radioactive放射性鉱物の取扱と保管radioactive

放射性鉱物の安全取り扱いの決まり



 放射性鉱物を安全に取り扱うための「お約束」をドイツ「Lapis誌」の過去の記事を参考に私なりに考えてみました。

  ◎◎放射性鉱物の取り扱い10のお約束◎◎
第1条

 放射性鉱物を所有するコレクターは、最低1つは放射線測定器を持つべきであり、それを用いて所有する放射性鉱物を「放射能の強さ」で分類をします。単位質量あたりの強さではなく「1つの標本」として測定します。20cmほど離れてバックグランドの20倍を越えるような物を「高レベル放射性鉱物標本」とし、それ以下を、「中レベル放射性鉱物標本」、バックグランドと同程度の物を「低レベル放射性鉱物標本」などとして、強度別に分類をします。
第2条
 放射性鉱物は子供の手の届かないところに保管し、放射性鉱物に興味のない鉱物コレクターを含め一般の人がみだりに振れることがないようにしなくてはなりません。
第3条
 放射性鉱物はもろい物が多いので、取り扱っている最中に崩れてしまうことがあります。なので、この破片が体内に入らないように取り扱うときは広いテーブルなどで作業し、手袋をして場合によってはマスクを着用します。手袋はα線の被ばく防止のほか、手からの経口汚染や作業中に鼻を触ることから来る経鼻汚染の防止になります(人は無意識のうちに結構鼻を触っているんですよね、でも手袋をしていると意識的にそれがなくなるわけです)。マスクは吸入のほか自分の息で粉塵が飛散することを防ぎます。当然、作業中の飲食、喫煙は厳禁です。また、作業終了後は必ず手を洗います。
第4条
 放射性鉱物を使って粉塵の出るような作業をするときは、より厳重かつ慎重に作業を進めなくてはなりません。あらかじめ作業内容が分かるときは、似たような放射性でない物で予習をし本番の作業に臨むべきです。
第5条
 作業終了後は、放射性鉱物が飛散しないように容器に入れ保管します。また、直接取り扱う作業は最小限にし、また、まとめてやるようにして、取り扱う時間をなるべく少なくするようにします。
第6条
 鉱物標本ラベルには、放射性であることを明記しあわせてその放射能の強さのレベルも記しておくこと。
第7条
 放射性鉱物の標本はできる限り小さい物として、また、同じ物を集めない。
第8条
 放射性鉱物の保管は、非放射性の鉱物とは別にしてなるべく人が常時いる場所から離れた場所で保管する。
第9条
 放射性鉱物に興味のない人々に放射性鉱物を見せびらかさない(直接という意味です)。また、放射性鉱物を人に譲るときは、これが放射性鉱物であるということを十分に説明し理解をしてもらう。
第10条
 放射性鉱物が綺麗であるからといって、うっとりと長い間見つめてはいけません。


以上のようなことを守れば、放射性鉱物ではあるけど楽しく鉱物コレクションができるのではないかと思います。
何か思いついたときは追加するかもしれません。また、「こんなのも必要でしょう」ということがあれば教えてください。


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