:
「今回の事件や独房での心の変化をつづったもので、決してふざけた内容ではない」

今後1年で10作の執筆構想あり。作家活動に没頭の予定。


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