S301 B型車 キャブレターからの燃料漏れ対策
キャブレターからガソリンが漏れ出す原因は
1.ニードルバルブが摩耗しバルブシートとの締まりが悪くなった。 2.バルブシートの締付が悪い。 3.フロートに穴が開きガソリンがフロート内に溜まった。 4.チャンバーガスケットの劣化 5.燃料チューブジョイント部の緩み 6.メインジェット O−リングの劣化 等がある。これらの修理方法について解説する。 ★それぞれについては写真を参照。
1.キャブレターの分解 ★チャンバー上部の6本の4mmビスを外すとフロートチャンバーカバーが外れる。
★フロートを止めているピンを横から押すとフロートが外れる。この時ニードルも外れるので紛失しないよう注意する。
★フロートを振ってみて内部にガソリンが入っている様な時は4項に進む。![]()
2.ニードルの点検 ★永く使用したニードルバルブは円錐状の部分に段付摩耗が見られバルブシートとの閉まりが悪く燃料漏れの原因になる。また、長期間放置されていたラビットはキャブレター内部のオイルが変質しニードルに付着し完全に閉じないこともある。
★段付摩耗を研磨で修復するのは難しく、バルブシートとセットで交換するのが良い。部品はラビットハウスで販売している。
3.バルブシートの取り外し ★フロートを取り外した後、10mmのソケットレンチでバルブシートを締める側(右回り)に廻してみる。この時廻る様であればここから僅かずつ漏れていた可能性がある。
★左に回してバルブシートを取り外してニードルバルブとセットで交換する。
★これで終わるときは、9項へ進む
4.フロートが悪いとき ★フロートにガソリンが入っているときは、どんぶり鉢位の大きさの容器に50℃程度のお湯を入れる。
★フロートをこの中につけると泡が出てくるので出てくる場所を確かめておく。お湯の温度をあまり高くするとフロートに損傷を与えることもあるので注意が必要。
5.フロートの修理 ★30W程度の半田鏝を準備する。
★フロートの真ん中についている空気穴の半田を外し、穴が開いているのを確かめる。
★この穴を下向きにして中のガソリンを出す。
★コンプレッサーがあればエアーを横向きに吹き出してイジェクト効果で吸い出す。
6.半田付けをする ー 1 ★4項で確認した亀裂(又は穴)の部分を半田で修理する。複数の穴がある場合は注意深く全て半田でふさぐ。
半田付けは出来るだけ少ない量で手際よく行う。多いと浮力が少なくなる。
7.半田付けをする ー 2 ★どんぶりに冷水を入れる。夏なら氷を入れ冷やす。
★フロート内部の空気の膨張を防ぐため中央の空気穴を上にして冷水につける。穴から水が入らない程度にする。
★手際よく半田付けして元のように穴を防ぐ。半田鏝を長くつけると空気が膨張して出てくるので素早くつけるのがコツ。
8.確かめる ★どんぶりの中身を50℃のお湯に換える。
★4項と同じようにフロートをつけて気泡が出ないことを確かめる。
★もし、気泡が出たときは5項以降を繰り返し行う。
9.フロートレベルの点検 ★左図の様にフロートレベルを合わせる。必要ならベロの角度を変えて調整する。
10.組み付け ★ニードルバルブ、フロートを取り付けてチャンバーを組み込む。4mm ネジ 6本は均等に締め付ける。。
★チャンバー合わせ面のガスケットに欠損があるときは交換する。部品が必要な時はここにある。
★ドレンポートにはドレンホースを必ずつけておくこと、燃料漏れの生じたときには箇所の特定に役立つ。
11.後記 ★S301 B型キャブレターは、これまで述べた処置を行ってもキャブレター付近は、いつもガソリンで湿っている。これはチャンバーの上部に空気抜き穴(通称 エントツ)から車体のバウンドなどで若干漏れてくる。ポト ポトと落ちて来なければ良しとする事。 ★キャブレター関係の部品についてはここを御覧頂きたい。