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動物の宝物

多くの動物は、・・・少なくとも生きた宝石と呼ばれる動物は、人間にとっての宝物といえよう。

一方、動物にとっての宝物というものはあるだろうか。
動物に言葉は無く、当然宝物という言葉もない。したがって宝物の概念も、意味も持たない以上、動物にとっての宝物などはあるとはいえないことになる。

しかし動物にとって「必要なもの」はある。
食べ物を始め、動物が生きて行く上に必要な諸々のものは動物の必要なものである。つまり動物の命に関るものは動物にひつようなものである。

であるなら、動物にとっての「宝物」も無いと言い切ってしまうことは出来ないのではないだろうか。
また、動物にとって「意味」が無いとも断言できないのではないだろうか。
たいていの動物が子供を扱う様子は人間が子供を扱う態度と変わらない。人間が子供を宝物と思っていて、まさに子供を扱う態度が宝物を扱う態度であるのなら、動物にとっても子供は宝物であると言って差し支えないようにも思える。

子供、子宝は動物にとっての唯一の宝物であると言えるのかもしれない。動物はいわゆる本能に従って子供を育てると言われる。この本能とは一体何か。

本能とは少なくとも物理法則ではない。

外面的に見れば、動物にとって子供が宝物であると言う事は、動物にとっても子孫、種の存続、繁栄を保証するもの、永続性こそが最高の目的であるという、生物学的な常識であって何の不思議もない。


動物にとって宝物があり、さしあたって子供が動物にとっての唯一の宝物のように見えるということ。ここからも何か考察、思索の端緒が開かれて来そうな氣がする。

宝物は人間にとってのみに宝物であるのではなく、もっと人間を超えた普遍的な宝物といったもの、そういった概念があるのかもしれない。さしあたりそれは生命、人間、動物を含めた生命というものに共通する宝物である。