連載企画  



第1回  辻 徹さん (旧305)

「辻くん」と言えば無口でハードボイルド、なんとなく「理系」のイメージですが、高校卒業後は東京芸大工芸科に進学しと聞いて驚いた人も多いはず。在学中は創作のかたわらジャズ演奏に熱中、ドイツ公演もこなすなど「熱い」キャラクター全開でした。現在は工芸作家として活躍、茨城県の美和村に工房を構えます。

写真は辻さんの作品
上から「たも拭漆座卓」
「朱漆十二角卓」
「欅拭漆円卓」

■あなたの「お仕事」はなんですか?

木と漆を素材に、注文家具、漆器(椀や盆など)、茶道具などの製作をする。
 

■「お仕事」の醍醐味、難しいところ

何を作り出していくか、また、どのように販売していくかが問題。
物を作る過程ももちろんですが、現代の生活が求めているものを感じ取り、伝統的なデザインを参考にして、何を作るのかを決めていきます。
 

■一日の予定表えを教えてください。

5:30 起床、PCにて確認作業等
7:00 朝食
8:00〜19:00 工房にて作業
(忙しいときは21:00頃まで)
20:00 夕食、酒など
23:00 就寝

ストレスもなく、健康的な生活だと思います。
 

■いままででいちばん気に入っている「お仕事」は?

過去のものが良かったということはまずありません。
最新作が最高のものと思って頑張って製作していますが、次のステップではそれも過去のものになってしまいます。
作品を作り出すということは、そういうことではないでしょうか。

■今、いちばん気になっていることは何ですか?

昨年より日本伝統工芸展への出品を始めました。。
工芸品として完成度の高さを求めることは、すべての製作に影響を与えるし、伝統工芸という概念と現代の造形とのせめぎあいの部分にもいろいろと考えさせられるところがあります。

もうひとつは茶道。過去の私を知る人には想像もつかないでしょうが、月に2回は着物を着て、茶事茶会へと出かけております。日本の総合芸術として、茶道具はもとより、料理や所作に至るまで学ぶことが尽きることはありません。
 

■自分にとって「敵」はなんでしょう?

敵はただひとつ、自分の中に。自分に対する驕り、自分に満足してしまうこと。
 

■今後の予定を教えて下さい。

平成20年5月8日(木)〜13日(火) 大同ギャラリー(札幌)にて個展開催の予定。
同時期に札幌三越にて伝統工芸新作展開催

 

■楽しみですね。ありがとうございました。


辻 徹さん プロフィール

1963 札幌市生まれ 
1990 東京芸術大学大学院漆芸専攻修了
1991 高岡短期大学木材工芸専攻研究生修了
1994-1999 高岡クラフト展、札幌芸術の森クラフト展、石川国際漆デザイン展など公募展に出品
1996 有限会社WARE WOOD WORK設立
1999 札幌にて初個展 以降個展を中心に作品発表
2006 伝統工芸新作展、初出品にて新人賞
2006 上野芸大美術館にて日韓漆アート展



辻徹さんのお仕事を知りたい方は:WARE WOOD WORKのページ

2007年六華同窓会総会・懇親会
日程 :2007年10月27日(土)
場所:札幌パークホテル
多くの皆様のご参加をお待ち申し上げます。

くわしくは
こちらまで。