トルクフルードの補充/交換方法

S301BH、S601型車等のトルコン装備車の発進、加速が悪くなりエンジン回転は
上がるが力不足になったときはトルコンフルードの減少が考えられる。
   オイルの補充と交換方法について解説する。

1.取扱の注意事項 ★トルクフルードの補充/交換には次の事に注意すること。
 1.エンジンが冷えた状態で行うこと。
 2.フルードに水分が混入しないように
  注意する。雨降りに交換、補充は行わ
  ない。
 3.フルードは適正な種類を選び、
  混用はしないこと。
2.適正なトルクフルードは? ★S301BH,S601に装備されているトルクコンバーターは自動車用のものに比べて小規模なもので、これに使用するトルコンフルードの粘性がコンバーターの性能、内部温度の上昇等に大きく影響する。
★自動車用のトルクフルードは粘度が高く使用は好ましくない。
★現在市販されているフルードでラビットスクーターに適するものは、
   *昭和石油 トルクフルード L
   *出光石油 ダフニー A 
の2種類あるがいずれも 20L 缶での販売となっている。また、昭石フルードは既に製造中止され在庫のみの販売となっている。
3.フルードの補充/交換時期 ★トルコンオイルは新車の時3000Km走行で一度交換すれば以後は補充のみで交換の必要は無い。但し、異なる種類を補充するのは避けること。使用している種類が分からないときは全量交換するのが良い。
★エンジンの回転は上がるが力不足の時、フルードがトルコンユニット付近から漏れてくるとき、 チェーンケースのオイルが増えてくるとき等にはトルコンユニット内のフルードが減少している事が考えられるので以下に述べる方法で補充する。
★タンクにフルードが残っていてもトルコンユニット内が満タンになっているとは限らないので注意が必要。
4.フルードの補充方法


★リザーブタンクのキャップを外す。
★トルコンユニットの2ヶ所の盲栓のどちらかを上側にして六角ボルト一本を外す。A参照
★タンクの油量表示「H」までフルードを入れる。ゆっくりとトルコン内部に入っていくので時間がかかるが、穴から出てくるまで続ける。
★フルードが漏れてきたら指でふさぎ、トルコンを左右に45度程度振り廻す。指を離し、継続して漏れてくるまで何度か繰り返す。
★盲栓を締め、タンクの「H」レベルまで補充する。それ以上は入れないこと。@参照
★リザーブタンクのキャップを取り付ける。
フルードの補充だけなら作業はこれで終わり。

5.フルードの交換 − 抜き取り ★1 リットル程度のボールを準備しトルコンユニットの下側でフルードを受ける。
★リザーブタンクのキャップを外す。
★トルコンユニットの2ヶ所の盲栓のどちらかを上側にして六角ボルトを外す。
トルコンユニットを廻して外したボルト穴を下側にしてフルードを抜く。
★最後にトルコンユニットを左右に振り中に残っているフルードを出す。
 
6.フルードの交換 ー 充填 ★充填するフルードは抜き取ったものを再使用する事が出来るが、空気中の水分の少ない冬季以外は新しいものに交換するのが望ましい。
★トルコンユニットの盲栓の穴を上側にしてリザーブタンクにフルードを一杯注入する。徐々にレベルが下がっていくので「H」レベルになったら再度一杯までいれる。3回目はタンクの半分程度迄入れる。
★それ以降は 4 項と同じ要領で補充。
★フルードの全量は 約800cc。
7.フルードの入手 ★フルードは 20 L 缶で販売されているので一般的な使用には多すぎる。
★ラビットハウスでは、1 L 容器に入れたものを販売している。
 
 

   昭石 トルクフルード ”L ”  1 リットル容器入り