S301 ストップスイッチの修理法

   
1.まえせつ     ストップスイッチの故障の大半はプランジャー(中心の可動シャフト) が固着し動かなくなりストップランプが点灯しなくなる。また、内部に侵入した水分が接点、スプリングなどを腐食させ電気的な接触不良を起こすこともある。
いずれの問題もスイッチを分解の上整備する必要がある。       

2.ストップスイッチの分解 ストップスイッチは4個のリベットでブラケットに固定されている。5.2mm のドリルでリベットの 頭を飛ばす。ブラケットの皿の部分を貫通させないようにドリルは軽く当てる。
3.内部の汚れ スイッチ内部は永年の垢がたっぷりたまっている。
頭のとんだ4本のリベット本体はピンポンチで軽く叩けば抜け落ちる。
4.固着した部分を外す プランジャーの先端をバイスに挟み固定する。スイッチ側は樹脂のため無理をすると破損するので ウエスなどで保護した上プライヤーで挟みゆっくり回転させる。ほんの僅かでも動けばしめたもの、潤滑剤(CRC5-56等)を入れ、急がずゆっくりと 動く幅を大きくして行く。スイッチが1回転すると成功。あとは抵抗無く回転するようになるまで動かしてやる。    

5.内部の構成部品 内部は6個の小さな部品で構成されている、サークリップを含め紛失するとあとが厄介のため 注意すること。可動接点の向きも良く覚えておき組み立ての時迷わないようにする。スプリングが折れているときはホームセンターで 線径0.5mm、直径5mm、長さ35mmの押しバネを買ってきて(100円位)適当な長さに切って代替えとして使う。
6.内部のクリーニング 残った錆は次の錆を呼ぶことになるので各部品を納得するまで清掃する。
7.スイッチの組み立て 分解したときの逆順序で組み立てる。スイッチリーフの力が劣化しているときは0.5mm程度の 薄く固い紙を小さく切って写真のようにはめ込み補強する。内部は錆の防止と接点保護のためグリスを薄く塗って おくと良い(写真の場合はシリコングリスを使用)

8.出来上がり スイッチ本体のブラケットへの取り付けは3mmx30mmの皿ネジで行う。4本のネジを均等に 締め付けて長い部分をニッパーでカットする。切り口はとがった部分のみヤスリで成形しておく。ネジのゆるみ 止めにもなるので余りきれいに仕上げない方がよい.
9.代替え部品 ストップスイッチが蘇生出来ないときは最近のバイクのサイドスタンドスイッチを流用すると良い。 取り付け穴が異なるのでブレーキペダル部分に穴をあける必要があるが比較的簡単に加工できる。